メインコンテンツに移動
第9回ものづくりワールド名古屋

 

bmt配信ニュース

BASF、中国・湛江の統合生産拠点でメチルグリコール工場の建設を開始

3日 6時間 ago
BASF、中国・湛江の統合生産拠点でメチルグリコール工場の建設を開始kat 2024年04日15日(月) in

 BASFは、中国の広東省湛江市のフェアブント拠点(統合生産拠点)でメチルグリコール(MG)工場の建設を開始した。この新設工場は年間4万6000tの生産能力を持ち、同地域において急増するブレーキ液の需要を満たすことを目的としている。同工場は2025年末に稼働を開始する予定。

 BASF アジア太平洋地域、石油化学品事業本部のシニアバイスプレジデントであるビア・ダーバー・メータ氏は本件に関して、「新しい工場設備は急成長しているブレーキ液市場にサービスを提供する、中国で唯一の完全川上統合型メチルグリコール工場になります。BASF独自のプロセス技術を活用して、下流ビジネスと顧客のニーズに対応する、信頼性が高く競争力のある、高品質な製品を提供していく」と述べる。

 また、BASF アジア太平洋地域、燃料管理・潤滑剤ソリューション事業部およびグレーターチャイナのパフォーマンスケミカルズのバイスプレジデントであるマティアス・ラングは、「自動車用ブレーキ液業界の強力なプレイヤーとして、BASFはブレーキ液業界の価値あるパートナーに高性能製品と卓越したサービスを提供するという評判を築いた。この生産能力の拡張は、特に品質の高い製品への需要が絶えず増加している中国をはじめ、アジアの新興自動車産業への私たちのコミットメントを示している」と語る。

 メチルトリグリコール(MTG)は、自動車産業で使用される現代のブレーキ液の主要原料。新しいメチルグリコール工場では、メタノールと精製エチレンオキサイド(PEO)からメチルジグリコール(MDG)、メチルトリグリコール、メチルテトラグリコール(MTEG)を生産する。

メチルグリコール工場の建設に関わる式典のようす

 

kat

Rtec-Instruments、インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機を開発

1週 2日 ago
Rtec-Instruments、インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機を開発kat 2024年04日09日(火) in

 Rtec-Instrumentsは、“ユーザーのやりたいことを実現する製品を一緒に作っていく”マーケットインの思想から、主力の多機能トライボメータ(摩擦摩耗試験機)に加えて、3Dプロファイラ(表面形状測定機)、スクラッチ試験機、インデンテーション試験機、二円筒/三円筒試験機と、製品ポートフォリオを急速に拡充してきている。

 同社が今回、世界に先駆けて転がり疲労摩耗試験中の表面をその場観察できる「インライン3Dプロファイラ搭載型二円筒転がり疲労摩耗試験機」を開発したので、日本法人社長の國井卓人氏とアプリケーション&セールス マネージャーの兒島正宜氏に話を聞いた。
 

開発したインライン3Dプロファイラ搭載型二円筒転がり疲労摩耗試験機」を挟んで、
國井氏(写真左)と兒島氏(写真右)

 

二円筒転がり疲労摩耗試験機

 二円筒転がり疲労摩耗試験機「TwinRoller3000」は、転がりと滑りの自由な組み合わせのもとで二つのローラー試験片が転がり接触することによって(図1)、トラクション、摩耗、転がり接触疲労の試験が行える。

 それぞれが独立制御された二つの480V駆動高トルクサーボモータ(最大トルク50Nm)が搭載され、ローラー試験片の回転方向(正逆転)と回転数(最大6000rpm、φ60mm試験片使用時の回転速度は18m/s相当、標準仕様は最大3200rpm)を制御、それぞれのモーター速度の範囲内で滑り率(SRR)を自在に設定(転がり0%~、滑り率0~±200%以上)でき、ダイナミックインライントルクセンサーがローラー試験片にかかるトルクを測定する。また、エレクトロサーボドライブ(サーボモータ+スプリングブラケット)を使用して荷重を最大8000Nまで制御し負荷できる。

 試験はドライ環境と潤滑油使用環境(グリース塗布)に対応。潤滑剤は滴下および循環環境での試験となる。完全に自動化されたテストプログラムと高精度な制御により、高い再現性と正確な測定を実現できる。

 これまで困難とされていた回転2軸のアライメント調整をユーザー側で容易に行うことができる革新的な設計によって、さまざまな試験片サイズや形状に対して適切な接触をさせることができる。ローラー試験片のサイズは、径φ30~60mm、厚み5~30mmにフレキシブルに変更できる他、接触面に曲率を持つ試験片による点接触の試験も可能である(図2)。

 自己整合インライン高解像度トルクセンサーによって表面のダイナミクスをリアルタイムで定量化できるほか、日本法人独自の設計による安全対策としてピッチング発生時には振動を検出して試験を安全に停止できるセンサーを追加した。

 また、オプションでアコースティックエミッション(AE)センサーや電気接触抵抗(ECR)センサーなど、さまざまなインラインモニタリングセンサーに対応、リアルタイムでさまざまな表面ダイナミクスを定量化できる。

 図3は、TwinRoller3000を用いて、転がり接触疲労の設定で、コーティングなし/コーティングありの各サンプルの摩擦試験を実施した結果を示す。未処理のサンプル(上の曲線)に比べ、同じ材料に溶射被膜を施したサンプル(下の曲線)において、転がり接触疲労(RCF)寿命の改善が確認できる。
 

図1 二つのローラー試験片が転がり接触するようす

 

図2 フレキシブルに変更できるローラー試験片サイズ

 

条件:荷重500N、SRR 0~0.6、温度70°C
図3  TwinRoller3000を用いた転がり接触疲労試験の結果

 

インライン3Dプロファイラ

 「インライン3DプロファイラLAMBDA」は、共焦点顕微鏡と白色光干渉計を同じ筐体に配置しワンクリックで切り替えることが可能で、摩耗痕やスクラッチ、圧痕といった試験後の表面を高解像度で画像化するように最適化されている。以下の四つの光学技術を一つのヘッドに組み合わせたことによって、透明、ガラス、鏡、粗い、滑らか、急勾配など、コーティング表面を含むあらゆる試料表面を高いZおよびX&Y解像度で簡単に測定できる。

・白色光干渉計モード:平らな面の、特にZ方向(深さ方向)で高解像度画像を取得

・スピニングディスク共焦点レーザー顕微鏡モード:急な斜面、透明、暗い、または粗い表面を高速でスキャンできる万能型3Dプロファイリング

・暗視野モード:顕著なコントラストで表面の亀裂を検出

・明視野モード:高解像度とリアルカラーの2Dプロファイルを取得

 

インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機

 Rtec-Instrumentsは、上述の二円筒転がり疲労摩耗試験機TwinRoller3000とインライン3DプロファイラLAMBDAを組み合わせたシステム(図4)の開発に、世界で初めて成功した。

 3DプロファイラはX、Y直交2軸のピラー型サーボドライブで駆動することで、毎回正確な位置での表面形状測定が可能で、試験後速やかに、試験片の表面をイメージングできる(図5)。取得した画像は標準搭載のソフトウェアにより平面化、二値化、面粗さ出しなど表面疲労摩耗マイクロピッチングの画像解析(図6)が可能である。

 試験の仕様はTwinRoller3000の一部を国内でアップグレードし、最大荷重:8000N、最大回転数:6000rpm(φ60mm試験片使用時の回転速度は18m/s相当、標準仕様は最大3200rpm)、SRR:±200%以上、試験油温度:~160℃、試験片サイズ:可変(φ30~60mm、厚み5~30mm、接触面に曲率を持つ試験片による点接触の試験も可能)で、オプションでオイル循環、予備加熱システム、AEセンサー、ECRセンサーが付加できる。国内追加安全設計(フルカバーアルミフレーム、ドアセンサー、漏液センサー、振動センサーほか)も提供している。

 開発したシステムが高面圧、高トルク、高速での試験評価が可能なことから、同社では重機や建機などを中心に適用を進めるほか、さまざまな波形のAC/DC、電流/電圧を印加できる「電化試験モデル」へのアップグレード可能なことから、電気自動車(EV)モーターの高速回転化対応ベアリングやギヤ、ボールジョイントなどの用途も想定している。
 

図4 インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機:二円筒転がり疲労摩耗試験機TwinRoller3000のベースに、X、Y直交2軸のピラー型サーボドライブで位置決めできるインライン3DプロファイラLAMBDAを搭載

 
 

図5 インライン3DプロファイラRAMBDAによる試験後の試験片表面のイメージング

 

図6 マイクロピッチングの画像解析

 

電化試験モデル

「電化試験モデル(Eモジュール)」は、TwinRoller3000など既存の試験方式・摺動形態を模擬しながら、装置のスリップリングを用いてさまざまな波形のAC/DC、電流/電圧を印加することで、ベアリングなどの電食反応や、試験片間に生じるインピーダンス(AC)、電気接触抵抗(DC)、比誘電率(εr)、誘電正接(tan δ)といった、多種多様なパラメーター測定により、電気化学的にトライボロジー特性を評価することが可能となっている。

kat

日本ベアリング、新社長に福永暢彦氏

1週 3日 ago
日本ベアリング、新社長に福永暢彦氏kat 2024年04日08日(月) in

 日本ベアリングでは、4月1日付けで代表取締役副社長の福永暢彦氏が代表取締役社長に就任した。山﨑 亨代表取締役社長は代表取締役会長に就任する。交代理由は、構造改革の一層の推進を図るため。

