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メカニカル・テック配信ニュース

フェローテックホールディングス、精密部品洗浄事業の体制を強化

3年 9ヶ月 ago
フェローテックホールディングス、精密部品洗浄事業の体制を強化kat 2021年6月4日(金曜日) in

 フェローテックホールディングス(https://www.ferrotec.co.jp/)は、2001年に上海において、半導体・FPD向け高純度プロセスツールパーツの洗浄サービス事業(以下、洗浄サービス事業)に参入して以来、銅陵、上海、天津、大連、四川と5拠点7工場に拠点を拡大し、現在では中国における洗浄サービス業界を牽引する主導的なポジションを獲得している。また、洗浄サービス事業を同社グループのストックビジネスの中核事業にするべく、さらなる成長戦略として拠点の増設、関連新規事業等を検討している。

 ここでは、精密部品に対応する同社の洗浄技術および体制強化の状況について紹介する。

 

洗浄技術の概要:保有設備と技術

 フェローテックホールディングスでは、長年培った経験を基に、半導体デバイスメーカーや液晶・有機ELといったFPD パネルメーカーの製造装置部品の洗浄サービスを行っている。半導体やFPD製造過程での不良デバイス発生を抑制させるために、ガスの処理などで製造装置部品に付着したコンタミネーションを除去する必要がある。コンタミネーションとは、半導体やFPD 製造過程で発生するガス状および粒子状の汚染物質のことで、不良デバイス発生の原因になる。

 これに対しフェローテックでは、化学洗浄(図1)や超音波洗浄(図2)などによって、コンタミネーションの除去を行っている。

 また、顧客の仕様に合わせてサンドブラスト処理(図3)やプラズマアーク溶射(図4)、セラミックコーティング(図5)など最適な表面処理を行い、部品の再生洗浄処理を行っている。プラズマアーク溶射は、プラズマジェットに粉末材を溶融させ、基材に吹き付けて皮膜を生成させる処理で、これにより耐摩耗性・耐熱性・耐食性・耐絶縁性などの機能が付加される。

 また、高純度の半導体やプロセスパーツを最新の微細化対応設備で洗浄している。クラス100のクリーンルームも完備しており、ナノレベルの繊細で精度の高い洗浄が可能となっている。

 さらに装置部品以外では、たとえば、製造装置向け治具・消耗材である「石英」「セラミック」製品などの再生洗浄などの依頼にも対応している。

 フェローテックホールディングスの洗浄サービスは中国の半導体およびパネル製造の有力企業のほとんどに採用されており、中国での精密再生洗浄市場でシェアNo.1(60%)を占める。また、部品洗浄は定期的に行われるため、ストック型ビジネスとして、安定した受注、収益が見込まれる、同社の経営基盤を支える重要な事業となっている。
 

図1 化学洗浄

 

図2 超音波洗浄

 

図3 サンドブラスト処理

 

図4 プラズマアーク溶射

 

図5 セラミックコーティング

 

 

精密洗浄ビジネスの増強状況や今後の展開

 部品洗浄の2021年3月期売上高は前年比35.2%の増収(図6)で、中国国内に特化した事業であり、半導体、およびFPD(有機EL、液晶)顧客の生産拡大に連動して毎年順調に事業規模を拡大している。半導体マテリアル製品と同様に、顧客の生産稼働に連動する「ストック型」事業のため、安定した売り上げの確保がしやすい(今後も事業拡大が堅調に続く見通し)。5拠点7工場を整備し、増産対応を継続していることから、中国国内でのシェアは60%に迫る。
 

図6 部品洗浄の2017年3月期~2021年3月期 売上高推移

 

 上述の成長戦略の下で、成長をより一層加速させるために、中国子会社の安徽富楽徳科技発展股份(FTSA)を中国のハイテク企業向け市場である科創板市場(スター・ マーケット)へ上場させることが、フェローテックホールディングスグループの企業価値向上に資すると判断、上場準備に入ることが決議されている。

 中国の半導体企業や有機ELなどのパネル企業向けに行う装置部品洗浄サービスはストック型ビジネスとして事業が拡大している。戦略製品である「部品洗浄」は、安徽省銅陵を中心に事業拡大の方針で、安徽省銅陵の政府系ファンドも出資先に加わり、今後事業拡大のプロジェクトを目指す。中国半導体、FPD顧客の新規プロジェクトが相次ぐ環境のため、5拠点7工場体制のうち銅陵第2工場での増産が予定されているほか、華南地区での工場建設も予定されている。このように引き続き顧客の近くできめ細かいサービスを提供し、積極的に洗浄ビジネスの拡大を進めていく計画だ。

 装置部品洗浄の拠点自体は中国であり、同事業は中国市場のみで特化したビジネスだが、日本メーカーが自社装置を中国顧客(半導体など)に販売(導入)し、洗浄等の定期メンテナンスをフェローテックホールディングスに委託するといったケースも少なくない。なお、本事業に関する日本の読者などからの問い合わせについては、フェローテックマテリアルテクノロジーズ(https://ft-mt.co.jp/)が対応する。

 

●フェローテックホールディングスの事業をさらに知るには

 

kat

ファナック、最新CNC・サーボ技術採用のワイヤ放電加工機を開発

3年 10ヶ月 ago
ファナック、最新CNC・サーボ技術採用のワイヤ放電加工機を開発kat 2021年5月11日(火曜日) in

 ファナックは、最新のCNCとサーボ技術を採用した高性能で信頼性の高いワイヤ放電加工機「FANUC ROBOCUT α-CiC series」を開発した。高剛性の機械構造、最新の放電装置と制御により、部品加工から金型加工まで高速・高精度な加工が可能。

ROBOCUT α-C400iC(左)とα-C600iC(右)

 

 FANUC ROBOCUT α-CiC seriesでは、高速、高精度、高品位加工を実現するため、機械構造、放電装置、および放電制御を一新した。機械剛性の強化により、機械各部の歪みを抑え、高精度な真円加工やピッチ加工を実現した。仕上げ加工電源SF3により、放電パルスの微細化と高周波化を実現し、面粗さを向上したほか、放電制御iPulse3により、コーナーや段差部での加工条件と速度を最適化し、加工性能を向上した。

FEM解析結果の例(左)と真円加工例(右)

 

 また、高信頼性の自動結線AWF3により、長時間の連続無人運転が可能。シンプルな構造の自動結線機構は保守性に優れ、高い結線率と長期にわたる高信頼性を確保したほか、ワイヤ挿入時に先端を振動させるエアリトライにより、断線点や小径穴でも高い結線率を実現。ツインサーボワイヤ走行機構がワイヤの振動を抑え、ワイヤ張力を正確に制御する。

自動結線AWF3(左)とエアリトライ(右)

