新東工業( https://www.sinto.co.jp/ )は、渦電流非破壊検査装置「ECNI-Ⅱ」が「2020年度日本機械学会優秀製品賞」を受賞したと発表した。
従来、表面処理を施した製品の品質管理は工程管理と抜き取りによる破壊検査が多く、部分的な検査に留まっていた。ECNI-Ⅱは渦電流法と呼ばれる磁気の力を用いた計測手法によって、ショットピーニングなどの表面処理を施した製品を破壊せずに内部を検査する。製品の加工状態を最速一秒で評価することができるため、インラインの全数検査を行うことが可能になり、ラインの自動化や省人化に寄与する。
また、渦電流の挙動を数値化することによって、異常時の要因解析を行うことも可能になっている。そのため、経験の浅い作業者であっても二次元グラフを確認することで、処理状態の良否を容易に判別することも可能。現在では、自動車用ギヤの生産ラインにおけるショットピーニング工程でのインライン検査をはじめ、処理前の素材の判別検査としても採用されており、今後はECNI-Ⅱで得たデータの活用により、設備の予防保全や最適な加工条件の運用などへ応用が期待されている。
日本機械学会 優秀製品賞は、社会的価値の高い優れた製品に光を当てることにより、我が国の産業基盤の中核を担う中堅企業や中小企業のさらなる進化、発展を支援することを目的としている。今回のECNI-Ⅱの受賞では、従来の渦電流方式の非破壊検査手法にはない同社独自の技術力に加え、取得した測定結果の評価や表現方法、操作性といったユーザビリティを意識した機能に対して、付加価値のある優れた製品であると高く評価された。