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メカニカル・テック配信ニュース

SEAJ、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2024年度半導体製造装置、初の4兆円超え

2ヶ月 ago
SEAJ、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2024年度半導体製造装置、初の4兆円超えkat 2025年1月28日(火曜日) in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:河合利樹・東京エレクトロン社長)は1月16日、2024年~2026年度の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測を発表した。2024年度の日本製装置販売高は、前年度から継続した中国市場の投資に加えAI関連を中心としたメモリー投資回復により、前年度比20%増の4兆4371億円と予測した。2025年度はロジック・ファウンドリー、DRAMそれぞれに案件ごとの強弱はあるものの、全体では堅調な投資が予想されるため、5%増の4兆6590億円とした。2026年度もAI関連における先端半導体の需要拡大が期待できることから、10%増の5兆1249億円と予測した。半導体製造装置での4兆円超えは初めてだが、早くも2026年度での5兆円超えを見通している。

挨拶する河合SEAJ会長需要予測の背景となる半導体産業の見通し

 WSTS(世界半導体市場統計)によれば、2024年の世界半導体市場は、メモリー価格上昇が大きな要因となり、11月までの累計で前年比19.8%増と大幅に回復、通年で過去最高となる6268億米ドルに達する見込みで、2025年もメモリー市場、ロジック市場共に順調な伸びを予想しており、昨年12月の発表では、2025年全体で11.2%の増加を予想している。

 メモリー各社の業績は2023年1Q(1~3月)のボトムから総じて上昇を続け改善した。一方足元ではAIサーバー以外の需要回復が鈍く、在庫調整により一時的に汎用DRAMやNANDの価格は下落に転じる動きが見られるが、25年後半以降に需要回復と共に在庫調整が完了し、再び価格の上昇が期待される。引き続きAIサーバー向けGPUとHBMの需要は極めて旺盛で、データセンターの消費電力を抑えながら演算能力を高めるためには、次世代品への移行が必須となっている。現在、特定企業に需要が集中するGPUも、徐々に選択肢が広がってゆくと予想する。

 AI機能をPCやスマートフォン端末に搭載するオンデバイス(エッジ・ローカル)AIについては、CPU、GPU、NPU(Neural Processing Unit)をワンチップにまとめ、消費電力を抑えながら高度なAI処理を実行する。2027年にかけ、AI機能を最大限に生かすソフトウェアの普及やアプリケーションの拡大が見込まれ、2nmロジックプロセスの量産が軌道に乗るタイミングに合わせて、市場が本格的に立ち上がると考えられる。AI機能強化のためには、DRAMも高容量化、高速化が求められるため、オンデバイスAI はロジック、メモリー双方にプラスの影響を与える。

 2024年度の半導体製造装置市場については、中国市場での既存および新興メーカーによる汎用品への投資に加え、AI 関連を中心とした先端半導体の投資が拡大したことにより、前年比で大きく成長して着地する見込みとなっている。

 2025年度については、車載・パワー半導体投資の減速懸念や、中国の新興メーカーにおいては新規装置の購入に比べて購入済み装置の立上げや稼働率向上への注力が予想される一方、AI向け半導体の需要拡大と、そこで求められる高性能化や低消費電力化、大容量化に向けたGAA、Backside PDN、高積層メモリーなどの技術進化に伴い先端投資が拡大し、今年度に対してプラス成長が見込まれる。

 また2026年度については、AIサーバーに加えてオンデバイスAIのアプリケーション拡大に伴う、PC、スマートフォン用半導体の需要増加に向けた投資拡大が期待される。

 世界半導体市場は2023年の5268 億米ドルから2030年には1兆ドルに到達すると予想されており、半導体製造装置も同様に中期的な高い成長率が見込まれている。

日本製半導体製造装置の販売高予測

 2024年度は、前年度から継続する中国市場の好調さとAI関連を中心としたメモリー投資回復により、昨年7月発表時を5ポイント上回る20%増の4兆4371億円とした。4兆円を超えるのは、今回が初めて。2025年度は中国向け比率の低下、台湾を除く先端ロジック・ファウンドリーやDRAM案件について投資姿勢の強弱を精査した結果、5%増の4兆6590億円とした。2026年度は全分野でAI関連半導体の需要押上げ効果が本格化することから、10%増の5兆1249億円と予測した。

日本市場における半導体製造装置の販売高予測

 2024年度は、政府による補助金効果や大手ファウンドリーの堅調な投資はあるものの、慎重な投資姿勢に転じたパワー半導体等の状況も考慮し、7%増の1兆2232億円と予想した。2025年度は複数の大手ファウンドリー投資が重なり、メモリー投資も大きく復活が期待されることから、30%増の1兆5902億円と予測した。2026年度も高い伸びで投資が継続されるため、20%増の1兆9084億円を予測した。

提供:SEAJ
kat

日本ベアリング工業会、新会長に鵜飼英一NTN社長

8ヶ月 3週 ago
日本ベアリング工業会、新会長に鵜飼英一NTN社長kat 2024年7月5日(金曜日) in

 日本ベアリング工業会(JBIA)は、市井明俊前会長(日本精工社長)の任期満了に伴い、鵜飼英一NTN社長を新会長に選出した。任期は、2024年6月~2026年6月の同会総会まで。

 日本ベアリング工業会は、ベアリング(転がり軸受および同部品)を製造する法人により構成された団体で、技術標準化、不正商品対策、環境対策、中小企業対策などさまざまな課題について、業界として対応している。

 鵜飼新会長は、「日本ベアリング工業会の会長として、ベアリング業界全体の健全な発展に向け、取り組みを進めていく」と語っている。

鵜飼新JBIA新会長

鵜飼英一氏
1957 年生まれ。1980 年エヌ・テー・エヌ東洋ベアリング(現NTN)入社。入社後は、国内外の製作所において品質保証・製造部門などで経験を積み、2011年に執行役員、2014年より常務執行役員、アセアン・大洋州地区総支配人を経験。2017年に取締役、2021年4月より現職(代表執行役 執行役社長)。

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日本工作機械工業会、2024年新年賀詞交歓会を開催

8ヶ月 3週 ago
日本工作機械工業会、2024年新年賀詞交歓会を開催kat 2024年7月5日(金曜日) in

 日本工作機械工業会は1月10日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った稲葉善治会長(ファナック会長)は「2023年は新型コロナウイルスが5類に移行し経済活動が正常に戻った。一方で米中対立やウクライナ戦争の長期化、さらに中東パレスチナでは激しい軍事衝突が勃発し、世界情勢は不透明・不確実の度合いをさらに強めている。このような状況の中で2023年は、内需は当初見込んでいた半導体製造装置関連や、自動車需要回復が思うように進まず、目標に達しなかった。一方外需は欧米が比較的高水準を維持したものの、中国が不動産の不良債権問題などをきっかけに景気が低迷し大幅に減速した。こうした厳しい経済環境から2023年の工作機械受注額は、1兆4800億円に達した。2024年は世界情勢の先行き不透明感が継続する中で、年前半は緩やかな調整局面が続くと思われる。しかし人材不足や人件費高騰に対応する自動化・効率化投資、また、AI・IoTを活用したデジタル革新、環境対応といった設備へのニーズは根強いものがあり、工作機械の受注を下支えしていくことが期待される。また、半導体の需要増加や、自動車の新エネルギー対応など、今年後半には工作機械に新たな需要が見込まれる。以上の状況を総合的に判断し、2024年の工作機械受注額は1兆5000億円になるものと見込んでいる。工作機械業界の公共不況のボーダーラインを1兆3000万円と考えているため、非常に厳しい状況にある中では決して悪くない数字と考える」と述べた。

挨拶する稲葉会長

 

