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SEMICON Japan 2024

 

都産技研、東京イノベーション発信交流会を開催

 東京都立産業技術研究センター(都産技研)は2月16日、東京・青海の都産技研 本部で「東京イノベーション発信交流会」を開催した。ビジネスパートナー発掘を目的に開催された同交流会では、航空機や医療機器、自動車、メーカー、防災、二次電池、シート・フィルム、食品やロボットなど幅広いテーマでソリューションを発信する70社の企業が出展、表面改質関連では以下の出展があった。

・上島熱処理工業所…航空機部品や歯科医療機器での熱処理品の用途例を示したほか、イオンプレーティングによる表面硬化処理「Ti-Coat」を適用した射出成形用スクリュー部品や打ち抜きパンチなどを展示。そのほか、摩擦圧接加工やエアロラップ処理などを紹介した。
上島熱処理工業所の展示のもよう上島熱処理工業所の展示のもよう

・ナノコート・ティーエス…金型の離型力や型汚れを低減、金型洗浄や除去作業などの保守頻度を減らす樹脂レンズ成形金型向け「セルテスN-S」の処理品などを展示した。また、PVDとプラズマCVDのハイブリッドプロセスにより高密着力を可能にしたほか、多層構造で耐荷重性・耐衝撃性を高めた「セルテスDLC」の歯車や軸受部品などへの適用例を示した。
ナノコート・ティーエスの展示のもようナノコート・ティーエスの展示のもよう

・フジメタル…炭素と塩素で構成されたテトラクロロエチレンガスを用いて成膜した塩素含有DLC膜を紹介。摩擦熱による摺動界面における塩素系反応膜(トライボフィルム)の形成によって、摩擦係数を従来のDLC膜に比べ約50%削減できることから、潤滑油が使えないドライ環境でも優れた摩擦特性を実現できるとした。
フジメタルの展示のもようフジメタルの展示のもよう

 出展企業プレゼンテーションでは、ナノコート・ティーエス社長の熊谷 泰氏が「次世代樹脂離型コートと水素バリアコート技術」と題して講演。純水接触角が大きく仕事関数が大きいほど汚染物質と反応しにくく離型力が小さく汚れにくくなることから、大きな接触角と仕事関数を示すCrN系多層膜「セルテスN-S」が樹脂レンズ成形金型の離型性・型汚れ改善に有効であることを示した。また、電気通信大学との共同研究により開発された「水素バリアDLCコーティング」を紹介。SUS316鋼材に比べ水素透過率が1/1000以下で母材の水素脆化を防止できることから、燃料電池の水素ラインで使われるバルブやセンサなど、水素関連機器への応用が期待できると述べた。
講演を行う熊谷氏講演を行う熊谷氏