メインコンテンツに移動

Aggregator

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2021年5月号「特集:風力発電装置」「キーテク特集:潤滑油添加剤」発行!

3年 11ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2021年5月号「特集:風力発電装置」「キーテク特集:潤滑油添加剤」発行! in admin 2021年05日20日(木) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第30号となる2021年5月号が5月25日に小社より発行される。

 今号は、特集「風力発電装置」、キーテク特集「潤滑油添加剤」で構成。

 特集「風力発電装置」では、大型化する風力発電装置のモーション&ベアリング技術やベアリングの状態監視技術、安定操業に寄与する風力発電設備用潤滑油剤の開発動向について紹介する。

 また、キーテク特集「潤滑油添加剤」においては、潤滑油のさらなる長寿命化に貢献する酸化防止剤の技術と、風力発電用ギヤ油の新しいフォーミュレーション技術について紹介する。

特集:風力発電装置

◇大型風車 ~未曾有の巨大回転機械~・・・戸田建設 松信 隆
◇風力発電装置用軸受およびCMSの技術動向・・・NTN 堀 径生、鈴木 克義
◇風力発電設備の寿命延長を目指した潤滑油剤の開発動向・・・出光興産 小別所 匡寛、甲嶋 宏明、横山 翔

キーテク特集:潤滑油添加剤

◇潤滑油のさらなる長寿命化に寄与する新規酸化防止剤・・・BASFジャパン 中川 尚久、柳原 章仁
◇風力発電用ギヤ油の新しいフォーミュレーション技術・・・編集部

連載

注目技術:精密部品に対応する洗浄技術と体制強化・・・フェローテックホールディングス
機械の声を聞く・・・美彫社 齋藤 真也 氏
トップインタビュー・・・滝沢 正明 氏(IHI Hauzer Techno Coating B.V.)
Q&A「軸受管理」の機素知識 第6回 AE診断の活用編④AE計測運用時の注意点・・・エヌエフ回路設計ブロック 佐藤 公治

トピックス

日本トライボロジー学会、2020年度学会賞を発表

雑誌ご購入

定期購読はこちらから
単号のみのご購入はこちらから(外部サイト)

admin

NTN、手首関節モジュールの機能を拡張

3年 11ヶ月 ago
NTN、手首関節モジュールの機能を拡張kat 2021年05日13日(木) in in

 NTNは、手首関節モジュール「i-WRIST®」について、取付け姿勢や安全規格への対応など四つの機能を拡張した新シリーズ「IWSシリーズ」を開発し、販売を開始した。外観検査、グリース塗布、洗浄、組立てなどでの適用を提案し、2023年度に3億円/年の販売を目指す。

手首関節モジュールi-WRIST「IWS シリーズ」

 

 i-WRISTは、独自のリンク機構により手首のようななめらかな動きを特長とし、細かい角度制御を高速で行うことが可能で、その先端部にエンドエフェクタを取り付け、グリース塗布や洗浄、組立てなどの用途に使用できる。これまでに自動車部品などの外観検査用途などで採用されているが、本商品を市場に展開する中で様々な要望があり、今回、機能を拡張したIWS シリーズの開発に至ったもの。

 機能拡張のポイントは以下のとおり。

1.あらゆる取付け姿勢に対応:従来の下向きに加え、上向きや横向き、傾斜姿勢の取付けが可能。たとえば上向き姿勢では、エンドエフェクタを固定してi-WRIST側で軽量なワークの姿勢を制御することで、カメラの振動やぶれなどを抑えられ、より正確な撮像を実現。また、使用用途や設置スペースに合わせた最適な装置構成が可能

設置例

 

2.外部インターフェースの拡張:ユーザー側のコントローラからi-WRISTに指令を送るための外部インターフェースとして、従来のパラレル入出力(I/O)に加えてEthernetにも対応したほか、ワーク位置にわずかなずれが生じた際のi-WRISTの動作調整など、状況に応じて様々な動作設定が可能