 2024年は工作機械業界最大のイベントである「JIMTOF2024」が11月に開催される。今回のJIMTOFでは「技術のタスキで未来につなぐ」をコンセプトに、製造業のポテンシャルを最大限に引き出す最先端の工作機械技術・製品を世界に向けて発信すべく、会員各社に対し鋭意準備を進めてほしい、と述べた。今回も前回に続いて、南展示棟で特別併催展「Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024」や、併催事業の目玉として出展社と学生をつなぐ「アカデミックエリア」を設置する。このエリアでは企画展示やポスターセッションなどの恒例のプログラムに加え、新企画として学生・学校関係者を対象として就活コンテンツを盛り込む予定。各プログラムを有機的につなぐことでシナジー効果が発揮され、次世代を担う学生と現役世代の交流促進だけでなく、南展示棟の賑わいにも一役買うことが期待される。目的をもって南展示棟に向かう来場者を増やすことで新たな人の流れを生み出すことでJIMTOF全体を盛り上げていく。

 また、2024年度のJIMTOF以外の日工会の活動として、以下のとおり報告した。

・デジタル、グリーン、レジリエンスの三つの取組みの推進・進化をはじめ「工作機械産業ビジョン2030」で示された内容についても、各委員会が中心となって取り組んでいく。その一環として、生産システムの自動化に必要とされる工作機械の仕様・機能の指針を策定するほか、日本流の産学官連携拠点の在り方に関する検討、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ活動、デジタルツールを活用したEPA利用促進、将来有望なインド市場開拓に資する調査研究、これらの事業を推進して会員各社に共通する共有領域の深化・拡大を進めていく

・工作機械ビジネスは技術、輸出管理、経済安全保障のほか、あらゆる面で高度化・複雑化しており、人材育成の重要度が増している。工作機械業界の技術者、輸出担当者、サービス員などの人材育成事業を推進していく

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ロボット関連3団体、2024新年賀詞交歓会を開催

8ヶ月 3週 ago
ロボット関連3団体、2024新年賀詞交歓会を開催kat 2024年7月5日(金曜日) in

 日本ロボット工業会、製造科学技術センターと日本ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)のロボット関連3団体は1月12日、東京都港区の東京プリンスホテルで「2024年ロボット関連団体新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は代表して日本ロボット工業会の山口賢治会長(ファナック社長)が挨拶に立ち、「2023国際ロボット展は主点者数が過去最大だったほか、来場者も14万8000人と過去最高になり盛大に開催でき、当工業会の2024年に向けた力強い応援となった。経済環境は長引くロシア・ウクライナ情勢、中東情勢のほか、地政学的リスクもあり不安定化がさらに進んできている。国際経済もこれらに加え、中国の経済減速や欧米でのインフレ圧力の増加などから減少傾向にある。直近の国際通貨基金における世界経済の見通しでは、2022年が3.5%の伸びだったのに対し、2023年は3.02%増、今年は2.9%増にまで減速するなど、さまざまな懸念の中で新年を迎えた。こうした状況の中、2023年の我が国ロボット産業は中国市場の悪化や世界経済低迷による投資の先送りなどから、受注額で対前年度比23.6%減の約8490億円、生産額では11.2%減の約9060億円と、当初見通しを大幅に下回ることが見込まれている。今年のロボット市場においては、世界的な経済に不透明感はあるものの、国際ロボット展で改めて感じた自動化への高まる要求に鑑み、年度後半に向けて拡大する自動化需要を取り込むことで、受注額は対前年度比6%増の9000億円を期待するとともに、生産額も9000億円を見込んでいる」と挨拶した。

挨拶する山口会長


山口会長は続いて3団体の2023年の活動計画について報告。


 日本ロボット工業会の活動としては、業界活性化のさらなる推進に向け、以下の3点を重点分野として取り組む。

・市場拡大に向けた取組み:同会は2023年から、経済産業省の実施する「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」の補助金交付執行団体事務局として、「施設管理」と「食品」の2分野におけるロボットフレンドリーな環境の構築に必要な研究開発の支援事業に参画しており、本年も引き続き進めていく。また、政府では中小企業等の生産性向上や売上高拡大などに向けた投資促進を図るため、2023年度補正事業において「中小企業省力化投資補助事業」、「中小企業生産性革命推進事業」の施策を推進することとしており、同会としてもそれら施策を通じたロボットの利活用拡大に努めるほか、ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会およびSIer協会との連携を通じロボットの一層の使用拡大に努めていく

・イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進:グローバル市場での日本の優位性確保や潜在市場の顕在化に加え、さまざまな社会課題解決に向けての、ロボット技術のイノベーションの加速は急務で、日本ロボット学会などの関係学会や関連業界との連携に努める

・国際標準化の推進と国際協調・協力の推進:国際標準化は欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいるが、日本も官民挙げての取り組みが重要。特にロボットの国際標準化について審議しているISO TC299で本年5月に大阪府の池田市で五つのWGを開催する。ロボットのリーディングカントリーとして国際標準活動に引き続き積極的に取り組むとともに、国際ロボット連盟を通じた活動と国際交流を積極的に推進していく

 2024年はまた、6月12日~14日開催の「第25回 実装プロセステクノロジー展」、9月18日~20日には「Japan Robot Week 2024」の二つの展示会を東京ビッグサイトで開催する。両展を通じて技術情報の発信とともに、さまざまな分野へのロボット利活用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術深耕等の事業を意欲的に展開する。

 製造科学技術センターでは、ロボット、IoT、ものづくりなどにおける製造科学技術全般の調査・研究や標準化に取り組んでおり、2024年は以下のとおり活動する。

・ロボットとものづくり関連の取り組み:人とロボットの力や情報の相互作用を加味する革新的な協業形態である「合業」を提唱し新たな生産手法の確立を目指しているほか、将来のロボットのエンドエフェクタの国際標準化の在り方について検討を進めている

・オートメーション関連の取組み:企業間を含めた生産システムの連携手法、経営情報、現場情報に加え、脱炭素情報を含めた「製造の見える化・モデル化」、さらにはクラウドを活用した中小企業における工場のIoT化促進などの活動を実施している。1月31日~2月2日にはこれまでの成果を発表する「IAFフォーラム」に出展する

・標準化活動:スマートマニュファクチャリングおよびDXに関する産業データの標準化を扱うISO/TC 184/SC 4では、三次元CADデータの流通・活用の高度化を進めるための規格などの、またSC5では、デジタルツイン、ソフトウェアシステムの連携や製品に関するデジタルデータの流通・活用の促進に関する規格の開発など、日本から合計4件の提案を行っている。日本主導によって合計3規格の国際標準文書の発行のめどが立っている。引き続き標準化活動を強化し産業界に寄与していく

 製造科学技術センターは日本のものづくりの横断的な課題に応えつつ、ものづくり企業の競争力と活力の創成に努めていく。

 SIer協会は2018年に日本ロボット工業会の特別委員会として設立、2023年に5周年を機に一般社団法人化を行った。設立以来、①SIerを中心としたFA・ロボット業界ネットワークの構築、②SIerの事業基盤の強化、③システムインテグレーションに対する専門性の高度化の三つのキーワードを掲げ活動を行ってきたが、一般社団法人化を機に①ロボットSIerを若者があこがれる職業へ、②SI業界の発展のみならず自動化業界(ロボット業界)全体の発展の牽引者へ、③サイバーフィジカルシステムで日本を世界一の自動化大国へ、のキーワードを追加した。本年は各種展示会への出展、ロボットアイデア甲子園の開催、全国各地10カ所でのSIer’s Dayの開催、地方行政との連携、技術セミナーの開催、各種講座の開催、ロボットSI検定の実施などの活動を引き続き行う。また、2023年から開始したロボット教育におけるデジタル活用の推進(デジタル教育機器を用いたロボット操作など)に注力していく。生徒・学生へのロボット教育普及を目指し、これまでロボットシステムインテグレーションを行う上で必要な知識の習得レベル・技術の修熟レベルを測定するための検定試験「ロボットSI検定4級」を追加する検討を開始する。さらに、ロボットSI検定3級をタイで本年から実施するなど、ロボットSI検定の国際化の第一歩を踏み出す。
SIer協会は引き続き、ロボット産業およびSI産業の発展のために活動を行っていく。

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日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、半導体製造装置で初の4兆円超えへ

