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サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術でカビ増殖抑制効果を確認

5年 3ヶ月 ago
サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術でカビ増殖抑制効果を確認kat 2020年09日01日(火) in in

 サーフテクノロジーでは、原材料を流すためのホッパーや粉体をふるい液体を濾過するための網、商品を搬送するためのフィルムガイドやネットコンベア、金型や麺帯ローラーなど食品製造設備に共通する異物混入や衛生面での微生物対策、フードロス対策の一つとして、独自の微粒子投射処理「マイクロディンプル処理®(MD処理®)」を提案している。

 MD処理は基材表面に微細凹凸(マイクロディンプル)を形成することで、食品用粉体の付着抑制や滑り性向上、洗浄性の向上などに効果を発揮。すでに、この微細凹凸によって大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌性能が付与されることや、抗ウイルス性が付与されることが確認されているが、このほど、カビの増殖を抑える効果が確認された。

MD処理を施したフルイ(左半分)では粉落ちが倍増、
目詰まりがなく材料ロスが激減するとともに洗浄時間も短縮できる

 

MD処理による付着抑制・滑り性向上と抗菌効果

 MD処理とは、直径数µmから数十µmの微粒子を圧縮性気体に混合して高速に金属表面に衝突させ、表面を改質する方法で、使用する粒子の形状などは付着抑制をしたい粉体の物理的・構造的特徴によって使い分けている。ショットピーニングやサンドブラストでは直径数百µmの粒子が使用されるのに対して、MD処理は数十µm以下の粒子を用いた微粒子投射処理で、処理表面には不規則な微細凹凸が形成される。

 MD処理の食品への応用では、基材表面に凸部が形成されることによって粉体が点接触となり、付着抑制や滑り性向上などの効果を発揮する。MD処理は、基材そのものの表面形状を制御するだけで、フッ素樹脂加工のようなコーティングではないため、異物混入の心配がないことからも、食品製造設備での採用が急速に進んできている。

 食品製造ラインにおいて衛生管理は非常に重要な課題であり、大腸菌などの菌繁殖抑制に対して、多くの場合は次亜塩素酸水やオゾン水、エタノールなどを利用した衛生管理がなされているが、次亜塩素酸水は残留塩素の心配があり、オゾン水は使用方法によっては人体に悪影響を及ぼすため、安全性における懸念がある。エタノールも含めてそれらの薬剤を使用することによって耐性菌の懸念もある。

 これらの課題がある中で、表面形状だけでの抗菌効果が近年注目を集めており、表面形状創成技術であるMD処理に関しても、微細凹凸形成による先述の付着抑制・滑り性向上の効果に加えて、抗菌効果の検証がなされた。食品製造設備では錆対策などでステンレス鋼が多く使用されていることから、サーフテクノロジーではSUS304を基材としてMD処理を施し、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)に委託してJIS Z2801に基づき実施抗菌性試験を実施した結果、大腸菌および黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果が確認されている(下図参照)。

 同社では現在、ナノ構造を有する昆虫の羽を再現することなどによる抗菌効果を検証するバイオミメティクス(生物模倣)研究の第一人者である関西大学 システム理工学部 教授の伊藤 健氏をはじめとし、KISTECとも連携して、MD処理による大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌メカニズムの解明、さらには、確立した抗菌メカニズムに基づくMD処理の抗菌性能向上に向けた研究を進めている。

  

8時間後の大腸菌群培地シート 左:SUS304 未処理、右:MD処理

 

MD処理のカビ増殖抑制効果の検証

 サーフテクノロジーでは今回、食品工場の衛生管理において極めて重要なカビ対策の一環として、MD処理のカビ増殖抑制効果について検証した。

 カビの増殖を抑える効果については、東京都立産業技術研究センターが確認。JIS Z 2911:2018 カビ抵抗性試験を参考にした試験として、試験カビ(Aspergillus niger NBRC 105649)を26℃、湿度95%以上で7日間培養した結果、下表に示すとおり、未処理では肉眼でカビの発育が認められないかほとんど認められないものの、実体顕微鏡下での発育部分は試料全面積の1/3以上という状態(レベル2)だったのに対して、MD処理(BおよびC)を施した結果、肉眼および実体顕微鏡下でカビの生育が認められない(レベル0)か、肉眼でカビの発育が認められないが、実体顕微鏡下での発育部分は試料全面積の1/3未満(レベル1)と、カビ増殖抑制効果が確認された。

 

 また、下図は、SUS304鏡面とそこにMD処理をした試験片上に9日間餅を静置させた後の試験片の画像で、鏡面では顕著なカビの付着が確認できる一方、MD処理面はカビの付着が少ないことが分かる。

 

 サーフテクノロジー 研究開発部 研究員の西谷伴子氏は、「大前提として金属にカビは生えないが、ここで見えているカビは金属表面に付着した栄養源(ここでは餅も含む埃など)に生えたカビで、MD処理面は粉体などの付着抑制効果があるため、その分カビが付着しにくくなっているとも判断できる。しかしそれだけではなく、試験カビを培養液中で培養させる前述の抗カビ試験では液体が存在することから、その液体=栄養源が微細凹凸によって細かく分断されてカビが発育しにくくなっているという仮説も立てられる。いずれにせよ微細凹凸がカビの発育を阻害しているとは考えているが、抗菌効果と同様に、カビ増殖抑制のメカニズムについては不明な点が多く、引き続き解明に努めていきたい」と述べる。

 下平英二社長は、「食品工場は常に水が使われ湿度が高く、でんぷんや糖分などの植物残渣があり、カビが増殖しやすい環境にある。アルコールスプレーでの胞子の死滅、カビの除去といった作業が常に施されていると聞くが、機械の見えない部分でカビが繁殖し、ある時に胞子が飛散してしまう可能性もないとは言えない。そうした点で現場の担当者にとってカビ対策は極めて重要であり、悩ましく困難な問題だと思われる。MD処理の採用によって衛生安全性の確保に寄与し、担当者の作業面での負担や心労をいくらかでも減らせるよう、引き続きMD処理のカビ増殖抑制メカニズムの解明とカビ増殖抑制効果の高いMD処理の開発を進めていきたい」と語っている。

