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フェローテック、磁性流体・ペルチェ素子・絶縁放熱基板の利点を活かし自動車分野で応用・展開へ

3年 11ヶ月 ago
フェローテック、磁性流体・ペルチェ素子・絶縁放熱基板の利点を活かし自動車分野で応用・展開へkat 2020年06日02日(火) in in

 フェローテックは2018年1月に「オートモーティブプロジェクト」を立ち上げた。それから3年目を迎えた本年4月にはオートモーティブプロジェクトが組織として独立、自動車のマーケットの部門横断的な攻略が本格化してきている。

 この間、自動車用温度調節シート向けで多くの採用実績を持つ「サーモモジュール(ペルチェ素子)」や、創業の技術であり車載スピーカーで実績のある「磁性流体」、さらには自動車のエンジンやモータ、パワーステアリング、ヘッドランプなどの制御装置の基板として採用されている絶縁放熱基板を中心に、自動車市場の様々な課題へのソリューションを提起し、徐々に具体的な適用に向けた検討案件が増えている。

 今回、それらコア技術の適用によるメリットと、様々な利点を活かした自動車分野での各種課題解決のためのソリューションについて、同社に話を聞いた。

 

◇フェローテックのコア技術 ・磁性流体

 磁性流体は、流体でありながら外部磁場によって磁性を帯び、磁石に吸い寄せられる機能性材料で、磁性微粒子、界面活性剤、キャリアとなるベース液(潤滑油)からなる。直径約10nmの極小の酸化鉄粒子が、凝集を防ぐ界面活性剤で被膜され、安定的に分散したコロイド状の液体となっている。

 自動車分野では、磁性流体の放熱効果やダンピング効果などによる高音質化や小型化などから、スピーカーに採用されている。

 

 

・ペルチェ素子(サーモモジュール)

 ペルチェ素子は、対象物を温めたり冷やしたりする半導体冷熱素子のことで、N型とP型という異なる性質を持った半導体素子を組み合わせたモジュールに、直流の電気を流すと熱が移動し、一方の面が吸熱(冷却)し、反対の面が放熱(加熱)するというペルチェ効果を応用したもの。電源の極性を逆にすると、吸熱と放熱を簡単に切り替えることができる。

 ペルチェ素子のこうした特性を活かし、自動車分野では温調シートで多数の実績を持つ。
 

 

・絶縁放熱基板

 絶縁放熱基板は、セラミックス基板に銅回路板を接合したもので、放熱性・絶縁性・耐久性が高いアルミナセラミックス基板に銅製(Copper)の回路と放熱板を共晶反応で直接接合させた構造のDCB(Direct Copper Bonding)基板を自社開発し、世界第2位のシェアを持つ。

 最近では、窒化ケイ素や窒化アルミニウムを基板とした、より信頼性の高いAMB(Active Metal Brazing:活性ロウ付け法)方式の技術を開発。新工場に量産設備を導入し、サンプル出荷を開始している。

 自動車分野では、電動パワーステアリング用など各種モータの制御用インバータの基板などで採用されている。

 

 

 

◇自動車における磁性流体適用のメリットと課題解決のソリューション

 磁性流体の自動車分野でのアプリケーションとしては、圧倒的に高いシェアを持つ車載用スピーカー向け磁性流体に加えて、セミアクティブダンパーやリニア振動・触覚(ハプティック)デバイスへの応用など、新しい用途での検討が進んできている。

 ここでは、2018年以来、3回にわたり出展した「EV/HEV駆動システム技術展」を通じて具体的なサンプル要求が増えてきている「感温性磁性流体を用いた熱輸送システム」の利点と、自動車の課題解決のためのソリューションについて紹介する。

・感温性磁性流体を用いた熱輸送システム 自動車での課題と感温性磁性流体適用のメリット

 自動車においては、エンジンのオーバーヒートを防止するためのラジエーターによる冷却など、熱マネージメントが早くからなされているが、電気自動車(EV)など電動車両の本格化に伴い、例えばバッテリーとなるリチウムイオン電池が温度にセンシティブで、高温/低温のいずれにおいても特性が大きく変化したり劣化が進みやすいといった、熱関連の新たな問題が顕在化してきている。

 バッテリーやインバータなどの発熱を伴う機器の冷却において、熱の集中を防ぐためのループ循環系の熱輸送システムを構築するには、一般的に流体を循環させるためのポンプなどの機械的駆動力が必要となり、そのための設置スペースが必要となる上、バッテリーの消費にもつながる。さらにポンプなどの重量が加算されることで、電力消費(電費)は増大する。

 これに対しフェローテックでは、温度に反応して磁化が大きく変化する「感温性磁性流体」を開発。これを用いた熱輸送システムを提案している。

 感温性磁性流体を用いた熱輸送システムでは、磁性流体を封入した流路に、冷却される区間の「低温部」と加温される区間の「高温部」を設けて、磁性流体に温度勾配を作る。それから、低温部と高温部の間に磁石を設置。高温部の磁性流体中の磁性微粒子は温度上昇に伴って磁化が減少する一方で、低温側の磁性流体は磁化が変わらずに磁石へと強く引き寄せられる。これによって、低温側から高温側へと感温性磁性流体の流れ(駆動力)が発生して、流体の自己循環が可能となる。つまり、機械的な動力なしに、熱を輸送できるというわけである。

感温性磁性流体を用いた熱輸送システムの駆動メカニズム

 

 局部的に熱が偏在することによる問題を低減する目的で全体的な熱マネージメントを進めたい自動車メーカーや、電源を使用せずに熱効率を高めるヒートパイプを構築して自動車メーカーに提示したい自動車部品メーカー、さらには発熱密度の増大によって処理速度の低下や高温による故障など多くの熱問題を抱える電子機器メーカーなどから、具体的な引き合いが増えており、実用を想定した研究が活発になっている。

 すでに挙げたバッテリーやインバータをはじめ、自動車内部には多くの場所で熱源が存在するため、熱的に相互を補填し合うことで効率を追求することが重要になってくる。例えば冬場の暖房は、熱機関駆動の自動車では容易にエンジンからの熱を活用できる一方で、EVではPCTヒーターなど電熱線で発熱させることなどにより冬場の電費効率は著しく下がる。これに対して、他の部位からの熱源を活用することによって、効率改善が期待できる。後述のペルチェ素子とのコンビネーションなど、他の熱管理技術との組み合わせによっても、さらなる領域での活用を考えることができる。

 また、自動車からの水平展開として、熱が問題となる身の回りの課題にも着目している。身近では、スマホ、ノートPC、フラットパネルTVの発熱などへの対策や、産業分野においてもLED、レーザー、ロボット、製造装置、サーバーといったように、チラーなどで強制的に冷却を行っている用途に展開できると考えられている。

 

感温性磁性流体を用いた熱輸送システムの実験での駆動確認感温性磁性流体を用いた熱輸送システムの加熱位置による駆動の向き

 

実用に向け大きな進展となる「水ベースの感温性磁性流体」を開発

 感温性磁性流体の基礎研究は国内外の拠点で長年進められてきたが、製品レベルの設計開発は約5年前から加速している。磁性流体は前述のとおり、磁性ナノ粒子、界面活性剤、キャリアとなるベース流体からなるが、感温性磁性流体のベース流体にはケロシンなどの有機溶剤が主に用いられてきた。

 有機溶剤が用いられてきたのは、磁性ナノ粒子を分散することが比較的容易であるためであるが、ガソリンを使う内燃機関とは違い、EVや家電製品では、そうした可燃性流体の使用は避けたいとの要望が強く、不燃性流体をキャリアにした感温性磁性流体は長年の目標とされてきた。

 フェローテックでは今回、磁性ナノ粒子および界面活性剤の組成、分散に関するコーティング技術・工程ノウハウを駆使して、初めての「水ベース感温性磁性流体」を開発することに成功した。水単体は当然のことながら0℃で凝固し100℃で沸騰するが、独自の配合技術によって、最新の開発試作品では-70℃という凝固点を実現。概ねの用途における使用温度範囲は-40℃~+80℃程度のため、低温側の要求も高温側の要求もカバーできると見る。

