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SEMICON Japan 2024

 

bmt配信ニュース

NTN、EV向け耐電食軸受のラインアップを拡充

6ヶ月 ago
NTN、EV向け耐電食軸受のラインアップを拡充kat 2024年05日17日(金) in in

 NTNは、電気自動車(EV)の駆動源であるe-Axle向け軸受として、導電性に優れたゴムシールの採用によりEDM電流(放電電流)による電食への対策を施した導電軸受を開発した。

EDM電流による電食への対策を施した導電軸受

 

 同社では、モータ内の循環電流による電食対策のための既存の絶縁アイテムと合わせて、e-Axle用軸受特有の課題となる電食対策品のラインアップ拡充により、e-Axleのさらなる高性能化と普及に貢献する。

 軸受内部に電流が通過した際にスパークが発生して金属組織の溶融が進行すると縞状の凹凸などの損傷(電食)につながることから、モータ支持用軸受には電食対策が求められている。

 モータ支持用軸受で対策すべき電流には、モータ軸を通過するEDM電流とモータ内を循環する循環電流の2種類がある。EDM電流はモータ運転時にモータ軸に電圧変動が生じることにより発生する電流で、循環電流はインバータ制御のために電源のオン・オフが繰り返された際にモータ内に電流が漏れ出すことで発生する。これらの電流が軸受の軌道面に通電すると電食の発生につながる。

 循環電流の対策には、軌道面への通電そのものを抑制する絶縁アイテムが有効である一方、モータ支持用軸受を絶縁しても、EDM電流は減速機側に流れて減速機の軸受を損傷させる可能性がある。そこで、EDM電流をモータのハウジング側に流すために、導電アイテムを併用することが有効となる。

モータ内を通過する循環電流とEDM 電流

 

 同社は今回、EDM電流への対策として、導電軸受を新たに開発した。本開発品は導電性に優れたゴムシールを適用し、電流がゴムシールを介して通ることにより、軸受軌道面への通電による電食の発生を低減させる。軸受に導電ブラシなどの別の導電部品を取り付ける対策方法に比べて、軸受の構成部品そのものに導電性を持たせることで、省スペース性に優れる。

導電軸受の構造

 

 同社はこれまで、循環電流対策としては、絶縁体であるセラミック製の転動体を使用した軸受や、軸受の外輪外径や幅面に絶縁被膜加工を施した「絶縁被膜付き軸受」、軸受の外輪外径面と幅面に樹脂絶縁層を射出成形した「樹脂モールド絶縁軸受」などの絶縁アイテムを開発してきた。今回、EDM電流を対策する導電アイテムを開発したことで、e-Axle用軸受として対策が求められるすべての電流への対応が可能となる。

耐電食軸受のラインアップ

 

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NTN、e-Axle向け樹脂モールド絶縁軸受を開発

6ヶ月 ago
NTN、e-Axle向け樹脂モールド絶縁軸受を開発kat 2024年05日17日(金) in in

 NTNは、EV(電気自動車)の駆動源であるe-Axle向けの耐電食軸受「樹脂モールド絶縁軸受」を開発した。軸受の外輪外径面と幅面に樹脂絶縁層を射出成形することで、耐電圧1000V以上の絶縁性により電食の発生を抑制し、EVバッテリーの高電圧化に対応する。温度変化に対して十分な強度を持つ樹脂材料の選定や成形方法の最適化により、e-Axleで求められる幅広い温度環境でも使用できる耐久性も実現した。

 同社ではEV・HEV(ハイブリッド車)用e-Axle(モータ、減速機)向けに提案を進め、2025 年度に10億円/年の販売を目指す。

樹脂モールド絶縁軸受

 

 近年、自動車市場では環境負荷の低減を目的に、EVの開発・普及が加速している。EVの駆動源であるe-Axleに使用される軸受には、モータからの漏洩電流による電食への対策が求められている。

 同社はこれまで、絶縁体であるセラミック製の転動体を使用した軸受や、軸受の外輪外径面や幅面に絶縁被膜をコーティング加工した「絶縁被膜付き軸受」を耐電食軸受として開発・提供してきた。耐電食軸受には、耐電食性、低トルク、放熱性など複数の機能が求められるが、車両設計に基づく軸受の使用環境の違いなどから、各機能に対する要求値は多様化している。同社はこうしたユーザーの多様なニーズに対応するため、今回、樹脂モールド絶縁軸受を開発したもの。

 開発品の特長は以下のとおり。

・耐電食性:軸受内部への電流通過を低減する絶縁性に優れた樹脂を軸受の外輪外径面と幅面に射出成形することで、耐電圧1000V以上の絶縁性を実現。今後増加が見込まれるバッテリー電圧800Vにも対応する(e-Axle用軸受にかかる電圧はバッテリー電圧の10%以下と想定される)

電食試験後の外輪軌道面(左:開発品、右:標準品)
標準品では電食特有の波板状の損傷が発生

 

・耐久性:樹脂と金属では温度による膨張・収縮量に差があり、温度変化によって樹脂に亀裂が生じる可能性がある。そのため、広範囲な温度変化においても必要な強度を維持する樹脂材料を使用するとともに、樹脂絶縁層全体に十分な強度を持たせる成形方法を採用することで、e-Axleで求められる幅広い温度環境でも使用できる耐久性を実現した

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NTN、低フリクションハブベアリングのシリーズを拡充

6ヶ月 ago
NTN、低フリクションハブベアリングのシリーズを拡充kat 2024年05日17日(金) in in

 NTNは、「低フリクションハブベアリング」シリーズとして、低トルクシール塗布グリースを適用した「低フリクションハブベアリングⅣ」と、さらに低トルク軸受内部グリースを適用した「低フリクションハブベアリングⅤ」を開発した。低フリクションハブベアリングⅤ単体で、2030年度に45億円/年の販売を目指す。

低フリクションハブベアリング

 

 同社では、従来品比で回転フリクションを最大で約64%低減し、約0.75%の電費改善を実現するこれら商品をグローバルでユーザーに提案し、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)をはじめとする各種車両の省燃費・電費化に貢献していく。

 同社はタイヤの回転を支えるハブベアリングとして、寿命や強度などの基本性能を満たした上で回転フリクション(摩擦)を低減する「低フリクションハブベアリング」を2009年に開発した。以来、インナーシールへのラビリンス構造(すきま)の設置によるシールリップ部の削減や、各種グリースの低粘度化などの改良により低フリクション化を追求し、低フリクションハブベアリングシリーズとしてグローバルに提供してきた。本シリーズはその低フリクション性能が高く評価され、数多くの車種に採用され、自動車の省燃費・電費化に貢献している。

 一方、脱炭素化社会の実現に向けて、EVの開発・普及が加速する中で、航続距離の延長を目的にあらゆる面で省電費化が進められており、ハブベアリングにもさらなる低フリクション化が求められている。こうしたニーズに対応するため、同社は2023 年に従来のシリーズ商品にさらなる改良を加えた「低フリクションハブベアリングⅣ」を、そして今回新商品として「低フリクションハブベアリングⅤ」を開発した。