3.動作速度の向上:最大動作速度が1.6 倍(従来比)となり、タクトタイムのさらなる短縮に貢献

4.安全規格への対応:産業用ロボットのための安全規格 ISO 10218-1に準拠しているほか、制御モータにブレーキ機能を追加し、停電時などの電源遮断による事故を防止。また、専用コンソールからi-WRISTへの動作指令も安全規格に準拠

 近年、労働人口の減少に伴い、人手に頼ってきた外観検査をはじめとする作業工程の自動化の需要が拡大している中、NTNではi-WRIST「IWS シリーズ」の提供を通じてユーザーの生産現場のロボット化・自動化を後押しすることで、生産性や品質のさらなる向上に寄与していく考えだ。

構成例

 

kat

イグス、「2021 年 マヌス賞」を発表、金賞には高積載重量の運搬車両(ドイツ)

3年 11ヶ月 ago
イグス、「2021 年 マヌス賞」を発表、金賞には高積載重量の運搬車両(ドイツ)kat 2021年05日12日(水) in

 イグスは5月11日、独ケルン本社に設置された「iFデザイン賞」受賞のバーチャル展示ブースをメインステージに、同社の高性能樹脂製ベアリング「イグリデュール」を用いて大きな技術改良や業務改善などを実現した画期的な事例を競うコンテスト「マヌス(manus)賞」の授賞式を実施した。

バーチャル展示ブースでの授賞式のようす

 

 今回で10回目となる2021年マヌス賞には、世界41ヵ国から582件の応募があり金賞にはドイツKässbohrer Geländefahrzeug社の多機能な高重量物運搬車両「PowerBully」が輝き、賞金5,000ユーロを獲得した。

 PowerBullyは、幅広いアプリケーションで適用できる高積載重量のオフロード・キャリア車両で、直伸ブーム先端の作業床に乗った作業者が電力回線・電話回線の敷設や高木の伐採を行うなどマルチな作業に適用できる。ブームと車両の連結部やブームと作業床の連結部など可動部の回転運動・揺動を支えるすべり軸受には高い堅牢性と重荷重に耐える必要があることから、長繊維巻線タイプのイグリデュールTX1すべり軸受が採用されている。重荷重下でも潤滑剤を用いずに適用できるため、土砂やほこりの影響を受けずに長期にわたり作業を続けられることが評価されての受賞となった。

 このほか、技術的かつ経済的に優れ、独創性あふれるアプリケーションとして、以下の2件が選出された。

・銀賞:Forstreich社(ドイツ)の遠隔操作のバッテリー式伐採ウェッジ
Forstreich社では、遠隔操作できるバッテリー駆動の伐採ウェッジ(くさび)を開発。伐採ウェッジの直線運動のためイグリデュール製ドライリンWダブルレールを使用したほか、イグリデュールGシリーズのすべり軸受を使用。ともに粉塵環境に強く無潤滑で使えることから、木の伐採に伴うおがくずや汚れ、砂などの介在下で長年にわたって可動部を支え、安全でメンテナンスフリーの円滑な伐採作業を可能にしていることが評価された。

・銅賞:Arcora社(フランス)の遮光ファサードシステム
形状記憶合金を使用した遮光ファサードシステムでは、太陽光により合金が熱くなると、キャリッジを直進運動させ、このスライドによって遮光スラット(ブラインドを構成する1枚1枚の羽根)を回転させる。この回転運動、直線運動の支持には、イグボール球面ベアリング、イグリデュールJフランジベアリング、ドライリンNシリーズのミニチュアガイドレールなどが採用され、無潤滑で滑らかな可動を可能にしている。

 また、今回より、持続可能なプロジェクトでのポリマーすべり軸受の採用を讃える「グリーンマヌス賞」が設けられ、Finbin社(フィンランド)が開発した、インテリジェントごみ箱が受賞した。太陽光発電によるエネルギーを活用したインテリジェントなごみ箱は廃棄物システムの特許技術により廃棄物を6:1の比率で圧縮するとともに、ごみ管理システムにごみ箱の充填レベルを自動通知する。ごみ箱の部品には耐久性・メンテナンスフリー性が要求されたため、可動部にはトライボポリマーであるイグリデュールG製すべり軸受が採用、ベアリングが無潤滑で動作し、汚れの影響を受けずにメンテナンスフリーで長期運転できることなどが評価された。