 ここでのコーティング技術は、10nmという極めて小さいナノ磁性粒子を個々に界面活性剤で覆うもので、これによって各磁性ナノ粒子が凝集することも沈降することもなく、非常に優れた分散性を実現できる。本来、水は極性が強い特殊な液体のため、安定な分散を得るのは難しい材料であるが、今回は開発グループにより比較的最近に見出した材料・工程を積極的に適用し、有機溶剤ベースと比べても遜色ないレベルで分散性に優れた水ベース感温性磁性流体を世に送り出すに至った。

 また、磁性流体中の磁性ナノ粒子の濃度は、熱輸送のために駆動させるためには重要なパラメータとなる。すなわち粒子濃度が高いほど、ヒートパイプ中の感温性磁性流体の駆動力は強まることになる。スピーカーなど一般産業機器向けの磁性流体の粒子濃度は100~200ガウス程度、また水ベース磁性流体としての粒子濃度上限も300ガウス程度がこれまでの上限だったが、今回開発した感温性磁性流体は、これまでに類を見ない600ガウス以上という高い粒子濃度を達成した。

 また、同社米国拠点では、別の用途向けの水ベース磁性流体をtonレベルで大量生産できる施設を所有しており、量産時の供給能力とコスト対応能力も充分に確保できているものと見られる。

 一方、具体的な熱輸送システム全体の効率を上げるには、高性能の感温性磁性流体を使用するだけでなく、熱輸送の効率を高めるために適切に温度勾配を持つように設計されたループが構築されることになるが、そういった個々の熱輸送システムでの性能を保証することも材料メーカーであるフェローテックの責務の一つである。そのため同社では、駆動環境による熱輸送効率の違いなど、熱輸送実用に向けた各種試験データを取得し知見を高める活動も大学と共同で進めている。

 直近では、本年6月をめどに開発品のサンプル販売を開始すべく、最終的な準備に取り組んでいるところだ。一方、長期的な取組みにはなるが、水ベースの感温性磁性流体という今まで世の中にない全く新規の製品となるため、分類や試験評価手法を含めた国際標準化についても研究機関と協力しながら進めていく考えだ。

◇自動車におけるペルチェ素子適用のメリットと課題解決のソリューション

 ペルチェ素子を用いた自動車でのアプリケーションとしては、自動車用温度調節シート向けで多くの採用実績を持つほか、近年では、海外の自動車OEMで採用実績がある温度制御が可能な車載用カップホルダーや、バッテリーおよびキャビンの温調システム、車載カメラのCMOSイメージセンサ用クーラーなどで引き合いが増えてきている。

 ここでは、具体的な採用に向けて検討が進んできているバッテリーの温度コントロールのアプリケーションを中心に、ペルチェ素子採用の利点と、自動車の課題解決のためのソリューションについて紹介する。

・バッテリー/キャビンの温度コントロール 温調システムとしての高い効率

 ペルチェ素子は、冷却・加熱の双方に対し既存の手法に比べて、微妙な温度制御が可能なことや電力消費抑制につながる軽量・小型化が図れるなど優位性が多い一方で、特に過熱に使用した際の吸熱の利得が大きいことはあまり知られていない。

 ペルチェ素子から放熱される熱量(Qh)は、吸熱量(Qc)と総消費電力(VI=ジュール熱)との総和となるため、ジュール効果によって発生する熱エネルギー(ジュール熱)に比べ、小さな電気で大きな加熱ができる省エネヒーターを構成できる。フェローテックでは、キャビンヒーターにおけるQcの利得による効果を周知させ、自動車分野での適用を進めていく考えだ。

キャビンヒーターにおけるQcの利得効果

 

 一方で、ペルチェ素子の放熱面の温度(Th)と吸熱面の温度(Tc)が逆転すると冷却効率(COP)が極端に上がる、というメリットも浸透しているとは言えない。特に、夏場にペルチェ素子の放熱側である環境温度Thが30℃でペルチェ素子の吸熱面となるバッテリーの温度Tcが60℃といった場合には、温度差が-ΔTとなりCOPは200%、250%という高効率クーリングシステムを構成できる。同社では、こうした高効率の温調システムとしてのペルチェ素子の有用性についても訴求していく。
 

バッテリークーラーにおけるκ(Th-Tc)の利得効果:TcがThよりも高い場合、熱伝導による損失κ(Th-Tc)が逆に利得となり効率が大きく改善

 

パーソナル冷暖房システムとしてのメリット

 自動車の断熱性能には限界があり、窓が増えたり大型車になると表面積が大きくなるため、放出され損失される熱も大きい。つまり、エアコンでは熱貫流量Qが、熱貫流率Kや、車内温度Tiと外気温Toとの差、冷暖房の対象となる自動車表面積Aによって左右されるため、自動車の燃費や電費の観点からは効率の良い冷暖房システムとは言えない。

 そこで、燃費や電費を抑制する観点や室内の快適性を高める観点から、ペルチェ素子を採用した現在のシート温調システムの進化系のような、パーソナルに乗員の体を温めたり冷やすというシステムも一部検討されており、そうした中でペルチェ素子採用の可能性も拡大してきている。

 エアコンを用いた冷暖房は上述のとおり表面積に比例して熱効率のロスが発生することに加えて、たとえばキャビンの温度が低くエンジンおよびエアコンユニットが冷えている状態で暖房運転を開始した場合、エアコンユニット内の空気を暖めてから暖かい風が出てくることから、数分程度の立ち上がり時間を要する。これに対してパーソナルな冷暖房システムであるペルチェ素子では、システムがコンパクトなこともあり、数秒でドライバーや同乗者の体を温めたり冷やしたりすることが可能となっている。

 自動運転ではドライバーもリラックスした状態に置かれ、室内の快適化がますます要求されてくることから、欧州の高級車ではすでに、アームレストや屋根やダッシュボードにまでペルチェ素子を搭載してパーソナルな冷暖房を実現しようという取組みも始まっている。同社では、“高級ホテル空間”とでも言える車室内の快適性向上では、ペルチェ素子を用いたパーソナル温調システムの果たす役割は増えてくるものと見る。

 

◇自動車における絶縁放熱基板適用のメリットと課題解決のソリューション

 パワー半導体用の放熱基板として用いられるDCB基板は、内燃機関車からHEV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)といった電動化、さらには先進運転支援システム(ADAS)の搭載などを背景に、需要の増加するモータ制御用インバータ回路の基板として引き合いが増えてきている。さらに、高圧バッテリーに蓄えた直流電力を交流に変換し走行用モータを駆動するための動力変換装置IGBTなど放熱が必要な新しいアプリケーションでも、攻略を進めている。

 特に窒化ケイ素基板を用いた新開発のAMBは、高い信頼性に加えて、車載のパワーデバイスとして用いられる炭化ケイ素(SiC)と熱膨張係数の点で相性が良いといったことから、車載向けの各種アプリケーションで引き合いが増えてきている。自動車メーカーからは、-55~300℃といった温度変化を1000~2000サイクル実施しても、銅パターンのはく離やセラミックス基板のクラックが発生しないといった、強度の向上や寿命の延長を要求されており、設備や工程の改善、技術の確立を急いでいる状況だ。

 

◇今後の展開

 自動車分野では電動化へと向かう大きな変革の中にあって、新規参入の機会が増えてきている。フェローテックでは、ペルチェ素子、磁性流体、絶縁放熱基板という各製品事業では自動車分野での採用実績も少なくないものの、自動車の新しい潮流の中での新たな課題に対して、部門独立し人員も増強された横断的な組織である「オートモーティブプロジェクト」として、最適なトータルソリューションを提供して課題解決に努めつつ事業を拡大していく。

