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SEMICON Japan 2024

 

IHI、スイス・イオンボンド社買収でコーティング受託加工に本格参入ー日本国内も

イオンボンド社のWEBサイト IHIは、スイスのイオンボンド社(Ionbond)の全株式を今年度内に取得すると発表した。大株主であるBarclays Ventures とCredit Suisse AGおよび他の少数株主と株式譲渡契約を締結した。

 IHI社はオランダのハウザーテクのコーティングB.V.(Hauzer Techno Coating B.V.) を2008 年にグループ会社とし、自動車をはじめとする多くの機械産業の顧客にPVD装置(Physical Vapor Deposition)の販売・サービスを通して表面処理技術を提供している。

 今回の買収により、同社は表面処理分野で受託加工事業に本格参入し、機械装置の提供のみならず、受託加工を合わせて顧客の多様なニーズに対応できる体制を世界規模で構築する。日本国内に関しては、「株式譲渡が完了してから受託加工の整備を進める考え(IHI広報部)」で、イオンボンド社が実施会社となり国内展開する予定だという。

 イオンボンド社のCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などの製品は、ハウザーテクノコーティングB.V.を通じてIHIグループが提供してきた表面技術に新たな付加価値を加える。本件取引は規制機関の承認が必要となるが、2012年中の承認が見込まれているという。なお、イオンボンド社の本社はスイスのままとなる。

 イオンボンド社は、表面処理コーティングテクノロジーにフォーカスし、高品質なコーティングサービスおよびコーティング設備を提供している。同社は、CVD(化学蒸着)、PACVD(プラズマアシスト化学蒸着)、PVD(物理蒸着)、CVA(アルミナイジング装置)を含む幅広い表面処理事業を提供しており、耐摩耗性コーティング業(wear protection coating)において強みを持つ。ヨーロッパ、北米、アジアで17 カ国39拠点を展開しており、自動車、工業、カーレース、装飾、スポーツ、医療の各分野の顧客に対してサービスを提供している。