 

 さらに、優れた操作性を実現するファナック最新CNCを搭載し、使いやすさが一段と向上した。高性能表示ユニット PANEL iH Pro により、描画時間が従来に比べ75%短縮。直感的な操作により、加工速度の調整のほか、コーナーやアプローチ形状の調整も簡単に行えるほか、画面操作やプログラム編集時に便利な Undo/Redo機能を追加した。

PANEL iH Pro(左)と加工条件調整機能(右)

 

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安川電機、MOTOPACシリーズにレーザー溶接パッケージを追加

3年 10ヶ月 ago
安川電機、MOTOPACシリーズにレーザー溶接パッケージを追加kat 2021年5月11日(火曜日) in

 安川電機は、ロボットアームと溶接設備などをパッケージにした「MOTOPAC(モートパック)シリーズ」として、レーザー溶接に必要な設備を含めた レーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25J」を新たにラインアップし販売を開始した。自動車、建機等の金属部品の高速溶接に最適。

レーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25JP」

 

 同社の溶接ロボットではこれまでアーク溶接、スポット溶接向けの用途でユーザーニーズに合わせた豊富な製品ラインアップを揃えてきた。特にアーク溶接向けの用途においては、ロボットのアームに溶接用のトーチや溶接電源を含めた溶接設備の最適な組み合わせをパッケージにした「MOTOPACシリーズを販売しており、ユーザーからの評価も高い。

 溶接分野では近年、溶接速度・品質をさらに向上させるレーザーによる溶接技術の開発が進んでおり 、ユーザーの関心も高まっている。その一方でレーザー溶接の設備導入には、レーザー発振器やレーザー照射ヘッドの選定、そしてロボットアームとの組み合わせや制御方法など、多くの検討項目と手間が必要とされている。

 こうした背景から同社では今回、レーザー溶接に必要な設備をトータルで揃え、ユーザーにおける溶接速度や品質向上に必要な条件設定をスムーズにサポートし、設備導入から稼働 までの手間をできる限り省くことが可能なレーザー溶接パッケージを製品化したもの。

 主な特徴は以下のとおり。

・省スペースパッケージによりアーク溶接設備からの入れ替えが容易:独自開発の小型軽量レーザー照射ヘッド(ガルバノスキャナーヘッド:質量約16kg)は、当社の中型多用途適用型ロボットMOTOMAN-GP25(可搬質量25kg)に搭載が可能で、設備設置面積の省スペース化につながるため、既設のアーク溶接設備への入れ替えや新規導入を容易に行うことができる。さらに、レーザー照射ヘッドまでの配線・配管の一部はロボットアーム内へ収納できるため、取り回しの簡素化と周辺への干渉回避による使い勝手の良さを提供

・溶接条件の設定が容易:パッケージ製品の強みを生かし、構成される機器間の親和性向上を図った。ウォブリング溶接機能、溶接速度、レーザー出力、入射角度などの溶接条件は、すべてロボットのプログラミングペンダントで設定可能。溶接対象の厚み、形状、材質に合わせた最適な溶接条件の検討を効率的に行えるほか、アーク溶接では難しかった溶接途中での条件変更も可能

・高出力(8kW)レーザーザー照射で高速溶接が可能:高出力レーザー照射により、アーク溶接の1.5倍~4倍の溶接速度を実現できるほか、ロボット先端に設置するレーザー照射ヘッドを小型軽量化したことで、高速移動時のロボットへの負荷を低減し、溶接開始位置への移動速度の向上や、溶接中の軌跡精度の向上に貢献・ウォブリング溶接機能搭載:レーザー溶接は溶接点が極小(集光スポット径0.3mm)でエネルギー密度が高いため、高精度な溶接が可能で溶接適用範囲が拡大しますが、アーク溶接の代替には、太い溶接線(数ミリ~数十ミリ)が要求される。そこで、レーザー照射ヘッド内で照射方向を高速・高精度で微動させることで太い溶接線を確保するウォブリング溶接機能を搭載している。ウォブリンク溶接では照射方向を「8」や「の」の字等のパターンに微動させることで、広い範囲を溶接することが可能

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安川電機、小型塗装ロボットの販売を開始

3年 11ヶ月 ago
安川電機、小型塗装ロボットの販売を開始kat 2021年4月12日(月曜日) in

 安川電機は、塗装用途ロボット「MOTOMAN-MPXシリーズ」の新たなラインアップとして小型塗装ロボット「MOTOMAN-MPX1400」(可搬質量5kg、最大リーチ1256mm)の販売を開始した。手首軸の許容負荷の強化・壁掛設置時の動作領域拡大により、使いやすさを向上した。自動車ヘッドランプ、自動車内装部品、小型家電製品などの塗装に最適。

MOTOMAN-MPX1400

 

 同社は、スマートフォンなどの小物用途から自動車などの大型用途まで、それぞれの用途に最適化した塗装ロボットのラインアップを幅広く取りそろえているが、今回、家電製品や自動車のヘッドランプといった樹脂成形部品など、様々な小型製品の塗装に最適な小型塗装ロボットMOTOMAN-MPX1400を製品化した。

 MOTOMAN-MPX1400は、同社従来機種(MOTOMAN-EPX1250)と比べて、手首軸の許容負荷の強化により、搭載可能な塗装ガンの選択肢が広がったほか、壁掛設置時の動作領域拡大による待機姿勢やメンテナンス作業時の姿勢自由度向上など、ユーザーから要望が多かった機能を強化し、使いやすさを更に追求した。ユーザーの生産スタイルに合わせた塗装システムの構築が可能なことから、生産ラインのコンパクト化やコスト低減に貢献できる。

 主な特徴は以下のとおり。

・手首軸の許容負荷を向上させたことで、従来機種よりも重量のある塗装ガンを搭載できるようになっている。複数色での塗装が可能な多連スプレー塗装ガンや塗料の微粒子化ができる小型ベルガンなど、搭載可能な塗装ガンの選択肢が広がったことで、多様化するユーザーニーズに対応する

・壁掛設置でのロボット旋回軸動作領域を拡大しており、狭いエリア内でもロボット待機姿勢がとりやすく、設備の省スペース化に貢献するほか、メンテナンス作業も姿勢自由度向上により作業効率的が向上する

・設備を有効活用したロボット更新が可能なため、設備改修費用の削減に貢献する

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ヤマハ発動機、ハイパーEV向け電動モーターユニットの試作開発受託を開始

3年 11ヶ月 ago
ヤマハ発動機、ハイパーEV向け電動モーターユニットの試作開発受託を開始kat 2021年4月12日(月曜日) in

 ヤマハ発動機は、2020年より四輪車をはじめとするモビリティ向け電動モーター(35~200kW)の試作開発を受託しているが、新たにハイパーEVなど高出力帯モビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニットを開発、4月から試作開発受託を開始した。