 低フリクションハブベアリングⅣは、アウターシールおよびインナーシールに新開発の低トルクシール塗布グリースを適用。グリースの基油を低粘度化したほか、基油を半固体状に保持する増ちょう剤を微細化することで、基油の保持力を下げずに増ちょう剤量を削減することに成功し、グリースのさらなる低粘度化を実現した。これらの改良により、シール回転時のグリースによる抵抗を抑え、走行時における回転フリクションを低減している。

 低フリクションハブベアリングⅤは、低フリクションハブベアリングⅣの軸受内部に、新開発の低トルクグリースを適用。本グリースは、基油の低粘度化と増ちょう剤の微細化によるグリースの低粘度化を図る一方で、軸受回転時にボールによって掻き取られたグリースが軌道面に再流入しないようグリース硬さ(ちょう度)を最適化することで、低フリクションハブベアリングシリーズの仕様を適用していない従来品に比べ、最大約64%の低フリクション化を実現している。これらにより、従来品比で電費を約0.75%改善(同社計算に基づいて算出。ミディアムセグメントEV 車のカタログ値をベースに算出した場合)し、一回の給電により航続距離を3km延長(一充電走行距離400kmのEV車で算出した場合)することが可能となる。

新開発技術

 

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三洋貿易、6/7、6/14、7/5、7/26、トライボロジー試験評価法をテーマに講座を開催

6ヶ月 ago
三洋貿易、6/7、6/14、7/5、7/26、トライボロジー試験評価法をテーマに講座を開催kat 2024年05日15日(水) in

 三洋貿易は、東京理科大学の佐々木信也教授を講師に、トライボロジーに関わる試験評価法をテーマに、基礎から応用まで現場で役立つ実践講座「トライボロジーの基礎」を6月7日、6月14日、7月5日、7月26日の4日程でハイブリッド開催する。

 リアル参加の会場は東京理科大学 葛飾キャンパス4F 第3会議室(JR常磐線金町駅より徒歩10分)。参加は無料で、会場での定員は各回20名。参加申し込みは、こちらまで。

 実機を用いたサンプル測定やデータの解析および解釈、そしてメカニズム解明のための機器分析の利用方法などについて、現場で役立つ実践的な講座を上記日程の4回シリーズで開催する。具体的には、毎回座学(90分)と実演・実習(90分)を行う。

 座学はオンラインでの聴講も可能。実演・実習では、最新の各種摩擦試験装置、表面形状機器、インデンター・スクラッチ試験機を使用する。また各回とも、個別技術相談にも対応する。

 プログラムは以下のとおり。

6月7日

 

6月14日

 

7月5日

 

7月26日

 

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イグス、5月28日14時~陸上電力供給設備における船舶への接続とソリューションをテーマに無料ウェビナーを開催

6ヶ月 ago
イグス、5月28日14時~陸上電力供給設備における船舶への接続とソリューションをテーマに無料ウェビナーを開催kat 2024年05日15日(水) in

 イグスは5月28日14時から、「陸上電力供給設備における船舶への接続とソリューション」をテーマに無料ウェビナーを開催する。世界中の港湾で実績を持つイグスのケーブル管理ソリューション(陸電コンセントと船舶を接続する機器)について、国内のプロジェクト事業責任者である同社・山下茂樹氏が説明を行う。ウェビナー登録の申し込みはhttps://www.igus.co.jp/webinar_offshore2024から。

 国交省による国内のカーボンニュートラルポート(CNP)形成計画が加速する中で、停泊中の船舶からのCO₂排出量削減に大きく寄与する「陸上電力供給」は、CNP形成のための柱の一つとなっている。
欧米やアジアの主要港では、すでに停泊中の電力供給方法はディーゼルエンジンによる発電から陸上電力供給への転換が進んでおり、国内各港でも導入が検討されている。

 イグスは、陸上電力供給設備に欠かせないケーブル管理システムを提供しており、2016年以降ノルウェーやバーレーン、ドイツなど世界で15港以上に製品が導入されるなど、世界トップクラスの実績を持つ。国内では、海外先進事例で培ったノウハウと樹脂部品メーカーとしての強みを生かしたケーブル管理システムの性能が評価され、2022年4月に日本初の陸上電力供給設備(EVタンカーに高速充電するための陸上電力供給設備(EV船用給電ステーション)としては世界初)が誕生した川崎港で、イグスのケーブル管理システムが採用された。川崎市は陸上電力供給設備の導入によって、1隻あたり年間約365tのCO₂(一般家庭約250世帯分の年間消費電力量相当)削減が可能になると試算している。

 本ウェビナーは、陸上電力供給分野で実績とノウハウを持つイグスのプロジェクトリーダーである山下茂樹氏が、ケーブルマネジメントのポイントと、船体サイズの差異や海水面の変動によって電力の供給ポイントが固定できない「接続のジレンマ」、そしてその解決法についてオンライン講演形式で説明する。時間内に質疑応答の時間も設けられている。

 本ウェビナーは、陸上電力供給設備について検討を進めている港湾関係者、地方自治体の担当者、ゼネコンや電気設備メーカーの担当者、造船会社、港湾・ターミナルの管理担当者に加えて、陸上電力供給設備の概要に興味を持つ方々など、幅広い層を対象としている。

 開催概要は以下のとおり

タイトル:「陸上電力供給設備における船舶への接続とソリューション」

開催日時:2024年5月28日 14:00~14:45

参加費:無料

会場:オンライン(Zoom) インターネットに接続可能なPC/スマートフォンから参加 ウェビナー登録申し込みURL https://www.igus.co.jp/webinar_offshore2024

構成(予定):
1. 陸上電力供給について
2. イグスの陸電用製品
3. 船舶との接続方法(提案)
4. 事例紹介(海外先進事例を含む)
5. イグスについて(会社情報、担当者)
6. 質疑応答(20分程度を予定)

登壇者:イグス プロジェクト リーダー 山下 茂樹(やました しげき)氏

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日本ベアリング、高剛性・高負荷容量・コンパクト化を実現したクロスローラーガイドを発売開始

6ヶ月 1週 ago
日本ベアリング、高剛性・高負荷容量・コンパクト化を実現したクロスローラーガイドを発売開始kat 2024年05日10日(金) in

 日本ベアリングは、従来品SV形、SVW形の軌道溝接触長さ、ローラーピッチなどの設計を見直したクロスローラーガイド「スライドウェイHV形/HVW形」の発売を開始した。

スライドウェイHV形

 

 スライドウェイHV形/HVW形は、従来品と比べ許容荷重・定格寿命距離が向上。取り付けは従来品と完全互換、置き換えだけで装置・設備の耐久性向上に貢献し同等性能でサイズダウンとコンパクト化が可能。

 HV形(オールステンレスはHVS形)は、軌道台4本と精密ローラーをクロス状に組み込んだRH形ローラーケージ2本で構成。

 また、HVW形(オールステンレスはHVWS形)は両側にV溝を持つW形軌道台1本とHV形軌道台2本、RH形ローラーケージ2本で構成。

 詳細は以下のURLで確認できる。

https://www.nipponbearing.com/products/slideway/slideway_hv/

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NTN、ツアー・オブ・ジャパン2024に協賛、全8ステージで「回る学校」を開催