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トライボコーティング技術研究会、8/28にATF技術展示会を開催

5年 3ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、8/28にATF技術展示会を開催kat 2020年08日26日(水) in

 トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)は8月28日、埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所(http://www.riken.jp/access/wako-map/) 生物科学研究棟 鈴木梅太郎記念ホールでの「令和2年度第1回研究会および総会」ならびに「第22回トライボコーティングシンポジウム」の開催に合わせて、「ATF(Advanced Tribo-Fair)2020 技術展示会」を開催する。

過去の技術展示会 ショートプレゼンテーションのようす

 

 技術展示会では、パネルやサンプル展示、ショートプレゼンテーションによって,自社の技術をアピールするとともに、異分野への進出、医工連携、高付加価値な表面創製に向け共創していく。投票によって優秀な技術展示に対して「技術展示賞」が選ばれ、同日開催される「岩木賞記念パーティー・技術交流会」の場で贈呈される。

 今回出展する技術展示企業は以下のとおり。

東京電子㈱ https://toel.co.jp/

・真空計、質量分析計、真空機器・部品、直流電源、パルス電源、高圧電源、高電圧半導体スイッチなどの製造・販売
・研究開発・受託開発サポート
・真空機器・電子機器・電源装置の受託開発、など

池上金型工業㈱ https://www.ikegami-mold.co.jp/  

・プラスチック射出成形用金型設計・製作
・ニッケル電鋳製品製作
・金型標準部品・特注部品並びに機材の製造販売
・精密特殊加工
・また、新規事業としてプラモデル「カデンナ」シリーズの開発・販売を手掛け、金型メーカーとしてB to Cへの展開が注目

ナノフロンティアテクノロジー㈱ https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bunka/monodukuri/support/kigyo/1014709.html
https://www.ipros.jp/company/detail/2064770/

・CNT複合材開発・太陽光吸収膜の開発
・また、高度な微粒化、分散技術により要望に応じたCNT分散液の作製が可能
・この技術を応用して太陽光を吸収する黒色膜の開発
・新機能材料の創製、超微粒化技術を通じて社会貢献を目指している

(株)オプトスター http://optostar.com/

・独自の結晶仕入れルートと加工技術を駆使し、サファイア、石英ガラス、半導体、各種光学結晶材料を顧客の要望に応じた形状で販売

島貿易㈱ https://www.shima-tra.co.jp/products/tribology

・創業110年を超える工業原材料の専門商社
・化粧品から電子部品まで様々な分野で専門性の高い商品を供給し、国内・海外のネットワークを活かしグローバルなニーズに対応
・試験研究、物流、情報システムの充実を図り、高品質な商品とサービスを目指して環境保全、安全性に配慮した活動を行っている

㈱メカニカル・テック社

・表面改質&表面試験・評価の技術情報誌『メカニカル・サーフェス・テック』

https://surface.mechanical-tech.co.jp/

・“やわらかい物質”と計測・評価の技術情報誌『月刊 SoftMatter(ソフトマター)』

https://softmatter.mechanical-tech.co.jp/

・ベアリング&モーション技術の情報誌『bmt ベアリング&モーションテック』

などの技術情報誌の企画・編集・発行と、各雑誌にリンクしたウェブサイトを運営

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ブルカージャパン、9/25にトライボロジーウェビナーを開催

5年 3ヶ月 ago
ブルカージャパン、9/25にトライボロジーウェビナーを開催kat 2020年08日26日(水) in

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は9月25日13:30~15:30に、「トライボロジーウェビナー~材料評価における潤滑と表面粗さ~」を開催する。

 参加は無料(事前申込み制)で、以下から申し込みできる。
https://register.gotowebinar.com/register/4800889288711596815?source=mechanical-tech

 プログラムは以下のとおり。

・13:30~13:35 主催者挨拶

・13:35~14:30 【特別講演】「弾性流体潤滑(EHL)の基礎と摩擦に及ぼす表面粗さの影響」九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 トライボロジー研究室 助教 西川宏志氏…転がり軸受に代表される多くの油潤滑下の機械要素接触部の運転状態である弾性流体潤滑(EHL)下で生じる現象の基礎と、表面粗さと摩擦係数に関する研究、グリースの新たな評価法の提案などについて紹介する。

・14:30~14:55 「多機能摩擦摩耗試験機 UMT-TriboLabのご紹介」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 アプリケーション部 塚本和己氏…トライボロジー研究による経済効果はそれぞれの国におけるGDPの約3%(日本では15兆円)と言われている。この数値からトライボロジー研究の重要性が分かる。摩擦・摩耗の研究開発用途としては、UMT TriboLabがその多機能性とコンパクトで使いやすいことから世界で広く利用されているが、今回は製品の概要とその応用事例を紹介する。

・14:55~15:20 「3次元白色干渉型顕微鏡によるオートモーティブ向け高精度計測」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 アプリケーション部 寺山剛司氏…三次元白色干渉型顕微鏡は様々な業界で表面性状の評価をする計測するツールとして長年使用されている。非接触で表面性状を計測することが可能なことから、プロセスの過程、テスト前後での評価が可能となる。本ウェビナーでは三次元白色干渉型顕微鏡の基礎、オートモーティブ向けの摩擦・摩耗、表面粗さなどの計測事例を紹介する。
 

多機能摩擦摩耗試験機 UMT-TriboLab

 

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THK、高速コンパクト精密ボールねじのラインナップを拡充

5年 3ヶ月 ago
THK、高速コンパクト精密ボールねじのラインナップを拡充kat 2020年08日24日(月) in

 THKは、高速使用に適したコンパクトタイプ精密ボールねじSDA-V形のラインナップを拡充し、シリーズ最小となる、ねじ軸径φ10の「SDA10VZ」(総ボールタイプ)の受注を開始した。同社では、小型電子部品の関連装置から大型の一般産業用機械まで、幅広 い装置の高速化とコンパクト化に貢献していく考えだ。

ねじ軸径φ10の高速コンパクト精密ボールねじ「SDA10VZ」

 