 今回開発した電動モーターの主な特徴は、ギヤ、インバーターを一体化したコンパクトな機電一体型の電動モーターユニットで、車両へ複数ユニット搭載する用途を想定している。

(左より)電動モーターユニット試作品(350kWクラス)、
ユニット活用イメージ(350kWクラス×4基)

 

 試作開発受託にあたっては、モーターサイクルをはじめ幅広い製品群に柔軟に対応してきた鋳造・加工・組立を中心とした生産技術、試作設備等を活用し、顧客の要望に沿った試作モーター開発を短期間で実現する。

 同社では、350kWクラスをはじめとする電動モーター試作品を本年5月26日~28日に横浜市のパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2021横浜」に出展する予定。

 

ハイパーEV向け電動モーターユニット 試作品の概要

 

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ジェイテクト、CBNカムシャフト研削盤で優秀省エネ機器・システム表彰 経済産業大臣賞を受賞

4年 ago
ジェイテクト、CBNカムシャフト研削盤で優秀省エネ機器・システム表彰 経済産業大臣賞を受賞kat 2021年3月19日(金曜日) in

 ジェイテクトは、CBNカムシャフト研削盤「GC20S/GL32S」で日本機械工業連合会主催の「令和2年度優秀省エネ機器・システム表彰」において、最も優秀な「経済産業大臣賞」を受賞した。

優秀省エネ機器・システム GC20S/GL32S

 

 受賞製品の主な特徴は、①といし軸軸受の小型化、ダイレクトドライブ方式のモータによる伝達効率向上、といし台軽量化により、省エネ化を実現。これにより機械消費エネルギーを従来機比で24%削減し、ユーザーの電力消費量削減に貢献、②といし軸およびといし台の小型・軽量化により運動性能を向上させ、高速・高能率な加工を実現したことで、加工時間を従来機比で10%短縮し、ユーザーのマシン・サイクルタイム(MCT)削減に貢献、③各装置の小型化、有効配置により省スペース化を実現したことで、機械のフロアスペースを従来機比で35%削減し、ユーザーの工場設備(空調・照明など)の省エネ・省スペース化に貢献、など。

 今回の受賞は、機械消費エネルギーおよび機械スペースに大きく影響する、といし軸の省エネ・小型化を開発することで、高い経済性のある製品の販売を実現したことが評価されたもの。

 ジェイテクトは工作機械技術を「TAKTICA(タクティカ)」と総称し、ユーザーのビジネスに新しい価値を提供することに主眼を置いているが、「今後も持続可能な社会の実現に向け、ものづくりを通じて、人々の幸福と豊かな社会づくりに貢献していく」とコメントしている。

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不二越、小型ロボットシリーズのラインナップを拡充

4年 ago
不二越、小型ロボットシリーズのラインナップを拡充kat 2021年3月19日(金曜日) in

 不二越は、自動化ニーズがますます高まる電機・電子、一般産業機械分野をターゲットに、スカラロボット「EC06」とコンパクトロボット「MZ12H」を市場投入する。いずれも3月から発売を開始、2021年度の販売目標はEC06が2000台/年で、MZ12Hが3000台/年。EC06は、軽量コンパクトボディの「MZシリーズ」と共通のシリーズの制御装置を使用し、ロボットの組み合わせが容易で、同社ユーザーの利便性を向上する。

 同社では今後も、小型ロボットをはじめ、シリーズ・ラインナップを拡充し、また、ロボットを組み込んだ多様なシステム・アプリケーションを構築して、ユーザーのあらゆるFA化ニーズに応えていく。

 世界的な少子高齢化、労働人口の減少や人件費の高騰を背景として、ものづくりの現場では、人手不足の解消や生産性向上などを目的にロボットによる自動化ニーズが拡大しており、特に電機・電子や一般産業機械分野では、小型ロボットの導入が本格化している。

 不二越では、2013年の世界高速・軽量コンパクトロボット「MZ07」の発売を皮切りに、小型ロボット市場へ本格参入。以降、「MZシリーズ」のラインナップ拡充に加え、ウィングスライサー型ロボット「EZシリーズ」や、協働ロボット「CZ10」を開発し、全世界で小型ロボット市場の深耕に取り組んできた。

 今回、IoT化や5G対応に向けロボット導入が本格化してきている電機・電子分野の市場を狙って投入したEC06の特徴は、以下のとおり。

・最大可搬質量6kg、定格可搬質量(最大速度で出力可能な可搬質量の限度)3kgで、500mm・600mm・700mmの最大リーチが異なる3機種をラインナップ。ユーザーのものづくりの現場に最適な機種の選択が可能

・軽量化と高剛性を両立した設計で、クラストップレベルの高速・高精度動作(位置繰返し精度±0.02mm)を実現し、ユーザーの生産性向上に貢献

・先端軸の中空構造により、ロボット本体から各種ツールまでの配線・配管の引き回しを簡略化、周辺装置との干渉リスクを低減し、信頼性が向上

・ティーチペンダントに代わり、PCを制御装置に接続して操作が可能なほか、PCのシミュレーションソフトを用いて、各種動作を正確に設定できる

EC06

 

 また、人手に頼っていた作業のロボットへの置き換え需要が拡大してきている一般産業機械分野の市場を狙い投入したMZ12Hの特徴は以下のとおり。

・MZ12の特徴を保持しつつ独自の中空手首構造を新たに採用、ロボット本体から各種ツールまでの配線・配管の引き回しを簡略化。周辺装置との干渉リスクを低減し、高い信頼性を実現

・同一クラスではトップレベルの作業領域とパワフルな手首トルクで、大型ワーク・ハンドに対応し、バリとり、ピッキング、部品の組立・搬送など幅広い用途で使用可能。また、防塵防滴(IP67 相当)・防錆機能を標準装備し、粉塵、水滴が飛散する環境にも対応

・軽量化と高剛性を両立した設計で、クラストップレベルの高速・高精度動作(位置繰返し精度±0.04mm)を実現し、ユーザーの生産性向上に貢献

MZ12H
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パテント・リザルト、自動車部品の特許資産規模ランキング2020発表

4年 1ヶ月 ago
パテント・リザルト、自動車部品の特許資産規模ランキング2020発表admin 2021年2月4日(木曜日) in

 パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した「自動車部品」業界の企業を対象に、各社が保有する特許資産を質と量の両面から総合評価した「自動車部品業界 特許資産規模ランキング」をまとめた。2019年4月1日から2020年3月末までの1年間に登録された特許を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価を行い、企業ごとに総合得点を集計した。その結果、1位がデンソー、2位が日立オートモーティブシステムズ、3位が住友電装となった。