6ヶ月 1週 ago
NTN、ツアー・オブ・ジャパン2024に協賛、全8ステージで「回る学校」を開催kat 2024年05日09日(木) in in

 NTNは、5 月19日~26日に全国8ステージ(堺、京都、いなべ、美濃、信州飯田、富士山、相模原、東京)で開催される国内最大規模の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン 2024」(TOJ)に協賛し、自転車のなめらかな走行に貢献するベアリングについて親子で楽しく学習でき、ロードバイクに使用されるベアリングの展示や組み立て体験もできる「NTN回る学校」を各レース会場で開催する。

テクニカル・サービスカーを使用して「NTN 回る学校」を開催

 

 TOJ (https://www.toj.co.jp/)は、UCI(Union Cycliste Internationale、国際自転車競技連合)公認の国内最高峰の国際自転車ロードレースで、今年で26 回目の開催を迎える。今回は国内外より世界トップクラスの選手が所属する16 チームが参加し、5月19 日~5月26日まで8日間にわたり国内全8ステージでハイレベルなレースを展開する。

 同社は、2017年~2019年に開催されたTOJに冠協賛しており、今回は一般協賛として本大会を盛り上げる。

 同社は、ロードバイクに使用される高級ハブにベアリングが採用されるなどの実績を持ち、自転車のなめらかな走行に貢献している。そこで今回の「NTN 回る学校」では、普段は目に触れることがないベアリングの組み立てを体験できるほか、ロードバイクなどの自転車に使用される深溝玉軸受やニードル軸受の展示など、ベアリングの役割や仕組みについて楽しみながら理解を深めてもらうコンテンツを用意している。

「ベアリングの組み立て体験」外輪、内輪、保持器、ボールを組み合わせてベアリングの組み立てに挑戦できる。初めてベアリングを見る方も、ベアリングの構造や仕組みについて学べる


 

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ジェイテクト、水素エンジン向け高圧水素減圧弁の開発に着手

6ヶ月 1週 ago
ジェイテクト、水素エンジン向け高圧水素減圧弁の開発に着手kat 2024年05日09日(木) in in

 ジェイテクトは、カーボンニュートラル達成に向けて注目を集める水素社会への貢献を目指し、化石燃料の代わりに水素をエンジンで燃焼させて走行する水素エンジン車向けに、「高圧水素減圧弁」の開発を推進している。

 ジェイテクトでは、「2035年オールジェイテクトによるカーボンニュートラル達成」を実現するための製品開発に注力しているが、すでに量産している燃料電池自動車向けの製品だけでなく、水素エンジン車向けに製品開発の領域を拡大、2030年以降の本格的な水素社会の到来に向けて事業を推進していく。

水素エンジン向け高圧水素減圧弁

 

 ジェイテクトでは2002年より高圧水素事業に着手しており、これまで燃料電池自動車用の「高圧水素供給バルブ」と「高圧水素減圧弁」を発表してきた。

 20年以上の技術開発と2世代にわたる市販車への世界トップレベルの量産実績(生産実績5.4万個以上、量産延べ走行距離7.9億㎞以上≒地球2万周分相当)を通じて培った高圧水素製品の小型軽量・高信頼性といった強みを生かし、今回、水素エンジン車向け高圧水素製品の開発に着手したもの。

 燃料電池自動車では燃料電池内で水素と酸素を化学反応させて発電し、得られた電気でモーターを回転させて走行するのに対し、水素エンジン車は、ガソリンの代わりに水素をエンジンで燃やし、水素の爆発によって得られるエネルギーを利用して駆動力を得る。化石燃料と比較して、水素には燃焼すると空気中の酸素と反応して水になるという性質があり、走行時にはほとんどCO₂を排出せず、また資源の枯渇の心配がないという特長がある。

 ジェイテクトが手掛ける高圧水素用供給バルブと減圧弁は、水素燃料電池自動車の高圧水素貯蔵システムにすでに搭載されており、高圧水素システムの肝である基盤技術と言える。今回開発した水素エンジン車向け高圧水素減圧弁は、バルブから供給された高圧水素をエンジンで必要な圧力に調整(減圧)する製品。燃料電池自動車向け第2世代高圧水素減圧弁のコア技術を生かし、エンジンが必要とする圧力の水素を供給することができる。

水素エンジン車の概略 高圧水素供給バルブ及び高圧水素減圧弁の搭載箇所

 

 ジェイテクトでは、カーボンニュートラル達成の一つの大きな手段である水素社会実現に向けて、モビリティ領域のみならずさまざまな産業領域で水素エンジンの普及に貢献するため、高圧水素製品の開発を推進していく、としている。

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東京理科大学・佐々木研究室、第19回トライボサロンをハイブリッド開催

7ヶ月 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第19回トライボサロンをハイブリッド開催kat 2024年04日20日(土) in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第19回目が4月20日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす


 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催しされている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第19回目となる今回のトライボサロンでは、「トライボロジーの基礎講座―摩擦・潤滑の基礎から最新成果・展望まで―」のタイトルで、青山学院大学 松川 宏氏を講師に話題提供が行われた。

 講演では、摩擦の法則がスケールに依存することを解説。原子スケールではアモントンの法則が一般的には成り立たない。メゾスケールではアモントン則が成立。表面の高さ分布・極率分布が大きな役割を果たす。マクロスケールではアモントン則は成立せず、「避けられない応力の不均一性から生じる前駆滑りが大きな役割を担う」という新しい摩擦の法則が成り立つとして、原子スケールと巨視的スケールの摩擦現象をつなぐことに成功した、と総括した。

 なお、トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://tribo-science.com/salon
 

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イグス、スカラロボット専用のクリーンルーム向けエネルギー供給システムを新発売

7ヶ月 ago
イグス、スカラロボット専用のクリーンルーム向けエネルギー供給システムを新発売kat 2024年04日19日(金) in in

 イグスは、クリーンルーム向けの製品として、ISOクラス2に準拠するスカラロボット専用の新しいエネルギー供給システム「スカラケーブルソリューション(SCS)」を発売する。同社の高機能プラスチックを使用することで、高速動作する際の粒子の発生が極めて少なく、半導体など精密機器を製造するクリーンルームでの使用に適している。

 電子部品や半導体、ディスプレイを製造するような環境では、機械が動作する際の摩耗から生まれる微細な粒子が製品破損の原因になり得る。特にスカラロボットを使用する場合は、4軸でサイクルタイムが1秒以下の高速作業を行うため、材質に応力がかかり粒子のはく離が起きやすくなる。そのため同社では、スカラロボットに取り付けるケーブルやホースをガイドするエネルギー供給システムとして、クリーンルーム専用タイプのSCSを追加した。

 SCSの核となる製品はe-skin softというモジュラー式のエナジーチェーン(ケーブル保護管)。ロボットの垂直アームからエンドエフェクターまで、ケーブルとホースを円弧状にガイドする。耐摩耗性に優れた高機能プラスチック素材と、上下に分離可能で密閉状態の防塵チューブを形成するコルゲートチューブ形状が、ケーブルやホースの粒子を内部から出さない仕組みを実現している。

 動作中に空気中で検出される粒子は1m3に最大100個(大きさ0.1μmの粒子)というレベルで、SCSはドイツのフラウンホーファー研究機構においてISOクラス2準拠の認証を受けている。

