ダイヤモンドライクカーボン(DLC:diamond‐like carbon) は、バイト、ドリルなど加工用工具、塑性加工用金型や摺動部材など機械構造用部材の耐摩耗、低摩擦材料として広く使用されてきている。また、生体適合性による医療用部材やガスバリヤー性を利用したPETボトルの内面被膜など適応範囲の拡大もなされている。その一方で、現在DLC膜と言われるアモルファス炭素膜中のダイヤモンド結合成分は20~90%と幅広い上、水素を0~50atm%含むため、その物性が千差万別で、新しい用途に適用する際の判断基準がユーザーに少ないという問題から、DLCを材料として定義し明確に分類・標準化する動きも進んでいる。
本コーナーでは、受託加工メーカーやユーザーが適切にDLCの活用をするために、これまで本サイト(または隔月誌メカニカル・サーフェス・テック)で掲載したDLCの規格・標準化にかかわる記事を紹介する。
NDF、DLC国際標準化の最新動向を解説するセミナーを開催
2016年3月18日 (金曜日)NDF、第2回DLC標準化特別委員会開催、来年度にDLC工業会設立へ
2015年6月12日 (金曜日) (一社)ニューダイヤモンドフォーラム(NDF)は6月4日、東京都千代田区五番町の日本大学桜門会館で、「平成27年度第2回DLC標準化特別委員会(中森秀樹委員長)」を開催した。国際標準化におけるDLCの分類とその特徴、応用
2015年1月5日 (月曜日)日本アイ・ティ・エフ㈱ 取締役 辻岡 正憲 DLC(ダイヤモンドライクカーボン)は、低摩擦、耐摩耗性、耐焼付き性、耐食性、ガスバリア性、赤外透過性、生体適合性という様々な特徴を有しており、非常に注目を集めている表面処理技術である。特に最近では、低摩擦による省エネ化、部品の延命による省資源化、潤滑油レスや有害物質を排出しないことによる汚染防止等、地球環境対策の表面処理として注目されており、自動車部品や機械部品などの摺動部の表面処理、工具や金型の表面処理としての適用が急速に広がりつつある1)-5)。
全国の公設試がDLCコーティング膜のラウンドロビンテストを実施
2013年8月23日 (金曜日)DLCにおける規格・標準化の現状と実用の展望
2013年4月29日 (月曜日)長岡技術科学大学 副学長 物質材料系 教授 斎藤 秀俊 わが国において、ダイヤモンドライクカーボン(DLC) の国際標準規格制定の機運が盛り上がってきているように感じる。6年前の平成19年に、国際標準規格の策定をにらんで実施された、わが国初のDLCラウンドロビンテストをこなしたときには、分類という壮大な作業の方向は間違っていなかったものの、DLCの何を調べるのか、それが工業の何に役に立つのか、真の意味を理解されていないように感じたし、筆者自身も理解しているとは言えない状態であった。
NDF、摩擦摩耗試験規格案がNWIPとしての賛成国基準をクリアしISO/TC107で採択
2013年1月19日 (土曜日)
NDFとナノテック、DLC摩擦摩耗試験法のISO規格案を提案
2012年4月1日 (日曜日) ISO/TC107(金属及び無機質皮膜)本会議が2月28日~3月2日、ドイツ・ベルリン市のドイツ規格協会(DIN)内で開催、国からの委託事業としてDLC標準化を進めるニューダイヤモンドフォーラム(NDF)とナノテックが出席し、ISO規格案の提案や意見交換を行った。
DLCコーティングの標準化で成長戦略の推進を
2011年5月17日 (火曜日) ニューダイヤモンドフォーラムが5月11日、「平成23年定時会員総会」を開催した。同フォーラムは1985年に設立、CVDダイヤモンドを中心とするニューダイヤモンドの技術開発、ならびに新用途分野開発に向けて、産学官の研究者・技術者の情報交換・相互研鑽を通して、ニューダイヤモンドの発展を追求してきた。さらに近年は、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、フラーレン、カーボンナノチューブなどのカーボン系高機能材料技術の実用化推進をめざし、受託調査研究などを実施、わが国産業の発展に寄与することも目的としている。