 同社では、上述のような具体的な案件を成約させることで今年度は数千万円程度のビジネス獲得から始めて、3年後には50億円程度のビジネスに育てていく考えだ。
 

●フェローテックの自動車関連事業をさらに知るには

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不二越、精密仕上げ加工向け超硬エンドミルを発売

3年 11ヶ月 ago
不二越、精密仕上げ加工向け超硬エンドミルを発売kat 2020年06日02日(火) in

 不二越は、エンドミル加工において精密仕上げ加工のニーズに対応する目的で「アクアREVOミル2枚刃・4枚刃2.5Dシャープコーナ(Sタイプ)」を開発、シリーズに追加し6月1日に世界同時発売した。2020年度で年間2億円、3年後には年間6億円の売上を目指す。

アクアREVOミルシリーズ

 

 同社では昨年末、材料、形状、コーティングをすべて一新し、エンドミル加工に求められる機能を飛躍的に向上した高性能汎用超硬エンドミル「アクアREVOミル」を発売した。硬さと靭性を高い次元で両立したエンドミル専用の超硬素材を新開発。形状は基準ねじれ角30度の不等分割・不等リードを採用し、切削抵抗を低減、加工面に影響するびびり振動を抑制し、安定した高能率加工を実現している。また、耐摩耗性、耐熱性、耐熱衝撃性に優れる新コーティング「REVO-Mコート」の採用により、ウェット加工でも高性能を発揮。一般鋼からステンレス鋼、高硬度材まで幅広い被削材への対応を可能としている。

 アクアREVOミル2枚刃・4枚刃2.5Dシャープコーナ(Sタイプ)は刃先コーナの切れ味を重視した形状で、側面や溝加工での隅部の残りを除去し、直角に仕上げる。コーナ摩耗の進行を抑え切れ刃を維持することで、長寿命で安定した加工を実現している。

 2枚刃 2.5D S タイプ(シャープコーナ)は、寸法範囲がφ1.0~φ20.0で全20寸法をラインナップ。4枚刃 2.5D S タイプ(シャープコーナ) は、寸法範囲がφ1.0~φ20.0で全20寸法を用意。

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NTN、転がり軸受総合カタログ」を全面改訂、商品ラインアップ、技術情報を拡充

3年 11ヶ月 ago
NTN、転がり軸受総合カタログ」を全面改訂、商品ラインアップ、技術情報を拡充kat 2020年06日02日(火) in

 NTNは、同社が持つ転がり軸受に関する技術情報やノウハウを顧客に一層活用してもらう目的で、「転がり軸受総合カタログ」を全面改訂した。

「転がり軸受総合カタログ」

 

 今回の全面改訂では、同社が長年蓄積してきた軸受寿命データをもとに、転がり軸受の寿命を計算する際の基礎となる基本動定格荷重(軸受の動的負荷能力で、100万回転の基本定格寿命を与えるような一定荷重)の見直しを行うとともに、ISO規格およびJISで規定された、修正定格寿命(90%およびそれを超える信頼度、疲労限荷重、潤滑剤の汚染、特別な運転条件のいずれか、または組み合わせに対して修正した定格寿命)の計算に必要な疲労限荷重を型番ごとに記載した。

 さらに、顧客の様々なニーズに対応できるよう、同社の世界最高水準の軸受シリーズである「ULTAGE(アルテージ)」シリーズの商品ラインアップも拡充した。

 このほか、軸受の選定方法、取扱い、軸受周りの設計など技術解説に関するページを大幅に増やし、技術情報を充実させている。また、サイズも従来のA4からA5に変更し、より手に取ってもらいやすくするとともに、段付きのインデックス加工を施し、目的のページをすぐに開ける装丁とした。

 全面改定した「転がり軸受総合カタログ」は、同社商品の選定だけでなく転がり軸受について学ぶ際にも活用できる。

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ジェイテクト、電気自動車モータ用高速回転グリース潤滑玉軸受を開発

3年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、電気自動車モータ用高速回転グリース潤滑玉軸受を開発kat 2020年05日29日(金) in in

 ジェイテクトは、電気自動車(EV車)の駆動ユニットのモータ用として、dmn(ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1))2150万以上の高速回転を可能にするグリース潤滑玉軸受を開発した。これにより同社では、モータの小型・高出力化による高速回転化に対応し、電費の向上と航続距離の延長に貢献していく。

開発品


 同社亀山工場・四国工場、グループ企業のダイベアなどで2025年に量産を開始し、国内外の自動車メーカー、駆動モータメーカーなどに提案を進め、3億円/年の売上を目指す。

 近年普及の進むEV車は環境への負荷が低く、今後ますます厳しさを増す燃費規制をクリアする技術として注目され、電力の高効率化や安全性・快適性の向上のため、さらなる技術開発が求められている。

 中でも、自動車の燃費・電費の向上に直結するモータの小型・高出力化が進んでおり、モータを支持する軸受には一層の高速回転性能が要求されている。そのため、高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が課題となっていた。

 これに対しジェイテクトでは、これらの課題を解決するEV車の駆動ユニットのモータに使用する高速回転グリース潤滑玉軸受を開発したもの。

 軸受の高速化技術として、冠型の樹脂保持器の形状を工夫する手法が一般的だが、さらなる高速回転化による遠心力の増大により、保持器の変形や他部品との干渉による破損や、焼付きという問題が発生していた。そこで、開発品では、冠形の保持器とはまったく異なった革新的な新形状の保持器の開発と、独自開発のグリース採用によって、さらなる高速化に対応することを可能にした。

開発品の特徴

 

 新形状樹脂保持器の開発では、ボールポケット形状の工夫と軽量化設計で遠心力による影響を軽減したほか、グリースを保持する形状を採用し潤滑性を向上した。また、従来の高速回転用冠形保持器と比較して、保持器の軸方向寸法をコンパクト化した。


 独自開発グリースの採用では、高温高速条件下での潤滑性能とグリース寿命を向上した。

 開発品では、軸受幅を拡大することなく、グリース潤滑玉軸受の高速性をさらに向上させ、dmn 150万以上を実現している。

評価結果

 

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ジェイテクト、第5世代 低トルク円すいころ軸受を開発

3年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、第5世代 低トルク円すいころ軸受を開発kat 2020年05日28日(木) in in

 ジェイテクトは、自動車のトランスミッションやデフユニットのピニオン支持などに使用される円すいころ軸受において、シリーズNo.1の低トルク性能と最軽量を誇る第5世代の低トルク円すいころ軸受「LFT-V」(LFTはLow Friction Torqueの略で同社の登録商標)を開発した。

LFT-V

 

 2022年をめどに量産を開始、自動車の低燃費化、高効率化に貢献するとともにEV化にも対応する製品として、今後国内外の自動車メーカー・変速機メーカーなどへ提案を進め、2025年に170万セット/年の販売を目指す。

 自動車のトランスミッションやデファレンシャルに用いられる円すいころ軸受は油中で使用されるが、特に「潤滑油粘度が高い」「給油量が多い」「回転速度が高い」といった使用条件となり、軸受のポンプ作用により、潤滑油の撹拌損失が大きくなってしまうという問題があった。

 そこで同社では、潤滑油の攪拌損失の低減に着目し、軸受内部に流入する潤滑油量を抑制することで大幅な低トルク化を実現した「第3世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅲ)」、「第4世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅳ)」を開発し商品化してきた。

 今回、さらなる低燃費化へのニーズに対応すべく樹脂保持器形状の最適化を行い、潤滑油の流入量を最適制御することで、シリーズNo.1の低トルク性を実現するとともに、保持器ポケット部に油を保持できる溝を設け、始動時や低温時の耐焼付き性の向上に加えて、昨今の低粘度油化および油量低減を見据えて軸受内部の油流れの最適化を行うことで、軸受昇温も低減できる第5世代低トルク円すいころ軸受(LFT- V)を開発したもの。

 開発品の特徴は以下のとおり。

・樹脂保持器形状の最適化により、いずれもLFT-Ⅱ比で、損失トルク60%低減、軸受昇温15%低減、異物油中寿命2倍、耐低温焼付き性:無給油焼付き時間2.2倍、という円すいころ軸受-LFTシリーズNo.1性能を実現

シリーズNo.1性能


・周辺部品の変更なしに省スペースでの低トルク設計対応が可能になり、円すいころ軸受-LFTシリーズ最軽量を実現(保持器の質量60%削減で、軸受質量5%軽量化)