スカラケーブルソリューション(SCS):e-skin soft + 移動端(ボールねじ接続部)+ 固定端で構成

 

 同社は、従来スカラロボットに使用されてきたコルゲートチューブに代わるソリューションとして、SCSを提供する。コルゲートチューブと比較した場合のSCSの主要な利点として以下2点が挙げられる。

・ホースのねじれが発生しにくい:コルゲートチューブは細く剛性に欠くため、ねじれが発生しやすく、ねじれを吸収するベアリングもないことから、チューブの寿命が短くなるケースがある。SCSではケーブルに対する応力を軽減し、耐久性を高めるために、e-skin softの移動端と固定端の接続部に旋回型のベアリングを設置している。ベアリングが回転することにより最短の長さでe-skin softを設置でき、激しく動作する作業には最適。このベアリングもまた、激しい動作の中でも粒子がほとんど発生しないように設計されている

・ホースの開閉が容易でケーブルの挿入が簡便:e-skin softはジッパーの原理を利用しているため、ケーブルやホースの出し入れが容易。コルゲートチューブと比べてケーブルの挿入が素早く行える

 要望により、イグスのチェーンフレックス(ケーブル)をSCSに内蔵し、すぐに接続できるレディーチェーンの状態で提供することも可能。SCSには、イグスのIPAクラス1で柔軟性の高いケーブルが900本以上利用できる。

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BASF、中国・湛江の統合生産拠点でメチルグリコール工場の建設を開始

7ヶ月 ago
BASF、中国・湛江の統合生産拠点でメチルグリコール工場の建設を開始kat 2024年04日15日(月) in

 BASFは、中国の広東省湛江市のフェアブント拠点(統合生産拠点)でメチルグリコール(MG)工場の建設を開始した。この新設工場は年間4万6000tの生産能力を持ち、同地域において急増するブレーキ液の需要を満たすことを目的としている。同工場は2025年末に稼働を開始する予定。

 BASF アジア太平洋地域、石油化学品事業本部のシニアバイスプレジデントであるビア・ダーバー・メータ氏は本件に関して、「新しい工場設備は急成長しているブレーキ液市場にサービスを提供する、中国で唯一の完全川上統合型メチルグリコール工場になります。BASF独自のプロセス技術を活用して、下流ビジネスと顧客のニーズに対応する、信頼性が高く競争力のある、高品質な製品を提供していく」と述べる。

 また、BASF アジア太平洋地域、燃料管理・潤滑剤ソリューション事業部およびグレーターチャイナのパフォーマンスケミカルズのバイスプレジデントであるマティアス・ラングは、「自動車用ブレーキ液業界の強力なプレイヤーとして、BASFはブレーキ液業界の価値あるパートナーに高性能製品と卓越したサービスを提供するという評判を築いた。この生産能力の拡張は、特に品質の高い製品への需要が絶えず増加している中国をはじめ、アジアの新興自動車産業への私たちのコミットメントを示している」と語る。

 メチルトリグリコール(MTG)は、自動車産業で使用される現代のブレーキ液の主要原料。新しいメチルグリコール工場では、メタノールと精製エチレンオキサイド(PEO)からメチルジグリコール(MDG)、メチルトリグリコール、メチルテトラグリコール(MTEG)を生産する。

メチルグリコール工場の建設に関わる式典のようす

 

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Rtec-Instruments、インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機を開発

7ヶ月 1週 ago
Rtec-Instruments、インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機を開発kat 2024年04日09日(火) in

 Rtec-Instrumentsは、“ユーザーのやりたいことを実現する製品を一緒に作っていく”マーケットインの思想から、主力の多機能トライボメータ(摩擦摩耗試験機)に加えて、3Dプロファイラ(表面形状測定機)、スクラッチ試験機、インデンテーション試験機、二円筒/三円筒試験機と、製品ポートフォリオを急速に拡充してきている。

 同社が今回、世界に先駆けて転がり疲労摩耗試験中の表面をその場観察できる「インライン3Dプロファイラ搭載型二円筒転がり疲労摩耗試験機」を開発したので、日本法人社長の國井卓人氏とアプリケーション&セールス マネージャーの兒島正宜氏に話を聞いた。
 

開発したインライン3Dプロファイラ搭載型二円筒転がり疲労摩耗試験機」を挟んで、
國井氏(写真左)と兒島氏(写真右)

 

二円筒転がり疲労摩耗試験機

 二円筒転がり疲労摩耗試験機「TwinRoller3000」は、転がりと滑りの自由な組み合わせのもとで二つのローラー試験片が転がり接触することによって(図1)、トラクション、摩耗、転がり接触疲労の試験が行える。

 それぞれが独立制御された二つの480V駆動高トルクサーボモータ(最大トルク50Nm)が搭載され、ローラー試験片の回転方向(正逆転)と回転数(最大6000rpm、φ60mm試験片使用時の回転速度は18m/s相当、標準仕様は最大3200rpm)を制御、それぞれのモーター速度の範囲内で滑り率(SRR)を自在に設定(転がり0%~、滑り率0~±200%以上)でき、ダイナミックインライントルクセンサーがローラー試験片にかかるトルクを測定する。また、エレクトロサーボドライブ(サーボモータ+スプリングブラケット)を使用して荷重を最大8000Nまで制御し負荷できる。

 試験はドライ環境と潤滑油使用環境(グリース塗布)に対応。潤滑剤は滴下および循環環境での試験となる。完全に自動化されたテストプログラムと高精度な制御により、高い再現性と正確な測定を実現できる。

 これまで困難とされていた回転2軸のアライメント調整をユーザー側で容易に行うことができる革新的な設計によって、さまざまな試験片サイズや形状に対して適切な接触をさせることができる。ローラー試験片のサイズは、径φ30~60mm、厚み5~30mmにフレキシブルに変更できる他、接触面に曲率を持つ試験片による点接触の試験も可能である(図2)。

 自己整合インライン高解像度トルクセンサーによって表面のダイナミクスをリアルタイムで定量化できるほか、日本法人独自の設計による安全対策としてピッチング発生時には振動を検出して試験を安全に停止できるセンサーを追加した。

 また、オプションでアコースティックエミッション(AE)センサーや電気接触抵抗(ECR)センサーなど、さまざまなインラインモニタリングセンサーに対応、リアルタイムでさまざまな表面ダイナミクスを定量化できる。

 図3は、TwinRoller3000を用いて、転がり接触疲労の設定で、コーティングなし/コーティングありの各サンプルの摩擦試験を実施した結果を示す。未処理のサンプル(上の曲線)に比べ、同じ材料に溶射被膜を施したサンプル(下の曲線)において、転がり接触疲労(RCF)寿命の改善が確認できる。
 

図1 二つのローラー試験片が転がり接触するようす

 

図2 フレキシブルに変更できるローラー試験片サイズ

 

条件:荷重500N、SRR 0~0.6、温度70°C
図3  TwinRoller3000を用いた転がり接触疲労試験の結果

 

インライン3Dプロファイラ

 「インライン3DプロファイラLAMBDA」は、共焦点顕微鏡と白色光干渉計を同じ筐体に配置しワンクリックで切り替えることが可能で、摩耗痕やスクラッチ、圧痕といった試験後の表面を高解像度で画像化するように最適化されている。以下の四つの光学技術を一つのヘッドに組み合わせたことによって、透明、ガラス、鏡、粗い、滑らか、急勾配など、コーティング表面を含むあらゆる試料表面を高いZおよびX&Y解像度で簡単に測定できる。