福永 暢彦(ふくなが・のぶひこ)氏
1968年10月11日滋賀県生まれ、55歳。
神戸大学経営学部を卒業後、1992年4月日本生命入社。
2005年10月業務改革コンサルティング入社。
2011年1月企業再生支援機構入社(支援先企業の藤庄印刷に構造改革責任者:CROとして出向)。
2013年4月経営共創基盤入社。2013年6月木村屋総本店に出向、同年10月代表取締役副社長に就任、2017年4月経営共創基盤から木村屋総本店に転籍、2019年2月木村屋総本店代表取締役を退任。
同年8月中井工業に入社、同年11月中井工業代表取締役社長に就任、2022年3月代表取締役社長を退任。
2022年6月日本ベアリング代表取締役副社長に就任、2024年4月日本ベアリング代表取締役社長に就任。

kat

イグス、廃プラスチック製のサステナブルな自転車の初号機100台を生産開始

2週 6日 ago
イグス、廃プラスチック製のサステナブルな自転車の初号機100台を生産開始kat 2024年03日29日(金) in

 イグスは、オランダの開発パートナー・MTRLと共同で、一般顧客向けのプラスチック製自転車「igus:bike(イグスバイク)」の初号機100台の生産を開始した。また、今後igus:bikeの生産能力を2年間で1万台に引き上げるべく、ドイツ・ケルンで生産工場の建設にかかっている。

igus:bike

 

 igus:bikeは、イグスとオランダのMTRLが開発する、廃プラスチック材を使用したサステナブルな自転車。プラスチック製の自転車は、長持ちすると同時に潤滑剤を使うメンテナンスが不要で、屋外使用での腐食や汚れに強い耐性を発揮する。

 長い開発期間の中で、igus:bikeは試作段階で金属だった部品(シートポストやブレーキバーなど)をプラスチックで製造し、現行版では全体の92%がプラスチック製となっている。初号機の重量は約17㎏、価格は約1200ユーロ(現時点で日本ではigus:bikeを販売しておらず、発売時期は未定)。

 イグスのフランク・ブラーゼCEOが大量の廃棄プラスチックを使って自転車を製造するサステナブルプロジェクトを立ち上げてから3年半が経過し、イグスでは現在、顧客の手に渡る最初のigus:bike100台の生産を開始している。約1200名分の予約注文があり、本製品の公道走行の許可が得られ次第、順次顧客へ納入する予定。また、予約が入っている顧客の納品待機時間を短縮するために、自社工場に2年間で1万台の自転車の製造を見込む生産ラインを建設しているところだ。

 igus:bike現行版では、以下の機能面も改良されている。
・カーブしやすいよう、ハンドルバーのステアリング角度を拡大
・ペダルを漕がずに車輪が回転できるよう、駆動系にフリーホイールを採用
・無潤滑でよりスムーズに車輪が回転するよう、ホイールハブ部分に耐摩耗性を高めたxiros®(クシロス)製ボールベアリングを採用
・安全に駐輪できるようダブルレッグスタンドを採用

 また、igus:bikeには、シャンプーボトルや漁網など回収された廃棄プラスチックを使用しているが、こうしたリサイクル素材の使用比率を50%まで高めている。イグスでは今後、リサイクル素材の比率を75%に、そして長期的には100%にできるよう、研究開発を続けていく。

 イグスとMTRLの両社は、「リサイクル素材の比率を高めたigus:bikeの普及が、プラスチックの廃棄を循環に転換させる両社のサステナブルビジョン実現への大きな一歩」と考えている。

kat

イグス、Offshore & Port Tech 2024に出展、陸上給電設備向けケーブル管理システムを国内初展示

3週 2日 ago
イグス、Offshore & Port Tech 2024に出展、陸上給電設備向けケーブル管理システムを国内初展示kat 2024年03日26日(火) in

 イグスは4月10日~12日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「Offshore & Port Tech 2024 in Sea Japan 」に出展、日本初の陸上給電設備を有する川崎港で採用されたケーブル管理システムなどの製品実物を展示し、海外15以上の港における事例を紹介する。

 会期中の11日には、イグスの港湾事業責任者である山下茂樹氏が陸上給電関係者向けのセミナーで「陸上給電における船舶への接続機器とソリューションの紹介」と題して講演し、世界の陸上給電をリードするイグスの先進事例や、日本の港で陸上給電を導入する際の検討事項、障壁と解決策について説明するほか、イグスの国内カーボンニュートラルポート(CNP)事業参入の展望や目指す立ち位置についても話をする。

 「2050年カーボンニュートラル」などの政府目標のもと、日本の産業や港湾の競争力強化と脱炭素社会の実現に貢献するため、国土交通省は近年、国内のCNP形成を推進している。CNPとは、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化やクリーンエネルギー受入環境の整備などを図る港を指す。CNP形成の一つの柱として注目されるのが、停泊中の船舶に陸上の電力を供給する「陸上給電」で、停泊中の船舶から発生するCO₂排出量は、港湾区域・臨港地区におけるCO₂排出量の約3割とも言われ、供給方法を従来のディーゼルエンジンから陸上電源供給に置き換えることで、CO₂排出量の高い削減効果が期待されている。しかしながら、世界的に陸上電力供給への転換が進んでいる一方で、日本国内ではまだ転換事例が多くない。

 イグスは、陸上給電設備に欠かせないケーブル管理システムを提供し、2016年以降ノルウェーやバーレーン、ドイツなど海外の15以上の港に導入されるなど、世界トップクラスの実績を有している。電力と船をつなぐための豊富なノウハウと樹脂部品メーカーとしての強みを生かしたケーブル管理システムの性能が評価され、2022年4月に日本初の陸上給電設備が誕生した川崎港でも、電源盤から船までをつなげるケーブル管理システム(ケーブルおよびケーブル保護管、コネクタ)にイグス製品が採用された。EVタンカーに高速充電するための陸上給電設備(EV船用給電ステーション)としては世界初で、川崎市は1隻あたり年間約365tのCO₂(一般家庭約250世帯分の年間消費電力量相当)削減が可能になると試算している。

 

 「Offshore & Port Tech 2024」におけるイグスの出展内容は以下のとおり。

①世界の港の陸上給電設備を支えるケーブル管理システムを国内初展示:海上に停泊する船に陸上から給電するためのケーブルマネジメントシステム(CMS)をはじめとした製品実物を国内で初めて展示

②陸上給電の先進事例や障壁、解決策についてイグス港湾事業責任者が講演

kat

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2024年3月号「特集:自動車のトライボロジー」「キーテク特集:グリース」発行!

3週 6日 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2024年3月号「特集:自動車のトライボロジー」「キーテク特集:グリース」発行!admin 2024年03日22日(金) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第47号となる2024年3月号が3月25日に小社より発行される。

 今号は「特集:自動車のトライボロジー」、「キーテク特集:グリース」で構成。特集「自動車のトライボロジー」では、カーボンニュートラル社会に向けた自動車のトライボロジー研究開発の取り組みから、多様化するEV研究開発の取り組み、FCVを含む水素環境への取り組みなどについて紹介する。

 また、キーテク特集「グリース」においては、日本トライボロジー学会グリース研究会設立50周年祝賀会の模様や、カルシウムスルフォネート複合グリースの特長と適用について紹介する。

 

自動車のトライボロジー

◇エンジンのトライボロジー技術の経験と産学連携支援による技術進化の期待・・・トヨタ自動車 菊池 隆司

◇第4回 産×学連携講座に見るEVの今後・・・TRAMI、東京理科大学トライボロジーセンター

◇燃料電池車など水素関連を中心としたドライコーティング技術の適用・・・HEF DURFERRIT JAPAN ジュリアン グリモ 氏に聞く

キーテク特集:グリース

◇設立50周年祝賀会を開催・・・日本トライボロジー学会 グリース研究会

◇カルシウムスルフォネート複合グリースの特長と適用・・・ニッペコ 西村 寛 氏に聞く

連載

注目技術:第41回 粉体の摩擦特性/強度の試験評価技術・・・島貿易/ハイテクノライズ

あるコスモポリタンの区区之心 第17回 参政党の勉強会における講演・・・紺野 大介

トピックス

JAST、テクスチャリング表面のトライボロジー研究会など4研究会が合同開催

振動摩擦摩耗試験機SRVのユーザーズミーティングが開催、SRVによる新試験手法などを紹介

トライボコーティング技術研究会、第16回岩木賞贈呈式、第26回シンポジウムを開催

雑誌ご購入

定期購読はこちらから
単号のみのご購入はこちらから(外部サイト)

admin

ハイウィングループ、国際的な環境イベント「アースアワー2024」に参加

4週 2日 ago
ハイウィングループ、国際的な環境イベント「アースアワー2024」に参加kat 2024年03日19日(火) in

 日本法人を含むハイウィングループは日本時間の3月25日20:30~21:30に、社会貢献活動の一環として国際的な環境イベント「アースアワー2024(EARTH HOUR 2024)」に参加する。

 このイベントは、世界中の人々が同じ日、同じ時刻に消灯することで気候変動と生物多様性保全への意思を示すイベントで、190 以上の国と地域が参加する最大級の環境アクションで、日本法人では2022年から3年連続で参加している。この取り組みは日本を含む世界17カ所のハイウィングループの拠点および工場でも行われ、消灯による二酸化炭素排出量の削減効果も試算し、グループ全体として気候変動という課題に向き合い、持続可能な環境を維持する姿勢を示すもの。

神戸本社敷地内にて消灯する主な箇所

 

 日本法人では、神戸本社や神戸物流センターの敷地内照明を消灯する予定で、従業員に対し、自宅の照明を消して過ごすなど、積極的な参加について社内報などを通じて呼びかける。消灯して映画を鑑賞する、星空を眺めたり写真を撮り自然の良さを再発見する、徒歩や自転車で出かける、キャンドルの灯りで過ごす、日の入りとともに就寝するといった、アースアワーの過ごし方について従業員に対し提案していく。

 ハイウィンではグループを挙げてESG取組みを推進しており、日本法人の事業活動においてもCO2排出量削減の取り組みを進めている。また幅広いラインアップを有する同社製品による油空圧機器からの電動化の推進など、ユーザーの事業における環境負荷低減をサポートすることも、環境活動の一つとして掲げている。

 ハイウィンでは、「今後も世界における産業の進化や省エネを推進する製品やサービスを継続的に開発・製造し、次世代ものづくりを支える企業として産業発展に貢献していく」とコメントしている。

kat

ユニバーサルロボット、THKのならいハンドをUR+製品として認証

1ヶ月 ago
ユニバーサルロボット、THKのならいハンドをUR+製品として認証kat 2024年03日18日(月) in in

 ユニバーサルロボット(UR)は、複雑な形状のワークを把持するのに最適なTHK製のならいハンド「TNH」を、ユニバーサルロボット製協働ロボット(URロボット)の周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証した。