シリーズ最軽量

 

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ジェイテクト、低粘度油対応長寿命軸受を開発

3年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、低粘度油対応長寿命軸受を開発kat 2020年05日27日(水) in in

 ジェイテクトは、自動車減速機の潤滑油として今後使用拡大が予想される低粘度油下で発生が懸念される軸受の早期破損に対し、優れた耐久性を有する長寿命軸受を開発した。これにより、エンジン車や電動車の駆動ユニットの信頼性の向上に貢献する。

低粘度油対応長寿命軸受

 

 2025年に同社亀山工場および四国工場、グループ企業のダイベアで量産を開始。国内外自動車メーカー・CVTメーカー・電動ユニットメーカーなどに提案を進め、5万個/月の売上を目指す。

 自動車の燃費・電費向上策の一つとして近年、減速機に使用する潤滑油の低粘度化が進んでいる。潤滑油の低粘度化には、軸受の撹拌抵抗が抑制されることによりトルクが低減するメリットがある反面、軸受に対しては潤滑状態が厳しくなり、高荷重、高振動が発生する過酷な環境下で使用されると、早期に破損が発生する場合があることから、低粘度油に対して高い耐久性のある軸受の開発が急務となっていた。

 これに対しジェイテクトでは、軸受の材料と熱処理に着目し、低粘度の潤滑油中でも優れた耐久性を有する軸受を開発したもの。

従来品との軸受寿命比較

 

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NTN、軸受の異常検知サービスを拡充

3年 11ヶ月 ago
NTN、軸受の異常検知サービスを拡充kat 2020年05日27日(水) in

 NTNは、幅41mm×奥行36mm×高さ87mmと手のひらサイズのコンパクトで持ち運びもセットも簡単な「NTNポータブル異常検知装置」を5月から販売する。簡単操作で高度な軸受診断ができ、回転機械の定期チェックに有効。同社ではまた、本商品を用いた診断・分析レポートを提供するサービスも開始し、設備のメンテナンス性向上に向けた総合的な技術サービスを拡充していく。

NTNポータブル異常検知装置

 

 本商品は、測定・解析時間が約7秒と短く、また、測定する装置や環境に合わせた四つの設置方法(マグネットによる簡単設置やねじ止めによる確実な取付けなど)による取扱い性が容易で、1回の測定で、OA(計測した振動波形の全体を用い、実効値やピーク値などを算出する手法)、FFT(高速フーリエ変換を用いて周波数スペクトルを求め、入力信号を分析・解析する手法)を同時に解析可能。

 用途は、電動機械(昇降機、ポンプ、搬送機械)、製紙機械、プラント設備、工作機械、一般産業機械の設備保全、出荷検査、サービス員携帯用など広範で、2023年度に5000万円/年の販売を目指す。

 同社では、本商品を単体販売するほか、本商品を用いた診断・分析レポートなど顧客のニーズに合わせたサービスの提供も予定している。また、機械振動の測定や異常診断などに特化した技術講習会の開催など、技術サービスも拡充する。

 機械保全においては従来、技能員の経験や感覚などを頼りに行われていたが、近年は人材不足などによりノウハウの蓄積が困難になっており、機械の異常を検知するツールへのニーズが高まっている。また、予防保全の重要性に対する認識の向上により、生産ラインだけでなく、搬送や油空圧機器など付帯設備にまで状態監視へのニーズが広がってきている。

 こうしたニーズに対応するためNTNは、振動データの収集・分析・結果表示が可能な「ハンディ型異常検知装置」を2014年に開発し、市場に展開。その後、小型化と機能向上を図った「NTNポータブル異常検知装置」を2018年に開発し、市場で多くのトライアルを行う中で、さらに解析機能を改良して今回、取扱い性も高めた本商品の販売を開始することとなったもの。

 本商品の、従来品からの主な改良ポイントは以下のとおり。

・解析プログラムの最適化で測定・解析時間を約半分に短縮(約15秒から約7秒に)
・マグネットやねじ止めによる直接締結など四つの設置方法から任意に選択可能
・解析用スマートデバイスを、Androidから、iOS対応に変更
・振動ピックアップ、電池ボックス、接続ケーブルの3部品を一体化
・IP65対応

 同社は、本商品の販売を機に予防保全に対応する技術サービスを一層拡充するとともに、センシング技術やデジタル技術を活用し、機械設備のライフサイクル延長や生産効率の向上に貢献するサービス・ソリューション事業を拡大していく。

使用例


 

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イグス、デジタルプレスカンファレンスを開催

3年 11ヶ月 ago
イグス、デジタルプレスカンファレンスを開催 in kat 2020年05日25日(月) in

 イグスは5月20日、ドイツ本社からのライブストリーミング配信による「デジタルプレスカンファレンス」を開催した。当日は、北川邦彦社長とドイツ本社フランク・ブラーゼCEOの挨拶・事業展開に関する報告がなされたほか、「ハノーバーメッセ2020」の開催中止により実展示で披露できなかった100点超の2020年新提案商品が、ドイツ本社内に特設されたブースでのバーチャル展示会を通じて披露された。
 

 

 当日はまず北川社長が、「ハノーバーメッセ2020は残念ながら新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大の影響を踏まえて中止となったものの、代わって本日は、同展で披露するはずだった新提案商品すべてを展示している、ドイツ本社施設内に特設した広さ400㎡の特設展示会場にバーチャルワープしていただき、イグスのモットーである“技術を上げて(寿命を延ばして)コストを下げる”に基づいて開発された100点を超える革新的な新提案商品をご覧いただきたい」と挨拶。日本においては第5工場が新設されるなど3年間で在庫量が倍増しているほか、人員も増強してきており、出荷やアフターサービスも迅速な対応がなされていることや、イグスの無給油のベアリングやスマートプラスチック、3Dプリンティングなどが、メンテナンスフリーや予知保全、開発期間短縮などを重視する日本の市場にフィットしており、チェーンフレックスを中心に売上が堅調に伸びイグスのワールドワイドのビジネスに貢献していることを報告した。
 

北川氏

 

 さらにブラーゼCEOが挨拶に立ち、「2019年度は米国、韓国、中国の新工場を設立、ロジスティックス拡大によりユーザーの近くで納期短縮などサービス向上を図れる体制を整備した。また、470万ユーロを投じてケミカルリサイクルの技術を持つスタートアップ企業Mura Technology社への投資を開始。ユーザーからイグス製、他社製を問わず使用済みの樹脂製品を引き取り、オイルにリサイクルするルートを確立している。昨年は厳しい経済状況にもかかわらず、前年比2%増の7億6400万ユーロの売上高を達成した。これはユーザーのコスト削減や装置のメンテナンスフリー化などに貢献するモーション・プラスチックが採用され続けている賜物。Covid-19感染拡大に伴う大変厳しい状況にはあるものの、受注については概ね安定傾向にあり、引き続き増加に転じるものと信じている」と語った。将来に向けた重要投資を継続していく考えで、ケルンの本社敷地内で二つのサイトをつなぐトンネル掘削工事や新たなビルの建設を予定しているほか、モーション・プラスチック製品を迅速・簡単・確実に供給する目的でデジタル化への投資も継続していることなどを報告した。
 

ブラーゼ氏

 

 続いて、バーチャル展示会を通じて、製品分野ごとに新提案がなされた。

 

ケーブル保護管「エナジーチェーン」の新提案商品 ・ガイドチャンネル不要のエネルギー・データ伝送システム「オートグライド5」

 狭くコンパクトなスペースでのエネルギー・データ伝送、自動倉庫などの高速レーン移動では、バスバーシステムが多く採用されているが、メンテナンス費用が高いこと、原則電力の伝送にのみ適用可能であること、接触不良を回避するための定期的なクリーニングが必要であるなどのデメリットがあった。この課題解決のためイグスは、ケーブルを最高速度4m/s、最長ストローク80mで、ガイドチャンネルなしで安全にガイドする「オートグライド5」を開発した。通路に設置するロープまたはレール上に簡単に取付けが可能で、低価格、メンテナンスフリーが図れるうえ、ガイドチャンネルシステムに比べ取付け時間が約88%短縮でき、バスバーシステムの代替品として利用できる。