 1位デンソーの注目度の高い特許には「排ガス浄化性能の低下及びコート層のはく離を抑制することが可能な排ガス浄化触媒」や「窓曇りを晴らすために必要な電力量を少なくできる防曇装置」が挙げられる。

 2位日立オートモーティブシステムズは「回転電機の固定子及びそれを用いた回転電機」や「外周側への張り出しを抑制し、筐体内部の通気性および防水性を得ることが可能な電子制御装置」などが注目度の高い特許として挙げられる。

 3位住友電装の注目度の高い特許には「電圧検知線を過電流から保護できる電池配線モジュール」(オートネットワーク技術研究所、 住友電気工業、 住友電工プリントサーキット、 トヨタ自動車との共同保有)や「集中型の電源供給アーキテクチャに適した態様の通信を行うことが可能な車載通信システム」(オートネットワーク技術研究所、 住友電気工業との共同保有)が挙げられる。

 4位の矢崎総業は「シールド部材として要求される機能の実現と製造および使用の容易さを両立可能なシールドパイプ、及びシールドパイプ付き電線」、5位のオートネットワーク技術研究所は「生産性に優れるリアクトル」(住友電装、住友電気工業との共同保有)などが注目度の高い特許として挙げられる。

自動車部品 特許資産規模ランキング2020 上位10社

 

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パテント・リザルト、自動車メーカーの特許資産規模ランキング2020発表

4年 1ヶ月 ago
パテント・リザルト、自動車メーカーの特許資産規模ランキング2020発表admin 2021年2月4日(木曜日) in

 パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した「自動車メーカー」業界の企業を対象に、各社が保有する特許資産を質と量の両面から総合評価した「自動車メーカー業界 特許資産規模ランキング」をまとめた。2019年4月1日から2020年3月末までの1年間に登録された特許を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価を行い、企業ごとに総合得点を集計した。その結果、1位がトヨタ自動車、2位が本田技研工業、3位がマツダとなった。

 1位トヨタ自動車の注目度の高い特許には「電圧検知線を過電流から保護することができる電池配線モジュール」や「酸化剤ガスを運転条件に応じて変更しつつ、サージングを発生させないようターボコンプレッサの流路面積を変更する燃料電池システム」が挙げられる。

 2位本田技研工業は「運転者の意図に沿った走行支援を行える走行制御装置」や「内燃機関の排気浄化システム」などが注目度の高い特許として挙げられる。

 3位マツダの注目度の高い特許には「燃費の向上と摩擦板の耐久性維持を両立した、変速機のブレーキ装置」や「シフトレバーの1回の操作でもって所望の減速度をすみやかに得られるようにする方法」が挙げられる。

 4位の日産自動車は「自動車を高温環境で使用する場合においても該パネル材の剛性を保持することが可能な自動車の荷室用のパネル材」、5位のSUBARUは「アイドリングストップ制御を実行する車両に搭載されるパージシステムの故障診断装置」などが注目度の高い特許として挙げられる。

自動車メーカー 特許資産規模ランキング2020 上位10社

 

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日本電産、トラクションモータシステムが累計販売台数10万台を達成

4年 2ヶ月 ago
日本電産、トラクションモータシステムが累計販売台数10万台を達成kat 2021年1月27日(水曜日) in

 日本電産が開発・製造・販売するトラクションモータシステム「E-Axle」がグローバルでの累計販売台数10万台を達成した。

トラクションモータシステム「E-Axle」のラインナップ

 

 同社のE-Axleシリーズはモータ、インバータ、ギヤを一体化し、ユニットシステムとすることで小型化・軽量化を実現したことが大きな特徴。2019年4月から、Tier1サプライヤーとして世界で初めて量産を開始した150kWモデル「Ni150Ex」のほか、「Ni200Ex」、「Ni100Ex」、「Ni70Ex」、「Ni50Ex」の計5機種を開発しており、この世界トップクラスの製品ラインナップにより同社の「E-Axle」は50kW~400kWまで対応(E-Axleは前後に搭載可能で、Ni200Exを前後2ヵ所に搭載した場合、合計出力は400kWとなる)、世界の車両セグメントの 98%をカバーできる見込みとなっている。

 同社では 2030 年までに EV 用トラクションモータ市場(トラクションモータ単体とトラクションモータシステムを含めた市場)で世界シェア 40~45%の獲得を目標としており、E-Axle をそのけん引役と位置付けている。

 欧州や中国をはじめ、世界各国がガソリン車の新車販売を2025~2040年にかけて禁止する方針を打ち出している中、同社では、「今後も世界No.1の総合モーターメーカーとして培った軽薄短小技術、高効率化技術、制御技術を駆使した製品を開発し、自動車の進化およびCO2削減に貢献する革新的ソリューションを圧倒的なスピードで提案していきたい」とコメントしている。

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ファナック、高可搬質量・ロングリーチのスカラロボットを開発

4年 2ヶ月 ago
ファナック、高可搬質量・ロングリーチのスカラロボットを開発kat 2021年1月27日(水曜日) in

 ファナックは、可搬質量20kg、リーチ1100mmのスカラロボット「SR-20iA」を開発、昨年12月から販売を開始した。

スカラロボット「SR-20iA」

 

 開発したスカラロボットは、従来モデルに対し可搬質量、リーチともに一回り大きく、重量物を広いエリアで取り扱うことが可能になる。これにより、スカラロボットのラインナップが拡充され、ユーザーの自動化ニーズに、より幅広く対応が可能となった。

 開発品では、防水・防塵オプションや、耐薬品性に優れた塗装オプションを用意している。
 

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日本金型工業会東部支部、令和3年新年懇親会を開催

4年 2ヶ月 ago
日本金型工業会東部支部、令和3年新年懇親会を開催admin 2021年1月20日(水曜日) in

 日本金型工業会東部支部( https://www.jdmia.or.jp )は1月15日、Web会議方式により「令和3年新年懇親会」を開催した。

 冒頭、挨拶に立った鈴木教義支部長(鈴木 代表取締役社長)は、「昨今の経済を取り巻く環境を鑑みるに、この先1年間、非常に読みづらい年になると思う。しかし、皆さんと情報を共有しながら東部支部の在り方を考えていきたい。今年も従来とは違い、昨年のようにWebを活用して進めさせていただきたい。また、これまでできなかったことがWebを活かしてできるようになったこともある。事務局や経産省など多方面と協力をしながら会員の皆様にメリットが感じてもらえる東部支部の運営をしていきたいと思っている。今、世界を見渡しても中国やアメリカの動きで経済環境が左右されやすい。私どもの金型においても、これからの在り方が大きく変わるところではないかと思う。今だからこそフレキシブルな考え方や行動をする時ではないか。また、今こそ変わるチャンスでもあると思う。是非、当工業会を利用しながら変われるチャンスを見出していただければ幸いだ」と述べた。