8ヶ月 3週 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、半導体製造装置で初の4兆円超えへkat 2024年7月5日(金曜日) in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:河合利樹・東京エレクトロン社長)は7月4日、2024年~2026年の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測を発表した。2024年度の日本製装置販売高は、年度後半からのメモリー投資回復を見込み、前年度比15%増の4兆2522億円と予測した。2025年度はロジック・ファウンドリー、メモリー全体で堅調な投資が予想されるため、10%増の4兆6774億円とした。2026年度もAI関連半導体の需要押上げ効果が顕在化することから、10%増の5兆1452億円と予測した。半導体製造装置での4兆円超えは初めてとなる。

 冒頭挨拶に立った河合SEAJ会長は、「昨今の世界情勢はロシアによるウクライナの長期化、イスラエル・ガザ情勢、米朝対立など地政学リスクの高い状況となっている。欧米を中心としたインフレに伴う政策金利の上昇は高のぼりを見せており、国内では依然として歴史的円安が続くなど、マクロ経済の動向にも引き続き注視が必要。半導体業界に目を向けると、昨年は中国企業による設備投資が堅調に推移する一方、全体的には半導体の在庫調整に伴い先端デバイス向けの設備投資が抑制傾向にある。こうした動向を受けWSTS(世界半導体市場統計)によると2023年の世界半導体市場は、前年比8.2%減の5269億ドルとなったが、2024年は16%増の6112億ドルと再拡大が予測されている。1947年のトランジスタの誕生から76年、半導体市場は初めて6000億ドルを超える見込みとなっており、2030年ごろには市場ドルを超える市場となることが予想されている。2006~2021年の15年間に倍になった市場規模が、この約半分の期間でさらに倍になることを示しており、市場拡大の規模は早くなってきている。そのけん引役となるのがAIであり、今後、産業や社会のあらゆる場面でAIの活用が広がり、スマートなライフスタイルを伴いながら、我々の生活は一層便利に発展していくと思われる。半導体に対する技術要求はさらなる大容量、高速、高信頼性、低消費電力など、とどまるところを知らない。そうした半導体を形にする製造装置に対する期待や需要もますます高まっていくことが予測される。半導体産業が拡大していくことに伴い、当協会の役割も重要性を増している。脱炭素社会の実現に向けたネットゼロや、PFASに代表される環境規制物質への対応、地政学やサプライチェーン、そして半導体産業のサステナブルな発展を支える人材育成が、業界として喫緊の課題となっているが、各企業の努力のみならず業界全体が一体となり取り組んでいくことが必要だと感じている。協会としては日本製の半導体・FPD製造装置を取り巻くグローバルな市場環境の変化についてSEMIとも連携して調査分析し、適切な対応を取っていくことで、業界および会員企業の発展につながるよう精一杯務めていく」と語った。

挨拶する河合SEAJ会長

 

 WSTS(世界半導体市場統計)によれば、2023年の世界半導体市場は、メモリー価格下落の影響から前年比で8.2%減と4年ぶりに減少した。2024年はメモリー市場が単価・数量ともに上昇し、ロジック市場も回復する見通しである。6月の発表では、2024年全体で16.0%増加の6112億米ドルと、過去最高額を更新するとしている。2025年も引き続き12.5%の増加が予想されており、高い成長を見込む。

 メモリー各社の業績は2023年1Q(1~3月)をボトムに4四半期連続で回復傾向となっている。現在までPCやスマートフォンの販売台数そのものに顕著な変化は見られないが、ウェーハ投入数としては減産を終了する動きが出ており、需給関係は改善している。サーバーについては、AIサーバー向けGPUは極めて需要旺盛であり、組合せて用いるHBM(High Bandwidth Memory)は、引き続き需要が急増している。

 今後については、AI機能をサーバーだけでなく、オンデバイス(エッジ・ローカル)という形でPCやスマートフォンに搭載する動きが加速する。AI PCでは従来のCPU、GPUに加えてNPU(Neural Processing Unit)を標準搭載し、高度なAI処理をCPU、GPUの負荷を軽減させつつ最適化し、低消費電力を実現する。スマートフォンでも、6月には最大手企業からAI機能の全面刷新が発表され、大きな話題となった。
CPU、GPUに加えてNPUを同時搭載するには、相対的に集積度を上げるか、ダイ面積を増やす必要がある。発表されたAI PCの最低システム要件は、DRAM「16GB以上」、SSD「256GB以上」が指定され、動画を含め快適に動かすには更なる高容量が推奨される。オンデバイスAIが半導体市場に与える影響は、ロジック、メモリー双方にとってプラスとなる見込みである。加えて2025年10月のWindows10サポート終了に合わせ、エンタープライズ向けのPC買換えも促進される。

 AIサーバー向けには、今後AI機能に最適化した様々な半導体の登場が見込まれる。現在、特定企業に需要が集中するAIサーバー用GPUも、徐々に選択肢が広がると予想する。データセンター投資も、AI用途だけでなく、いずれ汎用サーバーを含めた更新投資に向かうとみられる。
半導体製造装置では、2022年10月の米国による対中規制強化、2023年7月に日本、9月にオランダで輸出管理の厳格化が始まった。結果的には、規制対象外の分野に投資がシフトしたことで、現在まで中国向け装置需要は増加し、現在も堅調である。2024年度は中国以外の国・地域での投資が増加するのに伴い、相対的に中国向けの比率は下がるとみている。

 2024年度はロジック・ファウンドリー、DRAMの投資回復が予想される。2025年にはNANDフラッシュも大きく回復し、加えて各国政府の支援が投資を下支えする。AI技術の浸透は、現在のAIサーバー用GPUとHBMだけにとどまらず、2026年に向けオンデバイスAI PC、AIスマートフォン用半導体の需要を喚起し、端末の買い替え促進でも広範な波及効果をもたらす。更にAR/VR/デジタルツイン、EV/自動運転などの多様なアプリケーションの伸長に支えられた成長が期待される。

 世界半導体市場は2023年の5268億米ドルから2030年には1兆ドルを目指すと言われており、半導体製造装置も同様に中期的な高い成長率が見込まれている。
半導体製造装置・日本製装置販売高予測としては、2024年度は現在続いているメモリー価格の上昇に稼働率の上昇が追い付くタイミングで、DRAM投資が本格的に復活するとみている。中国向けは引き続き堅調であるが、他地域向けの投資拡大に伴い比率は若干下がる傾向となる。これらにより15%増の4兆2522億円と予測した。4兆円を超えるのは、今回が初めてである。

 2025年度はNANDフラッシュが投資回復し、ロジック・ファウンドリーの投資も堅調であることから、10%増の4兆6774億円とした。
2026年度も引き続き順調な伸びが期待されるため、10%増の5兆1452億円を予測した。4兆円から5兆円へは2年で到達することになる。
半導体製造装置・日本市場販売高予測としては、2024年度はメモリー市況の回復に加え政府による補助金効果や、大手ファウンドリーの順調な立ち上がりも手伝い、17%増の1兆3375億円と予想した。2025年は複数の大手ファウンドリー投資が重なり、メモリー投資も大きく復活が期待されることから、30%増の1兆7388億円と予測した。2026年度も引き続き堅調な投資が見込まれるため、7%増の1兆8605億円を予測した。

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マツダ、新時代に適合したロータリーエンジンの研究開発を加速

1年 1ヶ月 ago
マツダ、新時代に適合したロータリーエンジンの研究開発を加速admin 2024年2月2日(金曜日) in

 マツダは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、時代に適したソリューションによってクルマが持つ楽しさを届け続けるために、新しい時代に適合したロータリーエンジン(以下、RE)の研究開発を加速させていく。

 REの新しい物語の序章として、2024年2月1日付で、パワートレイン開発本部パワートレイン技術開発部に「RE開発グループ」を復活させた。新生のRE開発グループでは、REを発電機用として継続的に進化させ、主要市場での規制対応やカーボンニュートラル燃料対応などの研究開発に取り組む。