・白色光干渉計モード:平らな面の、特にZ方向(深さ方向)で高解像度画像を取得

・スピニングディスク共焦点レーザー顕微鏡モード:急な斜面、透明、暗い、または粗い表面を高速でスキャンできる万能型3Dプロファイリング

・暗視野モード:顕著なコントラストで表面の亀裂を検出

・明視野モード:高解像度とリアルカラーの2Dプロファイルを取得

 

インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機

 Rtec-Instrumentsは、上述の二円筒転がり疲労摩耗試験機TwinRoller3000とインライン3DプロファイラLAMBDAを組み合わせたシステム(図4)の開発に、世界で初めて成功した。

 3DプロファイラはX、Y直交2軸のピラー型サーボドライブで駆動することで、毎回正確な位置での表面形状測定が可能で、試験後速やかに、試験片の表面をイメージングできる(図5)。取得した画像は標準搭載のソフトウェアにより平面化、二値化、面粗さ出しなど表面疲労摩耗マイクロピッチングの画像解析(図6)が可能である。

 試験の仕様はTwinRoller3000の一部を国内でアップグレードし、最大荷重:8000N、最大回転数:6000rpm(φ60mm試験片使用時の回転速度は18m/s相当、標準仕様は最大3200rpm)、SRR:±200%以上、試験油温度:~160℃、試験片サイズ:可変(φ30~60mm、厚み5~30mm、接触面に曲率を持つ試験片による点接触の試験も可能)で、オプションでオイル循環、予備加熱システム、AEセンサー、ECRセンサーが付加できる。国内追加安全設計(フルカバーアルミフレーム、ドアセンサー、漏液センサー、振動センサーほか)も提供している。

 開発したシステムが高面圧、高トルク、高速での試験評価が可能なことから、同社では重機や建機などを中心に適用を進めるほか、さまざまな波形のAC/DC、電流/電圧を印加できる「電化試験モデル」へのアップグレード可能なことから、電気自動車(EV)モーターの高速回転化対応ベアリングやギヤ、ボールジョイントなどの用途も想定している。
 

図4 インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機:二円筒転がり疲労摩耗試験機TwinRoller3000のベースに、X、Y直交2軸のピラー型サーボドライブで位置決めできるインライン3DプロファイラLAMBDAを搭載

 
 

図5 インライン3DプロファイラRAMBDAによる試験後の試験片表面のイメージング

 

図6 マイクロピッチングの画像解析

 

電化試験モデル

「電化試験モデル(Eモジュール)」は、TwinRoller3000など既存の試験方式・摺動形態を模擬しながら、装置のスリップリングを用いてさまざまな波形のAC/DC、電流/電圧を印加することで、ベアリングなどの電食反応や、試験片間に生じるインピーダンス(AC)、電気接触抵抗(DC)、比誘電率(εr)、誘電正接(tan δ)といった、多種多様なパラメーター測定により、電気化学的にトライボロジー特性を評価することが可能となっている。

kat

日本ベアリング、新社長に福永暢彦氏

7ヶ月 1週 ago
日本ベアリング、新社長に福永暢彦氏kat 2024年04日08日(月) in

 日本ベアリングでは、4月1日付けで代表取締役副社長の福永暢彦氏が代表取締役社長に就任した。山﨑 亨代表取締役社長は代表取締役会長に就任する。交代理由は、構造改革の一層の推進を図るため。

福永 暢彦(ふくなが・のぶひこ)氏
1968年10月11日滋賀県生まれ、55歳。
神戸大学経営学部を卒業後、1992年4月日本生命入社。
2005年10月業務改革コンサルティング入社。
2011年1月企業再生支援機構入社(支援先企業の藤庄印刷に構造改革責任者:CROとして出向)。
2013年4月経営共創基盤入社。2013年6月木村屋総本店に出向、同年10月代表取締役副社長に就任、2017年4月経営共創基盤から木村屋総本店に転籍、2019年2月木村屋総本店代表取締役を退任。
同年8月中井工業に入社、同年11月中井工業代表取締役社長に就任、2022年3月代表取締役社長を退任。
2022年6月日本ベアリング代表取締役副社長に就任、2024年4月日本ベアリング代表取締役社長に就任。

kat

イグス、廃プラスチック製のサステナブルな自転車の初号機100台を生産開始

7ヶ月 3週 ago
イグス、廃プラスチック製のサステナブルな自転車の初号機100台を生産開始kat 2024年03日29日(金) in

 イグスは、オランダの開発パートナー・MTRLと共同で、一般顧客向けのプラスチック製自転車「igus:bike(イグスバイク)」の初号機100台の生産を開始した。また、今後igus:bikeの生産能力を2年間で1万台に引き上げるべく、ドイツ・ケルンで生産工場の建設にかかっている。

igus:bike

 

 igus:bikeは、イグスとオランダのMTRLが開発する、廃プラスチック材を使用したサステナブルな自転車。プラスチック製の自転車は、長持ちすると同時に潤滑剤を使うメンテナンスが不要で、屋外使用での腐食や汚れに強い耐性を発揮する。

 長い開発期間の中で、igus:bikeは試作段階で金属だった部品(シートポストやブレーキバーなど)をプラスチックで製造し、現行版では全体の92%がプラスチック製となっている。初号機の重量は約17㎏、価格は約1200ユーロ(現時点で日本ではigus:bikeを販売しておらず、発売時期は未定)。

 イグスのフランク・ブラーゼCEOが大量の廃棄プラスチックを使って自転車を製造するサステナブルプロジェクトを立ち上げてから3年半が経過し、イグスでは現在、顧客の手に渡る最初のigus:bike100台の生産を開始している。約1200名分の予約注文があり、本製品の公道走行の許可が得られ次第、順次顧客へ納入する予定。また、予約が入っている顧客の納品待機時間を短縮するために、自社工場に2年間で1万台の自転車の製造を見込む生産ラインを建設しているところだ。

 igus:bike現行版では、以下の機能面も改良されている。
・カーブしやすいよう、ハンドルバーのステアリング角度を拡大
・ペダルを漕がずに車輪が回転できるよう、駆動系にフリーホイールを採用
・無潤滑でよりスムーズに車輪が回転するよう、ホイールハブ部分に耐摩耗性を高めたxiros®(クシロス)製ボールベアリングを採用
・安全に駐輪できるようダブルレッグスタンドを採用

 また、igus:bikeには、シャンプーボトルや漁網など回収された廃棄プラスチックを使用しているが、こうしたリサイクル素材の使用比率を50%まで高めている。イグスでは今後、リサイクル素材の比率を75%に、そして長期的には100%にできるよう、研究開発を続けていく。

 イグスとMTRLの両社は、「リサイクル素材の比率を高めたigus:bikeの普及が、プラスチックの廃棄を循環に転換させる両社のサステナブルビジョン実現への大きな一歩」と考えている。

kat

イグス、Offshore & Port Tech 2024に出展、陸上給電設備向けケーブル管理システムを国内初展示

7ヶ月 3週 ago
イグス、Offshore & Port Tech 2024に出展、陸上給電設備向けケーブル管理システムを国内初展示kat 2024年03日26日(火) in