 新製品は、軸径がφ10 、ナット寸法は国際標準規格ISO3408(DIN 69051)に準拠したコンパクト精密ボールねじ。ボールねじナットには理想的なボール循環構造を実現するための新技術が用いられており、回転運動がよりスムーズになることにより、高速使用での用途を可能にした。

 特徴は以下のとおり。

・ボールを接線方向にすくい上げる方式を採用し、理想的なボール循環構造により最高回転数5000min⁻1(DN値10万)の高速回転が可能となった。また、長時間の高速駆動でも安定したトルクが得られる。

接線方向すくいを採用(イメージ図はボールリテーナ入りタイプ)

 

・ナット外径がISO規格に準拠した コンパクト サイズでありながら、ナット長さをさらに抑えた設計にすることで、装置のコンパクト化を実現する。

コンパクトサイズ

 

・新たにねじ軸径φ10、ボールねじリード4mm、5mm、10mmの組み合わせ3品目が追加となり、SDA-V形のラインナップ は ねじ軸径φ10~50 、リード4~50㎜を組み合わせた62品目まで に 拡充。SDA10VZの軸方向すきまは、0以下(G0)を含むすき間GT、G1、G2、G3)が選択可能。

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イグス、第7回ベクター賞の受賞事例を公開

5年 3ヶ月 ago
イグス、第7回ベクター賞の受賞事例を公開kat 2020年08日24日(月) in

 イグス(本社:ドイツ)は、ケーブル保護管「エナジーチェーン」や可動ケーブル「チェーンフレックス」を使用した独創的なエネルギー供給システムの事例を表彰する「ベクター賞」を2年に一度開催しているが、今年の「第7回ベクター賞」には32ヵ国から集まった266の事例のうち、最も革新的なアプリケーションである「ベクター金賞」にイタリアのGildemeister Italiana社の多軸旋盤が輝いた。また、銀賞はフラウンホーファー研究所の「GESTRA」プロジェクトに採用されたオーストリアAlpinaTec社の宇宙監視レーダーに、銅賞はドイツGrenzebach Maschinenbau社の摩擦攪拌接合装置に贈られた。

◆ベクター金賞:Gildemeister Italiana社の多軸旋盤

 Gildemeister Italiana社の多軸旋盤は、リードタイムや段取り時間、プロセス開発および統合に必要な作業を削減すると同時に、複雑化する工程にも対応している。機械の心臓部は、複数の加工を同時に行う六つのスピンドルを備えたスピンドルドラムで、ドラムは迅速・正確に加工物を加工位置まで動かす。一つのスピンドルが次の加工位置まで移動する時間はわずか0.65秒で、六つのステーションで加工が完了した後、スピンドルがスタート位置に戻るにはドラムを300°逆回転させる必要があるが、その所要時間は重量が3tを超えるユニットでもわずか1秒。

 最大の課題は六つのスピンドルすべてに安全にエネルギーを供給するシステムだった。解決策として採用されたのが、ドラムに合わせて回転し、スピンドルドラムの直線動作を可能にした独自のエネルギー供給システムで、この多軸旋盤にはイグスのエナジーチェーンが合計8本、ケーブル64本、ホース73本が使用されている。

◆ベクター銀賞:AlpinaTec社の宇宙監視レーダー、銅賞は摩擦攪拌接合装置

 フラウンホーファー研究所の「GESTRA」プロジェクトに採用された宇宙監視レーダー「GESTRA」は、スペースデブリの探索とマッピングに使用されるレーダーベースシステム。方位角軸には複雑な回転型エネルギー供給システムが特別設計され、仰角軸には両側にダブルチェーンシステムが採用されているす。

◆ベクター銅賞:Grenzebach Maschinenbau社の摩擦攪拌接合装置

 本摩擦攪拌接合装置では、溶接ヘッド内のエネルギー供給機構も付随物も柔軟性を持たせる必要があった。限られた設置スペースでR4エナジーチェーンとツイスターバンドを直接接続して、創造的でフェイルセーフなソリューションを実現している。

上から、ベクター金賞、ベクター銀賞、ベクター銅賞の受賞事例◆サステナブルな事例に贈られるグリーンベクター賞を初表彰

 ドイツのイグス本社では2019年末から使用済みエナジーチェーンを回収し、リサイクルしているなど、サステナビリティは同社にとって非常に重要なテーマとなっていることから、今回初めてエナジーチェーンを使用した特にサステナブルなプロジェクトに「グリーンベクター賞」を贈ることとなり、米国Drop Water社とドイツHuber社のアプリケーションが選出された。

 Drop Water社は、ボタンを押すと生分解性容器に飲料を充填する飲料自動販売機で受賞。自動販売機は設置場所の水源につながっているため、水を運ぶ必要がない。ハーネス済みレディーチェーンが、リニアロボット用ケーブルを安全・確実にガイドする。

 Huber社の下水汚泥処理装置は、エジプトの水処理プラントにおいて太陽エネルギーを利用して下水汚泥を乾燥させている。水分を取り除いた汚泥は、天日乾燥によって質量・体積ともに約1/4まで減り、粒状物に変換される。このプラントでは、バハル・エル・バカール運河システムより汲み上げた汚染水を処理し50万人分の飲料水を供給できる。自動装置に電力や動力を確実に供給するために、チェーンフレックスを備えたエナジーチェーンが、ストローク100mの128ユニットに使用されている。

グリーンベクター賞の受賞事例

 

 「第7回ベクター賞」に関する詳細な情報や授賞式の様子、その他の応募事例は以下のURLから確認できる。

https://www.igus.co.jp/vector-award

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ロボット6社、「技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構」を設立

5年 3ヶ月 ago
ロボット6社、「技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構」を設立kat 2020年8月17日(月曜日) in

 川崎重工業、デンソー、ファナック、不二越、三菱電機、安川電機の6社は、産学連携により産業用ロボットの基礎技術研究を行う「技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構」(略称ROBOCIP:ロボシップ)を設立した。産業用ロボットのさらなる普及に向けて基礎技術研究基盤を強化していく狙い。研究の実施期間は2020年度から2024年度までの5年間。