第10回マヌス賞受賞事例:金賞(左上)、銀賞(右上)、銅賞(左下)、グリーン賞(右下)

 

kat

THK、圧入組付タイプのリニアブッシュを受注開始

3年 11ヶ月 ago
THK、圧入組付タイプのリニアブッシュを受注開始kat 2021年05日12日(水) in in

 THKは、本体をハウジング内に圧入して組み付けるタイプのリニアブッシュ「LMHB形」の受注を開始する。組付工数の削減を可能にし、組立の自動化や生産性の向上に貢献する。

リニアブッシュ「LMHB形」

 

 独自設計による湾曲した金属プレートのバネ効果によってボールとLMシャフトの間のすき間を極小化することで、ガタつきがない、静かでスムーズな動きを実現する。さらに、外形寸法は国際規格ISO 10285 Series 1に準拠しており、コンパクト設計、省スペース化に貢献。ラインナップは、軸径φ8~20の6サイズを取り揃えている。

 特徴は以下のとおり。

・圧入による簡単組付け:外筒が金属製の既存のリニアブッシュと異なり、圧入によって簡単にハウジングに組み付けることが可能。これによって組立工数は大幅に削減され、作業スピードも飛躍的に向上する

圧入によるハウジングへの組付け方法

 

組立工数の比較

 

・すき間を抑え、静かで滑らかな動き:独自設計による湾曲した金属プレートのバネ効果によって、ボールとLMシャフトの間のすき間を極小化することで、静かでスムーズな動きを実現

従来のリニアブッシュと「LMHB形」の構造比較


・コンパクト設計で省スペース化に貢献:外形寸法は国際規格ISO 10285 Series 1に準拠しており、コンパクト設計、省スペース化を実現

・6サイズのラインナップ:内径はφ8、10、12、14、16、20 (外径はφ15、17、19、21、24、28)、全長は17~30mm

kat

ファナック、最新CNC・サーボ技術採用のワイヤ放電加工機を開発

3年 11ヶ月 ago
ファナック、最新CNC・サーボ技術採用のワイヤ放電加工機を開発kat 2021年5月11日(火曜日) in

 ファナックは、最新のCNCとサーボ技術を採用した高性能で信頼性の高いワイヤ放電加工機「FANUC ROBOCUT α-CiC series」を開発した。高剛性の機械構造、最新の放電装置と制御により、部品加工から金型加工まで高速・高精度な加工が可能。

ROBOCUT α-C400iC(左)とα-C600iC(右)

 

 FANUC ROBOCUT α-CiC seriesでは、高速、高精度、高品位加工を実現するため、機械構造、放電装置、および放電制御を一新した。機械剛性の強化により、機械各部の歪みを抑え、高精度な真円加工やピッチ加工を実現した。仕上げ加工電源SF3により、放電パルスの微細化と高周波化を実現し、面粗さを向上したほか、放電制御iPulse3により、コーナーや段差部での加工条件と速度を最適化し、加工性能を向上した。

FEM解析結果の例(左)と真円加工例(右)

 

 また、高信頼性の自動結線AWF3により、長時間の連続無人運転が可能。シンプルな構造の自動結線機構は保守性に優れ、高い結線率と長期にわたる高信頼性を確保したほか、ワイヤ挿入時に先端を振動させるエアリトライにより、断線点や小径穴でも高い結線率を実現。ツインサーボワイヤ走行機構がワイヤの振動を抑え、ワイヤ張力を正確に制御する。

自動結線AWF3(左)とエアリトライ(右)

 

 さらに、優れた操作性を実現するファナック最新CNCを搭載し、使いやすさが一段と向上した。高性能表示ユニット PANEL iH Pro により、描画時間が従来に比べ75%短縮。直感的な操作により、加工速度の調整のほか、コーナーやアプローチ形状の調整も簡単に行えるほか、画面操作やプログラム編集時に便利な Undo/Redo機能を追加した。

