DLC工業会設立準備室は、「一般社団法人DLC工業会」を設立(今年6月に登記済み)、平成29年度から正式に活動を開始する。これに伴い同工業会では、企業会員の募集を開始した。募集する対象としては、DLC関連企業(成膜装置メーカー、受託加工業、DLCユーザー)や薄膜評価分析関連の企業、その他のDLCに関心がある企業、としている。
DLC工業会は、DLC産業界の発展、新規格を利用した産業界の活性化、関連機関・団体との交流や国際交流、エンドユーザーとの連携活動促進を目的としている。入会金は5万円で、年会費は1口10万円。
同工業会の前身は、(一社)ニューダイヤモンドフォーラム(NDF)内に設置されたDLC標準化特別委員会で、DLCの国際標準化に関する実務を行う組織として活動。DLCに関わるISO、JIS等の標準化・規格化に必要な情報交換、国内外の諸機関との意見交換・調整などを平成25年度から行ってきた。
NDFの特別委員会で主に取り組んできたISO標準化の具体的な内容は、①DLC膜を4種に分類(カーボン膜全体で6種類)、②DLC膜のボールオンディスク法による摩擦摩耗試験の規格化、③DLC膜の分光エリプソメトリーによる光学特性分類――の3項目。この中で最も進展しているDLC膜のボールオンディスク法による摩擦摩耗試験の規格化については、日本が提案した内容の規格FDIS(ファイナルドラフト)が承認され、DLC関連としては世界初となるISO規格「ISO 18535 Diamond-like carbon films -- Determination of friction and wear characteristics of diamond-like carbon films by ball-on-disc method」が今年3月15日に発行されている。また、DLCの分類提案についてもドイツとの共同提案により現在進行中で、今後約2年でISO規格化を目指す。さらに、DLC膜の分光エリプソメトリーによる光学特性評価法についても今年中に規格提案を行う予定だ。
DLC工業会では、これら活動を引き継ぎつつ、業界規格の制定と規格適合証明書の発行やDLCに関する知見を持った大学や各種研究機関との連携促進を行うことなど、DLCのさらなる適用拡大を図る活動を実施していく。
問い合わせ・申し込み先
一般社団法人DLC 工業会(担当:田中章浩)
E-mail: info@dlck.org
TEL: 04-7135-6221/FAX: 04-7135-6231
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