 産業用ロボットは、自動車産業や電機・エレクトロニクス産業で数多く導入されており、その技術は製造業を発展させていく上で欠かせない基盤技術となる。近年では労働力不足を背景に、食品加工や物流などサービス分野における産業用ロボットの活用も着目されており、産業用ロボットの市場は拡大が見込まれている。一方で、産業用ロボットの基礎技術研究分野では未知・未解明な領域が多く、さらなる裾野の拡大と研究の深化が求められており、また、こうした研究に携わる人材の育成も急務となっている。しかし、ロボットメーカーにおいては、基礎技術研究に割くことができるリソースが限定的という課題があった。

 そこで、産業用ロボットの基礎技術研究分野において、ロボットメーカー各社が連携することで、単独で行うよりも研究規模・内容を拡大・深化し、SDGs (Sustainable Development Goals)に則った技術革新の基盤を強化することを目指すべく、ROBOCIPの設立を決めたもの。産学連携して研究を進めることで、知識の共有化も図れる。

 ROBOCIPでは、基礎技術研究分野の三つの研究項目、「モノのハンドリングおよび汎用動作計画に関する研究」、「遠隔制御技術に関する研究」、「ロボット新素材とセンサ応用技術に関する研究」)を定め、検証・評価を行う。各研究項目において、多品種少量生産現場をはじめとするロボット未活用領域においても対応可能な産業用ロボットを実現するための要素技術を確立することを目指す。

 さらに、各研究項目で得られた成果に基づき、実現場を模した環境での実証試験を行い、産業用ロボットのさらなる普及につなげていく考えだ。

ROBOCIPの取組みイメージ図

 

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日本トムソン、超薄形クロスローラベアリングを発売

5年 4ヶ月 ago
日本トムソン、超薄形クロスローラベアリングを発売kat 2020年08日14日(金) in in

 日本トムソンは、軸受内径10mm、外径21mm、幅5mmという極限の薄さと小ささを実現した超薄形クロスローラベアリング「CRBT105A」を発売した。装置のさらなるコンパクト化に貢献する。

超薄形クロスローラベアリング「CRBT105A」

 

 超薄形クロスローラベアリングは、得意とする極小サイズの軸受の製造ノウハウによって、軸受内径10mm、外径21mm、幅5mmという極薄・小径を実現。

 また、クロスローラベアリングは、ローラの直交配列によって接触角45゜の単列ローラベアリングやボールベアリングの背面取付け2個分を1個分の断面積に抑えたコンパクトな構造だが、剛性は複列のアンギュラタイプボールベアリングと比べ3〜4倍向上する。

 

 クロスローラベアリングは高い回転精度と変位の少ない高剛性を併せ持つことから、正確な位置決め動作が求められる小型ハンドロボットの旋回部に最適で、また、あらゆる方向の複雑な荷重を受け止めることができることから、24時間休むことなく稼働し続ける小型監視カメラを支えるベアリングとして最適。

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日本精工、新型新幹線N700Sに高機能軸受が採用

5年 4ヶ月 ago
日本精工、新型新幹線N700Sに高機能軸受が採用kat 2020年08日14日(金) in in

 日本精工(NSK)の高機能軸受が本年7月1日に営業運転を開始した東海道・山陽新幹線N700Sに採用された。

 13年ぶりにフルモデルチェンジされた N700S は、東海旅客鉄道が開発した安全性や安定性、快適性や環境性能などあらゆるの面で最高レベルの性能を備えた新幹線車両。

 NSKの軸受は、このN700Sの駆動歯車装置、車軸、主電動機の全ての部位に採用されており、安全性、快適性、信頼性に加え、環境負荷低減に貢献している。

 同高機能軸受の採用部位と製品の特長は以下のとおり。

1. 駆動装置用軸受
 N700Sには、さらなる高信頼性と低騒音を実現するため営業用の新幹線として初めて、やまば歯車が採用された。NSKでは、従来からのはすば歯車用円すいころ軸受で培った豊富な実績や知見をもとに、以下の優れた特長を有するつば付き円筒ころ軸受を専用設計し、線路からの大きな振動、衝撃を受ける歯車装置用軸受の長寿命化・低発熱・省メンテナンスに貢献する。

①    つば面ところとの接触部の最適設計による耐焼付き性を向上。

②    高強度銅合金もみ抜き保持器を採用し、ポケット隅R形状の最適化とリング案内による保持器発生応力を低減。

駆動装置用軸受

 

2. 車軸用軸受
 高速回転に対応するための長寿命化や低発熱化など、従来型車両のN700やN700Aで豊富な実績を重ねてきた複列円すいころ軸受の設計をさらに改良し、信頼性を高め、メンテナンスコスト低減にも貢献する。

3. 主電動機用軸受
 電食(電流が流れることで軸受が損傷する現象)の防止対策として豊富な実績があるセラミック被膜を円筒ころ軸受と深溝玉軸受の外輪に溶射することで、電流が軸受内を通過することで発生する電食を予防して、信頼性向上に貢献する。

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ISC、精密ベアリング技術で滑らかに回転するコマを開発

5年 4ヶ月 ago
ISC、精密ベアリング技術で滑らかに回転するコマを開発kat 2020年08日14日(金) in

 日本精工のグループ会社であるNSKマイクロプレシジョン(ISC)は、スムーズに回転する精密ベアリングを搭載したコマ「Yen Spin」の企画、設計、開発に参画した。本製品は、コロナ禍で停滞する運気や金運を滑らかに回し、少しでも社会を明るく楽しくしたいとの願いを込めて開発したもので、本年9月に一般販売を予定している(販売サイト:ヨーヨーショップ スピンギア、価格(税込)2,750円

コマは、その回転する様子から様々な「回り」を良くする縁起が良いものとされ、
「縁」、「円」、「¥」に因んで「Yen Spin」と命名

 

 滑らかな回転を目的に、コマ「Yen Spin」には、5Gのデータセンターの冷却ファンモーターでも使用される高品質なベアリングが搭載されている。

 また、コマが回転する軸の先端部には、地球で最も真球に近いとされる天辻鋼球製作所の鋼球を使用、さらには外周部が軸から独立してジャイロ効果で回転するため、凹凸のある場所でも滑らかに回り、最長8分間の回転を実現している。