PANEL iH Pro(左)と加工条件調整機能(右)

 

kat

安川電機、MOTOPACシリーズにレーザー溶接パッケージを追加

3年 11ヶ月 ago
安川電機、MOTOPACシリーズにレーザー溶接パッケージを追加kat 2021年5月11日(火曜日) in

 安川電機は、ロボットアームと溶接設備などをパッケージにした「MOTOPAC(モートパック)シリーズ」として、レーザー溶接に必要な設備を含めた レーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25J」を新たにラインアップし販売を開始した。自動車、建機等の金属部品の高速溶接に最適。

レーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25JP」

 

 同社の溶接ロボットではこれまでアーク溶接、スポット溶接向けの用途でユーザーニーズに合わせた豊富な製品ラインアップを揃えてきた。特にアーク溶接向けの用途においては、ロボットのアームに溶接用のトーチや溶接電源を含めた溶接設備の最適な組み合わせをパッケージにした「MOTOPACシリーズを販売しており、ユーザーからの評価も高い。

 溶接分野では近年、溶接速度・品質をさらに向上させるレーザーによる溶接技術の開発が進んでおり 、ユーザーの関心も高まっている。その一方でレーザー溶接の設備導入には、レーザー発振器やレーザー照射ヘッドの選定、そしてロボットアームとの組み合わせや制御方法など、多くの検討項目と手間が必要とされている。

 こうした背景から同社では今回、レーザー溶接に必要な設備をトータルで揃え、ユーザーにおける溶接速度や品質向上に必要な条件設定をスムーズにサポートし、設備導入から稼働 までの手間をできる限り省くことが可能なレーザー溶接パッケージを製品化したもの。

 主な特徴は以下のとおり。

・省スペースパッケージによりアーク溶接設備からの入れ替えが容易:独自開発の小型軽量レーザー照射ヘッド(ガルバノスキャナーヘッド:質量約16kg)は、当社の中型多用途適用型ロボットMOTOMAN-GP25(可搬質量25kg)に搭載が可能で、設備設置面積の省スペース化につながるため、既設のアーク溶接設備への入れ替えや新規導入を容易に行うことができる。さらに、レーザー照射ヘッドまでの配線・配管の一部はロボットアーム内へ収納できるため、取り回しの簡素化と周辺への干渉回避による使い勝手の良さを提供

・溶接条件の設定が容易:パッケージ製品の強みを生かし、構成される機器間の親和性向上を図った。ウォブリング溶接機能、溶接速度、レーザー出力、入射角度などの溶接条件は、すべてロボットのプログラミングペンダントで設定可能。溶接対象の厚み、形状、材質に合わせた最適な溶接条件の検討を効率的に行えるほか、アーク溶接では難しかった溶接途中での条件変更も可能

・高出力(8kW)レーザーザー照射で高速溶接が可能:高出力レーザー照射により、アーク溶接の1.5倍~4倍の溶接速度を実現できるほか、ロボット先端に設置するレーザー照射ヘッドを小型軽量化したことで、高速移動時のロボットへの負荷を低減し、溶接開始位置への移動速度の向上や、溶接中の軌跡精度の向上に貢献・ウォブリング溶接機能搭載:レーザー溶接は溶接点が極小(集光スポット径0.3mm)でエネルギー密度が高いため、高精度な溶接が可能で溶接適用範囲が拡大しますが、アーク溶接の代替には、太い溶接線(数ミリ~数十ミリ)が要求される。そこで、レーザー照射ヘッド内で照射方向を高速・高精度で微動させることで太い溶接線を確保するウォブリング溶接機能を搭載している。ウォブリンク溶接では照射方向を「8」や「の」の字等のパターンに微動させることで、広い範囲を溶接することが可能

kat

イグス、168点のモーション・プラスチック製品を新提案

3年 11ヶ月 ago
イグス、168点のモーション・プラスチック製品を新提案kat 2021年05日11日(火) in

 イグスは、例年ハノーバーメッセで披露している「春の新提案」として、最多となる168点の新提案品および製品ラインアップ拡大品を発表した。これらの新提案は、フィジカルとバーチャルを融合させたイグス独自の展示会で紹介している。「iFデザイン賞」を受賞したこの展示会は、全面リニューアルを経て、5月7日から公開中となっている。

