コニカミノルタホールディングス( http://www.konicaminolta.jp )は、ガラス研磨材として使用される酸化セリウムのリサイクル技術の開発に成功したと発表した。
酸化セリウムはガラスの精密研磨用の材料として活用されているが、特定産出国への依存度が高いことから供給制限とそれに伴う価格上昇が問題となっている。また、地球環境を保護し、持続可能な社会の実現に貢献するという観点からも、希少金属(レアアース含む)など限りある資源の有効活用が求められている。
同社では、HDD用ガラス基板の生産に酸化セリウム研磨材を利用してきたが、環境への配慮とともに、顧客に安定して製品を供給するために研磨材の確保とコスト低減が課題となっており、昨年より、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の希少金属代替・削減技術実用化開発助成事業の採択テーマとして、研究開発を進めてきた。
今回開発したリサイクル技術は、同社が長年フィルム開発で培ってきた材料技術を活用し、使用済み研磨材スラリーに薬剤を加え、ガラス成分を分離、除去した上で濃縮することで、酸化セリウムの研磨材としての再利用を実現し、課題解決を図ることができるもの。リサイクルには大型設備を必要としないため、短時間、低コストでリサイクル設備の設置導入をして、再利用を進めることが可能だという。
同社ではこの技術により、酸化セリウム研磨材を元の品質とほぼ同等まで再生できることを確認しており、開発した成果の実用化に向け、昨年より自社HDD用ガラス基板の量産ラインにおいて実用性の検証実験を行っている。