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THK、接触感染リスク低減に貢献する検温ロボットを開発

5年 4ヶ月 ago
THK、接触感染リスク低減に貢献する検温ロボットを開発kat 2020年8月5日(水曜日) in

 THKは、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、検温や消毒を必要とする施設が増える中、人の手で行う従来の体温測定や消毒作業を代わりに担う検温ロボットを開発した。人同士の接触による感染リスクの低減に貢献する狙いで、8月から先行受注を開始する。価格は350万円~。

検温ロボット

 

 検温ロボットは、遠隔操作によってロボットの動きをコントロールできるサービスロボット。頭部のサーモグラフィカメラで体温を測定し、 発熱者が発見された場合には遠隔地にいるオペレーターを呼び出し検温対象者に有人対応。基準値を超えた発熱者が確認された場合はモニター越しのオペレーターが二次検温に必要な対処について指示を出す。二次検温では、日本精密測器のBluetooth®に対応した皮膚赤外線体温計サーモフレーズを用いることで検温精度を高め、求められるリスクの抑制度合に応じた使い方ができる。

 サーモグラフィカメラにはネクストリーマーが開発した遠隔操作機能付きAI画像認識技術による顔認証機能を搭載、マスクで顔を覆った状態でも顔認証による検温が可能なほか、飲み物など高温になるような物がサーモグラフィカメラに写り込んでも、誤検知する恐れはない。

 上体には、ミズノとの共同開発による洗濯可能な人型サービスロボット用の空冷ウエア「エアリージャケット」を着用し、ロボットの排熱性、防塵性を向上させ、稼働効率を向上。

 また、ロボットの双腕アームを上下に上げ下げして発熱者の入場制限を求めたり、アーム先端のハンド部分にオートディスペンサータイプの消毒液を持たせるなど、様々な方法で活用できる。

オートディスペンサータイプの消毒液を持たせることで
消毒作業も可能

 

 検温ロボットにはオプションとして、ロボットの上体を上下に昇降させるSEED-Lifterと、全方向への移動が可能な走行台車SEED-Moverが準備。ロボットの上体を昇降させてサーモグラフィの高さを入館者の顔の位置に合わせたり、複数ある検温場所を交互に行き来するなど、用途別のカスタマイズが可能となっている。

 エアリージャケットの上にはユニフォームを着せることも可能で、オフィスから駅構内、店舗、レストラン、スポーツ施設、イベント会場、医療機関まで幅広いシーンで活躍できる。

標準オプションで様々なシーンに対応

 

 THKでは、機械要素部品のトップメーカーとして培ってきた技術と実績をもとに、市場の急速な変化に即してビジネススタイルの変革を図り、今後の成長戦略の一角をなすサービスロボットのコア技術を最大限に活かすことで、人手不足や感染症拡大といった社会的課題の解決支援を行っていく考えだ。

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COC、取付け・取外しが容易な一体型プランマブロックの国内販売を開始

5年 4ヶ月 ago
COC、取付け・取外しが容易な一体型プランマブロックの国内販売を開始kat 2020年08日03日(月) in

 COC( https://www.crossocean.com/?lang=ja )は、自動調心ころ軸受の軸受箱であるプランマブロックについて、世界で広く流通している二つ割りSN5形プランマブロックと互換性をもたせつつ、組立て済みのためSN5形プランマブロックに比べ取付時間が1/6で済む一体型ユニット「CX2SN」を開発、国内販売を開始した。

CX2SN

 

 すでに中国、ブラジル、フィリピン、インドネシア、トルコ、南アフリカ共和国、イスラエルなどで販売実績があるが、国内でも、鉱山や製鉄所、製紙・パルプ工場などのSN5形ユーザーの置き換え需要を見込み、初年度に数十件の成約を目指す。

 プランマブロックは風雨や塵などにさらされる伝動機器などの屋外設備で使われる。一般的なSN5形プランマブロックはユーザーでの組立てが必要で、取付けでは、すきまゲージで軸受の内部すきまを測定し規定のすきま値までロックナットを締め付ける、ロックワッシャーのタブを折り曲げるといった、取外しではロックナットを緩め、ハンマーで叩いて取り外したりプーリー抜きを使って取り外すといった、技能者による時間のかかる難しい作業を強いられていた。

 これに対しCX2SNは、工場で極圧・耐摩耗、耐水、耐酸化の-20~160℃に対応するリチウム複合基グリースを封入し高密封性シールを装着した、組立て済みの一体型ユニットとなっている。スパナーレンチやハンマー、ドリフトピン、すきまゲージやすきま値表が不要で、特許取得済みの新締結システム「CROSSLOC™クロスロック」によって、六角レンチ1本のみを使いユニットの軸上のキャップボルトを締めるだけでシャフトに取り付けられ、緩めるだけでシャフトから取り外せる。

六角レンチ1本のみで取付け・取外しが可能な新締結システム搭載の一体型ユニットの構造

 

 接触面積が広いロングタイプのアダプタスリーブで保持するためシャフトに傷を付けず、アンダーサイズのシャフトでもシャフトを全周から均一に締め付けることで、振動も減らせる。

 SN5形ではシールがシャフトを擦って損傷させたり内輪の調心によりシールの接触圧が減少する問題があったが、CX2SNでは3重リップ接触シールがシャフトや内輪ではなくステンレス製のスリンガに接触するため、内輪が調心しても常圧でシールが接触、高い密封性を確保する。

 また、SN5形では内部容積が大きく多量のグリースが必要となるうえ、設計上余分なグリースの排出が難しく回転数が上がると内部温度も高くなる。これに対しCX2SNでは、グリースの初期封入量を1/4に低減したほか、使用回転スピードに合わせてグリースが排出される機構のため、回転数が上がれば余分なグリースは排出されて内部温度を低く保つことが可能。

 鋳鉄製ハウジングには、偽造防止対策にもなるCOCのロゴマークを配したほか、600℃の高温でも剥がれないQRコードのラベルを貼付。QRコードをスマホでスキャンすることで、現場で必要な取付け寸法や設置方法に関するビデオやメンテナンス情報などが確認できる。また、専用のCOCアプリでスキャンしシリアル番号を登録すると、通常は1年の保証を2年に延長が可能。また、スキャンによって、読み取った型番の製品を再発注するための在庫情報も参照できる。