挨拶する鈴木支部長

 続いて経済産業省素形材産業室長 谷 浩氏が来賓を代表して挨拶。引き続き、同工業会 小出 悟会長(小出製作所 代表取締役社長)が「先に挨拶を述べた御二方も述べたとおり、まだまだコロナによる経済的影響が出ると仰っていたが、私もまさにそうではないかと思う。まさに世の中がガラッと一変する時を生きているため、ここでしっかりと工業会の考え方をまとめた指針を出せればと良い思っている。また、今年はデジタル庁が創設される年である。デジタル化が進展するとハッキングなどのリスクに対する準備が必要だ。そうした時に当工業会として昨年の11月に技術等情報漏えい防止措置認証制度における認証機関になれたことも弾みになるのではないか。今年も会員の皆様とともにさまざまなことにチャレンジしていければと思う」と挨拶を述べた。最後に、同工業会東部支部 正木優吉副支部長(正木製型 代表取締役)が閉会挨拶を行った。

挨拶する小出会長

 

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日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2022年に初の3兆円超えへ

4年 2ヶ月 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2022年に初の3兆円超えへkat 2021年1月18日(月曜日) in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:牛田一雄ニコン会長)は1月14日、2020年~2022年の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測をオンラインで発表した。

 開会の挨拶に立った牛田会長は、「2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を背景に、民生電子機器や車載機器の需要が落ち込む一方で、データトラフィック量の急増によりデータセンター需要が力強く、また5G通信の世界的な普及に向けた投資も順調に進んでいる。半導体投資を牽引してきたPCやスマホに加えて、IoTやデータセンター、AI、5G通信技術を加えた重層的な広がりは、この一年で大きく加速された。新しい生活スタイル、新しい産業スタイルが急速に進展、アフターコロナの時代にはニューノーマルとして定着し、さらなる発展が見込まれている。この大きな変化を支えるのが半導体でありFPD。それらの製造装置がもたらす明るい未来を確かなものにしていきたい」と力強く語った。
 

挨拶する牛田SEAJ会長

 

 SEAJ半導体調査統計専門委員会(メンバー13社)およびFPD調査統計専門委員会(メンバー7社)による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたもの。

 半導体を消費するアプリケーションとして、スマートフォンに代表されるコンシューマー製品や車載、産業機器では、元々大幅な減少が見込まれていた。米中摩擦の影響もあり、中国のスマートフォン最大手は減産幅が大きかったが、これを好機と見た2番手以下の企業が増産を行った結果、全体としての影響は当初の見込みよりも軽減されている。2021年は各社の新端末も出揃い、カバーエリアも広がるため、先進国を中心に5G通信の浸透率は急速に高まってゆくと予想される。

 企業活動におけるテレワークの利用は、COVID-19感染拡大期における一過性の現象とはならずに完全定着し、進化を続けている。巣ごもり需要の増大によって動画を含むデータトラフィック量は爆発的に増加しており、データセンター関連需要は今後も大きな伸びが予想される。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)への取組みの巧拙は、企業にとっては将来の競争力にも影響し、人々の行動様式だけでなく働き方にも変革が求められている。カーボンニュートラルへの世界的な再脚光は、電気自動車へのシフトを加速させ、将来の自動運転Level4/5実用化とも相まって、大きな技術革新が期待されている。

 WSTSの昨年12月の発表によると、2020年の世界半導体市場成長率は5.1%増と見込まれる。2019年の価格下落により落ち込んだメモリーは2020年12.2%増、2021年13.3%増と成長軌道に回帰する。2021年は半導体全体で8.4%増となり、2018年の最高記録を更新する見込みとなっている。

 設備投資については、2019年から続くロジック・ファウンドリーの積極投資が2020年もそのまま高水準で継続され、市場の地域としては中国の存在感が高まった。2021年はデータセンター需要のさらなる増加に向けて、NANDフラッシュ・DRAMともにメモリー投資が復調する見通し。
短期的には米中摩擦による様々な規制の発動、大手ロジックメーカーの微細化後倒しといった不透明感は残るが、中長期的な成長見通しは変わらないと見る。

 半導体製造装置について2020年度の日本製装置販売高は、COVID-19拡大の影響により民生電子機器や車載関連の生産は落ち込んだが、データトラフィック量の急増によりデータセンター需要は力強く、5G通信の世界的な普及に向けた投資も順調に進んでいるため、前年度比12.4%増の2兆3300億円と予測した。2021年度もファウンドリーの投資水準は維持され、さらにメモリーの投資復活が上乗せされるため、7.3%増の2兆5000億円、2022年度は5.2%増の2兆6300億円と予測した。

 FPD産業は、COVID-19感染拡大の影響でPC・タブレット・モニターに使われるITパネルが品薄となり稼働率が急上昇。パネル価格も上昇し、大手パネルメーカーの営業利益率は、2020年1Q(1~3月)を底に回復傾向となっている。元々は韓国を中心に、既存のTV用LCDラインを停止し、新技術を用いたパネルへライン転換する計画であったが、後倒しとなっている。

 FPD製造装置の日本製装置販売高については、海外渡航制限の長期化により装置の現地立上げ調整が困難となった影響を精査し、2020年度は11.7%減の4200億円を予測した。2021年度はG10.5液晶ディスプレイ(LCD)投資の一巡を考慮して4.8%減の4000億円、2022年度は新技術を盛り込んだ投資の復活を期待し7.5%増の4300億円と予測した。

 2022年度の日本製装置販売高はつまり、半導体製造装置が2兆6300億円、FPD製造装置が4300億円で、全体で6.3%増の3兆600億円と予測。3兆円超えはSEAJが統計を開始して以来初となる。

kat

フェローテックマテリアルテクノロジーズ、サーモモジュール事業が5G用途・DNA増幅用途などで拡大

4年 2ヶ月 ago
フェローテックマテリアルテクノロジーズ、サーモモジュール事業が5G用途・DNA増幅用途などで拡大kat 2021年1月13日(水曜日) in

 フェローテックホールディングス(https://www.ferrotec.co.jp/)傘下のフェローテックマテリアルテクノロジーズ(https://ft-mt.co.jp/)の進める「サーモモジュール(ペルチェ素子)」ビジネスが、5G通信用途やDNA増幅用途などを中心に拡大してきている。ここでは、フェローテックマテリアルテクノロジーズ 営業本部 電子応用製品部門 TE営業グループ長の大屋匡史氏に、サーモモジュールの近年の動向や、拡大している用途、今後のビジネス展開などについて話を聞いた。

大屋 匡史 氏

 