 オートグライド5は、付属の金属製ロープを床面に敷設するだけで取り付けられる。オプションで樹脂製ロープまたはレールによるガイドも可能。チェーンリンク下側の中央にガイドエレメントが装備されているため、エナジーチェーンは確実にロープ上に留まる。また、耐摩耗性を確保しながらチェーン上部走行部が下部走行部の上を正確に走行するよう、射出成形された、くし形のオートグライド専用クロスバーが取り付けられているため、ガイドチャンネルを不要としている。
 

オートグライド5

 

・スリップリング不要のケーブルガイド「eスプール フレックス」

 生産現場で工具や操作盤を自在に使用するには、適切な長さのケーブルやホースが必要になるが、ケーブルが室内のフロア一面に無防備に散乱していると、躓く危険性がある。スリップリング付きのケーブルリールはエネルギー伝送のためのソリューションの一つだが、新しいケーブルを装備した状態でのパッケージ品としてのみ入手可能なことが多く、また大量データの高速伝送が求められる場合は非常に複雑になる。こうした点からイグスは、ウォームガイドを装備したケーブルリール「eスプール フレックス」を開発した。ケーブルの巻取りにスリップリングが不要なため、バスケーブルやエアー・液体用のホースもスムースにガイドする。また、ユーザーは既存のケーブルをこのシステムに簡単に取付けることができるため、費用を節約できるだけでなく、作業場の安全性も高まる。さらに、新しく採用したウォームガイドにより、素早い設置が可能。ケーブルやホースを収納したウォームガイドは、数ステップで簡単にeスプール フレックスの外側と巻取ハウジングにはめ込める。これにより、ケーブルを自在に取り回すことができ、使用後は素早くきれいに収納できる。

 手動でケーブルを巻取る低コストバージョンと、ブレーキとスプリング駆動のリターン機構を備えた自動巻取りバージョンの2種類を用意。ケーブル交換はいつでもスピーディーに行え、ケーブル直径5~8mmで最長15m、ケーブル直径8~11mmで最長10m、ケーブル直径11~15mmで最長5mの3種類のサイズをラインナップしている。
 

eスプール フレックス

 

・クリーンルーム対応製品の開発強化

 クリーンルーム対応の新提案としては、個別に接続可能なケーブルチャンバーで構成され各チャンバーに1本以上のケーブルを挿入することができる「eスキン フラット single pods」と、やわらかい材質で<200mmの低い取付高さ、ジッパー式開閉により組立・取付が迅速な「eスキン ソフトSK20シリーズ」を開発。いずれもクリーンルーム対応、ISOクラス1に準拠している。

 イグスではこのほど、こうしたクリーンルームでの使用に適したモーション・プラスチック製品の開発を促進する目的で、フラウンホーファーIPA(生産技術・オートメーション研究所)の協力のもと、ISOクラス1準拠のクリーンルームシステムを備えた独自のクリーンルームラボを設置した。粉塵対策の最高レベル基準を満たさなければならない半導体製造向けのケーブル保護管「エナジーチェーン」や可動ケーブル「チェーンフレックス」などの製品を実条件下で試験することが可能で、新製品の開発期間短縮が図れる。
 

ISOクラス1準拠のクリーンルームシステムを備えた独自のクリーンルームラボ

 

スマートプラスチックの新提案 ・故障を予知してメンテナンス推奨時期を知らせる「イグリデュール製isenseすべり軸受」

 「ハノーバーメッセ2019」でプロトタイプとして紹介した、状態監視・寿命予測データを収集するセンサー類「isense」付きのすべり軸受を、今回標準製品として①イグリデュール材質の中で最も汎用的な材質「イグリデュールG」、揺動・回転機構向けの「イグリデューP210」、汎用性の高い長寿命タイプの「イグリデュールJ」、食品機械向け、FDA・食品衛生法準拠の「イグリデュールA180」、建設機械や農業機械など高荷重条件向けの「イグリデュールQ2E」という5種類のイグリデュール材質で開発した。上記すべての製品で内径20mm、30mm、40mmの3サイズを用意、その他のサイズや材質は今後拡充していく予定。食品産業や繊維機械、フォークリフト、建設機械等でインテリジェントなisenseすべり軸受を使用することで、摩耗状況を監視し故障を予知してメンテナンス推奨時期を通知する、耐久性に優れた無潤滑ソリューションを実現する。

 isenseすべり軸受のシステム構成要素として、耐油性・耐クーラント性のPUR 外被ケーブルを1m、2m、5m、10mの4種類の長さで、コネクタは2種類を用意、センサーで計測されたデータは様々な方法でユーザーのシステムに統合できる。イグスではデータ取得用に3種類の装置を提供しており、ユーザーは要望に応じて最適なデータ取得方法を選択できる。一つ目はユーザー自身が手動でデータを取得する方法、二つ目はすべり軸受の状態を赤/緑で表示するディスプレイ付制御ユニットを機械に取付ける方法。三つ目は予防保全のためのデータを集中管理するコミュニケーションモジュール「icom.plus」に接続する方法で、ラジオモジュールが通信モジュールに無線でモニタリングデータを送り、その後データはIoT、クラウドシステム、ユーザーのネットワークシステムに統合される。
 

イグリデュール製isenseすべり軸受

 

ローコストオートメーションの新提案 ・ロボット用7軸システム

 Covid-19における省人化、自動化の要請に応えられる低価格ロボット、低価格自動化システムといったローコストオートメーションとして、「ハノーバーメッセ2019」で披露した6軸低価格ロボット「ロボリンクDP」などと組み合わせることで、ロボットの7軸として機能する直動システムのアダプターキットを開発した。7軸目としてストローク長さ3000mmまで可能な「リニアアクチュエータZLW-20」を使用することで、ロボットの作業領域を最大4倍まで拡大できる。リニアアクチュエータZLW-20、ロボリンクDPともに完全無潤滑で稼働できるため、潤滑メンテナンスフリーで長期にわたりスムースな動作を実現する7軸ロボットが構成できる。

 今回さらに、ガントリー、ロボリンク、パラレルリンクロボットをプログラミングするためのソフトウェアと、それらロボットを制御するためのコントローラをセットにした「イグスロボット制御システム」を用意した。オンラインで無料プログラミングソフトが利用可能で、誰でも使える直感的な操作性を実現している。

 日本においてもCovid-19の感染拡大に伴いマスク製造やフェイスシールド製造といった医療分野への異業種からの参入が進んできているが、生産システムの構築を急ぎたい、作業者なしの自動化を低コストで進めたいといったニーズから、マスク製造工程における検査・仕分けのためのピック&プレースや、包装作業などに上述のローコストオートメーションの採用が進んできている。
 

6軸ロボリンクDPと7軸目の直動機構リニアアクチュエータZLW-20アダプターキットの組み合わせ

 

kat

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2020年5月号「特集1:自動車」「特集2:食品加工」が発行!