新UR+製品 THK製のならい吸着ハンド(左)と、ならいグリップハンド(右)

 

 THKのならいハンドシリーズ「TNH」は、さまざまなワークの凹凸に合わせて12本のシャフトをならわせてロックする「ならい機構」を採用したロボットハンド。12個の吸着パッドと内蔵した絞り弁でワークを吸着する「ならい吸着ハンド」と、ワークの把持力を容易に制御可能な「ならいグリップハンド」の2種類がこのほど、UR+製品として認証された。複雑な形状のワークを把持するのに最適で、形状の異なる複数のワークを1台のハンドで扱えるため、段取り替えの手間を軽減する。

 URロボットに接続された周辺機器を操作・設定するプラグインソフトである「URCap」に対応しているため、ロボットとハンドの通信はもちろん、吸着ハンドの場合は吸着ON/OFFやシャフトロックの制御を、グリップハンドの場合は開閉指示や把持力の制御を、URロボットのティーチペンダントから行うことができる。

 UR+は、URロボットとプラグ&プレイで使える周辺機器のプラットフォーム。ロボットアームの仕様やインターフェースをオープンにし、それらに準拠するエンドエフェクタ、カメラ、センサなどの周辺機器をデベロッパが開発するもので、URによる検証、認証を経てデベロッパがUR+製品として販売する。UR+製品は、URロボットのティーチペンダントを通して設定できるため、ユーザーやシステムインテグレーター(SIer)がロボットのシステムインテグレーションの構築にかかる時間や費用を削減できる。2023年12月時点で470以上の製品がUR+製品として認証されている。

 新UR+製品であるTHK製ならいハンドシリーズ「TNH」の主な仕様は以下のとおり。

・ならい吸着ハンド
可搬重量 1.0kg、質量 0.5kg、寸法 W:83mm × D:106.5mm × H:173mm
詳細:http://urrobots.com/in5

・ならいグリップハンド
可搬重量 1.0kg、質量 1.2kg、寸法 W:220mm × D:58mm × H:138mm
詳細:http://urrobots.com/in6

kat

THK、転動部にホイールを採用したユーティリティスライドの受注を開始

1ヶ月 ago
THK、転動部にホイールを採用したユーティリティスライドの受注を開始kat 2024年03日15日(金) in

 THKは、 転動部にホイールを採用しスムーズなスライド機構を実現する、鉄道業界、物流業界向けのユーティリティスライド「Advanced Wheel Guide」の受注を開始する。

Advanced Wheel Guide

 

 Advanced Wheel Guideは、アウタメンバと、ホイールを装着したキャリッジで構成されるユーティリティスライド。

 THKが これまで 直動転がり案内「LMガイド」で培ってきた調心機能を有することで、ラフな取り付けでも誤差を吸収して長期間安定したスムーズな案内を実現する。

 また、独自開発したスクレーパによって防塵性に優れ、悪環境でも使用することが可能。

 従来のスライドレールは、医療機器や各種事務機器などのスライド部に幅広く利用されてきたが、Advanced Wheel Guideは鉄道業界や物流業界をターゲットとし、 鉄道車両用ドアや物流現場における自動倉庫ラック、 工作機械の扉開閉部などへの需要が見込まれている。

Advanced Wheel Guideの使用例

 

 Advanced Wheel Guideの特長は以下のとおり。

・スムーズなスライド機構:アウタメンバとホイールが2点で接触するサーキュラーアーク構造を採用することで調心機能を有し、取付面の精度が低い場合でもスムーズなスライドが可能

アウタメンバとホイールが2点で接触する
サーキュラーアーク構造

 

・優れた防塵性:キャリッジ端面に独自開発したスクレーパを取り付けることで、転動面に対して長期間接触状態を維持でき、スライドレールに比べて防塵性に優れる

・環境に配慮した潤滑システム:独自開発したグリースタンク構造によりグリースを転動面に適切な量を塗布できるため、余分なグリース排出を低減し、周囲を汚さない環境に配慮した潤滑システムを実現

kat

木村洋行、アプリケーション指向の電動アクチュエータを用いた自動化・電動化を提案

1ヶ月 ago
木村洋行、アプリケーション指向の電動アクチュエータを用いた自動化・電動化を提案 in kat 2024年03日15日(金) in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)は2020年1月から、スウェーデンに本社を置くEWELLIX(エバリックス)の直動製品の取扱いを開始した。エバリックスは、スイス、スウェーデン、ドイツ、フランス、アメリカ、中国に生産拠点を有し、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評があり、自動機など一般産業機器向けのほか、高度な安全性が求められる医療機器向けや協働ロボット向けでも実績が多い。

 エバリックスは2023年1月からはSchaeffler(シェフラー)の傘下として、かねてから進めてきたセンサやコントローラー関連の研究開発を加速させている。

 今回同社に、エバリックスの直動製品の独自性を生かした、電動化・自動化支援について話を聞いた。

直動製品のラインナップと独自技術 動作範囲を拡張できるピラー型/シリンダ型電動アクチュエータ

 エバリックスの直動製品としては特に、設置面積を小さく抑えられコンパクトな昇降が可能なピラー型電動アクチュエータ(図1)に特徴がある。ストローク量や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、低騒音で堅牢であり、高荷重に対応できるため、厳しい仕様条件のニーズにも対応できる。電圧は120V ACおよび24V DCに対応、最大定格荷重(押し/引き)はシリーズによって最大6000N、ストロークは700mm以上、動作速度も無負荷時で最速42mm/秒かつ最大負荷時で最速31mm/秒を実現している。

図1 ピラー型アクチュエータ

 

 また、シリンダ型電動アクチュエータは最大定格荷重500kN、最速1050mm/sの動作速度や最大ストローク2000mmを実現するモデルもあり、高いデューティサイクルにも対応できる。

 

高荷重支持、長寿命、高剛性のローラースクリュー

 高効率、高精度、高耐久性を兼ね備えたローラースクリューにも特徴がある(図2)。ボールを転動体とするボールねじが点接触で運動するのに対し、ローラーを転動体とするローラースクリューは面接触で運動するため、ボールねじに比べ①高荷重の支持、②長寿命、③高剛性、といった特長を持つ。

 図2 ローラースクリュー

 

 図3(a)に、𝐿10寿命計算に使われる基本動定格荷重(一群の同じ製品を運転した時に、その内の 90%がはく離を起こさずに回転できる寿命が100万回転になるような軸方向荷重、Ca)の比較を示す。図3(a)からは例えば同じ軸径φ32で、高負荷容量ボールねじの基本動定格荷重が100kN程度なのに対して、エバリックスのローラースクリューの基本動定格荷重は130kN程度と、より大きな荷重が受けられることが分かる。

 このことから図3(b)に示すとおり、同じ基本動定格荷重でみると、高負荷容量ボールねじに比べエバリックスのローラースクリューは、ナットの長さを約3〜4割短縮できる。これは、ナットのダウンサイジングによる省スペース化が図れ、装置をコンパクト化できることを意味する。

 また、ボールねじなどの軸方向荷重としては一般的に、メーカーは基本動定格荷重の30%以下で使用することを推奨している。この値が許容荷重で、図3(c)は、エバリックスのローラースクリューが面接触により面圧を分散できるため、同じ軸径で比較すると、高負荷容量ボールねじの約3.3倍の許容荷重を有すること、つまり、はるかに高い耐荷重能力を持つことを示している。

 こうしたことからローラースクリューでは、同等の基本動定格荷重であればボールねじに比べ軸径の小さな製品にダウンサイジングでき、重量を大幅に軽くすることで、遠心力も大幅に小さくできる。 
 

図3 エバリックス ローラースクリュー vs. 重荷重用ボールねじ(リード10mmで比較)  ローラースクリューを用いた高性能電動アクチュエータ

 エバリックスではまた、このローラースクリューを用いた高荷重支持、長寿命、高剛性の特長を持つ電動アクチュエータを、「ハイパフォーマンス・アクチュエータ」としてラインナップしている。ハイパフォーマンス・アクチュエータについては、以下に適用例をまじえて紹介する。
 

電動アクチュエータを活用した自動化・電動化支援の取り組み 協働ロボットの作業範囲の拡張

 生産現場で適用の進む6軸協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを6軸協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボットの第7軸として、垂直方向に動作させることで作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~1400mmであり、ロボットの基台としてLIFTKITを使用することにより設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲を立体的に拡大できると言える。

 またLIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレイスなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT」も提案している。SLIDEKITの水平方向のスライド長は100~3000mmとなっている。長い同一の生産ライン上にある、複数のセル生産装置の間でのワークの受け渡しや複数の加工工具の段取り替えといった作業の効率を高めることで、加工の生産性を向上できる。

 ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能で、その場合協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる(図4)。

図4 6軸協働ロボットとLIFTKIT・SLIDEKIT組み合わせでのパレタイジングのデモ​​​​
(2023国際ロボット展での例)

 

 SLIDEKITおよびLIFTKITは当初、ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、その後多くの企業の協働ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングペンダントによって、協働ロボットとSLIDEKITおよびLIFTKITの動作制御が可能となっている。

 2023年にはファナックの協働ロボットCRXシリーズのプラグイン対応機器(昇降装置)としてLIFTKIT(LIFTKIT-FA、図5)が採用になり、ロボットの昇降範囲を最大で1400mmまで拡大できることや、生産性の向上と労働コスト削減に貢献できること、高い位置精度と安定性を実現できることなどが評価されている。コンパクトサイズで設置スペースを増やさずに6軸協働ロボットの7軸目として機能する作業範囲を拡張できることが評価され、6軸協働ロボットのプラグイン対応機器としてのLIFTKITの採用が進んできている。
  

図5 ファナックの協働ロボットCRXシリーズの昇降装置LIFTKIT-FA

 

農機・建機の電動化支援

 農業機械や建設機械など比較的高推力が必要とされる作業機には、油圧作動油を動力源とする油圧アクチュエータが多用されている。地球環境問題や作業のスマート化などから電動化が求められてきている農機・建機においても、エバリックスでは電動アクチュエータ化を提案している。