QRコードのスキャンで取扱いに関する情報や在庫情報などが確認できる

 

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日本精工、富山に熱処理の新工場を竣工

5年 4ヶ月 ago
日本精工、富山に熱処理の新工場を竣工kat 2020年07日31日(金) in in

 日本精工(NSK)は、神奈川県藤沢市の藤沢工場から熱処理工程の一部をグループ会社であるNSK富山に移管する。これに伴い、富山県高岡市にあるNSK富山 高岡工場に新工場「NSK富山 熱処理棟」を増設した。投資金額は約30億円で、建築面積は3641㎡。

竣工したNSK富山 熱処理棟

 

 同社藤沢工場は1937年以来、産業機械軸受の旋削、熱処理、研削、組立まで一貫生産を行う一方、NSK富山は1966年の創業以来、風力発電や鉄鋼向けなどの大形軸受の鍛造や旋削を行っている。

 今回、地震や洪水などの災害時のリスク回避と大形軸受の生産強化を目的に、藤沢工場で行っている一部の熱処理をグループ会社のNSK富山に移管することを決定。これに伴い、NSK富山では新工場を新設し、好調な風力向けを中心に軸受の鍛造、旋削から熱処理までを担う。本工場では、既存の鍛造や旋削工程の設備を整流化し活用・拡充しつつ最新の熱処理加工技術を導入し、環境に優しく、品質の向上を実現しするほか、既存の鍛造や旋削工程を整流化し、搬送自動化することによって高効率で安全な工場を目指す。

 日本精工では今後、グループ全体で品質や生産効率の向上を進め、産業機械事業のさらなる体質強化を目指していく。

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ヤマハ、モトクロス競技用2021年モデルを10月に発売、バレル研磨とショットピーニングでエンジン性能を向上

5年 4ヶ月 ago
ヤマハ、モトクロス競技用2021年モデルを10月に発売、バレル研磨とショットピーニングでエンジン性能を向上kat 2020年7月30日(木曜日) in

 ヤマハ発動機は、排気量64cm3〜449cm3のモトクロス競技用の2021年モデル8機種を10月に発売する。マイナーチェンジを行う「YZ250F」は、①吸気ポート、カムプロフィール変更により性能向上を図ったエンジン、②高回転でのパワー感向上に貢献する吸気システム、③エンジン性能と心地よいサウンドに寄与するサイレンサー、④軽量化と剛性バランス最適化を両立したバイラテラルビームフレーム、⑤キャリパーやパッドの変更で性能を向上させたブレーキ、⑥高い信頼性を追求したクラッチとトランスミッションなどの特徴を備えるほか、YZシリーズ共通コンセプトの新カラー&グラフィックを採用した。

 「YZ250F」には受注期間限定カラーとして「Monster Energy Yamaha Racing Edition」を設定、ファクトリーマシンのカラーリングイメージを再現している。

左から、「YZ250F Monster Energy Yamaha Racing Edition」、「YZ250F」

 

 YZ250Fの主な特徴は以下のとおり。

1.中・高回転域やオーバーレブ領域でのパワー感、加速感の持続を照準にエンジンを開発。吸気ポート変更によって混合気の吸入量を増加させ、カムプロフィール変更によってワークアングルのオーバーラップを減らし出力向上に貢献したほか、カムチェーンに耐摩耗性と信頼性を高めるバレル研磨加工を施し、テンショナーにはコイルスプリングの特性を最適化ことで、高回転域でのカムチェーンに対する追従性を向上した

2.エアクリーナーボックスのキャップケースにダクトを開け、吸入効率を向上。さらに内部のファンネル廃止と吸気の管長をショート化したことにより、高回転域でのパワー向上に寄与

3.高回転域のパワーとサウンド、消音効果を高次元でバランスさせた新型サイレンサーを採用。容量拡大と減衰特性のチューニングを施すことで、低周波中心のトルクフルなサウンドを活かしながら高周波のノイズ感を抑え、高回転時の滑らかなエンジンフィーリングにも貢献

4.YZ450F(現行モデル)と同型のバイテラルビームフレームを採用。タンクレールの薄肉化とダウンチューブの肉厚化を行いながら、軽量化と剛性バランス最適化を両立したほか、エンジンを搭載するブラケット類のセッティング調整を重ね、バンプ通過時の滑らかな車体挙動を実現

5.フロントブレーキはピストン大径化、キャリパー形状刷新などでパッド接触面の拡大を図り、制動力とコントロール性を向上。リアブレーキはキャリパーとローターを変更、軽量化と熱容量バランスの最適化により熱歪みを抑え、安定した制動力を発揮

6.クラッチはハウジング外郭部の厚みを増すことで17%強度向上を図り、力強いエンジンパワーを確実に路面へと伝達するほか、トランスミッションは3・4速ギヤに表面強度を高めるショットピーニング加工を施し、エンジン性能に対する信頼性を向上

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イグス、導電性を備えた耐摩耗性部品を3Dプリントできる新材質を開発

5年 4ヶ月 ago
イグス、導電性を備えた耐摩耗性部品を3Dプリントできる新材質を開発kat 2020年07日30日(木) in in

 イグスは、ESD(静電気放電)対策が必要な耐摩耗性部品をユーザーの要望に応じて優れたコスト効率で作成できるよう、SLS(選択的レーザー焼結法)方式の3Dプリンター用に新材質「イグリデュールI8-ESD」を開発した。この新材質で作成した部品は導電性を備え、静電気を嫌う産業分野において安全な製造ラインを実現できる。

 

 電子産業や半導体産業で使われる耐摩耗性部品には、耐久性だけでなく、静電破壊を防ぐために導電性が求められる。導電性を備えた特殊部品の迅速な製造を実現するため、イグスではこのほど、SLS方式用3Dプリント材質「イグリデュール I8-ESD」を開発したもの。

 SLS方式のメリットとして、プリント後の未焼結パウダーは再利用できるため無駄がなく、プラスチック廃棄物の削減に貢献できるほか、プリントした部品はリサイクルが可能となっている。

 同社の全ての材質と同様に無潤滑で、構造的に安定している。また、体積抵抗率は3×107 Ω・cmで静電気対策が必要な用途に適しているだけでなく、材質自体が黒色なため着色作業が不要で、コスト削減や納期短縮を実現する。