3年 11ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2020年5月号「特集1:自動車」「特集2:食品加工」が発行!admin 2020年05日25日(月) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第24号となる2020年5月号が5月25日に小社より発行された。

 今号は、特集1「自動車」、特集2「食品加工」で構成。

 「自動車」特集では、ICEの燃費改善や電動車両の電費削減に貢献するトライボロジー的な取組みを広く紹介する。「食品加工」特集では、加工プロセスの生産性を高めつつ「食の安全」を確保するための食品加工機械の潤滑技術・潤滑管理技術や表面改質技術などを広く紹介する。

特集1:自動車

◇内燃機関のトライボロジーに関する産学連携研究の変化・・・東京都市大学 三原 雄司、トヨタ自動車 菊池 隆司
◇自動車用エンジンおよび電動パワートレインにおける最新のトライボロジー技術・・・日産自動車 村木 一雄
◇マルチボディダイナミクスによる軸受およびシステムシミュレーション・・・エムエスシーソフトウェア 野村 越紀
◇磁性流体・ペルチェ素子・絶縁放熱基板の利点を活かした自動車分野での応用・・・フェローテック 水杉 一史 氏、八田 貴幸 氏、廣田 泰丈 氏、二ノ瀬 悟 氏、鐘 享璟 氏 に聞く

特集2:食品加工

◇食品機械の生産性・安全性向上を実現する潤滑/無潤滑技術・・・編集部
◇食品製造設備における微粒子投射処理の効果・・・サーフテクノロジー 西谷 伴子
◇ビタミンEの潤滑油向け酸化防止剤への適用・・・BASFジャパン 柳原 章仁

連載

注目技術:電気自動車で求められるベアリンググリース技術・・・ティムケン

トピックス

日本トライボロジー学会、2019年度学会賞を発表

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admin

ジェイテクト、ECUのグローバル開発体制を強化

3年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、ECUのグローバル開発体制を強化kat 2020年05日13日(水) in in

 ジェイテクトの連結子会社KOYO CANADA(KCI)は5月8日、KSR International(KSR)が保有する電子制御ユニット(ECU)開発拠点Halifax R&D(Halifax)を譲受した。ジェイテクトはこれにより、自動車部品事業(ステアリング、駆動)のグローバルなECU開発体制を強化、電子関連部品の一層の高性能化に取り組んでいく。

ECUの製品イメージ

 

 自動運転化対応、ステアバイワイヤ、高出力システムなどの新規システムや要求拡大に対応するため、冗長設計、機能安全設計、高電圧対応など電動パワーステアリング(EPS)に関連する技術ニーズはより高度化し、ユーザーである自動車メーカーごとにそのニーズは多様化している。

 Halifaxは従来から欧米市場向けにH-EPS用のMCU(モーターとその作動を制御するECUが一体となったモーターユニット)を開発するなど、ステアリング業界で15年以上の市場実績を重ねてきた。また、近年の高電圧システムの要求に対応する高電圧対応のECUの開発も進めている。

 ジェイテクトでは、ハードウェア/ソフトウェア/機能安全など電子部品の総合技術を持つHalifaxをグローバル拠点に加えることで、ステアリングだけでなく駆動部品も含む自動車用電子部品用ECUのグローバルな開発体制の強化を実現した。

 具体的には今回の開発拠点譲受により、北米での自動車部品用ECU開発のリソース増強が可能となり、欧米を含む既存顧客へのサポート体制を充実するとともに、乗用車だけでなくオフロード車両用を含めた新規商談に向けた、開発体制を整備できた。

 同社では今後、ステアバイワイヤや高出力システムなど新規システムの開発を強化し、欧米OEMへのステアリング製品の供給体制のさらなる強化を図っていく。

 ジェイテクトでは、「Halifaxに限らず、ジェイテクトIT開発センター秋田や、光洋電子工業などの国内グループ会社、北米、欧州、中国、インドなどの海外開発拠点、他社との合弁会社であるJ-QuAD DYNAMICSとも力を合わせ、自動運転対応技術の先行開発、MCU内製化などの商品力強化をさらにスピードアップして推進し、顧客のニーズに応える製品開発を行っていく」としている。

kat

THK、コンパクトボールスプラインの 受注を開始

4年 ago
THK、コンパクトボールスプラインの 受注を開始kat 2020年05日12日(火) in

 THKは、ボールスプラインLF-X形の新シリーズとして、コンパクトボールスプライン「LFK-X/LFH-X形」の受注を開始した。新製品は形状がコンパクトなボールスプラインで、装置の構成部品を小さく、軽量化できることを強みとし、用途に応じた豊富な軸径サイズを新たに用意している。

コンパクトボールスプライン「LFK-X/LFH-X形」

 

 新製品は既存製品LF-X形より芯高さが低く設計されているため、周辺部品を小さくして装置をコンパクトに設計したい箇所に最適。

コンパクト設計

 

 また、フランジ面積が小さくカットされているため、既存製品の丸フランジタイプLF-X形よりもスプラインナットの質量が小さくなり(同社比10~15%減)、軽量化を図ることができる。

 スプライン軸の軸径サイズはφ5~φ30まで9サイズを展開し、スプラインナットは角型(LFK-X形)と小判型(LFH-X形)の2種類をラインナップしている。
 

ラインナップ

 

kat

日本精工、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発

4年 ago
日本精工、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発kat 2020年05日08日(金) in in

 日本精工は、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発した。開発品は、駆動モータの大幅な高速化を実現可能とし、電動車の燃費・電費の向上、航続距離延長、快適性向上に貢献する。同社は、本製品の売上として2030年に100億円を目指す。

電動車駆動モータ用高速回転玉軸受

 

 温室効果ガス排出等による環境問題が深刻化する中、環境負荷が小さい電動車の普及が期待されているが、電動車普及に向けた重要課題の一つが航続距離の延長で、より大きな電池を搭載できるスペースが求められている。

 近年、電動車用駆動システムの小型・軽量化と駆動モータの高出力化ニーズを背景に、モータ支持用の玉軸受には、これまで以上に高速回転性が要求されている。玉軸受を高速で回転させた場合、発熱の影響による潤滑不良に起因する焼付きの発生、また遠心力の影響による保持器変形に起因する破損が課題だった。

 これに対し開発品では、耐焼付き性に優れる独自開発のグリースを使用することで、発熱による潤滑不良を抑制し、従来品に比べ寿命の延長を可能にした。

 また、新形状の保持器を開発。保持器先端部を薄くすることで軽量化し、遠心力の影響を低減すると共に、保持器根元部の剛性を高めることで、高速回転時における保持器の変形抑制に貢献。本形状の採用により、高速回転時の保持器変形が大幅に低減する。

 さらに、高速回転時の保持器変形を抑制する、耐熱性と剛性に優れた樹脂材料を開発。本樹脂材料は、高速回転時に遠心力の影響による保持器の変形を大幅に低減する。

 独自開発のグリースと新たに開発した樹脂保持器の効果により、開発品では、dmN(軸受のピッチ円径dm×回転数n)= 140万(内径35mmの軸受で30000rpm)の高速回転を可能にする。

 

 開発した軸受では電動車駆動モータの大幅な高速回転化が可能となるほか、駆動モータの高出力化を実現するとともに、モータユニットの小型・軽量化をはじめ、電動車の燃費・電費の向上、航続距離延長や快適性向上にも貢献する。同社では、2020年末に、さらなる高速回転に対応する軸受(160万dmN)のプレスリリースを予定している。

kat

日本ベアリング、高精度・高剛性アクチュエータの短納期対応を開始

4年 ago
日本ベアリング、高精度・高剛性アクチュエータの短納期対応を開始 in kat 2020年05日08日(金) in in

 日本ベアリングは、高精度・高剛性が特長の、スライドガイドと精密ボールねじを一体化したコンパクトなアクチュエータ「BG形」について、実働10日以内の出荷という短納期対応を開始した。数量5セットまで対応する。

BG形アクチュエータ

 

 BG形アクチュエータは、曲げモーメントやたわみに対する剛性が大きいU字形状のガイドレールを採用しつつ、直動運動部に大きな負荷が受けられる4条列4点接触構造を採用することで、コンパクト設計にもかかわらず高い剛性と、高い繰返し位置決め精度(上級±3μm、精密級±1μm)を実現する。高剛性化によって、2、3軸での片持ち仕様にも最適。

BG形アクチュエータの高い剛性

 

 短納期対応の形番はBG15、BG20、BG26、BG33、BG46、BG55で、ロングブロック、ショートブロック、カバー有無、ローハウジングなど様々なタイプを用意している。

ブロックタイプ/カバー有無/ローハウジング

 

 なお、低コスト仕様の高剛性・高精度アクチュエータ「BH形」についても、実働10日以内での出荷に対応している(数量10セット以下、形番BH15、BH23、BH30、BH45)。

kat

日本トライボロジー学会、2019年度学会賞を発表

4年 ago
日本トライボロジー学会、2019年度学会賞を発表kat 2020年04日28日(火) in

 日本トライボロジー学会(JAST)はこのほど、「2019年度日本トライボロジー学会賞」の受賞者を発表した。ベアリング、潤滑管理関連では、以下などが受賞した。

技術賞

「建設機械用オイル状態監視システムの開発」秋田秀樹氏、倉迫 彬氏、櫻井茂行氏(日立建機)