 エバリックスはシェフラーグループの一員として万全の開発バックアップ体制のもと、近年進めてきたセンサやコントローラーの研究開発が加速してきており、伝送速度が速く拡張性の高いコントローラー・エリア・ネットワーク(CAN)バス通信規格に対応しつつ、野外で使用できる保護等級IP69K/66Mに対応した防水・防塵仕様のスマート電動アクチュエータ「CAHB-2xS(2xSのラインナップ:20S、21S、22S)」(図6)を開発している。

 農機・建機の油圧アクチュエータを高速でスムーズな動作が可能な電動アクチュエータへと置き替えることによって、素早く滑らかな動作を実現できるため、より高い生産性を実現できる。高荷重条件で使われ近年IoT化の進む建設機械の荷台駆動などにおいて、素早く角度を変えるといった適用も始まってきている。

 木村洋行では、必要とされるエネルギーを大幅に削減できるほか、油圧作動油の管理といったメンテナンスコストが削減できるなど、生産コストの低減と生産効率の向上に寄与できることを訴求しつつ、日本国内の農機・建機メーカーにも提案を進めていきたい。
 

図6  CAHB-2xS

 

ハイパフォーマンス・アクチュエータによる電動化・自動化支援

 ローラースクリューを使用した電動アクチュエータ「ハイパフォーマンス・アクチュエータ」はローラースクリューの特長である①高荷重の支持、②長寿命、③高剛性、を実現できる。特に82kNまでの高推力が得られ精密制御が可能な「CASM-100」(図7)は、建設機械向けなどで適用実績がある。建機向けアプリケーションの拡大に向け、エバリックスではさらに高荷重対応のアクチュエータの開発を進めている。 

図7  CASM-100

 

 中空シャフトモーターのシャフトにローラースクリューを用いた「CEMC」は、コンパクトで高推力を図りつつ、イナーシャを最小化することによって制御性・応答性が良好で、サイクルタイムを劇的に改善し高い生産性を実現できる。スポット溶接ロボットや樹脂を押し出す射出成形機など、高荷重がかかる用途で多くの実績を持つ。スポット溶接ロボットのうち例えばXタイプガンフレーム(図8)では、溶接するワークを挟む機構として二つのガンアームを最大ストローク180mmで駆動させ、スポット溶接ガンの加圧力(~25kN)を保持する。

図8 スポット溶接ロボットⅩタイプガンフレームでのCEMCの適用例

 

 エバリックスの直動製品は医療機器向けの規格IEC 60601-1を取得していることなどから、国内においても手術台の昇降にピラー型アクチュエータが使われるなど医療機器向けの適用も多いが、この用途でのアクチュエータに対する位置決め精度の要求はそう高くなく、FA用途には使えない。

 これに対しピラー型アクチュエータの上位機種である「CPSM」(図9)は、繰返し位置決め精度0.1mmで最大100 mm/sの高速動作、最大推力5kNが可能なため、FA機器の昇降軸や産業用ロボットの昇降軸などで引き合いが増えてきている。

 

図9  CPSM

 

 ボールねじを大径にしないと高推力を発生できず、装置内で大径ボールねじのスペースが確保できないような場合に、ローラースクリューを用いた電動アクチュエータでは、ダウンサイジングによる省スペース化が可能となる。

 

今後の展開

 ものづくり現場での自動化・電動化が進展し効率向上からメンテナンス期間延長などが求められる中で、耐久性が高く装置の省スペース設計が可能なエバリックスの電動アクチュエータの採用が進んできており、高い負荷容量、長寿命化を実現しつつ、サイズダウン化でき軽量化が図れることからは、装置の消費電力の低減、ひいてはCO2削減にも寄与できる。

 木村洋行は技術商社として、エバリックスなどメーカーとの情報交換を密に行い、製品・技術・アプリケーション情報のアップデートを常に図っている。製品・技術・アプリケーションに関する知見とノウハウを蓄積しつつ、ユーザーとの対話の中でニーズを的確にとらえることで、さまざまな用途に合わせてカスタマイズが可能なエバリックス製直動案内製品の特質を生かした、ユーザーの仕様に最適なソリューションを提供していく。

 同社ではまた、従来から実施している「機械を正常に稼働させるための総合的な技術的サポート」についても、引き続き注力していく。

kat

日本滑り軸受標準化協議会、第38回総会を開催

1ヶ月 ago
日本滑り軸受標準化協議会、第38回総会を開催 in kat 2024年03日14日(木) in

 日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)は3月14日、東京都千代田区のTKP 東京駅セントラルカンファレンスセンターで「2023年度 第2回総会(通算第38回総会)」をハイブリッド形式(集合&ウェブ配信)により開催した。

開催のようす

 

 当日は開会の挨拶に立った林 洋一郎PBSA会長(オイレス工業)が、「昨年10月に昨年10月にISO/TC123(平軸受)国際会議が京都で対面開催された。観光地として人気の京都ということもあって多くの国からの参加があり、初めて同時通訳を採用した。日本機械学会ISO/TC123平軸受国内委員会の支援を行うPBSAではその同時通訳費用や旅費等の支援を通じて、国際会議開催のサポートに成功したものと考えている。初の試みとなった同時通訳採用については、参加メンバーの間でその有効性についての議論がなされた。今後の国際会議開催においては、同時通訳の採用を継続するのか、あるいはウェブをうまく使うなどして同時通訳の代わりとするかなど、有効性と費用面を見ながら検討していきたい。2024年度のISO/TC123国際会議はドイツ・ベルリンで11月に開催される予定だが、ISO/TC123平軸受国内委員会が良い活動をできるよう、同様に支援していきたい。本日は総会の終了後に、元 省エネルギーセンター理事の花形将司様に「経営に役立つ省エネとは ~農業と製造業の事例からの提案~」というタイトルで講演していただく。我々のメンバーには技術者、研究者が多いため、工場・生産側での省エネ活動というものに疎いが、エネルギー削減は我々にも関係の深いテーマなので、ご講演を参考にして役立ててほしい。講演会終了後には、会員間の情報交換がしやすくなるように立食方式の懇親会を設けたので、活発な懇親の場になることを期待したい」と述べた。

挨拶する林PBSA会長

 

 続いて、来賓の経済産業省 産業技術環境局 国際標準課の青山直充氏が「昨年京都で開催されたISO/TC123国際会議に参加し、ISO化に向けた活発な議論が行われていることを目の当たりにした。国際標準化の活動について、経産省としては予算等で支援していくので、国際標準化に尽力してほしい」と挨拶した。

挨拶する青山氏

 

 さらに日本機械学会ISO/TC123平軸受国内委員会 委員長の片桐武司氏(大同メタル工業)が挨拶に立ち、「今年度に京都で開催されたISO/TC123国際会議では、PBSAの支援を得て同時通訳の採用を実施した。同時通訳の採用は委員長就任にあたってPBSAに要請したことであり実施させてもらった。議論が活発にできたことにつながり、良かったと考えている。2024年度はドイツ・ベルリンで対面開催の予定であり費用の面で厳しいと思うが、ハイブリッド開催に変更された場合には同時通訳の採用の余地があるのではないかと思う」と述べた。

挨拶する片桐氏


 続いて総会が始まり、まず日本機械学会ISO/TC123平軸受国内委員会の2024年度の活動計画について、国内幹事の橋爪 剛氏(オイレス工業)が、省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託の1テーマである「環境配慮型の水潤滑用軸受材料に関する国際標準化」への取組みの計画や、「テーマ名:軸受の廃棄・リサイクルの国際標準化(SC6)」と「テーマ名:水潤滑用の軸受材料の国際標準化(SC7)」という新規規格制定および改正提案の計画、本年11月ドイツで開催されるISO/TC123国際会議を含む活動スケジュールなどについて報告した。

 続いてPBSAの2023年度の活動報告と2024年度の活動計画について、PBSAでは会計を務める橋爪氏より報告がなされ、2023年度の活動報告として、2023年6月と2024年3月の2回の総会がハイブリッド開催されたこと、国際会議が2023年10月に京都で対面形式にて開催され旅費や同時通訳費用等をPBSAが支援したこと、第1回・第2回総会で計2件の講演会を設けたことが報告され、さらに2023年度会計報告がなされた。2024年度の活動計画としては、第1回総会(通算第39回総会)を本年6月に、第2回総会(通算第40回総会)を2025年3月に開催し、理事会を必要に応じて開催する予定する。本年11月にドイツで開催されるISO/TC123国際会議の支援や、日本機械学会ISO/TC123平軸受国内委員会活動の支援、PBSAおよび同会員に寄与する講演会・研究・調査などの実施、標準化作業を円滑に進めるための会員が活用しやすいホームページの更新・整備、さらには新規規格開発のために参考となる他TC規格などの購入などの予定について報告された。

ISO/TC123平軸受国内委員会とPBSAの活動報告を行う橋爪氏

 

 総会終了後には、「経営に役立つ省エネとは ~農業と製造業の事例からの提案~」と題して、元 省エネルギーセンター 理事の花形 将司氏による特別講演が設けられた。エネルギー使用を合理化する省エネルギー活動において、運用改善が高い経営改善効果につながること、エネルギー消費原単位の他社の好事例の活用などによって効果的な省エネを推進できること、通年のデータ活用することでオーバースペック対応や待機電力削減等による省エネが可能なことなどを説明した。また、エアコン吐出圧の最適化やポンプのインバータ設定値の最適化など、省エネルギーセンターの省エネ診断を活用して大幅な省エネを実現した事例を紹介し、省エネ診断の受診が省エネ活動の足掛かりとして有用として推奨した。

講演を行う花形氏

 

 当日はまた、「令和5年度産業標準化事業表彰」で経済産業大臣表彰を受賞したPBSAアドバイザー(元オイレス工業)の笠原又一氏に対し、かつての英国王室御用達のスコッチ・ウイスキー「ロイヤルハウスホールド」が林会長より贈答された。

