新東工業( http://www.sinto.co.jp/ )は、ダイカスト金型の寿命を向上する二種のショットピーニングを開発、受託加工を開始した。
これまでは、ダイカスト金型の冷却孔に応力腐食割れが発生する度に、金型を交換していたが、新たに開発した表面処理プロセス「D-SCC」では、ピーニングを施すことで金型に圧縮残留応力を付与し、応力腐食割れの発生を抑制することが可能となり、
金型の交換回数が半減できるようになった。
また、従来行われていた特殊な熱処理や皮膜処理では、金型の表面のみの硬質処理のため、内部からの影響を大きく受ける熱疲労亀裂を防止することができなかった。これに対して、金型の状態に合わせて、最適なピーニングを施す表面処理プロセス「D-CHECK」では、熱疲労亀裂を防止すること(耐ヒートチェック対策)ができ、金型寿命の向上を図ることができる。
同社では、これらの新技術に加え、既存の表面処理プロセスであるダイカスト製品の不良率を低減する「D-FLOW」や窒化処理+ショットピーニング処理で、耐ヒートチェック対策する「アミナイトDS」(大同DMソリューション、大同特殊鋼、新東工業の3 社で共同開発)などで、ダイカスト業界へ提案する。
当面は、同社の一宮事業所(愛知県豊川市)の専用設備で、受託加工を開始し、既存技術および新技術のトータルで、2014年度には、1億円/年程度の売上を見込んでいる。
「D-SCC」、「D-CHECK」の特徴