 本研究は、油圧ショベルの実稼動下におけるセンサを用いたオイルの状態監視技術に関するものである。近年、建設機械業界ではICT(情報通信技術)を活用した機械稼動情報提供サービスを逐次開始している。情報提供サービスのーつで潤滑油の継続的な状態監視が行われているが、現在の潤滑油の状態監視は一定間隔でオイルを採取し分析を行うオフライン分析手法であるため、状況に応じた的確なサービスを提供できないことや、故障前駆現象に起因する突発的なオイル性状変化を捉えることが難しいのが実情である。この解決策としてセンサを用いたオンラインでのオイル性状の常時監視が求められている。

 そこで本研究はセンサによるオイルの状態監視、およびその運用に関する技術についての検討を行った。主な検討内容は、建設機械に対応可能なオンライン形式の性状監視センサの選定、そのセンサの最適な設置方法の検討、これまでオフラインで行っているオイル分析のオイルの汚染、劣化、オイル中の摩耗を示す指標との相関関係についての検証である。この結果を受けて、計測値の統計的処理をはじめ、IoT(モノのインターネット)を活用したセンサデータ収集ロジック、従来から行われているオイル分析手法を基とした状態判断基準の作成、これらを用いた自動オイル性状判断ロジック構築を行い、さらにWeb等デジタルデバイスを活用した顧客への情報通知システムを整備することでオイル状態監視の運用システムの構築、運用を行った。これにより潤滑油状態の“見える化”が可能となり、顧客や同社にとってスピーディな対応が可能となったのみでなく、顧客で使用している建設機械のダウンタイム低下、機体ダメージの低減、適切なサービスの提供などにより一連のエコシステムの構築ができた。

 今回のオイル状態監視システム(ConSite OIL)は建設機械業界としては初のシステムである。今後は同社内の機種展開を図るのみではなく、トライボロジー的観点から潤滑油の状態監視をキーとした機械の稼働状監視保全技術の最適化に寄与していく。 

建設機械用オイル状態監視システムの特徴(画像提供:日立建機)

 

奨励賞

「EHD接触における膜厚と破断率の同時測定-グリース潤滑の場合」前田成志氏(日本精工)

 本研究は、電気インピーダンス法を用いて、転がり軸受における接触域内の膜厚と破断率の同時測定を行い、油潤滑下とグリース潤滑下の比較から、低速度域におけるグリース潤滑のメカニズムを考察したものである。
近年、地球温暖化を背景として、軸受のさらなる低トルク化が求められており、潤滑剤の粘度を下げる、あるいは潤滑剤の封入量を減らすといった手段が講じられている しかし、それらの方法はEHD(elastohydrodynamic)接触域における油膜の破断を促し、軸受しゅう動面における様々な表面損傷の原因となる。そこで、研究グループでは、従来の電気インピーダンス法を改良し、EHD接触域における膜厚を光干渉法と同等な精度で測定でき、さらに、破断率も同時に測定できる手法を開発した。本手法は、実際の転がり軸受に適用可能であることから、軸受のさらなる低トルク化と長寿命化を両立する上で非常に重要な技術である。

 本研究では、アキシアル荷重を負荷した深溝玉軸受を用い、内輪の回転数を低速から高速へ変化させた際の軸受トルク、軸受外輪温度および電気インピーダンス法から得られるEHD接触域の平均膜厚と破断率を同時に測定した。潤滑剤には、ウレアを増ちょう剤としたグリースと、その基油(ポリアルファオレフィン油)を用いた。基油の試験から、軸受外輪温度が上昇しない低速度域において、膜厚がHAMROCK-DOWSONの式による理論値と一致し、破断率が上昇する低速度域において、同じタイミングで軸受トルクが上昇する結果を得た。一方、ウレアグリースの試験から、低速度域において、膜厚が理論値および基油の膜厚よりも厚くなり、破断率が上昇しないにも関わらず、軸受トルクが上昇する結果を得た。これらの結果から、基油を用いた場合、低速度域で油膜が破断し、金属接触が生じるため、軸受トルクが上昇したと推察される。一方、ウレアグリースを用いた場合、低速度域において      接触部における増ちょう剤濃度が上昇し、グリースの等価粘度が増加することで軸受トルクが上昇したと推察される。

 以上のように、本研究では開発した電気インピーダンス法を用いて、転がり軸受で広く用いられているグリース潤滑のメカニズムの一端を、実験結果に基づいて考察した。今後、本手法は様々な条件下において、転がり軸受の潤滑メカニズム解明に貢献し、低トルクかつ長寿命を両立する転がり軸受の実現に貢献することが期待されている。 

 

奨励賞

「転がり接触によるピーリングの発生メカニズムとピーリング抑制に及ぼす黒染処理の影響(第1報・第2報)」長谷川直哉氏(NTN)

 自動車や産業機械の摩擦低減の取組みの中で、潤滑油の低粘度化の動向がある。これに伴い、転がり軸受は希薄潤滑条件で使用される機会が増えるため、当該条件での転動疲労はく離のメカニズム解明とその対策技術の確立は機械部品の信頼性向上のための重要な技術課題と考えられる。
ピーリングは希薄潤滑条件で発生する転動疲労はく離の代表であり、大きさが10μm程度の微小はく離の集合体のことを指す。従来の研究から、ピーリングの原因は転動部で油膜切れが起こり、真実接触部の直下に過大な繰返し応力が作用することであると分かっているが、初期き裂の発生メカニズムについては不明な点があった。

 本研究の第1報では、ピーリングのき裂発生メカニズムを転動面の高倍率観察、表面形状と残留応力の測定、および表面粗さ解析の結果に基づいて多面的に考察した。その結果、ピーリングの初期き裂が転動面の塑性変形の繰返しによって形成された切欠き部から発生することを明らかにした。また、転動面に化成処理の一種である黒染処理を行うことでピーリングが抑制される効果についても検討し、黒染品では運転中の表面粗さの低下(なじみ)が促進されるため、相手面の塑性変形が軽減してピーリングが起こりにくくなることを明らかにした。さらに、このなじみの促進が黒染処理時に母材表面の凹凸が小さくなる現象と、転動中に凸部の黒染層が摩耗することの両方によってもたらされることも明らかにした。

 本研究の第2報では、第1報で得られたピーリングのき裂発生メカニズムと黒染処理によるピーリング抑制効果を、転動面の真実接触部直下に繰り返される応力(繰返し応力)の推定結果に基づいて定量的に検討した。繰返し応力の推定では、転動面に生成される3軸の残留応力の影響も考慮している。検討の結果、第1報で得られた結論は繰返し応力の観点からみても妥当性が高いと考えられた。

 上記の研究成果は、ピーリングの発生メカニズムに対する理解を深める新しい知見であるだけでなく、ピーリング対策の指針となる実用的にも有用な知見と考えられる。

kat

JIMTOF2020が開催中止

4年 ago
JIMTOF2020が開催中止admin 2020年04日22日(水) in in

 日本工作機械工業会は、2020年12月7日から12日まで東京ビッグサイトで開催を予定していた「JIMTOF2020(第30回日本国際工作機械見本市)の開催中止を決定した。

 東京ビッグサイトは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においてIBC(国際放送センター)・MPC(メインプレスセンター)として利用されることが決定していたが、このたび、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が来年2021年に開催延期されることに伴い、現在東展示棟で準備中であるIBC(国際放送センター)の利用が延長されることになった。

 これにより、2020年12月7日(月)から12日(土)まで、東京ビッグサイトで開催を予定していたJIMTOF2020(第30回日本国際工作機械見本市)は、展示会場を計画通り確保できなくなったことから、開催を断念し中止せざるをえなくなった。