 笠原氏の受賞は、軸受が適切に「梱包・輸送・保管・取り付け・取り外し」ができるように記述されたISO 21433(滑り軸受の取り扱い)や、ISO/CD8838(水潤滑軸受材料)および ISO/CD12843(滑り軸受の再利用・リサイクル及び廃棄)を我が国提案の国際規格として国際会議で提起し、プロジェクトリーダーを担い、規格開発を行ったことや、現在規格開発中のISO/CD8838(水潤滑用の軸受材料の国際標準化)および ISO/CD12843(軸受の廃棄・リサイクルの国際標準化)が地球環境保全・環境負荷低減の視点から軸受のリサイクル推進や潤滑油使用削減への貢献が期待されていること、ISO TC123/SC6(用語及び共通事項)の国際議長を務め、ISO4378シリーズ(用語・定義・分類及び記号)の内容では理解しにくい表現となっていることが判明し、図の追加などにより、利用価値の高い規格改定を行った結果、各国の国内規格への採用や利用が進んだこと、などの功績が認められたもの。

林会長と、贈答品を手にした笠原PBSAアドバイザー(写真右)

 

kat

THK、軸端末完成品・精密ボールねじの受注を開始

1ヶ月 ago
THK、軸端末完成品・精密ボールねじの受注を開始kat 2024年03日12日(火) in

 THKは、軸端末完成品・精密ボールねじ「SDA-VZ形」の受注を開始する。コンパクトなナット外径で装置の小型化を実現する。

 SDA-VZ形は、ねじ軸の端末形状をサポートユニットに合わせて標準化した精密ボールねじ。軸端は加工済みのため短納期対応が可能なほか、高速性、コンパクト形状を有し、ユーザーからの幅広い要求に対応すべく、計151形番(ねじ軸径φ10~φ 25 の豊富なバリエーションを取り揃えている。

 同社では今回同時に、これまでのサポートユニットと比較してボールねじの一層の低軸心化を実現するサポートユニット「EK-L/EF-L形」を新たにラインナップ。SDA-VZ形と組み合わせることで、組付部周辺の設計が容易になり、大幅な設計工数の削減が可能になる。半導体製造装置から各種搬送装置まで、幅広い分野の自動化設備のコンパクト化に貢献する。

 特長は以下のとおり。

・安定したトルクで高速使用が可能:ボールを接線方向にすくい上げる方式を採用することで、最高回転数5000min-1(DN値:10万)を実現し、長期間での高速駆動でも安定したトルクを得ることが可能

・コンパクト形状で省スペース設計に最適:従来の精密ボールねじと比較して、外径比が最大30%小さくなるため、装置のコンパクト化に貢献する

・低軸心用サポートユニットに対応:これまでのサポートユニットと比較し、ボールねじの一層の低軸心化を実現する構造。装置全体のコンパクト化だけではなく、LMガイドのサイズダウンやLMガイド取付部ベース部の加工を減らすことにも寄与する

精密ボールねじ「SDA-VZ形」、サポートユニット「EK-L/EF-L形」


 

kat

NTN、ギヤボックス設計支援ソフトウェアに軸受データの提供を開始

1ヶ月 ago
NTN、ギヤボックス設計支援ソフトウェアに軸受データの提供を開始kat 2024年03日12日(火) in

 NTNは、センサやソフトウェア、自律制御技術を組み合わせたデジタルリアリティソリューションのグローバルリーダーであるスウェーデンHexagon社のManufacturing Intelligence部門が開発・提供するギヤボックス設計支援ソフトウェア「Romax」(https://hexagon.com/ja/products/product-groups/computer-aided-engineeri…)に対し、軸受データの提供を開始した。

 同ソフトウェアを通じて、より多くのユーザーがNTNの軸受を迅速・簡単に選定することが可能となり、ユーザーの設計開発の効率化、開発期間の短縮に貢献する狙い。

 Romaxはギヤボックスに特化した設計支援ソフトウェアとして、自動車や建設機械、ロボット、風力発電など幅広い分野におけるパワートレイン製品の設計開発に活用されている。同ソフトウェアを活用することで、高速分析やモデル作成が容易となるほか、設計の初期段階において、強度や疲労、エネルギー効率、振動や騒音の解析結果を得ることができるため、開発期間の短縮が可能となる。

 Romaxはまた、一般的なギヤや軸受の詳細解析だけでなく、モータを含むシステム全体を考慮した詳細解析も可能なため、設計・開発担当者だけでなくCAE担当者にも多く利用されている。

 NTNでは、グローバルのユーザーからの「もっと手軽にNTNの軸受選定をしたい」という要望を受けて、同ソフトウェアへの軸受データの提供を決定したもの。今回提供したのは、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、円すいころ軸受など約6000型番の軸受データで、2023年末の同ソフトウェア更新時より、同社データがラインアップされている

 

kat

イグス、第3回ROIBOT賞でロボット製品の活用事例を募集開始

1ヶ月 ago
イグス、第3回ROIBOT賞でロボット製品の活用事例を募集開始kat 2024年03日12日(火) in in

 イグスは、当社のローコストオートメーション製品(ロボット関連製品)を活用して自動化を実現させた事例を表彰するコンテスト「ROIBOT(ロイボット)賞」の募集を開始した。

 

 今回で第3回目の開催となるROIBOT賞は、イグスのローコストオートメーション(LCA)事業が取り扱うロボット関連製品の活用事例を募集し、最も投資収益率(ROI)が高いプロジェクトを表彰するコンテスト。LCA事業の開始以来、隔年で開催しており、2022年は世界の20の国と地域から110件の応募があった。

 審査は、ロボット専門誌の代表者とロボットの専門家で構成される審査委員会によって行われ、独創性とROIの高さを基準にベスト3の事例が選出される。

 優勝事例を提供した応募者には、イグスの低コストロボットのためのオンラインマーケットプレイス「RBTX」で使える5,000ユーロ分のクーポン券が授与される(2位:2500ユーロ分、3位1,000ユーロ分)。

 応募要項は、以下のとおり。

・応募条件:イグスまたはRBTX経由で購入した製品(多関節アームロボット、直交ロボット、デルタロボット、スカラロボットなど)や部品で動作する自動化の事例であること。

・応募締切:2024年6月30日

・応募方法:下記URLより、応募フォームに記入し、動画や画像をアップロード
https://www.igus.co.jp/roibot2024

・ROIBOT賞2024に関する詳細は以下のURLから入手できる。
https://www.igus.co.jp/info/roibot-award

kat

振動摩擦摩耗試験機SRVのユーザーズミーティング開催、SRVによる新試験手法などを紹介

1ヶ月 1週 ago
振動摩擦摩耗試験機SRVのユーザーズミーティング開催、SRVによる新試験手法などを紹介kat 2024年03日11日(月) in

 揺動(オシレーション)セットアップおよび回転(ローテーション)セットアップと、オシレーション・ローテーション両方の動きを模擬できることなどから、潤滑剤や自動車向けトライボロジー試験機のデファクトスタンダードとなっている振動摩擦摩耗試験機「SRV®」について、「国内ラウンドロビン試験結果報告会」と「2024年ユーザーズミーティング」が3月5日、SRV®国内総販売代理店のパーカー熱処理工業 川崎事業所での対面参加とオンライン参加からなるハイブリッド形式により開催された。

ユーザーズミーティングの開催の様子

 

 当日はSRV®試験機製造元の独Optimol Instruments Prüftechnik社(Optimol社)Managing DirectorのGregor Patzer氏から、最新機種SRV®5を用いた新しい試験手法、凝着摩耗の検知手法、電気接触抵抗(ECR)測定を用いたグリース試験について、オンラインでの話題提供がなされた。

ドイツからのオンラインで話題提供を行うPatzer氏

 

 まず、アプリケーション指向の試験機としてユーザーの実部品を実使用に近い環境で試験でき、正確で再現性の高い試験結果が得られる最新機種「SRV®5」について、ピストンリングとシリンダーライナーのスカッフィング/摩耗、樹脂シャシージョイント、低摩擦エンジン油、航空機用ホイールベアリング、固体潤滑被膜、転がり軸受用グリース、オイルとグリースの比較、高性能多目的グリース、ブレーキフルードのノイズ/摩耗、フレッチング(摩擦係数、摩耗)、薄膜の付着および極圧性能、スカッフィングなど、幅広い産業に関わる国際標準規格に合致していることを説明。

 この国際標準規格に合致したSRV®5を用いた試験のうち、二つのシリンダーを用いた転がりアダプター構成によるASTM D8317転がり軸受用グリースの評価事例や、専用ホルダーおよびアダプターを用いたDIN 51834-5 & DIN E 51834-6ブレーキフルードで潤滑したEPDM製シールリングの摩擦の可視化事例、ASTM D8503エンジン油のスカッフィング温度限界の試験の事例、フルードの高流量と主軸の高速回転を模擬する回転モジュールを用いたSRV®5の新しいセットアップによる、水系金属加工油と工具材質のスクリーニング試験の事例を紹介した。

 続いて、SRV®5を用いた凝着摩耗と摩擦係数の相関に関する試験評価では、必ずしも高摩擦係数が凝着摩耗を招くわけではないことから、凝着摩耗の顕微鏡観察での確認が必要なこと、試験結果の再現性実現のためには摩擦係数やストロークのカットオフ値/時間といった「セットポイント・プロファイル(レシピ)」の設定が不可欠なこと、温度測定やECR測定、アコースティックエミッション(AE)測定などの併用も有効であることを説明した。

 さらに、転がり軸受用グリースの耐フレッチング摩擦摩耗特性の試験評価について、オシレーションセットアップによる摩擦係数の試験評価結果と、SRV®5のオプションであるECR測定によるECR値の評価結果の相関性について報告した。

 Patzer氏による話題提供と国内ラウンドロビン試験結果に関するSRVユーザーとPatzer氏との議論に続いて、実際のピストンヘッドとピストンピンを取り付けるなどコンポーネントとして試験評価できるSRV®5の「Combi-Drive」のデモンストレーションや、SRV®の入門機でデスクトップ型トライボメータながら再現性が高く、試験実行中にμmレベルで摩耗量を表示できる「Easy Tribo Screener(ETS)」を用いたデモンストレーションが、パーカー熱処理工業の越智直行氏によってそれぞれ実施された。