サーモモジュールの近年の動向

 サーモモジュール(ペルチェ素子)は、対象物を温めたり冷やしたりする半導体冷熱素子のことで、N型とP型という異なる性質を持った半導体素子を組み合わせたモジュールに、直流の電気を流すと熱が移動し、一方の面が吸熱(冷却)し、反対の面が放熱(加熱)するというペルチェ効果を応用したもの。電源の極性を逆にすると、吸熱と放熱を簡単に切り替えることができる。


 サーモモジュールのこうした特性を活かし、自動車、半導体製造装置、光通信、医療バイオなど、温度調整デバイスとして用途が拡大してきており、フェローテックマテリアルテクノロジーズの市場占有率は36%とトップシェアを有する。
 

サーモモジュールの用途別構成比率 ※パワー基板を除く

 

 もともと産業用途向けの採用がメインだったサーモモジュールが2005年ころに某電機メーカーのイオン発生器に業界で初めて採用されたことでサーモモジュールの認知が広がり、近年ではインパクトのあるアプリケーションとして民生品での採用が拡大した。多くの家電製品でイオン発生機能が付いたものが人気商品となっているが、イオンを発生させるためにサーモモジュールを利用している。サーモモジュールによって、空気中の水分を冷やして結露させる仕組み。浄水式では水道水に含まれるカビや雑菌の発生源となる成分が放出されるのに対して、サーモモジュール式イオン発生器では冷却によって意図的に水滴を作ることで、有害成分のない、きれいなイオンを省電力に発生させるというメリットがある。

 
 

空気清浄機での適用イメージ


 こうしたアプリケーションを契機に民生品でのサーモモジュールの適用が拡大、同様にイオンを発生させる用途としては、ヘアドライヤーなどにも搭載されている。直流電圧を印加することによって特定の部位を冷やしたり温めたりできる電子部品は唯一ペルチェ素子だけであり、民生品での適用拡大は、ペルチェ素子の軽量・コンパクト・省エネといった製品価値が認められたことによるものと考えている。

 

拡大しているサーモモジュールの用途

 サーモモジュールの市場としては、顕微鏡では見ることができない病原体の有無を検査するPCR(Polymerase Chain Reaction)法のDNA増幅用途といったバイオ向けや、5Gの通信機器用途が拡大してきている。

DNA増幅用途

 PCR法では、DNAの2本鎖とDNA合成酵素が特定の温度の熱サイクルで熱変性、アニーリング、伸長の三つの反応を起こすことを利用して、DNAの目的の部分を2n倍に増幅する。精密な温度制御による正確な温度サイクルnが正しい検査につながるほか、温度サイクルのスピードを上げることで検査の効率を上げることにつながる。ペルチェ素子を組み込んだサイクル温度コントローラーによって、温度制御が精密で迅速になり、検査のスケールアップが可能になっている。ペルチェ素子はPCR検査装置の小型化・卓上化を可能にしているほか、最近では、検体容器1個を一つのペルチェ素子で加熱冷却する方式で、複数個の検体容器をPCR検査装置に搭載してパラレルに高効率に検査を行うことを可能にしている。

 

PCR検査装置

 

5G通信用途

 第5世代(5G)移動通信システム向けの光通信用デバイスは高速伝送速度を実現し、移動通信システムの高速大容量化に貢献する一方で、光通信用デバイスに内蔵される半導体レーザーは温度によって波長が変化するため、波長の変化に伴う動画の乱れや通信の遅延などを防ぐべく一定温度に保つ必要があり、ペルチェ素子による高精度な温度制御が不可欠となっている。


 現在、5G通信機器向けにサーモモジュールの需要が急速に拡大してきているところで、特に中国では5G用通信基地局設置数が2020年に65万ヵ所、2021年に77万ヵ所、2022年に93万ヵ所と増える見通しとなっており、2000年のITバブル以来の非常に大きなサーモモジュールの市場として、さらなる成長が期待されている。

 

5G通信用途でのサーモモジュールの適用イメージ

 

RMT社を完全子会社化

 フェローテックホールディングスはこのほど、サーモモジュールの超小型化(150μm以下)、多段化の技術力や高品質のビスマス・テルル(Bi2Te3)材料開発力を持つロシアのRMT社を完全子会社化した。超小型化、多段化によって新しい用途への適用が見込まれている。

 ペルチェ素子は局所冷却に使われるが、超小型化することで、さらにピンポイントに効果的に適用できる。例えば監視カメラの画像処理デバイスは、熱によって生じるノイズを視界内の対象物を画像化する信号のレベルよりも下げるために必要で、-20℃以下といった極低温まで冷却するにはサーモモジュールの超小型化と多段化が必要になり、RMT社の技術力が活かされると見ている。

 4K・8Kといった高画質ディスプレイや顔認証システムなどでも、高精細・低ノイズに寄与する超小型・多段のサーモモジュールの適用が有効と思われる。

 また、民生用途として、サーモモジュールは場所や環境に応じて冷房・暖房を切り替えることができることから、肌着やジャケットに温度調節用途としての採用が進行しているが、超小型で軽量のサーモモジュールをラインナップに加えることで、今後のウェアラブル用途での需要拡大に応えられるものと考えている。

 

温冷調整が可能なジャケット(試作品)

 

今後の展開

 サーモモジュールは自動車分野においては温調シートで豊富な実績を持つが、フェローテックマテリアルテクノロジーズでは2018年にオートモーティブプロジェクトを立ち上げ、車載用カップホルダーや、バッテリーおよびキャビンの温調システム(図7)、車載カメラのCMOSイメージセンサ用クーラーといった、新しい用途の開拓に注力している。

 そうした新しい用途への対応では、ペルチェ素子のさらなる高性能化や効率向上が課題となっており、素子の材料特性を高める必要性があることから、フェローテックマテリアルテクノロジーズでは、ロシア・モスクワ工場や中国・上海工場、さらには新たに傘下に入ったロシアRMT社を中心に、素材開発を強化していく考えだ。

 また、自動車部品など、製品バラつきをなくし、大量に迅速に良品を生産できるよう、工場の生産プロセスの一層の自動化や品質管理システムの増強を進めていく。
 サーモモジュールは大空間の温度調整には不適だが、局所的な温度制御では、コンプレッサーなどの外部装置を必要とせず小型・軽量で、低消費電力、低コストに効力を発揮し、環境面でもノンフロンで作動しCO2排出量低減に寄与する。フェローテックマテリアルテクノロジーズでは、こうしたサーモモジュールの長所をアピールしながら、EV、HVなどの自動車用途やウェハ大口径化対応の半導体製造装置、ウェアラブル機器等の民生品向けなど、各種の新たな用途への提案・展開を進めていく考えだ。
 