 本件について、取締役専務執行役員兼CTOの廣瀬 一郎氏は、「マツダの歴史において、REは『飽くなき挑戦』を象徴する特別な存在。これまでREを支えていただいたすべての皆さまに心から感謝申し上げる。このたび、世界中のお客さまに愛されてきたREを開発する組織を復活させた。今日までの約6年間、RE技術者は最先端の内燃機関の機能開発や究極の効率改善を掲げるエンジン開発の組織に属し、エンジン方式の垣根を越えてその視座を広げ、またマツダの強みの一つである『モデルベース開発』の使い手として鍛錬してきた。このたび36人の技術者が一つのグループに集結し、REの研究開発でさまざまな壁をブレークスルーするスタートを切る。電動化時代そしてカーボンニュートラル社会においても、『飽くなき挑戦』でお客さまにワクワクしていただける魅力的なクルマをお届けすることをお約束する」と述べた。

 ロータリーエンジンは、三角形のローターが回転することによって動力を生む独自の構造をもつエンジンで、マツダは1967年に導入した「コスモスポーツ」にREを初めて搭載し、その後も長年にわたりロータリーエンジンを量産する唯一の自動車メーカーとして、出力、排気ガス浄化、燃費、耐久性などの性能向上に取り組んできた。2023年6月には、2012年に「MAZDA RX-8」の生産を終了して以来約11年ぶりに、ロータリーエンジン搭載車の量産を再開しました。現在、12車種目のロータリーエンジン搭載車種の「MAZDA MX-30 Rotary-EV」を日本や欧州に導入している。

MAZDA MX-30 Rotary-EV 電動駆動ユニット

 

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安川電機、業界初 自律性を備えた産業用ロボットの販売を開始

1年 3ヶ月 ago
安川電機、業界初 自律性を備えた産業用ロボットの販売を開始kat 2023年12月4日(月曜日) in

 安川電機は、産業用ロボットの業界で初めてロボット自身が周りの環境に適応しながら判断する自律性を持った次世代ロボット 「MOTOMAN NEXT シリーズ(可搬質量4kg、7kg、10kg、20kg、35kg の5 機種のラインアップ)」を販売開始した。

MOTOMAN NEXT シリーズ

 

 同社では1977 年に日本初の全電気式産業用ロボットを開発して以来、自動車産業を中心とした活用、3C/3品市場など適用市場の拡大、そしてバイオメディカルロボットや人協働ロボットなど用途最適のマニピュレータの高機能化のように時代ごとに求められる成長産業へ同社のロボット事業を拡大してきた。

 今日に至るまで産業用ロボットの導入台数は、ロボットの動作速度や可搬質量の基本性能の向上、応用技術の進化などにより拡大し続けている。一方、不確定なモノの状態・形状・大きさのバラツキ、作業順序の変更や割込みが存在するような作業など、人が判断を行い作業している「未自動化領域」はまだ多く残っている。

 このような「未自動化領域」の自動化へ挑むロボット:MOTOMAN NEXT シリーズは、ロボット自身が状況を把握し、自ら判断・計画しながら、最適な方法で作業を完結させる。また、ユーザーやパートナー企業の知見を組み込み、ソリューションを創り上げることができるオープンプラットフォームを提供する。ユーザーやパートナー企業との協創により自動化を加速し、FA分野をはじめ、食品・物流・農業といった産業における労働力不足などの社会的課題の解決につなげていく。

 MOTOMAN NEXTシリーズの主な特長は以下のとおり。

・自律性の実現

 MOTOMAN NEXT のコントローラは、周囲状況の認識・判断処理、およびセンサーから得られた周囲の位置情報を基に動作計画を立て、実行するために、ロボット本体の制御機能に加えて“自律制御ユニット”を搭載する新規のアーキテクチャを採用。作業の状況を自分自身でチェックし、その状況に合った方法で作業を完結させることで自律性を実現する。

 

 MOTOMAN NEXT のマニピュレータは、コントローラからの指令に対する追従性を高めるため、自社開発した最適モータを採用。これにより基本性能が向上し、コントローラが指令した位置と実際の位置の差を最小化することでデジタルツインを実現する。本マニピュレータは同社の最新のモータ技術、ロボット技術を密に融合させた製品となっている

 

・ユーザー・パートナー企業とソリューションを創り上げるオープンプラットフォーム

 MOTOMAN NEXT コントローラでは、ユーザーとパートナー企業が持つ独自の知見・技術を生かしてロボットアプリケーションを構築してもらうよう、開発環境をオープン化している

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ユニバーサルロボット、可搬重量30kgの協働ロボットをリリース

1年 3ヶ月 ago
ユニバーサルロボット、可搬重量30kgの協働ロボットをリリースkat 2023年12月4日(月曜日) in

 ユニバーサルロボットは、1300mmリーチで本体質量63.5kg と軽量、コンパクトながら可搬重量30kgの協働ロボット「UR30」をリリース、11月29日~12月1日に開催された「国際ロボット展」で披露された。

国際ロボット展でのUR30を用いたデモ

 

 UR30は、大型のワークや段ボール箱、原料袋・樹脂袋のような重量物の積み上げ作業はもちろん、加工機へのワークの脱着などのマシンテンディングや高トルクのねじ締めなど、身体的負担が大きい、人による重作業の自動化に活用できる。加工機へのワークの脱着を行う場合、可搬重量が大きいため、より大型のワークであっても複数のグリッパを一度に装着できるようになり、加工済みのワークを取り外しながら加工前のワークを取り付ける作業が一度にできるようになる。これにより段替え時間を短縮し、生産性の最大化が可能となる。

 UR30はまた、より大型で高出力のナットランナーを装着させることで、高トルクのねじ締めに対応。URロボット独自のステディモード機能により、反力を受けても保護停止することなく、安全を担保しながら一貫して正確なねじ締め作業を実現する。これは、特に高トルクのねじ締めを多用する自動車関連の製造工程において有益となる。

 さらに、可搬重量30 kgのUR30は、あらゆる製造業における重量物の積み上げ作業や平積み作業に最適。ロボットのリーチは1300㎜で、システムの省スペース化に大きく貢献します。また、ロボットの質量はわずか63.5kgで、AMR(自律走行搬送ロボット)やAGV(無人搬送車)に載せて作業セル間を移動させるのにも適している。

 ユニバーサルロボット社長のキム・ポウルセン氏は「大きな可搬重量と高い柔軟性は、オートメーションの新時代を下支えするもの。今日の世界では、変動する需要や変化する外的環境に対応できる生産ラインの構築が求められている。UR30は30kgという大きな可搬重量にもかかわらず、小型・軽量であるため制限なく生産ラインに導入できる柔軟さを有している。UR30を導入することで、ユーザーは将来の需要の変化にも対応するフレキシブルなラインを構築できるようになる。UR30は、オートメーションの世界の限界を押し広げるURURの革新の旅における新たな一歩となる製品」と述べている。

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イグス、低コスト協働ロボットの日本市場での本格販売を開始

1年 3ヶ月 ago
イグス、低コスト協働ロボットの日本市場での本格販売を開始kat 2023年12月4日(月曜日) in

 イグスは、クラス最軽量の低コスト協働ロボット「ReBeL(リベル)」の日本市場での本格販売を開始する。

ReBeL

 

 ReBeLは、軽量で無潤滑の低コスト協働ロボットとしてドイツで開発され、2021年の発売以来、欧州、北米市場を中心に年々販売実績を伸ばしている。

 日本市場においては、本年より販売を開始しており、中小製造業を中心とするロボット需要の高まりを受け、様々な業界からの問い合わせや引き合いが増加。イグスではこうしたニーズに応えるため、ロボット製品の国内販売部門の体制を強化するともに、日本市場向けに対応したReBeLの拡販を開始する。

 ReBeLは、人間とロボットの協働作業に適したアーム型ロボットで、イグスが独自開発した高機能ポリマーで製造されているため、本体重量が約8.2㎏(ロボットに内蔵したコントローラ含む)と軽量のため、従来の金属製ロボットでは困難な壁付け、天吊りも可能。また、省スペースで設置できるためコンパクトな設計が可能となる。内蔵型コントローラやティーチングソフトウェア(iRC)をセットにして100万円台(可搬重量2㎏、最大リーチ600m以上クラスの協働ロボットとして最もリーズナブルな価格帯)で提供している。