 

「iFデザイン賞」を受賞したバーチャル・リアル展示会

 

 同社は、デジタル化、供給体制の整備、リモートコンサルティングへの投資により、2020年はグループ全体でオンライン販売が前年比30%増加し、コロナ禍にあっても売上高の減少は前年比4.8%減にとどまり、7億2,700万ユーロとなった。本年は現時点で受注が増加傾向にあり、グループ全体で大きな成果を達成できるよう日々取り組んでいる。在宅勤務を推進する中で、2021年春はこれまでで最多となる168の新提案品および製品ラインアップ拡大品を発表したもの。

 同社では、潤滑剤を使わないプラスチック製品が使用時の環境への影響が少ないことに加え、これらの製品をカーボンニュートラルな方法で生産し、使用後はリサイクルすることを使命の一つに掲げている。独ケルンで現在建設中の新工場棟は、当初よりクライメイトニュートラルを目指しており、2025年にはケルン工場全体での達成を目標としている。温室効果ガス排出量をさらに削減するため、最新技術に投資しエネルギーの節減を図っているほか、静音設計の射出成形機を導入している。

 また、「チェーンジリサイクルプログラム」(日本未対応)によって使用済みの樹脂製ケーブル保護管を回収・リサイクルする取組みに加えて、ケミカルリサイクルの推進にも注力し、プラスチック廃棄物のオイルへの還元に取り組むMura Technology社への投資を継続している。

 同社は、投資の大部分をオンラインショップとオンラインツールに充当した。オンラインショップはリニューアルを行い、ユーザーに対しより有益な情報を提供できるようになった。イグス製品の選定や計算を行えるオンラインツールは対応製品を増やし、従来どおりインターネット上において無料で利用でき、登録も不要となっている。

 同社では同時に、供給能力の強化にも注力。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各国で在庫を増やし、組立工場の整備も進めている。オンラインご希望の製品を簡単に選定・注文でき豊富な在庫で納期を確約することで、多くのユーザーに評価され、オンライン販売はグループ全体で前年比30%増加した。

kat

NTN、健康宣言を制定

3年 11ヶ月 ago
NTN、健康宣言を制定kat 2021年05日11日(火) in

 NTNは、健康経営を一層強化するとともに従業員の健康に関する意識を高めるため、「NTN健康宣言」を制定した。

 

 

 同社では、「職場」「心」「身体」の三つの視点から従業員の健康づくりに取り組んでおり、これまでに全従業員を対象とした産業カウンセラーとの個別面談や40歳以上の健康リスクが高い従業員を対象とした保健指導、禁煙宣言の発布など、様々な健康施策を実施してきた。

 さらに2020年から続くコロナ禍においては、在宅勤務の活用などの感染防止対策だけでなく、従業員の心身への影響を調査し、在宅勤務での疲れを訴える従業員向けにオンラインストレッチセミナーを開催するなどの施策を展開してきた。これらの取組みが評価され、2020年度は経済産業省より「健康経営優良法人2021 大規模法人部門(ホワイト500)」の認定を初めて取得している。

 

コロナ禍における在宅勤務疲れ解消のためオンラインストレッチセミナーを開催

 

 同社では今後、国内拠点においては上述の取組みを強化するとともに、健康リスクの高い40 歳以下の若年層に対しても、健康診断実施前の期間に健康づくりに関する情報を配信するなど、健康意識の向上を図る。さらに、これまでも実施していたラインケア研修(厚生労働省が職場におけるメンタルヘルスを推進するために制定したケアの一つ)の対象者を全管理職に拡大するなど、メンタルヘルスケアの体制を一層強化する。