SRV5「Combi-Drive」のデモンストレーションのようす:写真左が越智氏

 

kat

JAST、テクスチャリング表面のトライボロジー研究会など4研究会が合同開催

1ヶ月 1週 ago
JAST、テクスチャリング表面のトライボロジー研究会など4研究会が合同開催kat 2024年03日11日(月) in

 日本トライボロジー学会(JAST)の会員提案研究会(トライボロジーに関する重要なテーマについて研究参加した会員の調査・研究・討論などを通じ学問・技術の発展に寄与することを目的とする会)である「テクスチャリング表面のトライボロジー研究会」(主査:東京理科大学 佐々木信也教授)と境界潤滑研究会(主査:東京工業大学 青木才子教授)、分子シミュレーションのトライボロジーへの応用研究会(主査:兵庫県立大学 鷲津仁志教授)、工作機械のトライボロジー研究会(主査:東京理科大学 野口昭治教授)は3月7日、東京都葛飾区の東京理科大学で「JAST合同研究会:カーボンニュートラルに向けたTX(トライボロジーX)」を開催した。

開催の様子

 

 当日は開会にあたって佐々木信也氏が、「コロナ禍でもありテクスチャリング表面のトライボロジー研究会は久しぶりの開催となるため、盛大な会にしようという主旨で各会に呼びかけ、4研究会合同での開催が実現した。カーボンニュートラルに向けたトライボロジーの革新技術、という意味合いでTXなる造語を冠した本合同研究会の講演はいずれも、自分自身も聞いてみたかった大変興味深いテーマの研究内容となるため、それぞれ活発な意見交換をお願いしたい」と挨拶した。続いて鷲津仁志氏が「分子シミュレーションのトライボロジーへの応用研究会は東京大学の加藤孝久先生が20年くらい前に始められ、10年くらい前から私が主査を務めている。今回、佐々木先生よりお声がけをいただき開催が決まった合同研究会の4件のテーマはいずれも非常に興味深く、5月に開催されるトライボロジー会議とはまた違った、深堀りした研究が紹介されることを私自身、楽しみにしている」と挨拶した。

開催の挨拶を行う佐々木氏

 

挨拶する鷲津氏

 

 その後、以下のとおり講演がなされた。

「粒子法の流体潤滑問題への応用~粒子法、ここまで来た⁉」根岸秀世氏(JAXA)…粒子法(MPH法)の利点を生かして、機械要素内のマクロ-ミクロの流体潤滑問題を統一的に解析し、現象理解と潤滑特性評価を可能とする解析技術への取り組みについて紹介。物理的健全性を有するMPH法が、①負圧を含む流体潤滑解析(くさび膜効果やスクイーズ膜効果)、②ソフトEHL(弾性流体潤滑)解析(流体-構造連成解析)、③潤滑膜と転がり軸受のような流体-剛体連成解析、のぞれぞれに適用可能であることを示した。

講演する根岸氏

 

「Adsorption and Structure of Amine-based Organic Additives at Iron-oxide Interface」Patrick A. Bonnaud氏(豊田中央研究所)…歯車や軸受などの摩耗を抑えEVを含む各種機械の寿命を延ばすことは、サスティナブルな社会を実現するうえで重要な課題であり、潤滑油では金属の摩耗を防ぐとともに環境に優しい新たな有機系添加剤が求められている。本研究では吸着しやすさを予測する計算モデルを作成、分子末端基が吸着性にどのように影響するかを明らかにし、シミュレーションによって吸着性が良いと予測されたアミン系有機添加剤を配合した潤滑油を用いて摩擦試験を行った結果、鉄の表面に吸着膜が早く形成され、摩耗を抑制することが実証された。

講演するBonnaud氏

 

「Ni-Pめっきを施した転がり軸受の回転トルクと寿命」堀田智哉氏(関東学院大学)…潤滑油の撹拌抵抗など、軸受トルクの多くが潤滑油に起因することから、潤滑油を用いずに、Ni-Pめっきを施すことで軸受の低トルク化と長寿命化を目指し、実験評価を行った。トルクの評価では、めっきなし、DLC被覆よりもNi-Pめっきありが低トルクを示した。転がり軸受の寿命評価では、めっきなし軸受に比べNi-Pめっきあり軸受が長寿命だったが、DLC被覆軸受が最も長寿命という結果となった。

講演する堀田氏

 

「スラストフォイル気体軸受における新しい表面テクスチャの提案」落合成行氏(東海大学)…表面テクスチャが空気潤滑および高摺動速度化で作動する軸受に与える影響を検証しつつ、新型フォイル軸受の開発を目指した。ディンプルはフォイルガス軸受でも低速領域で摩擦低減効果を有しているが、高摺動速度下では摩擦抵抗を増加させ、また、温度上昇を抑制する効果が確認された。新規テクスチャである「F-グルーブ」では接触時の摩擦は大きくなったものの、流体膜生成を促進し潤滑性能の向上が確認されたほか、温度上昇が抑制されており、高い冷却効果が得られたものと推察した。

講演する落合氏


 

 講演終了後は、青木才子氏が「主査を務める境界潤滑研究会では、潤滑油添加剤関連の発表を聞く機会は多いが、この合同研究会の講演は添加剤研究会内では聞くことができないテーマの発表ばかりで、大変勉強になった。こうした合同研究会はブレーンストーミングの良い機会でもあると思うので、ぜひともまた開催していただきたい」と挨拶し、閉会した。

閉会の挨拶を行う青木氏

 

kat

トライボロジー研究会、第34回講演会を開催

1ヶ月 2週 ago
トライボロジー研究会、第34回講演会を開催 in admin 2024年03日01日(金) in in

 トライボロジー研究会(運営委員長:杉村丈一 九州大学教授、事務局:協同油脂)は2月22日、横浜市西区のパシフィコ横浜会議センターで、「第34回講演会」を開催した。今回は『技術環境の変化に立ち向かうトライボロジー』をテーマに、以下のとおり行われた。

第34回講演会のようす・開会の辞

杉村丈一氏(九州大学)

・KEYNOTE SPEECH

「社会課題解決に挑むトライボロジーへの期待」牧野武朗氏(三菱重工業)

・CASE STUDY:SESSION I CO2排出低減の技術

「ステンレス溶射ボアに適した厚膜DLCピストンリングの開発」平山勇人氏(日産自動車)

「内燃機関の性能を大幅に向上させるシリンダボア形状改善技術」三田拓朗氏(いすゞ中央研究所)

「シリンダボア加工技術の開発」下斗米 直氏(協同油脂)

・CASE STUDY:SESSION II 規制を克服する技術

「環境にやさしい低炭非鉛快削鋼の開発」間曽利治氏 (日本製鉄)

「ZeroAshディーゼルエンジン油の開発」楠本竜也氏(出光興産)

「海運業界の環境負荷を低減する水潤滑軸受」横垣賢司氏 (ミカサ)

・CASE STUDY:SESSION III 新たな社会構築の要請に応える技術

「アイドルストップに対応したスタータクラッチグリースの開発」福島由倫氏(デンソー)

「電気自動車用玉軸受の耐電食性におよぼすグリースの組成と性状の影響」山下侑里恵氏(ジェイテクト)

「転がり軸受の白色組織はく離の影響因子-転がりすべり接触下における潤滑剤からの水素発生-」江波 翔氏(日本精工)

・特別講演

「航空脱炭素-2050年カーボンニュートラルを目指して-」三浦明彦氏(ANAホールディングス)

・閉会の辞

杉村丈一氏(九州大学)

admin

日本トライボロジー学会 グリース研究会、設立50周年祝賀会を開催

1ヶ月 3週 ago
日本トライボロジー学会 グリース研究会、設立50周年祝賀会を開催kat 2024年02日22日(木) in

 日本トライボロジー学会の産学協同研究会(旧第2種研究会。産学協同による調査研究あるいは試験研究を行う場で、テーマに興味のある維持会員(企業)と第一線研究者が連携し、その分野の技術発展に努めている)であるグリース研究会は1月19日、東京都千代田区のOtemachi Oneで「50周年祝賀会」を開催した。現役のグリース研究会の主査・幹事、委員や、かつて主査・幹事、委員を務めたグリース研究会OBなど30名超が参加した。

参加者の集合写真

 

 グリース研究会は1970年(昭和45年)5月26日に日本トライボロジー学会の前身の日本潤滑学会の理事会で承認された。現在は、3名の学識経験者とグリースメーカーとベアリングメーカー4社という14の企業の代表者=計17名で構成され、年に1回の地方大会を含めて定期的な報告会を四半期毎に実施し、毎回闊達な議論や意見交換が行われている。また当研究会の基礎研究で得られた成果については、トライボロジー学会誌への投稿や、トライボロジー会議、ITCまたはWTCなどのシンポジウムで披露されている。

 冒頭挨拶に立ったグリース研究会第67期・68期主査の今井淳一氏(協同油脂)は、「グリース研究会は1970年、『グリース研究部会』という名前で発足した。50周年を迎える2020年に祝賀会開催を計画し、同年2月に『50周年記念誌』の発行に漕ぎつけたものの、その後コロナ禍に入り開催することがかなわなかった。ようやくこの日を迎えることができ、大変うれしく思う。当研究会の活動の近況を報告すると、残念ながら地方大会はできなかったことはあるものの、歴史ある会の年4回開催という定期的な活動を、遠方の会員はオンライン参加で、東京近郊の会員は機械振興会館でのオンサイト参加という形で、コロナ禍でも一度も休むことなく継続してきた。コロナ禍の活動の一つは、2007年に発刊した『潤滑グリースの基礎と応用』について、依然として関係者から非常に好評を博しているものの歳月を経たことから内容の見直しが必要になり、改訂作業を進めている。また2023年はITC Fukuokaで当研究会主催の「グリースシンポジウム」を開催し、国内外の参加者による活発な議論が行われた。そうした形で半世紀続いてきた当研究会をさらに半世紀継続させ発展させていけるよう、会員各位と努めていきたい」と語った。

