メインコンテンツに移動
SEMICON Japan 2024

 

新東工業、省エネ・低ランニングコストの線材ブラスト機を販売開始

新東工業「SMIX-I」 新東工業( http://www.sinto.co.jp/ )は、宮崎精鋼と共同で開発・製造した線材ブラスト機を全面的に改良、従来機と比較して省エネによるランニングコスト低減と作業環境を大幅に改善した新型線材ブラスト機「SMIX-I」として開発、11月から販売を開始した。

 プリンターの精密シャフトなどに使われる磨棒鋼や自動車のボルトやねじなどの素材などに使われる冷間圧造用鋼線を製造する“線材2次加工メーカー”では、用途ごとに扱う製品の種類が多くなる一方で、安定した品質を維持しながらコスト低減するモノづくりが求められている。しかしこうした中、従来機では、OA機器などに使われる快削鋼や自動車部品に使われる特殊鋼などで熱処理の際に鋼表面に生じる酸化皮膜(スケール)の特性が異なるため、鋼種によってブラスト条件を設定するには機械を停止することが必要となり、適正なブラスト管理の実施が難しかった。

 これに対し今回開発した新型機では、製品ごとに最適なブラスト条件を設定できる機能を持たせた“業界初の管理モニタ”を搭載することで、ムダ打ちを低減しランニングコストを抑えるとともに、品質が安定したブラストを可能にしている。この機能により、従来機に比べ消費エネルギーを最大で30%低減するとともに、ランニングコストを20%低減でき、線材2次加工業界におけるコスト低減に貢献できると見られている。

 新型線材ブラスト機の主な特徴は以下のとおり。


  1. 投射電力を最大30%低減:処理する鋼種とスケール状態に合わせて、設定された最適なブラスト条件を選択、投射電力を最大で30%低減するとともに、投射材・消耗品を含めたランニングコストを20%低減できる。

  2. 肌荒れのない高品質な仕上り:ライン速度に追従した投射量を自動でコントロール、過剰な投射を減らすことで、肌荒れのない高品質な仕上りが得られる。

  3. 投射材の噛み込みキズがない:投射室内の線材ガイド内部に投射材を集中させないガイド形状にすることで、投射材による噛み込みキズをなくした。

  4. 投射材の漏れゼロ:機械出入り口部に新タイプのナイロンブラシを搭載することで投射材漏れゼロ(一定の処理条件で0.05g以下/h)を実現、作業環境を大幅に改善させた。




 新型線材ブラスト機「SMIX-I」による処理線径は、従来機と同じφ7~φ38㎜を対象とする。販売価格は1,600万円(税別)~で、新東工業では年間30台の販売を目指している。