 このように軽さや価格帯において競争力のある協働ロボットだが、従来はソフトウェアの操作画面がグローバル仕様のため英語版のみとなっていた。今回日本市場での販売強化にあたり、日本語表示に対応した。また、品質・安全性に対する要求が高い日本市場に対応するために、国際的な第三者認証機関によるISO TS15066 2017:4に準拠した試験で、協働ロボットとしての適合性を確認している。

 イグスでは、既存の設備やリソースをベースにしてシンプルかつ低コストな自動化で生産性の向上を図ること、そしてロボットをはじめとしたその製品群を「ローコストオートメーション(LCA)」と表現している。このLCAを日本市場においても訴求するために、本年1月に東京本社内にLCAセンターを開設し、自動化を検討している企業に対して、ロボットが実際に動作する様子を体感できる場を提供している。

 今回販売を強化するReBeLは、このLCA製品群の中でも今後日本市場で最も注力する製品に位置付けており、すでに軽さや価格においてさまざまな業界から注目されており、旺盛なニーズに対応するためReBeL拡販のための専門チームを立ち上げた。

 2023年11月時点で、製造現場以外にも、研究開発や製品の試験現場等での導入事例が増えており、今後は、大学・学校等の教育分野や、飲食業等サービス分野での幅広い用途の活用・採用も見込んでいる。なお、イグスはReBeLの販売を強化するとともに、来年度LCA事業における3倍の増員を視野に、日本事業全体での売上拡大を目指す。

 ReBeLの機能・特長は以下のとおり。

・プラスチックで構成されるため8.2㎏と軽量。壁付け、天吊りが可能

・コントローラ内臓で省スペース

・プラグ&プレイですぐに稼働可能

・最大2kgの可搬重量

・最大664mmの可動範囲

・最大6自由度

・最大速度0.2 m/s

・繰り返し精度:±1mm

・無料、ライセンスフリーのロボット制御ソフトウェア(iRC)を使用可能

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日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表

2年 2ヶ月 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表kat 2023年1月30日(月曜日) in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:牛田一雄ニコン会長)は1月12日、2022年~2024年の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測を発表した。

 冒頭、挨拶に立った牛田会長は、「ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、平和の大切さを改めて感じている。ウクライナに早く平和が戻ることを願っている」と述べた後、エネルギー価格の高騰やインフレに対応した金融対策などから消費に減速懸念があり、パソコン出荷台数減少に伴いメモリーを中心に在庫調整局面にあること、また、地政学的リスクが世界経済、半導体製造装置を含む産業全体に影響を及ぼしていること、さらには昨年10月に発表された米国の先端半導体などを巡る対中輸出規制の日本企業への影響が懸念されることなどを表明。一方で、全産業を支える半導体の重要性が再認識され、半導体の製造に関わる支援が各国で強化され、日本においても半導体技術の研究開発拠点であるLSTC(Leading Edge Semiconductor Technology Center)と半導体の生産を請け負うラピダス(Rapidus)が設立されたこと、さらにはTSMCの新工場が熊本に設立されること、こうした一連の動きが半導体製造装置産業にプラスとなり、産業が元気な姿を社会に示すことで次世代を担う人材を集めていきたい、とした。「半導体はあらゆる産業と生活の基盤となっており、ディスプレイは産業や医療の発展を支えライフスタイルを変えていくことに寄与している。技術力、競争力を高めることで半導体・FPD製造装置の明るい未来を確かなものにしよう」と締めくくった。
 

挨拶する牛田会長

 

 2022年度の日本製装置販売高は、昨年10月に発表された米国の先端半導体などを巡る対中輸出規制の影響やメモリーを中心とした設備投資への慎重な姿勢を加味し、前年度比7.0%増の3兆6840億円と予測した。2023年度も暦年内の投資は慎重な見方を継続しており、5.0%減の3兆4998億円とした。2024年度はメモリーの本格回復に加えロジックも堅調な投資が予想されるため、20.0%増の4兆1997億円と予測した。半導体製造装置での4兆円超えは初めてとなる。

 FPD製造装置については、2022年度はパネル需給悪化の影響が残るため、一部の納期スライドを反映して6.0%減の4520億円と予測した。2023年度はLCDを中心に大型投資案件そのものが少なく、20.0%減の3616億円と予測した。2024年度はG8基板での新技術を使ったOLED(有機ELディスプレイ)投資が本格的に始まるため、50.0%増の5425億円と予測した。この金額も過去最高となる。

 SEAJ半導体調査統計専門委員会(メンバー13社)およびFPD調査統計専門委員会(メンバー7社)による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたもの。

 ウクライナ戦争長期化やエネルギー価格の高騰、米欧の利上げ継続やインフレ傾向から、エレクトロニクス製品を含む世界的な消費減速の懸念が高まっている。昨年のパソコンやスマートフォンの出荷台数は前年割れとなり、それらに使われる半導体も現在はメモリーを中心として在庫調整の局面にある。

 地政学的なリスクの高まりや、経済安全保障を巡る世界的な地域ブロック化の影響は、半導体業界全体に及んでいる。米国の対中輸出規制強化等は短期的な装置需要へネガティブとなる一方、世界各地域で半導体に対する政府補助金が計画されており、全体の投資を下支えする構造となっている。

 WSTS(世界半導体市場統計)は、昨年11 月に最新の半導体市場予測を発表した。2022年の世界半導体市場規模は、前年比4.4%増と成長は鈍化する。2023年は同4.1%減と4年ぶりのマイナス成長を予想しており、メモリー価格の下落を反映し、かなりの下方修正となった。

 2023年度の半導体製造装置市場は、DRAM を中心とした市況悪化を受けたメモリーの設備投資削減により、前年割れを予想している。2024 年度はメモリーの本格回復に加えて、世界各地域における大規模なロジック投資が計画され、高い成長率に戻ることが期待される。

 多少の増減はあってもデータセンター投資やハイエンド品のスマートフォン需要は底堅く、車載用途では自動車1台あたりに搭載される半導体もさらに増加する。従来型のパソコン、スマホに加え、5G、IoT、AI、データセンター、自動運転、EVとパワー、産業機器等が、中期的に半導体製造装置の需要を健全に牽引していく見方は従前と変わらない。

 先端ロジックではいよいよGAA(Gate-All-Around)と呼ばれる新しいトランジスタ構造が採用され、チップレットといったパッケージ技術の進化が、性能とコスト面のバランスを側面から支えていく。高い演算性能と低消費電力の両立は、将来のカーボンニュートラル達成の観点からも必然とされており、持続的な技術革新が装置需要を後押しする。

 2022年度の日本製半導体製造装置の販売高は、大手メモリーメーカーの投資が前半に集中したことを考慮し、5.0%増の9558億円と予測した。2023年度も全体として安定した投資が見込まれ、5.0%増の1兆36億円とした。2024年度は大手ファウンドリーの投資本格化に期待し、20.0%増の1兆2043億円を予測した。

 2022年度の日本製FPD製造装置の販売高は、最新の設備導入時期を精査した結果、6.0%減の4520億円を予測した。2023年度は、LCD投資の多くが見送りとなったこと等を反映し、20.0%減の3616億円とした。2024年度は、2023年度の投資抑制によるパネル需給の好転と、新技術を用いたG8基板のOLED投資の本格化を期待し、50.0%増の5425億円を予測した。

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日本工作機械工業会、2023年新年賀詞交歓会を開催

2年 2ヶ月 ago
日本工作機械工業会、2023年新年賀詞交歓会を開催kat 2023年1月30日(月曜日) in

 日本工作機械工業会は1月11日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った稲葉善治会長(ファナック会長)は「2022年の工作機械受注は、コロナ禍をはじめとする過酷な環境下ながら、デジタル化、自動化、省エネ、環境対応などに関連した設備投資が好調に推移したことで、昨年9月に(1月公表の1兆6500億円から)上方修正した1兆7500億円に到達。2023年の世界情勢についてはウイズコロナによって政治的・地政学的緊張状態を伴う分断化、経済成長の下振れリスク、欧米等でのインフレ傾向、中国での景気停滞に伴う世界経済の減速懸念や、新型コロナウイルスの拡大などにより設備投資はしばらく停滞すると見られるものの、製造業では省エネや環境対応、IoT、AIを活用し、さらにロボット技術を融合させた生産システム全体の省人化、省エネ化、生産拠点の合理化といったグリーンレジリエンスをキーワードとする取組みが力強く推進されており、また当工業会でも半導体製造装置関連需要といった先々の需要取り込みに動いていることなどから、2023年の工作機械受注総額は1兆6000億円と見通している。さらに期の途中で上方修正の報告ができるよう、業界を挙げて努力していく」と述べた。