 海外拠点においては各拠点で実施している健康施策に加え、喫煙率低下に向けたルール作りや作業前のストレッチ、準備体操の実施など、各地域の法令、文化や習慣等に配慮した施策を各拠点の担当者と連携して導入していく。また、健康経営について海外拠点の担当者と情報交換を行う「安全衛生グローバルカンファレンス」を開催し、グローバルで施策を共有することで、NTNグループ全体で健康づくりに取り組んでいく考えだ。

kat

ジェイテクト、農業機械用高耐泥水性シール付玉軸受を開発

3年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、農業機械用高耐泥水性シール付玉軸受を開発kat 2021年05日11日(火) in in

 ジェイテクトは、従来自動車のハブユニットに使用していた高密封軸受のシールを、泥水などの過酷な環境で使用される農業機械に応用することで、耐水性の大幅な向上を実現した。農業機械の安定操業とメンテナンス頻度の低減に貢献できる。2020年10月から同社グループ企業のダイベアで量産を開始。国内外の農機メーカーに提案を進め、2億7500万円の売上を目指す。

開発品イメージ

 

 トラクターやプランター(畑を耕しながら種をまく機械)は、泥水中の過酷な環境で使用されるため、これまでは短いライフサイクルでの取り換えやオーバーホールが当然のこととされてきた。こうした中で保証期間の延長によるメンテナンスコストの増加や産業廃棄物などが問題となってきており、ジェイテクトでは壊れにくい軸受を提供することで、農業機械メーカーのニーズに応えるべく、自動車を車輪から支える役割を果たすハブユニットに使われるシールを応用し、高泥水性シール付玉軸受を開発したもの。

400時間耐泥水性評価結果

 

 従来の農機アタッチメント用密封型軸受は二つのラジアル方向リップで耐泥性を向上させていたが、本製品は、ラジアル方向のリップに加えてアキシアル方向のリップを追加することで、形状の最適化と低トルク化、そして高密封性を両立している。

 開発品では、3リップと形状最適化、およびシールドによるラビリンス効果で耐泥水性を2倍以上向上したほか、シール形状の最適化でトルクが40%低減している。

3リップと形状最適化、およびシールドによるラビリンス効果

 

耐泥水性の比較

 

起動トルク評価結果

 

kat

ジェイテクト、転がり軸受設計計算ソフトウェア MESYS に軸受データを提供開始

3年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、転がり軸受設計計算ソフトウェア MESYS に軸受データを提供開始kat 2021年05日11日(火) in

 ジェイテクトは、機械設計者向けの技術計算ソフトウェアを開発するMESYS社 にKOYO 軸受のデータベースの提供を開始した。これにより、同社が提供するソフトウェア「MESYS」において、KOYO軸受を選択することで各種軸受のモデル化が容易となった。

 MESYS 社は、スイス・チューリッヒに本社を置く、軸受、シャフト、歯車を中心とした機械設計者向けの技術計算ソフトウェアの開発会社で、MESYSは日本を含め世界25ヵ国で利用されているソフトウェア。

 MESYSのユーザーがソフトウェア上のデータベースからKOYO軸受の呼び番号を選択すると、軸受の主寸法や定格荷重などが自動的に設定され、計算が可能になる。これまでのように軸受カタログを参照して数値を入力する必要がなくなるため,効率的な技術検討が可能となる。

 今回ジェイテクトがデータ提供した対象は、同社の転がり軸受総合カタログに掲載している軸受の内の主要な軸受。

 MESYSの最新バージョンにおいて、軸受データベース設定画面上で「KOYO」を選択し、計算したい軸受の呼び番号を選択することで、主寸法や各種定格荷重などが自動的に設定される。

軸受選択画面イメージ(上)と計算イメージ(下)

 

