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SEMICON Japan 2024

 

新東工業、X線応力測定器用の応力基準片を販売開始

 新東工業( https://www.sinto.co.jp/ )は、X線を使用した応力測定の正確性を維持するための残留応力基準片「CMRSシリーズ」の販売を開始した。

残留応力基準片「CMRSシリーズ」

 同シリーズは、製品の残留応力を測定する際の基準となる金属片で、製品の測定前に行う測定器のチェックに使用する。同シリーズを活用することで、難解な測定の原理を理解することなく、また作業者の熟練度や測定器の種類・方式に関係なく、正確な測定を簡単に行うことが可能になる。

CMRSの活用で正確な応力測定が可能になる
CMRSの活用で正確な応力測定が可能になる

 同シリーズの特長は、かたまり状(バルク)の基準片である点。一般的に0MPaの基準片については、粉末状のものを使用するが、同シリーズは実際に応力を測定する製品と同じかたまりの形態である。

 また、同シリーズのラインナップは、応力測定を実施する顧客へヒアリングを行い、材質や加工状態(熱処理やピーニングなど)を組み合わせて決定しているため、実際に測定する製品に近い状態の基準片を提供することが可能である。さらに、同シリーズは測定条件などを記載した検査成績書と併せて納品するため、使用の測定器との器差や測定方式を比較し、測定結果の信頼性を確認できる。

 同社では、同シリーズに関する問い合わせをした顧客を対象に、期間限定で無料の応力測定を実施する。詳細は、同社のCMRSの製品WEBサイト( https://www.sinto.co.jp/product/surface/lineup/lp-cmrs.html )を参照のこと。

仕様(特許出間済)
仕様(特許出願済)

 自動車のエンジンやブレーキの部品、航空機のタービンブレードや翼など、人の安全に関わる部品には耐久性や硬さ向上の観点から、熱処理やピーニング工程の後にX線を使用した応力測定が行われている。応力測定は一般的な測定と異なり、高度で難解な原理を理解するための見識や繊細な測定技能が必要となるため、知識や技能を持たない作業者が測定を行う場合は正確な測定値を出力できないという課題がある。近年では、操作性が向上した測定器の登場などによって簡単に測定結果を出力できるようになったものの、測定値の正確性を確認するには専門知識が必要となるため、誰でも簡単に測定結果の正確性を確認する同シリーズのような製品のニーズが高まっていたという。