 イグスは、広さ3,800㎡のイグス試験施設において多くのトライボポリマー製品試験を行っているが、SLS方式で作成したイグリデュールI8-ESD製部品は、揺動時の摩耗試験においてポリアミド(PA)12製3Dプリント部品の約2倍の耐摩耗性を示した。また、直動時の摩耗試験でも優れた性能を実証している。

 この新材質は、ユーザー自身で加工することも、イグス3Dプリントサービスを利用することも可能で、イグスのオンライン3Dプリントサービスを利用する場合には、STEPファイルをアップロードするだけで簡単に注文できる。

 イグリデュールI8-ESDについての詳細な情報はこちら

 3Dプリントサービスについての詳細な情報はこちら

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ジェイテクト、「2025年環境行動計画」を策定

5年 4ヶ月 ago
ジェイテクト、「2025年環境行動計画」を策定kat 2020年07日30日(木) in

 ジェイテクトは、持続可能な社会の実現を目的に、環境負荷極小化に向けた取組指針「環境チャレンジ2050」の達成に向けたマイルストーンにあたる2030年を見据え、「2020年環境行動計画」に続く、「2025年環境行動計画」を策定した。

 

 同社の環境理念「All for One Earth」のもと、「環境チャレンジ2050」の5本柱である「製品・技術」、「低炭素社会の構築」、「循環型社会の構築」、「自然共生・生物多様性」、「環境マネジメント」に対し、SDGs(持続可能な開発目標)に基づく具体的なプロセスを踏まえて目標設定を行い、その実現に向けてグループ一丸となってチャレンジしていく。

 「2025年環境行動計画」に定めた各目標は、「環境チャレンジ2050」のマイルストーンにあたる2030年の中間地点と位置付け、CO2削減ではこれまでの原単位目標から総排出量目標に切換え、2013年度比で18%削減することとした。

 また、資源循環では、海洋プラスチックの課題解決に向けてプラスチックの使用量削減などの新たな目標も設定している。

 ジェイテクトグループでは、資材調達からユーザーの製品使用、廃棄までスルーの環境影響を対象に、環境に配慮した製品設計や、革新的な生産技術の開発などを通じて、地球温暖化防止や資源の有効活用など、引き続き環境負荷の低減に努め、持続可能な社会の実現に取り組んでいく考えだ。
 

ジェイテクトグループの2025年環境行動計画

 

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ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2020年7月号「特集:建設機械」「キーテク特集:状態監視/非破壊検査技術」が発行!

5年 4ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2020年7月号「特集:建設機械」「キーテク特集:状態監視/非破壊検査技術」が発行!admin 2020年07日27日(月) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第25号となる2020年7月号が7月27日に小社より発行された。

 今号は、特集「建設機械」、キーテク特集「状態監視/非破壊検査技術」で構成。

 特集「建設機械」では、コンポーネントの寿命を向上させ稼働率を向上させるための潤滑技術やベアリング技術、機械稼働データを活用した予知保全技術などを広く紹介する。


 また、キーテク特集「状態監視/非破壊検査技術」においては、機械・設備が突発停止に至ることのないように予知保全を図り、計画的に保守を行うための振動法やAE法といった状態監視・設備診断技術や、赤外線サーモグラフィーや赤外線カメラなどを利用した非破壊検査診断技術を紹介する。

特集:建設機械

◇機械稼働データを活用した予知保全の仕組みの実現・・・コベルコ建機 中川 智廣、小熊 尚太、亀山 浩行、中島 一、神戸製鋼所 友近 信行
◇早期異常検知機能付円すいころ軸受・・・NTN 山本 直太
◇高粘度指数油圧作動油による建設機械の省燃費化と高効率化・・・編集部
◇建設機械用潤滑油と汚染対策・・・RMFジャパン 篠田 実男

キーテク特集:状態監視/非破壊検査技術

◇赤外線計測による状態監視および非破壊試験技術・・・神戸大学  阪上 隆英
◇AE技術のベアリング管理への適用・・・埼玉工業大学 長谷 亜蘭
◇直動案内・ボールねじの予兆検知技術・・・THK 髙野 修一

連載

注目技術:トライボロジー特性を最適化したブッシュ製品によるメンテナンス軽減技術・・・HEFグループ
Q&A「軸受管理」の機素知識 第1回 AE診断の基礎編①原理と特徴・・・エヌエフ回路設計ブロック 佐藤 公治

トピックス

ナノコート・ティーエス、トライボロジー試験の受託サービスを拡充
イグス、デジタルプレスカンファレンスを開催

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パテント・リザルト、自動車メーカー業界の他社牽制力ランキング2019

5年 4ヶ月 ago
パテント・リザルト、自動車メーカー業界の他社牽制力ランキング2019admin 2020年7月21日(火曜日) in

 パテント・リザルトは、自動車メーカー業界を対象に、2019年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2019」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。

 集計の結果、2019年に最も引用された企業は、トヨタ自動車、次いで日産自動車、本田技研工業となった。

 1位トヨタ自動車の最も引用された特許は「車両の自動運転制御装置」に関する技術で、日立オートモティブシステムズの3件、本田技研工業の2件など合計9件の審査過程で引用されている。このほかには「危険度算出装置」に関する技術などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2019年にトヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、本田技研工業(477件)、次いでデンソー(412件)、SUBARU(196件)となっている。

 2位日産自動車の最も引用された特許は「自己着火式エンジンの制御装置」に関する技術で、マツダの14件、トヨタ自動車の1件の、計15件の審査過程において引用されている。このほかには「危険状況警報装置」に関する技術や「バッテリ温調用モジュール」に関する技術などが、引用された件数の多い特許として挙げられる。2019年に日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(312件)、次いで本田技研工業(220件)、デンソー(214件)となっている。

 3位本田技研工業の最も引用された特許は「車両の操舵装置」に関する技術で、SUBARUの「周辺リスク表示装置」や「危険度算出装置」関連特許など、計6件の審査過程において引用されている。2019年に本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(258件)で、デンソー(162件)、スズキ(91件)となっている。