 

バッテリーおよびキャビンの温調システムのモックアップ

 

●フェローテックホールディングスの事業をさらに知るには

 

kat

日精樹脂工業、低床化を実現したハイブリッド式竪型射出成形機に大型タイプをラインナップ

4年 3ヶ月 ago
日精樹脂工業、低床化を実現したハイブリッド式竪型射出成形機に大型タイプをラインナップkat 2020年12月18日(金曜日) in

 日精樹脂工業は、業界トップクラスの低床化を実現したハイブリッド式竪型射出成形機「TWX-RⅢ」型に、新たに型締力2942kN(300t)の大型クラス「TWX300RⅢ36V」を追加、受注を開始している。

ハイブリッド式竪型射出成形機「TWX300RⅢ36V」

 

 TWXシリーズは、自動車や電子部品など幅広い分野におけるインサート成形向けで業界トップクラスの販売実績を誇るハイブリッド式竪型成形機。中・大型クラスをカバーする新シリーズで、新複合式型締機構を搭載し、機械全体の低床化を図った。今回開発した「TWX300RⅢ36V」の市場投入により、すでに2019年4月に受注を開始した同2110kN(220t)タイプの「TWX220RⅢ25V」と併せて2機種のラインナップとなった。

 本シリーズの最大の特徴は、機構のコンパクト化を図るため、これまで高速型締から高圧型締まで一つの型締シリンダで行っていた型締動作を、早送りシリンダと高圧型締シリンダ、ハーフナット機構からなる複合型締機構によって行う点で、これにより2110kNタイプで見ると、金型取付け面高さを従来機比で約30%低床化、シリーズ統一の1000mmとし、金型取付けなどの段取替え作業やワークインサート・製品取出しの作業性が大幅に向上しているほか、自動化の取回しやメンテナンスも容易になっている。

 さらに、機械全体の高さも従来機比で約10%低くしており、成形工場の設置スペース(高さ方向)の融通性が向上するとともに、工場新設の場合、天井高さを抑えられることから設備コストを下げることができる。

 そのほか、以下のような特徴を持つ。

① 均一な型締力を伝達できる直圧式型締機構を搭載。温度変化の影響を受けにくく常に設定値どおりの安定した型締力を伝達できるほか、金型に優しい適正(低)型締力設定が容易で、シンプル・クリーンな機構は長期にわたり機械精度を維持。型閉中の異物検知のための低圧金型保護性能も優れており、インサートワークずれ等による金型の破損を防止する

②新複合型締機構により、作動油量を従来機よりも52%削減しており、省資源、コスト削減につながる

③ベッド構造の最適化により自動機のフレキシブルなレイアウトが可能で、取出機や多関節・双腕ロボットなど、個々の成形品や成形工程に適した自動化システムに柔軟に対応できる。また、金型取付け面の3ステージ化も容易に対応可能な設計としており、多様な生産形態に適応する

④3本タイバーシャフトによるワイドなターンテーブル、ワイドなデイライト仕様としており、成形品の大型化(EV・HEV用自動車部品におけるモジュール化等)や取数の拡大に対応する

⑤回転盤やエジェクタ動作はサーボモータ駆動とし、サイクル短縮を図るとともに、スムーズな機械動作と回転停止精度を実現、これによりインサート成形時のワークのズレなどを防止できる

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不二越、製品紹介特設Webサイト「NACHI TECHNOLOGY PARK」を公開、オンラインセミナーも実施

4年 4ヶ月 ago
不二越、製品紹介特設Webサイト「NACHI TECHNOLOGY PARK」を公開、オンラインセミナーも実施kat 2020年11月18日(水曜日) in

 不二越は、11月16日~27日に初めてのオンライン開催となる「JIMTOF2020 Online(第30回 日本国際工作機械見本市)」での出展に合わせて、11月11日から、工具・工作機械・ロボット・特殊鋼・ベアリング・油圧機器・コーティング・洗浄装置・カーハイドロリクスという同社製品を紹介する特設Webサイト「NACHI TECHNOLOGY PARK」(https://www.nachi-technologypark.jp/)を開設した。

NACHI TECHNOLOGY PARK

 

 特に、11月16日~27日のJIMTOF2020 Online 会期中には毎日、工具・工作機械・ロボット・特殊鋼の4事業から、8テーマでオンラインセミナー(要事前予約)を実施する。

 オンラインセミナーの事業ごとのテーマは以下のとおり。

1.工具:アクアREVOミル/ドリルシリーズ、Hyper Zタップシリーズ

2.工作機械:歯車の高精度化に応える最新加工技術(歯車スカイビング加工技術と複合加工機)、精密仕上加工機(研削盤・フイルムラップ加工機)

3.ロボット:ロボットIoTソリューション(NR:Connect)、小型ロボットMZシリーズ

4.特殊鋼:新しいマルテンサイト系ステンレス鋼(高強度高耐食EXEO-CR20)

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オークマ、高能率・高精度 5 面加工門形マシニングセンタの販売を開始

4年 4ヶ月 ago
オークマ、高能率・高精度 5 面加工門形マシニングセンタの販売を開始kat 2020年11月18日(水曜日) in

 オークマは、高能率・高精度 5 面加工門形マシニングセンタ「MCR-BⅤ(エム・シー・アール・ビー・ファイブ)」を開発し、販売を開始した。門形マシニングセンタシリーズフラッグシップモデルMCR-Bシリーズの加工能力、精度安定性をさらに向上し、加工と計測の融合を実現可能とした。また、100 種類以上の主軸ヘッドが使用可能で、多様な複雑大物部品も一台で完遂できる。半導体製造装置、エネルギー関連、航空宇宙分野など幅広い産業機械における大物部品加工を最適化し、高い生産性を提供できる。

 半導体製造装置、風力や太陽光、ガス発電などの低炭素エネルギー市場が世界中で急拡大している中、大型の部品を扱う産業機械分野が拡がることで、より広範囲な加工物や多様な加工工程を高精度、高効率で加工できる多目的な大型加工機が求められている。また、大型部品加工において必要とされる高度な品質を維持してきた経験やノウハウの伝承が課題となっており、熟練技能者に依存することなく機械が自律的に品質を維持できる高精度、高機
能な大型加工機のニーズが高まっている。

 今回開発したMCR-BⅤでは、独自の知能化技術を用いることにより、熟練者の技能が必要だった大型加工機の精度維持を誰でも簡単に高いレベルで実現できる。大物部品加工分野における多様な加工物を対象に、荒加工から仕上げ加工、複雑な多面加工に加え、計測までを1台でこなす高度な工程集約能力によって、一気に完成品にまで仕上げることを可能にした。