 イグスは4月10日~12日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「Offshore & Port Tech 2024 in Sea Japan 」に出展、日本初の陸上給電設備を有する川崎港で採用されたケーブル管理システムなどの製品実物を展示し、海外15以上の港における事例を紹介する。

 会期中の11日には、イグスの港湾事業責任者である山下茂樹氏が陸上給電関係者向けのセミナーで「陸上給電における船舶への接続機器とソリューションの紹介」と題して講演し、世界の陸上給電をリードするイグスの先進事例や、日本の港で陸上給電を導入する際の検討事項、障壁と解決策について説明するほか、イグスの国内カーボンニュートラルポート(CNP)事業参入の展望や目指す立ち位置についても話をする。

 「2050年カーボンニュートラル」などの政府目標のもと、日本の産業や港湾の競争力強化と脱炭素社会の実現に貢献するため、国土交通省は近年、国内のCNP形成を推進している。CNPとは、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化やクリーンエネルギー受入環境の整備などを図る港を指す。CNP形成の一つの柱として注目されるのが、停泊中の船舶に陸上の電力を供給する「陸上給電」で、停泊中の船舶から発生するCO₂排出量は、港湾区域・臨港地区におけるCO₂排出量の約3割とも言われ、供給方法を従来のディーゼルエンジンから陸上電源供給に置き換えることで、CO₂排出量の高い削減効果が期待されている。しかしながら、世界的に陸上電力供給への転換が進んでいる一方で、日本国内ではまだ転換事例が多くない。

 イグスは、陸上給電設備に欠かせないケーブル管理システムを提供し、2016年以降ノルウェーやバーレーン、ドイツなど海外の15以上の港に導入されるなど、世界トップクラスの実績を有している。電力と船をつなぐための豊富なノウハウと樹脂部品メーカーとしての強みを生かしたケーブル管理システムの性能が評価され、2022年4月に日本初の陸上給電設備が誕生した川崎港でも、電源盤から船までをつなげるケーブル管理システム(ケーブルおよびケーブル保護管、コネクタ)にイグス製品が採用された。EVタンカーに高速充電するための陸上給電設備(EV船用給電ステーション)としては世界初で、川崎市は1隻あたり年間約365tのCO₂(一般家庭約250世帯分の年間消費電力量相当)削減が可能になると試算している。

 

 「Offshore & Port Tech 2024」におけるイグスの出展内容は以下のとおり。

①世界の港の陸上給電設備を支えるケーブル管理システムを国内初展示:海上に停泊する船に陸上から給電するためのケーブルマネジメントシステム(CMS)をはじめとした製品実物を国内で初めて展示

②陸上給電の先進事例や障壁、解決策についてイグス港湾事業責任者が講演

kat

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2024年3月号「特集:自動車のトライボロジー」「キーテク特集:グリース」発行!

7ヶ月 4週 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2024年3月号「特集:自動車のトライボロジー」「キーテク特集:グリース」発行!admin 2024年03日22日(金) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第47号となる2024年3月号が3月25日に小社より発行される。

 今号は「特集:自動車のトライボロジー」、「キーテク特集:グリース」で構成。特集「自動車のトライボロジー」では、カーボンニュートラル社会に向けた自動車のトライボロジー研究開発の取り組みから、多様化するEV研究開発の取り組み、FCVを含む水素環境への取り組みなどについて紹介する。

 また、キーテク特集「グリース」においては、日本トライボロジー学会グリース研究会設立50周年祝賀会の模様や、カルシウムスルフォネート複合グリースの特長と適用について紹介する。

 

自動車のトライボロジー

◇エンジンのトライボロジー技術の経験と産学連携支援による技術進化の期待・・・トヨタ自動車 菊池 隆司

◇第4回 産×学連携講座に見るEVの今後・・・TRAMI、東京理科大学トライボロジーセンター

◇燃料電池車など水素関連を中心としたドライコーティング技術の適用・・・HEF DURFERRIT JAPAN ジュリアン グリモ 氏に聞く

キーテク特集:グリース

◇設立50周年祝賀会を開催・・・日本トライボロジー学会 グリース研究会

◇カルシウムスルフォネート複合グリースの特長と適用・・・ニッペコ 西村 寛 氏に聞く

連載

注目技術:第41回 粉体の摩擦特性/強度の試験評価技術・・・島貿易/ハイテクノライズ

あるコスモポリタンの区区之心 第17回 参政党の勉強会における講演・・・紺野 大介

トピックス

JAST、テクスチャリング表面のトライボロジー研究会など4研究会が合同開催

振動摩擦摩耗試験機SRVのユーザーズミーティングが開催、SRVによる新試験手法などを紹介

トライボコーティング技術研究会、第16回岩木賞贈呈式、第26回シンポジウムを開催

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ハイウィングループ、国際的な環境イベント「アースアワー2024」に参加

8ヶ月 ago
ハイウィングループ、国際的な環境イベント「アースアワー2024」に参加kat 2024年03日19日(火) in

 日本法人を含むハイウィングループは日本時間の3月25日20:30~21:30に、社会貢献活動の一環として国際的な環境イベント「アースアワー2024(EARTH HOUR 2024)」に参加する。

 このイベントは、世界中の人々が同じ日、同じ時刻に消灯することで気候変動と生物多様性保全への意思を示すイベントで、190 以上の国と地域が参加する最大級の環境アクションで、日本法人では2022年から3年連続で参加している。この取り組みは日本を含む世界17カ所のハイウィングループの拠点および工場でも行われ、消灯による二酸化炭素排出量の削減効果も試算し、グループ全体として気候変動という課題に向き合い、持続可能な環境を維持する姿勢を示すもの。

神戸本社敷地内にて消灯する主な箇所

 

 日本法人では、神戸本社や神戸物流センターの敷地内照明を消灯する予定で、従業員に対し、自宅の照明を消して過ごすなど、積極的な参加について社内報などを通じて呼びかける。消灯して映画を鑑賞する、星空を眺めたり写真を撮り自然の良さを再発見する、徒歩や自転車で出かける、キャンドルの灯りで過ごす、日の入りとともに就寝するといった、アースアワーの過ごし方について従業員に対し提案していく。

 ハイウィンではグループを挙げてESG取組みを推進しており、日本法人の事業活動においてもCO2排出量削減の取り組みを進めている。また幅広いラインアップを有する同社製品による油空圧機器からの電動化の推進など、ユーザーの事業における環境負荷低減をサポートすることも、環境活動の一つとして掲げている。

 ハイウィンでは、「今後も世界における産業の進化や省エネを推進する製品やサービスを継続的に開発・製造し、次世代ものづくりを支える企業として産業発展に貢献していく」とコメントしている。

kat

ユニバーサルロボット、THKのならいハンドをUR+製品として認証

8ヶ月 ago
ユニバーサルロボット、THKのならいハンドをUR+製品として認証kat 2024年03日18日(月) in in

 ユニバーサルロボット(UR)は、複雑な形状のワークを把持するのに最適なTHK製のならいハンド「TNH」を、ユニバーサルロボット製協働ロボット(URロボット)の周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証した。

