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SEMICON Japan 2024

 

川邑研究所、プラスチック向けPFASフリー潤滑塗料を開発

 川邑研究所(https://www.defric.com/)はこのほど、独自の研究開発により、プラスチック基材への優れた密着性を実現する有機フッ素化合物(PFAS)およびシリコン不使用の新世代固体潤滑塗料を開発した。この塗料は、独自の組成と分散技術により、従来のPTFEベース塗料を超える耐久性と低摩擦特性を有する。

 開発品の特長は、①低摩擦性、②耐摩耗性、③薄白色透明な被膜を形成、④常温乾燥可能、⑤さまざまな基材への優れた密着性、⑥同社従来品より高硬度、⑦PTFEを使用した従来品と同等の撥水撥油性、など。

 ABS基材に対して、同社既存品塗料と開発したPFASフリー(PTFEフリー)潤滑塗料をスプレー塗装し、70℃で強制乾燥させ、各種評価を実施した結果、プラスチック基材への密着性向上と摩擦係数の低減効果により、従来よりも硬度の高い被膜を形成することができることが確認されている。 

川邑研究所 PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の特性比較 mst 表面改質
PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の特性比較

 

 また、ボールオンプレート摺動試験による、PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の性能比較では、0.5kgの荷重をかけたPVCボールを用いた往復摺動試験を実施した結果、PFASフリー潤滑塗料がPTFE系塗料と比較しても、優れた摺動寿命を有することが確認されている。

川邑研究所 PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の摺動性比較 mst 表面改質
PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の摺動性比較

 
 新開発のPFASフリー潤滑塗料はまた、さまざまなプラスチック部材に対する優れた密着性を実現する。この密着性の最適化により、使用する基材の種類を選ばず、幅広いアプリケーションでの利用が可能となっている。

川邑研究所 PFASフリー潤滑塗料 各種プラスチック基材への密着性の比較 mst 表面改質
各種プラスチック基材への密着性の比較

 
 新開発PFASフリー潤滑塗料ではさらに、従来のPTFE塗料の使用時に見られた外観が白く変化する問題を解決し、外観の透明性を保持することが可能となった。

川邑研究所 PFASフリー潤滑塗料 外観の透明性の比較 mst 表面改質
外観の透明性の比較