 機械が自律的に高精度を安定維持、加工から計測までを機上で可能にした数々の知能化技術を標準適用した。「3D キャリブレーション」の適用では、加工後にそのまま機上で段取り替えすることなく三次元測定機並みの計測が可能となり、全軸(X、Y、Z、W)へのアブソスケールの適用では、機械の全ストロークを絶対位置で検出し、ボールねじの熱変位を排除した高精度な位置決めを実現する。

3D キャリブレーション

 

 また、高出力43kW(10 分)/37kW(連続)ビルトインモータ主軸(トルク:1,406 N・m(10 分定格)/ 981N・m(連続定格)、最高回転速度:6000min-1)と交換可能な各種主軸ヘッドにより、高能率、高品位な加工と工程集約を実現したほか、X軸ストローク拡張と早送り速度アップ(X軸 30m/min:従来機比2倍、Y軸32m/min :従来機比1.6倍)を実現した。

高出力ビルトインモータ主軸

 

 さらに、スラッジレスタンク(特別仕様)により切削液タンク内のスラッジ堆積を大幅に抑制、切削液の廃棄量を激減させるとともに切削液タンク内の清掃負担も大幅に軽減するなど、環境に配慮し、作業者の負担を軽減する優れたメンテナンス性を実現している。

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安川電機、新型パレタイジングロボット4機種を販売開始

4年 4ヶ月 ago
安川電機、新型パレタイジングロボット4機種を販売開始kat 2020年11月18日(水曜日) in

 安川電機は10月13日に、新型パレタイジング用途ロボット「MOTOMAN-PL」シリーズのラインナップとして「MOTOMAN-PL190」(可搬質量190kg、最大リーチ3159mm)、「MOTOMAN-PL320」(可搬質量320kg、最大リーチ3159mm)、「MOTOMAN-PL500」(可搬質量500kg、最大リーチ3159mm)、「MOTOMAN-PL800」(可搬質量800kg、最大リーチ3159mm)の4機種を販売開始した。ロボットコントローラ「YRC1000」に対応し、省エネ性能、メンテナンス性を向上した。食品・薬品・化粧品製品などの箱積み、建材・石材など重量物の積載用途に最適。

MOTOMAN-PL320

 

 近年深刻化しつつある労働力不足に加え、コロナ禍における自動化・省力化ニーズの加速により、様々な業種においてロボットを活用した自動化による生産性向上や製造コスト削減が強く求められている。特に物流業界や食品・医薬品・化粧品などの業種では、製品単体の箱詰めや箱積みといった工程で人手作業が多く残っており、その効率化や自動化は急務となっている。こうしたニーズに応えるため、同社のパレタイジングロボットは、小型包装等の小物用途から建材などの大物用途まで幅広く対応した機種をラインナップしている。

今回開発した4機種は、使いやすさを追求したロボットコントローラYRC1000に対応させたことで、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出すとともに、電源回生機能による省エネ性能の向上や省配線によるメンテンス性の向上を実現、最適なパレタイズシステムの構築に貢献する。

 さらに、MOTOMAN-PL190、320の2機種については、使い勝手をさらに追求し、従来のMOTOMAN-MPLシリーズと比べ、よりスリムな形状にするとともに可搬質量を向上させた。

最終出荷状態の荷姿は、重量物でありながらダンボールのように傷つきやすいものや米袋のように変形しやすいものが多く、柔らかな把持を求められると同時に強い力が必要となるため、エア駆動・吸着の利用も多く、その配管は太くなる。開発品では、これら大容量の配管をアーム内に収められるようアーム先端の手首軸に大口径の中空構造を採用し、周辺機器やロボットアームとの干渉をなくした。また、高さ方向に広い動作範囲を有しており、各種パレットサイズに最適な積上げ作業が可能なため、ユーザーの設備環境に柔軟に対応する。

また、ロボットコントローラYRC1000(中型・大型機種用)には、モータ減速時に発生するエネルギーを有効活用する電源回生機能が標準搭載されており、ロボット消費電力量の約30%を削減することが可能で、ユーザーの生産現場での省エネに貢献する。

※1 ロボット動作条件やお客さまの生産現場での稼働状況によって、省エネ効果は異なります。

ロボットとコントローラ間の接続をケーブル1本で行えるため、セットアップの際の配線時間を大幅に短縮するとともに、配線の少ないすっきりとした設備を実現する。

 マニピュレータ内部の通信線の断線や各軸サーボモータのエンコーダ異常が発生した際には、プログラミングペンダント上に異常アラーム(該当ロボット軸の通信エラー)が表示され、異常箇所を特定しやすくなったほか、通信線の断線時の仮復旧や異常箇所特定のための仮配線を行えるマルチポートが各部位に標準搭載されており、仮復旧・仮配線にかかる時間が短縮できるなど、メンテナンス性にも非常に優れる。

 パレタイズ専用アプリケーションソフト「MotoPal」により、コンベヤやステーション位置、製品のサイズ、積み付けパターン等を設定するだけで、ロボットの動作プログラムを自動生成することができる。

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富士通、ファナック、NTT Com、製造業のDXを実現するクラウドサービスで新会社を設立

4年 4ヶ月 ago
富士通、ファナック、NTT Com、製造業のDXを実現するクラウドサービスで新会社を設立kat 2020年11月18日(水曜日) in

 富士通、ファナック、NTTコミュニケ―ションズ(NTT Com)の3社は、工作機械業界をはじめとした製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する場をクラウドサービスとして提供する新会社「DUCNET(ディーユーシーネット)」を本年11月に設立する。

 代表者には田中隆之氏(現 富士通株式会社 COLMINA事業本部 戦略企画統括部 シニアディレクター)が就任。資本金は2億5000万円で富士通40%、ファナックが30%、NTT Comが30%を出資する。

 インダストリー4.0やSociety5.0といった潮流に加え、新型コロナウイルス感染拡大によって不確実性が増大する状況において、製造業各社はグローバルでの競争力やレジリエンスの強化が急務となっており、デジタル技術を活用した社内業務効率化や、新たな価値の創出・顧客サービスの向上、モノからコトへの展開の実現が求められている。

 これに向け、3社は製造業のDXを実現するサービスプラットフォーム「デジタルユーティリティクラウド」構想を2019年9月に発表し、共同事業体としての事業運営開始に向けた準備をしてきた。

 新会社DUCNETは本年11月に事業を開始し、2021年4月からクラウドサービスの提供を開始する予定。今後、DUCNETは「デジタルユーティリティクラウド」を利用する各企業のさらなるものづくり力の強化に貢献することを目指していく。さらに、機械メーカーや機械ユーザー、商社、ITベンダーなどの参加各社が、サービス提供者でありサービス利用者になれるエコシステムの実現を目指す。

kat
Checked
58 分 54 秒 ago
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