住友ベークライト( https://www.sumibe.co.jp )は、めっきとの密着性に優れたフェノール樹脂成形材料「SUMIKON®PM-Plamecシリーズ」を開発した。
樹脂めっきではエッチング工程中に成形品表面へアンカーを形成させ、物理的に接合することでめっきとの密着性を確保するが、今回開発しためっき専用フェノール樹脂成形材料は、配合設計技術を駆使してアンカー形成に適した処方設計を実施することで、従来のフェノール樹脂成形材料に比べて約5倍の初期のめっき密着性を実現した。
同シリーズは、自動車部品に要求される強度・剛性を備える「高強度」タイプ、高寸法精度を追求した「等方性」タイプ、低比重を狙うことでの「低コスト」タイプといったバリエーションを備えている。また、より高強度で耐衝撃性の高い長繊維熱硬化性樹脂成形材料にもめっき技術の適用を検討しており、ラインアップとして追加する予定。
フェノール樹脂成形品とめっきとのマルチマテリアル化を可能とした同品は長期信頼性における品質を確保した上で、これまで樹脂代替が困難であった耐電磁波性や耐ガス透過性が求められる部品の金属代替用の素材として適用範囲の拡大を期待している。また、従来の金属部品から20~60%の「軽量化」が可能となることで、車両航続距離などのエネルギー効率改善を可能とする。 さらに、フェノール樹脂の寸法精度や耐熱・高剛性を活かして、加工工数削減やカラーレス化により低コスト化を図ることができる。