 稲葉会長はまた、「最近ではデジタル技術の普及で「ものづくり」から「コトづくり」へと発展していくとの見方がある。「コト」の需要を開拓していくには、しっかりとした「もの」があることが大前提で、高機能で信頼性の高い「もの」なくしては、大きな発展は望めない。我々日本の工作機械メーカーは、「もの」として素性の良い工作機械を提供しているという特色・強みを有する。この強みを将来にわたって継承し世界をリードする高機能で信頼性の高い工作機械の供給を通じて、ものづくりとコトづくりを融合することで、次世代の製造業の発展に貢献していけると確信している」と力強く語った。

挨拶する稲葉会長

 

 続いて2023年の日工会の活動について以下のとおり報告した。

・グリーン、デジタル、レジリエンスの三つの取組みの推進・進化:グリーンについては工作機械製造に関わる調達から、使用、廃棄までのLCA化を推進していく。デジタルについては、生産現場の自動化要求に対応するため仕様と機能の実施について検討を進める。レジリエンスについてはサプライチェーン強化に関する業界の知見向上に関して活動を進める

・「工作機械産業ビジョン2030」の具現化の取組み:同ビジョンは、産学官の叡智を結集し、技術、市場、経営、人材の四つのテーマを掲げは、業界が取り組むべき課題と方策について盛り込んでいる。日本の工作機械産業の国際競争力の維持・強化のため、それらを具現化する取組みを進めていく

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自動車5団体、新春賀詞交歓会を開催

2年 2ヶ月 ago
自動車5団体、新春賀詞交歓会を開催kat 2023年1月30日(月曜日) in

 日本自動車工業会(自工会)、日本自動車部品工業会(部工会)、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会、日本自動車販売協会連合会は1月5日、東京都港区のホテルオークラ東京で、「令和5年 自動車5団体 新春賀詞交歓会」を開催した。自動車関連団体による新春賀詞交歓会の開催は3年ぶりで、日本自動車販売協会連合会が加わった5団体での開催は初めてとなる。

 当日は、定期的に行っている新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応が出たことから欠席となった豊田章男・自工会会長(トヨタ自動車社長)に代わり永塚誠一・自工会専務理事が、豊田会長の新年挨拶を代読し、以下のとおり述べた。

挨拶する永塚 自工会専務理事

 

 「部品と車体を含む自動車の製造、整備、販売などに携わる550万人の方々に感謝したい。米国、欧州、アジアを訪問する機会があったが、その先々で、国と地域の成長を支える日本の自動車業界への感謝と期待を実感する。この感謝と期待は、‟誰かの役に立ちたい”、“よりよい未来をつくりたい”という行動の原動力となっている。

 コロナ禍の2年間で22万人の雇用を創出し平均年収を500万円と仮定すると1兆1000億円のお金を家計に回した計算になるが、地道に分配の実績を継続する自動車業界に対する感謝や期待は日本国内では聞こえてこない気がする。カーボンニュートラルをはじめ我々が直面する課題に対しては、業界を挙げて国を挙げて皆で一緒に取り組む必要があり、今まで以上に‟共感”つまり、‟共に感謝すること”が大事になる。“ありがとう”と言い合える関係から生まれてくる‟未来への活力”が、共感だと思う。

 今年は、5月開催のG7広島サミットと10月開催の「JAPAN MOBILITY SHOW(東京モーターショーから改称)」という日本から世界に‟共感”を生み出していける二つのチャンスがある。前者は日本らしいカーボンニュートラルの登り方を各国の首脳に理解いただくための、後者はモビリティの未来を世界に発信するための貴重かつ絶好の機会で、ともにオールジャパンの力が必要。そのためには、産業界と官民が心一つに動かなくてはならない。今年のチャンスを活かせなければ日本の未来はない。この危機感をもって、自動車産業は必死に働いていきたい」。

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不二越、電機・電子、EV、減速機分野向けコンパクト複合加工機を市場投入

3年 1ヶ月 ago
不二越、電機・電子、EV、減速機分野向けコンパクト複合加工機を市場投入kat 2022年2月18日(金曜日) in

 不二越は、本年2月から、需要拡大が見込まれ部品の高精度化、小型化が求められる電機・電子、EV、減速機分野をターゲットとして、よりコンパクトな複合加工機、スカイビングギヤシェープセンタ「GMS100」を市場投入した。年100台の販売を目指す。

スカイビングギヤシェープセンタ「GMS100」

 

 ものづくりの現場では、顧客ニーズの多様化に対応するため、多種変量生産対応、自動化、効率化が求められ、工程の集約、複合加工に対する期待が高まっている。また、カーボンニュートラルに向けて、エネルギーロス低減などが求められている。

 同社では、2016年に建設機械・産業機械分野に向けて、工程集約型歯車スカイビング加工機「GMS450」を開発。2018年には自動車・減速機分野向けに「GMS200」を発売、ものづくりの現場の効率化に貢献してきた。

 今回開発したスカイビング ギヤシェープセンタ「GMS100」では電機・電子、自動車、減速機、航空機、医療機器関連市場の小型部品をターゲットにしており、以下のような特徴を持つ。

・歯車加工の全プロセスを1台に集約した複合加工機:独自の精密同期制御により、スカイビングに加え、ホブ、旋削、穴あけなど、歯車部品の全加工プロセスを1台に集約。ワンチャックでの加工を可能とし、ワークの掴み替え、搬送、段取り替え工程を削減する。熱処理後のハード加工にも対応し、加工精度と生産性を飛躍的に向上

・高精度・高能率:新開発の高トルクスピンドルと、工具ホルダには複合加工機に最適なCaptoを採用し、歯車精度はJIS N5級以上を確保。旋削・穴あけ工程では、送り軸の高速オシレーション制御により、高能率な加工を実現

・設置スペース半減:旋盤、穴あけ加工機、歯切り加工機など複数の機械でラインを構成する場合と比較し、設置面積を54%削減

・広い適用範囲:高剛性の機体と多軸同時制御機能を用い、自由曲面の高精度加工にも適用可能(インペラ、タービンブレード、ねじロータ、人工関節など)

 仕様は以下のとおり
・対象ワーク外径:φ3~φ100mm
・対象モジュール:m0.25~m1.10
・自動工具交換装置:工具収納本数6本・22本から選択
・機械サイズ:幅2425mm×奥行3320mm×高さ1650mm

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第6回 ロボデックスが開催

3年 1ヶ月 ago
第6回 ロボデックスが開催kat 2022年2月18日(金曜日) in

 「第6回 ロボデックス(ロボット開発・活用展)」が1月19日~21日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。ものづくり現場の自動化・省人化に寄与する産業用ロボットのほか、機械要素技術が多数披露された。

 

 ユニバーサルロボットは、6軸協働ロボット「e-Seriesファミリー(UR3e、UR5e、UR6e、UR16e、UR10e)」を用いて、双腕構成によるねじ締めや、MIG(Metal Inert Gas)溶接、コンベアトラッキング、パレタイジング(荷積み・荷下ろし作業)、シーリング材塗布のデモンストレーションを実施した。パレタイジングのデモでは、UR10eの基台としてEWELLIX(エバリックス)社(日本総代理店:木村洋行)のピラー型電動アクチュエータ「LIFTKIT」を接続、垂直方向の第7軸として活用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できることをアピールした。LIFTKITはUR10eのティーチングペンダントから操作が可能で、PLCなしでシステムアップできる。

ユニバーサルロボット 6軸協働ロボットUR10eの基台にピラー型電動アクチュエータLIFTKITを接続してのパレタイジングのデモ

 

