日立ハイテクノロジーズ( http://www.hitachi-hightech.com/ )とフィンランド・Picosun Oy(ピコサン社)は、プラズマを利用して複数種の原料を交互に供給することで、原子を堆積させる(原子層堆積:Plasma-Enhanced Atomic Layer Deposition:PE-ALD)半導体デバイス用成膜装置の共同開発を開始した。
同装置に搭載予定の共同開発によるマイクロ波ECR (Electron Cyclotron Resonance) プラズマを用いたALD技術は、半導体デバイス製造時の成膜工程で、微細化や三次元構造への対応を実現するという。
昨今、半導体デバイスの技術革新は急激なスピードで進み、微細化や三次元構造化など、さまざまな先端技術が日々進化を遂げている。それに伴い、半導体製造プロセスの一環である成膜工程の技術も進化し、近年はアスペクト比が高い構造体などへの成膜が得意なALDの活用が進んでいる。しかし従来のALDでは、膜質劣化の懸念から成膜工程の低温化が制限されていた。
現在、両社で共同開発中のPE-ALD装置は、日立ハイテクのマイクロ波ECRプラズマ技術とピコサン社のALD技術を組み合わせることで、プラズマによる成膜反応を促進させ、既存のPE-ALD装置よりも低温で高品質の膜を生成することができるという。低温で高品質成膜が可能となったことで、今後の多機能化・微細化・三次元構造化・薄膜化に対して有力な解決策となる。 現在、複数の膜種について評価中であり、窒化膜や酸化膜などの膜については、300mmウエハを用いて優れた膜質を確認済みだという。