 今井氏はまた、本誌などの囲み取材に答えて、「転がり軸受の8割がグリース潤滑と言われ、グリースが転がり軸受の寿命や性能に関わる重要な部品の一つであるにもかかわらず、潤滑油に比べて狭い領域で使われていたグリースは、サイエンスからのアプローチが遅れている状況にあった。また当時は国内におけるグリースの各種性能の評価として、一般的な試験方法についてはJIS K2220に制定されてはいたものの、実用性能を評価する潤滑寿命の試験については各社各様の評価手段を用いていたことからバラツキが多く整合性に乏しい状況にあった。そこで1970年に転がり軸受メーカー4社とグリースメーカー、学識経験者が集まって、グリース全般の技術の発展を目的に産学共同で当研究会が発足された。設立当時は11名、現在17名で活動している。20年前からウレアグリースの劣化メカニズムを扱うなど、今日までさまざまな研究テーマを掲げ活発に活動を行っているが、次の半世紀に向けて、若い方々にも参加いただきながら常に新しいテーマを検討していきたい」と述べた。

開会の挨拶を行う今井氏


 続いて乾杯の挨拶に立った小宮氏(元ジェイテクト)が「祝賀会が4年遅れの開催となったものの、グリース研究会の委員の方々やOBの方々が集まっているので、研究会の思い出話や将来について話していただきたい」と述べた。

乾杯の挨拶を行う小宮氏


 OBとして挨拶に立った鈴木政治氏(元鉄道総合技術研究所)は、二つのエピソードを語った。「一つは、当研究会を代表する形で米国グリース協会(NLGI)に発表に行った際のこと。発表後や懇親会の席で実に多くの質問が浴びせられ、当研究会での我々の仕事がアメリカ、NLGIでも十分に評価される内容だと実感した。もう一つは、研究会の後の居酒屋での懇親の席で、グリースを使っている会社と技術交流会を開こうという話が満場一致で決まり、当時JR北海道の札幌にある苗穂工場(鉄道車両の修繕工場)と技術交流会を開くことをお膳立てした。しかし冬のさなかのことで、最初工場見学を行って、さあ技術交流だという段になって雪で車両故障が起きてしまい、工場の技術者が皆、車両故障の現場に駆り出されてしまい、残念ながら技術交流会でのディスカッションは実現しなかった。そこで予定を変えてサッポロビール園に異動しての反省会となったのだが、うれしかったのは車両メンテナンスの助役さんと軸受担当の主任の方が故障現場から戻るやビール園に駆け付けてくれて懇談ができたことだ。このように過去にはそういう企画をやって、いろいろな活動をしたうえで現在があるのではないかと思っている。皆さんも、ぜひ前例にとらわれず、我々の技術交流会のように失敗にめげることなく、新しい企画で会を発展させてもらえれば、うれしい」と述べた。

鈴木氏

 

 続いて岡村征二氏(元日本グリース)は、「軸受の重要な構成部品であるグリースが経験則に支配されており、学術的な光が当たっていない、これを何とかしたいというのが当研究会設立の目的だと聞いている。設立後は、添加剤や増ちょう剤などのメカニズム解明のための研究などが行われた。1970年代から1980年代にかけてジウレアグリースが世界を席巻したが、広い意味で当研究会の研究の成果が影響しているのではないかと思う。さりながら、最近のNLGIの報告によれば、2022年が全体で115万t、日本が8万t、東南アジアが8万7000t、中でも技術レベルの指標とされる高温用増ちょう剤の比率が北米76%、欧州43%、東南アジア42%に対して、日本は38%という状況だ。この辺が現在の日本の経済の減退に影響している気がする。当研究会には今後も長く活動を続けていただき、技術の発展に寄与していただくよう祈念している」と述べた。

岡村氏


 また、中 道治氏(元日本精工(NSK))は、「大学の専攻は高分子化学だったが、たまたま求人のあったNSKに1976年に入社した。なじみのない機械系の企業だったが、グリースを封入して使われる密封玉軸受、潤滑油と錆止め油と表面処理…と、化学の仕事があれば一切合切引き受けた。専攻が高分子化学だったため、最初に命じられたのが一般市販用グリースの評価で、その後は潤滑トラブル処理で上司に引っ張りまわされた。特許などを調べつつ今から40数年前にグリースを自作するなど、機械メーカーながら潤滑剤の開発を勝手気ままに始めた。“グリースが完成するまでは帰らない”と協同油脂に一週間泊まり込んだこともあった。意味があるのか訝しがりつつ始めたASTMの規格試験機でのグリースの寿命試験を地道に繰返して、何十年も試験データを蓄積してくると、やはり知見が深まってくる。また、当研究会では軸受同業他社とも自由に意見交換し議論する機会がある点も、本当に良い研究会だと思う。第1種研究会から第2種研究会に変更して企業から活動資金が得られるようになったが、当研究会への私の最大の功績は、会社の保養所を使って旅行を始めたこと」と語った。

中氏


 さらに、木村 浩氏(元協同油脂)は、「日本のグリース生産量は7万2000tを超え、NLGI生産量115万tのうち7%近くに迫っている。当研究会の尽力に感謝するとともに、グリース技術のグローバル化に大きく貢献できていると感じる。グリースへの思いと感謝を三点述べたい。一点目は、当研究会の顧問を務めた東京工業大学の櫻井俊男先生が「グリースはアートであってサイエンスではない」といつも言っていたことで、当研究会の仲間と一緒にサイエンスに変えようと努力した結果が、グリースの教科書『グリース潤滑の基礎と応用』の出版につながった。二点目は国際会議での飛躍で、2000年のITC長崎、2005年のITC神戸、2009年のWTC京都、さらには2023年ITC福岡において世界への技術発信の機会が増えており、確実にアートからサイエンスへと踏み出したと確信している。三点目はウレアグリースの発展。当研究会ではリチウムグリース全盛の時代でウレアグリースはわずかな生産量だった2000年ごろから、ウレアグリースの劣化過程の研究を進めているが、2022年にはNLGIのウレアグリース生産量8万tに対し、日本は2万1000tに達したと聞き、当研究会の貢献をうれしく思っている。当研究会の発展に伴い産業界のグリースへの関心が変化し、それまでのニッチ分野から自動車部品をはじめとする多くの機械部品の精度向上、設計の簡略化につながり、今ではささやかながらでも社会に貢献している。60年、100年と引き続き当研究会がグリース技術のグローバル化に寄与することを願っている」と述べた。

木村氏

 

 南 一郎氏(スウェーデン・ルーレオ工科大学)は「日本経済もようやく閉塞状態を脱し安定局面に入りつつあるようだが、当研究会も礎を築いてきた先輩方の功績を考慮すると、突飛なことを狙うのではなく地道に安定志向で進むのが良い気がする。さて、私が当研究会の委員になって20年経つが、最初は年1回開催の地方大会で皆さまが高知に来た時に参加を表明して入会することとなった。皆さまが酒豪ぞろいと聞いていたので高知の地酒がたくさん置いてある居酒屋をセレクトしたのだが、店主が驚くほどの酒豪の皆さまの素性を聞かれ「潤滑をしに酒場に来た方々」と答えた。2時間の研究会の後の懇親会の楽しい雰囲気はずっと続いていて、個人的には日本の大学を辞めて海外の大学に行って、しばらく幽霊会員になっていて、その後パンデミックになってオンライン会議で徐々に登場するようになり、今日ようやくお会いできていなかった方々にお目にかかることができた。この先50年、諸先輩方がこうやって築き上げてきたものを引き継いでいきたい。そのためには幽霊会員であっても一緒に酒を飲ませていただける、こういう雰囲気が大事だと思う。こうやっていろいろな世代の方が集まって、グリースの議論、それから液体の潤滑で楽しみながら、今後も会を盛り上げていきたい」と語った。

南氏

 

 第63期・64期主査を務めた田中啓司氏(シェル ルブリカンツ ジャパン)は、「私が主査を務めた2020年に祝賀会を開こうという話になり計画を立てていたが、パンデミックが続き開催がかなわなかった。ようやくこの日を迎えられたことと、ここにいらっしゃる方々のお顔を拝見しお元気で活躍されていることをとてもうれしく思う。当研究会はとても歴史が深く、『潤滑グリースの基礎と応用』を拝読すると、諸先輩方が現在のグリースの礎を築いてくれたものと実感される。これを次世代につなげることは重責だが、加入された若い人たちとともに次につなぐのが我々の責務と考える。鈴木様や中様から飲み会の席で話が決まるという話は今も脈々と引き継いでおり、特に秋の地方研究会は非常に親睦を深められ、本当に心を割って話せる場。同業他社も多い中で、グリース愛があふれている仲間で競合の枠を超えて議論ができるというのは当研究会をおいて他にないと思う。本日は偉大なるOBの方々がいらっしゃるが、リスペクトすると超えられないので、リスペクトしないようにしよう。我々は諸先輩方を超えるためにここにきている、そういう気持ちで当研究会を今後も盛り上げていきたい」と述べた。

田中氏


 若林利明氏(元香川大学)は「OBの諸先輩方、現役の方々の挨拶を聞いて、鮮明に覚えていることを二点だけ披露したい。一点目は、私は第1回メンバーだが、鈴木様から紹介のあった札幌の会が初の参加となった。ITC長崎の時に元日本石油の木下広嗣さんから誘われて当研究会のシンポジウムに参加し懇親会に参加しそのまま当研究会に参加することが決まったのだが、その後の初めての地方大会が札幌開催だった。実は私は当日、岡山で西日本トライボロジー懇話会の講師をしていたため、夜に札幌入りした。つまりグリース研究会の初参加がサッポロビール園での懇親会だったことになる。二点目は、大体は研究会で決まるものの、本質的なところは夜の会で決まるということだ。その典型がサッポロビール園で決まった「グリースの単行本を出す」ということと、「大学の先生なんだから編集委員長やってよ」と言われ『グリース潤滑の基礎と応用』の編集委員長におさまってしまったことだ。コロナ禍で地方大会や夜の会が開催できなかったが、現役の皆さんも、実は夜の会合で重要なことが決まり、地方大会で方向性が決まる、ということを肝に銘じていただきたい。コロナも落ち着いてくると思うので、夜の会合、地方大会も継続していただき、そういったグリース研究会の非常に幸せな資産を今後も引き継いでいただきたい」と語った。