 ハイウィンは、自社製の機械要素部品を採用して高いコストパフォーマンスを実現、コンパクトで柔軟な回転軸により、高精度な組立作業や高速機械加工など幅広い分野で効率的な生産ラインを構築できるスカラロボットを展示した。また、搬送や組立て、塗布などに活躍するスカラロボット以外にも各種産業用ロボットをラインアップしていることを紹介。同社では各種産業用ロボット・自動化システムの導入におけるPoC(概念検証)から実際の導入、運用におけるティーチング、メンテナンスまでを支援する「ロボット技術センター」を東京都府中市に開設しているが、ロボット技術センターの出張ラボをブース内に設け、ワークを持ち込んでもらっての自動化に向けた無料相談・検証などを実施した。

ハイウィン スカラロボットとロボット技術センター出張ラボ

 

 ユニパルス/ロボテックは、最大1.5tの重量物を持ち上げられ軽快に移動できる電動バランサ「ムーンリフタ」を展示した。AC100Vのみで動かせ、作業者は荷物を両手で持てるため、移動先での位置合わせもミリ単位でスムーズに安全に行える。電動式のメリットを活かして可動範囲や減速範囲、上げ下げの加速度、動きの感触など、100種類以上に及ぶパラメーター設定ができるようになっており、現場の状況や使う人の好みに合った快適な作業性が得られる。そのほか、出力軸トルクを直接計測しフィードバック制御を行う電動トルクアクチュエータ「ユニサーボ」や、小型・軽量かつ非直線性0.03%FS、最高回転数25000rpm、許容過負荷500%を実現した回転トルクメータ「UTMⅢ」、壊れにくく高精度で校正不要のロードセルなどを紹介した。

ユニパルス/ロボテック 電動トルクアクチュエータ ユニサーボを使ったパラレルリンクロボットによるダイレクトティーチングおよび押し付け動作のデモ
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日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2022年に初の4兆円超えへ

3年 2ヶ月 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2022年に初の4兆円超えへkat 2022年1月17日(月曜日) in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:牛田一雄ニコン会長)は1月13日、2021年~2023年の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測を発表した。2022年度の日本製装置販売高は、半導体製造装置が3兆5500億円、FPD製造装置が4800億円で、全体で5.3%増の4兆300億円と予測。4兆円超えはSEAJが統計を開始して以来初となる。

挨拶する牛田SEAJ会長

 

 SEAJ半導体調査統計専門委員会(メンバー13社)およびFPD調査統計専門委員会(メンバー7社)による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたもの。

 半導体を消費するアプリケーションとして、スマートフォンの総台数需要は安定しているが、5G仕様のハイエンド品の比重が急速に高まっている。パソコンの台数は一昨年からの世界的なテレワーク特需の反動や部品不足の影響から現在伸び悩んでいるが、Windows 11の登場やゲーミング需要の拡大により、搭載されるCPU/GPUの高度化やメモリーの高容量化が進む。DRAM規格ではDDR4からDDR5への世代交代が始まり、NANDフラッシュは一層の3D構造の高層化で大容量化が進む。データセンターの分野では、ハイパースケーラーの設備投資意欲は依然として旺盛。世界的な半導体不足を受けて、最先端品だけでなく、現在特に需給がひっ迫しているレガシープロセスでの増産要求も高まっている。

将来のカーボンニュートラル実現に向けた世界的な動きにより、半導体の高機能化と低消費電力化への貢献が今まで以上に強く求められる。電気自動車へのシフトによりパワー半導体の重要性が再認識され、将来の自動運転Level4/5実現への取組みは、AI(人工知能)用半導体の進化と相まって大きな技術革新を生むと期待される。

世界半導体市場統計(WSTS)の11月発表によると、2021 年の世界半導体市場成長率は、25.6%増と高い成長が見込まれている。中でもメモリーは、2021年34.6%増、2022年8.5%増と高い伸びが予想されている。

ロジックも2021年27.3%増、2022年11.1%増が見込まれる。半導体全体で2022年は8.8%増となり、2 年連続で最高記録を更新する見込みとなっている。

設備投資については、2019年から続くロジック・ファウンドリーの積極投資が、2021年はさらに大規模で加速されたところに、DRAM・NANDフラッシュの投資復活が上乗せされた。市場の地域としては中国・台湾・韓国がともに好調を維持している。DRAM市況の軟化は懸念されるものの、データセンター需要の堅調さやDDR5切替への対応から、設備投資としての落込みは少ないと見られる。全体としては、2021年度の40.8%増に続いて2022~2023年度も、プラス成長を見込む。

 半導体製造装置について2021年度の日本製装置販売高は、ファウンドリー、DRAM、NANDフラッシュのすべてが高い伸びを記録し、40.8%増の3 兆3567億円と予測。2022年度は5.8%増の3兆5500億円、2023年度は4.2%増の3兆7000 億円と、安定的な成長を予測した。

 FPD産業は、PC・タブレット・モニターに使われるITパネルの品薄はまだ続いているが、巣ごもり需要増大からひっ迫感が出ていたTV用大型パネルは、昨春をピークに価格下落が続いている。大手パネルメーカーの営業利益率も、2020年第1四半期(1~3月)を底に上昇を続けてきたが、2021年第2四半期(4~6月)をピークに現在はやや低下傾向となっている。

2021年度の設備投資としては、昨年4月~8月の日本製装置販売高は前年比54%増を記録したが、2020年の同時期は渡航制限により立上げ検収が困難となり、34%減を記録したタイミングでもあった。2021年度を通じた数字は平準化するため、1.3%増の見方を据え置く。
2022~2023年度は、比較的大型案件は少ないものの、ITパネルをG8.6クラスの大型基板で量産する動きや、新しいパネル製造技術の採用を考慮し、総じて安定した成長を見込んでいる。

 FPD製造装置の日本製装置販売高については、2021年度は、1.3%増の4700億円を予測した。2022年度は2.1%増の4800億円。2023年度は、新技術を使った投資額の増大を見込み4.2%増の5000億円と予測した。
 

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ファナック、主軸30番の高速、高精度、高効率小型切削加工機を市場投入

3年 2ヶ月 ago
ファナック、主軸30番の高速、高精度、高効率小型切削加工機を市場投入kat 2022年1月10日(月曜日) in

 ファナックは、最新CNCとサーボ技術を採用した高性能、高信頼性小型切削加工機ROBODRILLの最新機種として、主軸30番の高速、高精度、高効率小型切削加工機「FANUC ROBODRILL α-DiB Plusシリーズ(標準仕様)」を市場投入した。

「FANUC ROBODRILL α-DiB Plusシリーズ(標準仕様)」

 

 高剛性の機械構造、豊富な主軸ラインナップにより、アルミや鉄の量産部品加工から、ステンレスやチタンなどの難削材加工、付加軸を使用した同時5軸加工まで、幅広い分野に適用可能。特徴は以下のとおり。

・従来からの高い加工性能、信頼性はそのままに、無駄時間の徹底削減により生産性をさらに向上:最新CNC Series 31i-MODEL B Plusのファストサイクルタイムテクノロジーを活用し、非切削時間を短縮。最速動作を実現するためのプログラミングノウハウを、専用固定サイクルとしてGコード化した。アルミ部品の軽切削加工に最適な、主軸加減速時間と発熱を低減したタッピング主軸を主軸ラインアップに追加した

・「壊れない、壊れる前に知らせる、壊れてもすぐ直せる」を追求し、稼働率向上に繋がる新機能を開発:各軸の可動部カバーの改良により、切粉排出性能とカバーの耐久性を向上した。突発的な故障によるダウンタイムを削減するため、予防保全機能、復旧機能を拡充した。
PCソフトウェア・ROBODRILL-LINKiは、工場全体の設備の稼働実績を収集し、稼働率改善に役立つ

・作業性を向上する各種画面の追加に加え、ユーザーの使い方に合わせたカスタマイズの幅が拡張:よく使う画面を、お気に入り画面に登録しておくことで、簡単に呼び出せる。カスタム画面機能により、ユーザーや周辺機器メーカーが独自に作成した画面が、最大15個まで登録可能。多機能イーサネットの搭載により、ネットワークサーバとの高速通信をはじめ、各種通信規格に標準対応した。
 