 そのほか、4位 マツダは「車両の進行方向の変更時に、後方からの接近物と衝突することを抑制する技術」、5位 豊田中央研究所は「オン抵抗の上昇を抑制できる炭化ケイ素半導体装置」が、最も引用された特許として挙げられる。

自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2019

 

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パテント・リザルト、自動車部品業界の他社牽制力ランキング2019

5年 4ヶ月 ago
パテント・リザルト、自動車部品業界の他社牽制力ランキング2019admin 2020年7月21日(火曜日) in

 パテント・リザルトは、自動車部品業界を対象に、2019年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2019」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。

 集計の結果、2019年に最も引用された企業は、デンソー、次いで住友電装、日立オートモティブシステムズとなった。

 1位 デンソーの最も引用された特許は「車両用情報提供装置」に関する技術で、トヨタ自動車の5件、本田技研工業の2件など、計10件の審査過程で引用されている。このほかには、ADEKAとの共同出願である「非水電解液二次電池電極用バインダー」に関する技術などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2019年にデンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(309件)、次いで三菱電機(233件)、本田技研工業(209件)となっている。

 2位 住友電装の最も引用された特許は「自動車用制御装置」に関する技術で、矢崎総業の「車両用電気接続装置」と「車両用回路体」など、計6件の審査過程において引用されている。このほかには「導電線、導電線の製造方法及び導電線の配索構造」に関する技術や「通信システム及び中継装置」に関する技術などが、引用された件数の多い特許として挙げられる。2019年に、住友電装の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、矢崎総業(247件)、次いでトヨタ自動車(45件)、デンソー(38件)となっている。

 3位 日立オートモティブシステムズの最も引用された特許は「走行制御装置、車載用表示装置、及び走行制御システム」に関する技術で、デンソーの「車両制御装置」関連特許など、計8件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2019年に日立オートモティブシステムズの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はデンソー(125件)で、トヨタ自動車(67件)、本田技研工業(54件)と続いている。

 そのほか、4位 矢崎総業は「聞き逃しの可能性を減じることができる車両内の警報装置」、5位 アイシン精機は「両手が塞がっていても、選択的に開作動できる車両用開閉体作動装置」が、最も引用された特許として挙げられる。

自動車部品業界 他社牽制力ランキング2019

 

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ジェイテクト、移動型PCR検査施設を徳島県立中央病院に提供

5年 4ヶ月 ago
ジェイテクト、移動型PCR検査施設を徳島県立中央病院に提供kat 2020年7月17日(金曜日) in

 ジェイテクトは、徳島大学生物資源産業学部・医学部ととの共同研究で開発中だった「移動型試験施設」を緊急改造、本年7月から8月まで徳島県立中央病院に提供する。

移動型PCR検査施設の外観

 

 ジェイテクトは昨年6月、新領域分野での研究開発・事業化を推進する目的で、徳島大学との間で横断的産学共同研究事業を立ち上げ、包括連携協定を締結した。

 その取組みの一環として、生物資源産業学部・医学部と共同で、移動型試験施設の開発を行ってきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大抑制と徳島県民の医療向上を目的として、本施設を緊急改造、徳島県立中央病院に配置することにより、クラスター発生時の現地PCR検査への協力等でPCR検査体制の迅速化および検査数の拡大と、医療者の安全確保を目指す。

 移動式PCR検査施設は12㎡の施設全体が陰圧仕様となっており、気流を一定方向に維持して、新型コロナウイルスをHEPAフィルターで吸着除去するとともに、前室、安全キャビネット、滅菌装置、冷蔵・冷凍保管庫、流し台を備えており、医療関係者への感染防止を図っている。

 トレーラー型の施設は標準装備した牽引車による移動が可能で、クラスター発生地等に検査施設が移動し、医師・看護師・臨床検査技師らのクルーによる迅速な診察や検査が実施できるため、被検査者の負担軽減と感染の拡大防止に貢献できる。

 また、活動拠点である病院では、施設全体の消毒、回収汚水の殺菌などを実施し、常に出動できる体制を整備できる。

 オプションでリアルタイムPCRや卓上遠心機等を搭載することで、多様な検査や用途への対応が可能となっている。

施設内部

 

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NTN、「回るシンフォニー」の実践ガイドと楽譜を公開

5年 4ヶ月 ago
NTN、「回るシンフォニー」の実践ガイドと楽譜を公開kat 2020年07日17日(金) in

 NTNは、同社オリジナルの音楽ワークショッププログラム「回るシンフォニー」の実践ガイドおよび楽譜を「NTN回る学校」特設サイトで公開した。

「回るシンフォニー」の楽譜
時計の秒針が指した楽器を演奏したり台詞を言ったりすることで1分間の曲を演奏

 

 「回るシンフォニー」は、音楽教育学者の近藤真子氏(文教大学/オークランド大学、音楽教育博士)が創案した「クロック・オーケストラ」音楽づくりをもとに開発したプログラム。参加者は、楽器の音からイメージを膨らませ、様々な音をつないで一つの物語を作る。

 演奏の際には、楽器のイラストが描かれた時計型の楽譜と秒針付きの時計を用いて、秒針が楽器のイラストを指したタイミングで楽器を鳴らす。専門的な音楽知識がなくても、子どもから大人まで誰でも一緒に物語づくりを楽しむことができる。

 本プログラムは、当社が実施している次世代教育のための社会貢献活動「NTN回る学校」のプログラムの一つとして、2019年に誕生。同社が冠協賛する国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」をはじめとする各種イベントで、多数の参加者から好評価を得ている。

 今回、本プログラムを自宅や学校の授業でも行えるよう、事前の準備内容や演奏方法などを紹介する実践ガイドと3種類のNTNオリジナル楽譜に加え、自ら作曲できるよう無地の楽譜も公開した。今後、楽譜の追加や新楽器の紹介など、随時、コンテンツを更新していく予定。

 NTNグループは地域社会との共生を目指し、世界中の各拠点で地域社会貢献に取り組んおり、今後も環境や省エネについて楽しく学ぶことができる「NTN回る学校」を通じ、次世代を担う子どもたちの育成に貢献していく考えだ。

「NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン」で開催した「回るシンフォニー」


 

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