COC、取付け・取外しが容易な一体型プランマブロックの国内販売を開始
COC( https://www.crossocean.com/?lang=ja )は、自動調心ころ軸受の軸受箱であるプランマブロックについて、世界で広く流通している二つ割りSN5形プランマブロックと互換性をもたせつつ、組立て済みのためSN5形プランマブロックに比べ取付時間が1/6で済む一体型ユニット「CX2SN」を開発、国内販売を開始した。
CX2SN
すでに中国、ブラジル、フィリピン、インドネシア、トルコ、南アフリカ共和国、イスラエルなどで販売実績があるが、国内でも、鉱山や製鉄所、製紙・パルプ工場などのSN5形ユーザーの置き換え需要を見込み、初年度に数十件の成約を目指す。
プランマブロックは風雨や塵などにさらされる伝動機器などの屋外設備で使われる。一般的なSN5形プランマブロックはユーザーでの組立てが必要で、取付けでは、すきまゲージで軸受の内部すきまを測定し規定のすきま値までロックナットを締め付ける、ロックワッシャーのタブを折り曲げるといった、取外しではロックナットを緩め、ハンマーで叩いて取り外したりプーリー抜きを使って取り外すといった、技能者による時間のかかる難しい作業を強いられていた。
これに対しCX2SNは、工場で極圧・耐摩耗、耐水、耐酸化の-20~160℃に対応するリチウム複合基グリースを封入し高密封性シールを装着した、組立て済みの一体型ユニットとなっている。スパナーレンチやハンマー、ドリフトピン、すきまゲージやすきま値表が不要で、特許取得済みの新締結システム「CROSSLOC™クロスロック」によって、六角レンチ1本のみを使いユニットの軸上のキャップボルトを締めるだけでシャフトに取り付けられ、緩めるだけでシャフトから取り外せる。
六角レンチ1本のみで取付け・取外しが可能な新締結システム搭載の一体型ユニットの構造
接触面積が広いロングタイプのアダプタスリーブで保持するためシャフトに傷を付けず、アンダーサイズのシャフトでもシャフトを全周から均一に締め付けることで、振動も減らせる。
SN5形ではシールがシャフトを擦って損傷させたり内輪の調心によりシールの接触圧が減少する問題があったが、CX2SNでは3重リップ接触シールがシャフトや内輪ではなくステンレス製のスリンガに接触するため、内輪が調心しても常圧でシールが接触、高い密封性を確保する。
また、SN5形では内部容積が大きく多量のグリースが必要となるうえ、設計上余分なグリースの排出が難しく回転数が上がると内部温度も高くなる。これに対しCX2SNでは、グリースの初期封入量を1/4に低減したほか、使用回転スピードに合わせてグリースが排出される機構のため、回転数が上がれば余分なグリースは排出されて内部温度を低く保つことが可能。
鋳鉄製ハウジングには、偽造防止対策にもなるCOCのロゴマークを配したほか、600℃の高温でも剥がれないQRコードのラベルを貼付。QRコードをスマホでスキャンすることで、現場で必要な取付け寸法や設置方法に関するビデオやメンテナンス情報などが確認できる。また、専用のCOCアプリでスキャンしシリアル番号を登録すると、通常は1年の保証を2年に延長が可能。また、スキャンによって、読み取った型番の製品を再発注するための在庫情報も参照できる。
QRコードのスキャンで取扱いに関する情報や在庫情報などが確認できる