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ジェイテクト、最上位安全コンセプト採用のEPSを開発、トヨタの新型LSと新型MIRAIに搭載

3年 7ヶ月 ago
ジェイテクト、最上位安全コンセプト採用のEPSを開発、トヨタの新型LSと新型MIRAIに搭載kat 2021年8月3日(火曜日) in

 ジェイテクトは、電源を含むハードウェア完全二重構造(システム異常が発生した場合でも残されたシステムで操舵が可能)となる電動パワーステアリング(EPS)を開発し、本年4月にトヨタ自動車から発売されたLEXUS 新型「LS」、TOYOTA 新型FCV「MIRAI」の一部車両(高度運転支援搭載車両)に搭載された。本EPSでは、ステアリング機能における独自の安全コンセプトで最上位となる「JFOPS4」を採用している。

 ステアリングは自動車の「走る」「曲がる」「止まる」の「曲がる」を担う重要な機能部品で、自動運転時にはより高いレベルの安全性が必要となることから、同社では自動運転の普及を見据えステアリング機能における独自の安全コンセプト「JFOPS(JTEKT Fail-OPerational System)」を定義し、自動運転レベルに応じた安全性を備えるEPSの提供を可能としているが、今回搭載されたEPSには安全コンセプトで最上位となる「JFOPS4」を採用している。

 開発品の主な特徴は以下のとおり。

・電源も含むハードウェア完全二重構造

・完全自動運転にも対応可能な機能を搭載(JFOPS4)

・自動運転中にドライバーが手放し状態でも安全性を確保するためにステアリングMCU(Motor Control Unit)の故障が発生してもアシスト継続が可能

 同社では自動運転の急速な普及を見据え、全ての自動運転レベルに対応するEPSシステムを揃えているが、今後は安全性・信頼性をさらに高め、様々なレベルの自動運転に対応する製品を世界各国の自動車メーカーに提案していく考えだ。

 

回路構成概略図(JFOPS4)

 

独自の安全性に対するコンセプトJTEKT Fail-OPerational System(JFOPS)

 

kat

パテント・リザルト、自動車メーカー業界の他社牽制力ランキング2020を発表

3年 8ヶ月 ago
パテント・リザルト、自動車メーカー業界の他社牽制力ランキング2020を発表admin 2021年7月5日(月曜日) in

 パテント・リザルトはこのほど、自動車メーカー業界を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。集計の結果、2020年に最も引用された企業は、トヨタ自動車、次いで日産自動車、本田技研工業となった。

 1位のトヨタ自動車の最も引用された特許は「安全性を高めた、車両の自動運転制御」に関する技術で、エイディシーテクノロジーなどの計13件の審査過程で引用されている。このほかには「充放電容量の低下を抑制し得るリチウムイオン二次電池」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、旭化成の「非水系リチウム蓄電素子の製造方法」など計9件の拒絶理由として引用されている。2020年に、トヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は本田技研工業(339件)、次いでデンソー(273件)、日立Astemo(158件)となっている。

 2位の日産自動車の最も引用された特許は「道路形状、障害物を検出し、軌道を算出するリスク最小軌跡生成装置」に関する技術で、本田技研工業などの計10件の審査過程で引用されている。このほかには「装置の異常検出時に運転者に違和感を招くことなく作動を中止できる車両用走行制御装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日本精工などの計5件の拒絶理由として引用されている。2020年に、日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(263件)、次いで本田技研工業(158件)、デンソー(112件)となっている。

 3位の本田技研工業の最も引用された特許は「造形サイクルタイムの短縮化と、不活性ガス等の雰囲気ガスの使用量の削減化が図れる三次元造形装置」に関する技術で、IHIの「レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法」関連特許など計6件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2020年に、本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(201件)、次いでデンソー(98件)、スズキ(72件)となっている。

 そのほか、4位 マツダは「エンジンの排気系部品取付構造」、5位 豊田中央研究所は「衝突対象を推定する車両用衝突判別装置」が、最も引用された特許として挙げられる。

自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社

 

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パテント・リザルト、自動車部品業界の他社牽制力ランキング2020を発表

3年 8ヶ月 ago
パテント・リザルト、自動車部品業界の他社牽制力ランキング2020を発表admin 2021年7月5日(月曜日) in

 パテント・リザルトはこのほど、自動車部品業界を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。集計の結果、2020年に最も引用された企業は、デンソー、次いでアイシン、日立Astemoとなった。

 1位のデンソーの最も引用された特許は「ゲート絶縁膜が破壊されることを防止しつつ、オン抵抗上昇を抑制できるSiC半導体装置」(トヨタ自動車、豊田中央研究所と共同出願)に関する技術で、富士電機などの計11件の審査過程で引用されている。このほかには「走行軌道生成プログラム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ROBERT BOSCHの「自動車線変更中の横方向位置偏差の低減」など計7件の拒絶理由として引用されている。2020年に、デンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(285件)、次いで三菱電機(240件)、日立Astemo(213件)となっている。

 2位のアイシンの最も引用された特許は「路面状況に応じた運転支援を行う装置」に関する技術で、三菱電機などの計4件の審査過程で引用されている。このほかには、「交流の回転電機を制御する回転電機制御装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、コニカミノルタなどの計4件の拒絶理由で引用されている。2020年に、アイシンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(111件)、次いで本田技研工業(90件)、デンソー(69件)となっている。

 3位の日立Astemoの最も引用された特許は「走行環境の影響で発生する精度低下を抑制する車両位置推定システム」技術で、パイオニアの「地物データ構造、記憶媒体、情報処理装置」関連特許など計7件の審査過程で拒絶理由として引用されている。2020年に、日立Astemoの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、デンソー(97件)、次いでトヨタ自動車(74件)、三菱電機(57件)となっている。

 そのほか、4位 住友電装は「電源装置と電気ボックスを接続する電源線のサイズダウン技術」、5位 矢崎総業は「輸送時等の搬送性を高めると共に、車種ごとに設定された外装形状を容易に得られ、コストを低減できる車両ケーブル用外装部材」が、最も引用された特許として挙げられる。

自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社

 

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THK、スマートアクチュエータ搭載プラットフォームロボットの受注を開始

3年 9ヶ月 ago
THK、スマートアクチュエータ搭載プラットフォームロボットの受注を開始kat 2021年6月17日(木曜日) in

 THKは、次世代サービスロボット向けRTシステム「SEED Solutions」のスマートアクチュエータを搭載したプラットフォームロボット「SEED-R7 シリーズ」の受注を開始した。

 SEED-R7 シリーズは、サービスロボット構築用に開発された、スマートアクチュエータ搭載のプラットフォームロボット。小型・軽量、省配線、低消費電力、高信頼性に優れたSEED-R7 シリーズは、ロボットの構築には欠かせないメカトロニクス要素をユニット化して導入しやすくすることで、ユーザーの思い描くサービスロボットのアイデアを短期間かつ簡単に実現する。

 通常、サービスロボットの開発は、メカ設計、電気・電子制御、ソフト、運用面など、様々な課題を一つずつ解決しながら進めるため、実現までに膨大な時間と労力を要する。そこで 同社では、ロボット開発に伴うユーザーの負担を軽減すべく、サービスロボットに不可欠なメカ設計、電気・電子制御、基本ソフトを一体化した各種ユニットSEED-R7 シリーズを開発した。

 SEED-R7 シリーズは、等身大上体ヒューマノイド SEED-Noid、昇降ユニット SEED-Lifter、全方向移動台車 SEED-Mover という、サービスロボットの開発の種(SEED)となるユニットで構成されている。

 SEED-R7シリーズの各ユニットは単体で購入できるため、必要なユニットを組み合わせて、パラメータの設定、動作プログラミングをすることで、サービスロボットとしての運用が可能となる。

 同社では、今後の成長戦略の一角をなすサービスロボットのコア技術を最大限に活かすことで、少子高齢化による人手不足や人件費の高騰といった社会的課題の解決支援を行っていく。
 

SEED-R7 シリーズ

 

SEED-Noid-Mover

 

kat
Checked
11 分 48 秒 ago
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