新UR+製品 THK製のならい吸着ハンド(左)と、ならいグリップハンド(右)

 

 THKのならいハンドシリーズ「TNH」は、さまざまなワークの凹凸に合わせて12本のシャフトをならわせてロックする「ならい機構」を採用したロボットハンド。12個の吸着パッドと内蔵した絞り弁でワークを吸着する「ならい吸着ハンド」と、ワークの把持力を容易に制御可能な「ならいグリップハンド」の2種類がこのほど、UR+製品として認証された。複雑な形状のワークを把持するのに最適で、形状の異なる複数のワークを1台のハンドで扱えるため、段取り替えの手間を軽減する。

 URロボットに接続された周辺機器を操作・設定するプラグインソフトである「URCap」に対応しているため、ロボットとハンドの通信はもちろん、吸着ハンドの場合は吸着ON/OFFやシャフトロックの制御を、グリップハンドの場合は開閉指示や把持力の制御を、URロボットのティーチペンダントから行うことができる。

 UR+は、URロボットとプラグ&プレイで使える周辺機器のプラットフォーム。ロボットアームの仕様やインターフェースをオープンにし、それらに準拠するエンドエフェクタ、カメラ、センサなどの周辺機器をデベロッパが開発するもので、URによる検証、認証を経てデベロッパがUR+製品として販売する。UR+製品は、URロボットのティーチペンダントを通して設定できるため、ユーザーやシステムインテグレーター(SIer)がロボットのシステムインテグレーションの構築にかかる時間や費用を削減できる。2023年12月時点で470以上の製品がUR+製品として認証されている。

 新UR+製品であるTHK製ならいハンドシリーズ「TNH」の主な仕様は以下のとおり。

・ならい吸着ハンド
可搬重量 1.0kg、質量 0.5kg、寸法 W:83mm × D:106.5mm × H:173mm
詳細:http://urrobots.com/in5

・ならいグリップハンド
可搬重量 1.0kg、質量 1.2kg、寸法 W:220mm × D:58mm × H:138mm
詳細:http://urrobots.com/in6

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THK、転動部にホイールを採用したユーティリティスライドの受注を開始

8ヶ月 ago
THK、転動部にホイールを採用したユーティリティスライドの受注を開始kat 2024年03日15日(金) in

 THKは、 転動部にホイールを採用しスムーズなスライド機構を実現する、鉄道業界、物流業界向けのユーティリティスライド「Advanced Wheel Guide」の受注を開始する。

Advanced Wheel Guide

 

 Advanced Wheel Guideは、アウタメンバと、ホイールを装着したキャリッジで構成されるユーティリティスライド。

 THKが これまで 直動転がり案内「LMガイド」で培ってきた調心機能を有することで、ラフな取り付けでも誤差を吸収して長期間安定したスムーズな案内を実現する。

 また、独自開発したスクレーパによって防塵性に優れ、悪環境でも使用することが可能。

 従来のスライドレールは、医療機器や各種事務機器などのスライド部に幅広く利用されてきたが、Advanced Wheel Guideは鉄道業界や物流業界をターゲットとし、 鉄道車両用ドアや物流現場における自動倉庫ラック、 工作機械の扉開閉部などへの需要が見込まれている。

Advanced Wheel Guideの使用例

 

 Advanced Wheel Guideの特長は以下のとおり。

・スムーズなスライド機構:アウタメンバとホイールが2点で接触するサーキュラーアーク構造を採用することで調心機能を有し、取付面の精度が低い場合でもスムーズなスライドが可能

アウタメンバとホイールが2点で接触する
サーキュラーアーク構造

 

・優れた防塵性:キャリッジ端面に独自開発したスクレーパを取り付けることで、転動面に対して長期間接触状態を維持でき、スライドレールに比べて防塵性に優れる

・環境に配慮した潤滑システム:独自開発したグリースタンク構造によりグリースを転動面に適切な量を塗布できるため、余分なグリース排出を低減し、周囲を汚さない環境に配慮した潤滑システムを実現

kat

木村洋行、アプリケーション指向の電動アクチュエータを用いた自動化・電動化を提案

8ヶ月 ago
木村洋行、アプリケーション指向の電動アクチュエータを用いた自動化・電動化を提案 in kat 2024年03日15日(金) in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)は2020年1月から、スウェーデンに本社を置くEWELLIX(エバリックス)の直動製品の取扱いを開始した。エバリックスは、スイス、スウェーデン、ドイツ、フランス、アメリカ、中国に生産拠点を有し、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評があり、自動機など一般産業機器向けのほか、高度な安全性が求められる医療機器向けや協働ロボット向けでも実績が多い。

 エバリックスは2023年1月からはSchaeffler(シェフラー)の傘下として、かねてから進めてきたセンサやコントローラー関連の研究開発を加速させている。

 今回同社に、エバリックスの直動製品の独自性を生かした、電動化・自動化支援について話を聞いた。

直動製品のラインナップと独自技術 動作範囲を拡張できるピラー型/シリンダ型電動アクチュエータ

 エバリックスの直動製品としては特に、設置面積を小さく抑えられコンパクトな昇降が可能なピラー型電動アクチュエータ(図1)に特徴がある。ストローク量や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、低騒音で堅牢であり、高荷重に対応できるため、厳しい仕様条件のニーズにも対応できる。電圧は120V ACおよび24V DCに対応、最大定格荷重(押し/引き)はシリーズによって最大6000N、ストロークは700mm以上、動作速度も無負荷時で最速42mm/秒かつ最大負荷時で最速31mm/秒を実現している。

図1 ピラー型アクチュエータ

 

 また、シリンダ型電動アクチュエータは最大定格荷重500kN、最速1050mm/sの動作速度や最大ストローク2000mmを実現するモデルもあり、高いデューティサイクルにも対応できる。

 

高荷重支持、長寿命、高剛性のローラースクリュー

 高効率、高精度、高耐久性を兼ね備えたローラースクリューにも特徴がある(図2)。ボールを転動体とするボールねじが点接触で運動するのに対し、ローラーを転動体とするローラースクリューは面接触で運動するため、ボールねじに比べ①高荷重の支持、②長寿命、③高剛性、といった特長を持つ。

 図2 ローラースクリュー

 

 図3(a)に、𝐿10寿命計算に使われる基本動定格荷重(一群の同じ製品を運転した時に、その内の 90%がはく離を起こさずに回転できる寿命が100万回転になるような軸方向荷重、Ca)の比較を示す。図3(a)からは例えば同じ軸径φ32で、高負荷容量ボールねじの基本動定格荷重が100kN程度なのに対して、エバリックスのローラースクリューの基本動定格荷重は130kN程度と、より大きな荷重が受けられることが分かる。

 このことから図3(b)に示すとおり、同じ基本動定格荷重でみると、高負荷容量ボールねじに比べエバリックスのローラースクリューは、ナットの長さを約3〜4割短縮できる。これは、ナットのダウンサイジングによる省スペース化が図れ、装置をコンパクト化できることを意味する。