若林氏


 祝賀会の司会を務めた研究会顧問の兵庫県立大学・阿保政義氏は「グリース研究会は、研究会では珍しく各社が分担してグリースの寿命試験を実施し、データ解析からいつも報告が始まる委員会。しかしただデータを持ち寄って実験結果を議論するのではなく、2時間の会議では伝え切れなかった実験の苦労やグリースのこれからの姿を真剣に、しかも楽しく議論する懇親会の場を提供している。この日も50周年祝賀会に先駆けて“OBを交えた拡大グリース研究会”を実施し、その後半世紀以上続いてきた当研究会の委員を参集いただき、昔話を肴に大いに盛り上がった50周年祝賀会を開催することができた。祝賀会では、“今後の活動を考慮するとき、若い大学教員にも参加していただき新鮮な意見をいただきたいが、研究分野はグリースに限らず、お酒が楽しく飲める人が条件かな”、との意見も出た。引き続き、拡大グリース研究会での白熱した議論を通じて、次の半世紀に向けて会を発展させていきたい」と熱く語っていた。

研究会の今後について語る阿保氏

 

ITC Fukuoka 2023でのグリースシンポジウムの様子

 

ITC Fukuoka 2023での夜の会の様子

 

kat

砥粒加工学会、3月7日、8日に先進テクノフェア(ATF2024)をハイブリッド開催

1ヶ月 3週 ago
砥粒加工学会、3月7日、8日に先進テクノフェア(ATF2024)をハイブリッド開催kat 2024年02日21日(水) in in

 

 砥粒加工学会は本年3月7日、8日の両日、学術講演会に次ぐ学会員交流の大きなイベントである「先進テクノフェア ATF (Advanced Technology Fair)2024(https://www.jsat.or.jp/node/1556)」(実行委員長:東京電機大学・森田晋也教授)を、「カーボンニュートラル時代のモビリティ技術動向」をテーマにハイブリッド開催する。リアル開催は神奈川大学 みなとみらいキャンパス(https://www.mmc.kanagawa-u.ac.jp/about/access.html)を会場として、「ATF講演会」、「卒業研究発表会」、「砥粒加工学会賛助会員企業 リクルートフェア」、「企業および研究機関等におけるパネル展示」の開催を予定している。

 スケジュールは以下のとおり。

3月7日 ATF2024講演会①「カーボンニュートラル・AI時代の自動車技術に求められる技術要素」

 近年、声高に言われている自動車の電気自動車(EV)化・自動化に関して、実際の製造現場において加工に求められる技術要素や取り組みについて、以下のとおり講演がなされる。

・13:40~14:30「自動車の変化と加工課題に向けたカーボンニュートラルの取り組み」木野晴喜氏(MOLDINO)…独自調査による自動車の変化とその加工課題の変化、MOLDINOができるカーボンニュートラルに向けた取り組みについて講演

・14:30~15:20「データマイニング技術を応用した切削条件決定支援システムの構築に関する研究について」児玉紘幸氏(岡山大学)…ボールエンドミルの切削条件決定支援を実現するシステムの構築、データベースに内包されたデータの特徴を明らかにする技術、抽出された特徴を活用したAI運用手法について紹介

・15:30~16:20「EVシフトによって求められる加工技術の変化および課題解決のための取り組み事例」飯山浩司氏(DMG森精機)…EV化による静粛性・効率向上の観点から、より高品位の金型が要求されている一方、磨き工程など熟練エンジニアの技量に頼っている部分が多いことが現状である。ここでは高精度かつスキルに依存しない金型ワークを安定的に生産するためのプロセスについて事例紹介を行う

・16:30~17:15「ディープディスカッション with フェロー」協力:砥粒加工学会フェロークラブ

 3月7日当日はその他、パネル展示企業による新技術説明会(10:00~12:00)、企業および研究機関等パネル展示(10:00~17:30)、産学意見交換会(17:30~19:30)が催される。

3月8日 ATF2024講演会②「カーボンニュートラル時代のモビリティ技術動向」

 自動車のEV化・自動化について大局を見据えた企業・行政の取り組みや最新の研究動向について、以下のとおり講演がなされる。

・10:10~11:20「特別講演:CN(カーボンニュートラル)に向けて加速する自動車の電動化とグローバルな業界構造変化」竹内国貴士(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)…自動車業界はCASEと呼ばれる100年に一度の大変革期を迎えている。そこにCNが加わり、CASEの中でも電動化が加速している。しかし電動化は各地域の政策によりスピード感や電動車の定義も異なるため、過渡期においては既存と新規の両利きの事業展開が必要となる。そこで本講演では、業界構造の変化や電動化のキーとなる車載電池の動向を踏まえつつ、サプライヤーも含めたCN/CASE対応の方向性を提示する

・11:20~11:55「水素エンジンの研究開発動向」伊藤明美氏(東京都市大学)…重量車向けパワーソースとして水素エンジンが注目されている。本講演では、国際的な水素エンジンの研究開発状況や排気規制の動向について述べるとともに、講演者らによるトラック向け水素エンジンの研究開発状況について紹介する

・13:00~13:35「EMO2023の技術動向に見る、工作機械メーカーのEV対応」清水伸二氏(日本工業大学)…2023年9月18日~23日にわたって講演者が視察したドイツ・ハノーバーで開催の国際工作機械見本市「EMO2023」における技術動向を概観し、その中で見られた自動車産業のEVシフトに対する工作機械メーカーの取り組みについて紹介する

・13:35~14:10「EV化を支えるパワー半導体用SiCウェハの加工技術における課題と開発動向」加藤智久氏(産業技術総合研究所)…近年、自動車のEV化加速に伴い、アメリカや中国などでのSiCパワー素子の販売が急速に伸びてきている。SiCパワー素子は一方、シリコンに比べてウェハ製造コストが高くその加工技術も進化が求められてきている。本講演では、これらの技術課題に対する近年の開発動向について紹介する

・14:10~14:45「自動車プラスチック部品の適用動向と技術開発」水谷 篤氏(日産自動車)…自動車へのプラスチックの採用は、材料、工法や金型の進化とともに顕著に増加しており、デザインや軽量化だけでなく、電動化に対応した材料開発も進んでいる。本講演では、自動車プラスチック部品の適用動向や技術開発の事例について幅広く紹介する

・14:45~15:20「市街地自動運転の認識技術と実証実験の取り組みについて」米陀佳祐氏(金沢大学)…次世代のモビリティとして市街地向け自動運転の研究開発や実用化を目指した取り組みが進められている。本講演では、金沢大学の研究グループが国内で実施している実証実験を事例としながら、最近の技術動向について紹介する

・15:20~15:55「安全安心なモビリティ社会を実現する高度運転支援・自動運転システムの研究開発(オンライン講演)」…交通事故のない安全安心な移動の実現のため自動運転技術の開発が進められている。特に、ドライバーの安全運転をサポートする運転支援システムに関わる自動運転の要素技術開発の最近の研究動向について解説する

 3月8日当日はその他、卒業研究発表会(10:00~17:30)、砥粒加工学会賛助会員企業 リクルートフェア(10:00~17:30)、企業および研究機関等におけるパネル展示(10:00~17:30)、ATF懇親会(17:45~19:45)が催される。

 参加費用や各イベントの会場などについての詳細情報や事前申込は、以下の砥粒加工学会 ATF2024ホームページまで。
https://www.jsat.or.jp/node/1556


問合先:(公社)砥粒加工学会 事務局
〒169-0073 東京都新宿区百人町2-22-17 セラミックスビル4F
TEL 03-3362-4195 FAX 03-3368-0902
E-mail staff@jsat.or.jp

kat

NTN、H3ロケットにターボポンプ用軸受を全数供給

1ヶ月 4週 ago
NTN、H3ロケットにターボポンプ用軸受を全数供給kat 2024年02日19日(月) in

 NTNは、2月17日9時22分55秒に鹿児島県熊毛郡の種子島宇宙センターから打ち上げられた「H3ロケット」試験機2号機に、極低温環境下で超高速回転に対応するエンジン向けターボポンプ用軸受を全数供給している。

 人工衛星などの搭載物とともにロケットが飛行するためには、液体水素と液体酸素を高圧で燃焼させ、大量のガスを噴射させる必要がある。ターボポンプは、内部のインペラ(羽根車)が高速回転することで、燃料の液体水素と酸化剤の液体酸素をエンジンの燃焼室に送り込む役割を果たしている。

 インペラの回転を支持する軸受は、液体水素(-253℃)や液体酸素(-183℃)の極低温環境下においても、dmn値(軸受ピッチ円径(mm)×回転速度(min-1))が約280万というジェット機にも匹敵するロケットの超高速回転を支えている。極低温中では油やグリースなどの一般的な潤滑剤は凍りついてしまうため、NTNでは極低温中でも潤滑性能を発揮する独自の固体潤滑剤に加え、強化ガラス繊維による高強度な保持器を軸受に使用し、これらの過酷な環境に対応している。

 H3ロケットのエンジンは、小型から大型までさまざまな大きさの人工衛星の打ち上げに対応するため、先行機のH-ⅡAロケットよりも推力が高められている。そのため、各部品には剛性の向上が求められており、H3ロケットのターボポンプ用軸受も、従来よりも大径化し、大きな予圧荷重を受けられる仕様としている。また、本商品には商業用国産基幹ロケット向けの軸受として業界で初めてセラミックを材質とした転動体(ボール)を適用。軸受の大径化に伴い、軸受に使用されるボールの遠心力は強くなるが、金属製よりも軽量なセラミックボールを使用することで、軸受回転時のボールの遠心力を抑え、dmn値288万の高速回転を実現している。

 同社は1986年より打ち上げられたH-Ⅰロケットをはじめ、H-Ⅱロケット、H-ⅡAロケットと、長年にわたり多数の国産ロケットに軸受を供給し続けているほか、航空分野においても高い評価を受けており世界の大手ジェットエンジンメーカーにも軸受商品を納入している。同社は今後も、宇宙空間で使用される高品質・高機能な軸受の開発・提供を通じて、航空・宇宙分野の発展に貢献していく。

ロケットエンジン ターボポンプ用軸受

 

kat
Checked
31 分 38 秒 ago
bmt配信ニュース フィード を購読