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イグス、静電気散逸ポリマー製のボールトランスファを開発

4年 ago
イグス、静電気散逸ポリマー製のボールトランスファを開発kat 2020年04日22日(水) in in

 イグスは、導電性および高耐久性を備えた静電気散逸ポリマー「クシロデュールF182」製のボールトランスファを開発した。新開発のボールトランスファは最大許容荷重300N、潤滑剤不要でスムースにあらゆる方向に動かすことが可能なため、静電気対策が必要な搬送用途に最適。

 

 製造現場では、突発的な静電気放電から作業員や搬送物を保護する目的から、導電性のある材質が必要になる。これに対しイグスはこのほど、「クシロデュールF182」製のボールトランスファを開発した。新開発の高性能ポリマークシロデュールF182の採用によって、耐摩耗性および耐久性に優れスムースで無潤滑の搬送が可能なうえ、静電気を消散することができる。潤滑剤の使用で絶縁性を持ってしまい静電破壊を引き起こす可能性がある金属製ボールトランスファの適用が難しい、静電気散逸部品が必要なコンピュータ産業や半導体業界での使用に最適。

 イグスでは、広さ3800㎡の試験施設でボールトランスファの導電性試験を実施。結果、クシロデュールF182の表面抵抗は105Ω未満で、DIN EN 61340-5-1による導電性カテゴリーに分類され、クシロデュールF182製ボールトランスファを使用することで、搬送物や作業員を静電気放電から守り安全な搬送を実現できることを検証している。

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ダイベア、超高精度軸受専用工場の開所式を開催

4年 ago
ダイベア、超高精度軸受専用工場の開所式を開催kat 2020年04日14日(火) in in

 ジェイテクトグループのダイベアは、グループ初の精密軸受専用工場を大阪府和泉市に建設し、4月10日に開所式を行った。

 同工場では、新開発の超高精度軸受「PRECILENCE®(プレシレンス)シリーズ」の生産を行うことで、卓越した精度と性能が求められる新領域に参入していく。また、同敷地内にダイベアグループのミッドテックの工場も開設し、仕入先を統合することで、経営体質の強化を図る。

開所式の様子:左から:ダイベア 足立監査役、ミッドテック 谷野専務、ダイベア 井上専務、ダイベア 遠藤社長、ジェイテクト 山本専務、ミッドテック 楠社長、ダイベア 小竹専務、ダイベア 藤原常務、ダイベア 石橋常務

 

 SDGs(持続可能な開発目標)達成のため、すべての産業において変革が求められており、MaaS、CASE、5G、ロボティクス等への対応が急務となっている。ジェイテクトでは、これらの変革に対応するためにダイベアと共同で材料、熱処理、加工技術革新に取り組んだ結果、従来の軸受では達成不可能だった究極の回転精度、静粛性、高速性、低トルク性、長寿命を実現する超高精度軸受「PRECILENCEの開発に成功した。

 新工場では、この超高精度軸受の専用工場として、精密加工機メーカーや半導体製造装置メーカー、精密測定器メーカーだけでなく、宇宙機器産業、超高精度と高性能が求められる新領域に参入していく。

kat

ダイベア、超高精度軸受の量産を開始

4年 ago
ダイベア、超高精度軸受の量産を開始kat 2020年04日14日(火) in in

 ダイベアは、ジェイテクトと共同で、超高精度軸受「PRECILENCE®(プレシレンス)」を開発し、4月からダイベア和泉分工場(超高精度軸受専用工場)で量産を開始した。4月から呼び番号7005C〜7010Cの即納販売を開始、順次サイズを拡充していく。精密加工機メーカー、半導体製造装置メーカー、宇宙機器産業、精密測定器メーカーなどに販売を展開し、2025年に20億円の売上を目指す。

超高精度軸受「PRECILENCE」

 

 工作機械の高精度スピンドル用軸受には、精度と入手性の良さから、ドイツDIN規格の精度等級「P4S」が現在広く使用されている。

 しかし、近年、工作機械精度の高度化に対応できる製品への需要の高まりを受け、ジェイテクトグループでは、精度や寿命、静粛性などにおいて、従来品(一般市販流通P4S製品)を上回る軸受の開発に取り組み、ダイベア和泉分工場において、DIN規格「P4S」と同等以上の軸受と、「最高精度」の回転性を実現する「P2」軸受「PRECILENCE」の製造に成功したもの。

DIN 620とJIS1514の等級比較

 

 PRECILENCEはPRECISION(精度)とSILENCE(静粛)を一つにした、超高精度軸受のブランド名で、今後シリーズで展開していく計画だ。

 開発品(P2軸受)では、軸受の五つの基本性能「精度よく回る」、「静かに回る」、「速く回る」、「軽く回る」、「長く回る」を以下のとおり高い次元で実現している。

①精度よく回る(精度):軸受構成各部品の精度を完成品性能にこだわり全面的に見直すことで、回転精度は従来品の約1/4

②静かに回る(静粛性):転がり表面の粗さを非常に滑らかに仕上げ、さらに玉と保持器のダイナミックス性能に改良を加えることで、揺れと振動の抑制を実現し、振動値は従来品の約1/2

③速く回る(高速性):軌道輪に新たに強靭な高窒素ステンレス鋼を採用することで、軸受鋼品と比較し最高回転速度が約30%向上

④軽く回る(低トルク):転がり運動の阻害要因を大幅に取り除き、回転トルクは従来品の約30%低減

⑤長く回る(長寿命):高速回転に有利とされる小さい玉径をあえて使用せず、大きな玉径のセラミックスを採用することで、寿命は従来品の約2倍

基本5性能の比較

 

 スピンドル組付時の性能は以下のとおり。

①組付性と回転精度向上を実現:軸受の回転精度が非常に高いため、ラジアル振れ最大位置の位相調整が不要で、スピンドルの振れ精度の調整もほとんど必要なく軸の振れ量は≦1μmを達成

②高速回転時の軸振れ量削減:30,000min-1回転時に従来品を組み付けたスピンドルと比較し、軸の振れ量は1/2を達成

③回転速度向上:従来品と比較し、最高回転速度が35%向上

kat

イグス、オンラインでの個別面談サービスを提案

4年 ago
イグス、オンラインでの個別面談サービスを提案kat 2020年04日13日(月) in

 イグスは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避けることや在宅勤務の導入が推奨される中で、直接の面談が難しい場合の代替案としてオンラインでの個別面談サービスである「バーチャル訪問サービス」を提案している。

 

 「バーチャル訪問」はパソコンやスマートフォンを利用したWEBミーティングサービス。困りごとなどがある際に同社宛てに連絡することで、顧客の都合に合わせて同社担当者とのオンラインミーティングが設定されるもの。製品に関する質問や設計サポート、設置に関するアドバイスなど、様々な用途で活用できる。顧客側で特別なソフトのインストールなどは不要。

 本サービスは3月上旬から開始しており、ここ数週間で利用する顧客が急激に増えてきている。同社では、Eメールや電話など従来どおりの通信手段でも相談を受け付けており、いずれの方法でもタイムラグのない打ち合わせが可能になっているという。

「バーチャル訪問」の紹介動画は以下で確認できる。

https://www.igus.co.jp/info/virtual-visit

kat

THK、プレス機向け高負荷ボールねじの受注を開始

4年 1ヶ月 ago
THK、プレス機向け高負荷ボールねじの受注を開始kat 2020年04日06日(月) in in

 THKは、プレス機向け高負荷ボールねじ「HBN-P形」の受注を開始した。

 

 新製品は、プレス機用途向けに専用設計を施したボールねじで、許容荷重を既存製品の約2倍に向上したことで小径ねじ軸の選択が可能となり、装置のダウンサイジングを実現する。

 既存製品「HBN]、「HBN-K」に比べ、許容荷重を約2倍に向上。許容荷重が高いため、既存製品より小径のねじ軸を選択することが可能で、その結果、周辺部品の大型化を抑えることができ、装置のコンパクト化を実現できる。


 

既存製品との許容荷重比較

 

ボールねじナット外径比較

 

kat
Checked
11 分 55 秒 ago
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