 また、ボールねじなどの軸方向荷重としては一般的に、メーカーは基本動定格荷重の30%以下で使用することを推奨している。この値が許容荷重で、図3(c)は、エバリックスのローラースクリューが面接触により面圧を分散できるため、同じ軸径で比較すると、高負荷容量ボールねじの約3.3倍の許容荷重を有すること、つまり、はるかに高い耐荷重能力を持つことを示している。

 こうしたことからローラースクリューでは、同等の基本動定格荷重であればボールねじに比べ軸径の小さな製品にダウンサイジングでき、重量を大幅に軽くすることで、遠心力も大幅に小さくできる。 
 

図3 エバリックス ローラースクリュー vs. 重荷重用ボールねじ(リード10mmで比較)  ローラースクリューを用いた高性能電動アクチュエータ

 エバリックスではまた、このローラースクリューを用いた高荷重支持、長寿命、高剛性の特長を持つ電動アクチュエータを、「ハイパフォーマンス・アクチュエータ」としてラインナップしている。ハイパフォーマンス・アクチュエータについては、以下に適用例をまじえて紹介する。
 

電動アクチュエータを活用した自動化・電動化支援の取り組み 協働ロボットの作業範囲の拡張

 生産現場で適用の進む6軸協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを6軸協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボットの第7軸として、垂直方向に動作させることで作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~1400mmであり、ロボットの基台としてLIFTKITを使用することにより設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲を立体的に拡大できると言える。

 またLIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレイスなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT」も提案している。SLIDEKITの水平方向のスライド長は100~3000mmとなっている。長い同一の生産ライン上にある、複数のセル生産装置の間でのワークの受け渡しや複数の加工工具の段取り替えといった作業の効率を高めることで、加工の生産性を向上できる。

 ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能で、その場合協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる(図4)。

図4 6軸協働ロボットとLIFTKIT・SLIDEKIT組み合わせでのパレタイジングのデモ​​​​
(2023国際ロボット展での例)

 

 SLIDEKITおよびLIFTKITは当初、ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、その後多くの企業の協働ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングペンダントによって、協働ロボットとSLIDEKITおよびLIFTKITの動作制御が可能となっている。

 2023年にはファナックの協働ロボットCRXシリーズのプラグイン対応機器(昇降装置)としてLIFTKIT(LIFTKIT-FA、図5)が採用になり、ロボットの昇降範囲を最大で1400mmまで拡大できることや、生産性の向上と労働コスト削減に貢献できること、高い位置精度と安定性を実現できることなどが評価されている。コンパクトサイズで設置スペースを増やさずに6軸協働ロボットの7軸目として機能する作業範囲を拡張できることが評価され、6軸協働ロボットのプラグイン対応機器としてのLIFTKITの採用が進んできている。
  

図5 ファナックの協働ロボットCRXシリーズの昇降装置LIFTKIT-FA

 

農機・建機の電動化支援

 農業機械や建設機械など比較的高推力が必要とされる作業機には、油圧作動油を動力源とする油圧アクチュエータが多用されている。地球環境問題や作業のスマート化などから電動化が求められてきている農機・建機においても、エバリックスでは電動アクチュエータ化を提案している。

 エバリックスはシェフラーグループの一員として万全の開発バックアップ体制のもと、近年進めてきたセンサやコントローラーの研究開発が加速してきており、伝送速度が速く拡張性の高いコントローラー・エリア・ネットワーク(CAN)バス通信規格に対応しつつ、野外で使用できる保護等級IP69K/66Mに対応した防水・防塵仕様のスマート電動アクチュエータ「CAHB-2xS(2xSのラインナップ:20S、21S、22S)」(図6)を開発している。

 農機・建機の油圧アクチュエータを高速でスムーズな動作が可能な電動アクチュエータへと置き替えることによって、素早く滑らかな動作を実現できるため、より高い生産性を実現できる。高荷重条件で使われ近年IoT化の進む建設機械の荷台駆動などにおいて、素早く角度を変えるといった適用も始まってきている。

 木村洋行では、必要とされるエネルギーを大幅に削減できるほか、油圧作動油の管理といったメンテナンスコストが削減できるなど、生産コストの低減と生産効率の向上に寄与できることを訴求しつつ、日本国内の農機・建機メーカーにも提案を進めていきたい。
 

図6  CAHB-2xS

 

ハイパフォーマンス・アクチュエータによる電動化・自動化支援

 ローラースクリューを使用した電動アクチュエータ「ハイパフォーマンス・アクチュエータ」はローラースクリューの特長である①高荷重の支持、②長寿命、③高剛性、を実現できる。特に82kNまでの高推力が得られ精密制御が可能な「CASM-100」(図7)は、建設機械向けなどで適用実績がある。建機向けアプリケーションの拡大に向け、エバリックスではさらに高荷重対応のアクチュエータの開発を進めている。 

図7  CASM-100

 

 中空シャフトモーターのシャフトにローラースクリューを用いた「CEMC」は、コンパクトで高推力を図りつつ、イナーシャを最小化することによって制御性・応答性が良好で、サイクルタイムを劇的に改善し高い生産性を実現できる。スポット溶接ロボットや樹脂を押し出す射出成形機など、高荷重がかかる用途で多くの実績を持つ。スポット溶接ロボットのうち例えばXタイプガンフレーム(図8)では、溶接するワークを挟む機構として二つのガンアームを最大ストローク180mmで駆動させ、スポット溶接ガンの加圧力(~25kN)を保持する。

図8 スポット溶接ロボットⅩタイプガンフレームでのCEMCの適用例

 

 エバリックスの直動製品は医療機器向けの規格IEC 60601-1を取得していることなどから、国内においても手術台の昇降にピラー型アクチュエータが使われるなど医療機器向けの適用も多いが、この用途でのアクチュエータに対する位置決め精度の要求はそう高くなく、FA用途には使えない。

 これに対しピラー型アクチュエータの上位機種である「CPSM」(図9)は、繰返し位置決め精度0.1mmで最大100 mm/sの高速動作、最大推力5kNが可能なため、FA機器の昇降軸や産業用ロボットの昇降軸などで引き合いが増えてきている。

 

図9  CPSM

 

 ボールねじを大径にしないと高推力を発生できず、装置内で大径ボールねじのスペースが確保できないような場合に、ローラースクリューを用いた電動アクチュエータでは、ダウンサイジングによる省スペース化が可能となる。

 

今後の展開

 ものづくり現場での自動化・電動化が進展し効率向上からメンテナンス期間延長などが求められる中で、耐久性が高く装置の省スペース設計が可能なエバリックスの電動アクチュエータの採用が進んできており、高い負荷容量、長寿命化を実現しつつ、サイズダウン化でき軽量化が図れることからは、装置の消費電力の低減、ひいてはCO2削減にも寄与できる。

 木村洋行は技術商社として、エバリックスなどメーカーとの情報交換を密に行い、製品・技術・アプリケーション情報のアップデートを常に図っている。製品・技術・アプリケーションに関する知見とノウハウを蓄積しつつ、ユーザーとの対話の中でニーズを的確にとらえることで、さまざまな用途に合わせてカスタマイズが可能なエバリックス製直動案内製品の特質を生かした、ユーザーの仕様に最適なソリューションを提供していく。

 同社ではまた、従来から実施している「機械を正常に稼働させるための総合的な技術的サポート」についても、引き続き注力していく。

kat
Checked
9 分 42 秒 ago
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