 なお,KOYO軸受のデータベースは技術計算ソフトウェアRomax Nexus(Romax Technology社提供)、KISSsoft(KISSsoft社提供)にも組み込まれており、これらのソフトウェアでもMESYSと同様にKOYO軸受の技術検討が可能になっている。

kat

NTN、自動車用「クリープレス軸受」を開発

3年 11ヶ月 ago
NTN、自動車用「クリープレス軸受」を開発 in kat 2021年05日11日(火) in in

 NTNは、軸受の外輪外径面に独自開発の逃げ部加工を施すことで、クリープの停止を実現した「クリープレス軸受」を開発した。自動車用トランスミッション、EV・HEVモータ軸支持用深溝玉軸受として提案を進め、耐クリープ軸受全体で2025年度に10億円/年の販売を目指す。

クリープレス軸受

 

 近年、EV・HEVを含む自動車の省燃費化や省電費化に向けて、モータやトランスミッションなどの小型・軽量化の要求が高まっている。それに伴い駆動装置に使用される軸受の軌道輪やハウジングを薄肉にする傾向にあるが、それらの変形によって固定した外輪が円周方向に回転してずれる「クリープ」という現象が発生する場合がある。

 クリープは、回転方向と現象によっていくつかの種類に分けられるが、特にトランスミッション内で一定方向の重荷重がかかる軸受においては、外輪やハウジングの剛性が不足した場合、外輪のひずみにより本来動くはずのない外輪が円周方向に回転する「進行波型クリープ」が起きやすくなる。同現象が発生すると、外輪とハウジングのはめあい面の摩耗により軸の芯ずれや傾きが大きくなり、装置の異音や振動、または摩耗粉による軸受の寿命低下などを引き起こすことがある。

 今回同社が開発したクリープレス軸受は、これまでのクリープ対策とは全く異なる手法で、外輪のひずみにより発生する進行波型クリープを停止させることに成功したもの。

 クリープレス軸受は、外輪外径面の一部に逃げ部を設け、ハウジングとの接触を回避する設計としている。これにより、一定方向荷重が負荷される条件において、ひずみの進行波を遮断し、重荷重でも進行波型クリープを停止させることが可能となる。追加部品が不要なため、組み付け性に優れており、同一寸法の標準軸受からの置き換えも可能となっている。

構造

 

クリープ速度試験

 

 今後、EV・HEVの普及に伴い、自動車部品の小型・軽量化がますます加速する中、耐クリープ軸受のニーズはさらに高まると見られており、NTNでは、本開発品のほか、クリープ現象やクリープ摩耗を防止できる「膨張補正深溝玉軸受」、「AC軸受」、および「クリープガード軸受」による商品ラインナップによって、こうしたニーズに対応していく。

 同社では、モータやトランスミッションの小型・軽量化に伴うニーズに対応した商品の開発・提供を通じて、自動車の電動化、省電費、省燃費化に貢献していく考えだ。

kat

イグス、工具不要で組立時間短縮のケーブル保護管向けに新型内部仕切りを開発

4年 ago
イグス、工具不要で組立時間短縮のケーブル保護管向けに新型内部仕切りを開発kat 2021年04日30日(金) in

 イグスは、フリースパン走行およびスライド走行でケーブルを安全にガイドするケーブル保護管「エナジーチェーンE4Qシリーズ」向けに、新しい内部仕切りを開発した。

 

新しい内部仕切りを採用した「エナジーチェーンE4Qシリーズ」

 

 エナジーチェーンE4Qシリーズは、独特な設計により重量を軽減、工具不要で開閉可能なロック機能付きのクロスバーにより組立時間を短縮するが、今回より迅速にケーブルを収納できるよう、汎用セパレーターとロック可能な棚板で構成される新しい内部仕切りを開発した。

 新しい内部仕切りを組み立てるには、まずノッチ付きのクロスバーにセパレーターを取り付け、その後セパレーターの溝へ棚板を挿入。棚板は左右、および内周側・外周側のどちらからでも希望の高さへ差し込み可能で、クロスバーを閉じると、セパレーターは自動的にロックされる。

 確実に固定されるため、高加速度がかかる環境などあらゆる用途に対応可能で、内部仕切りの取り付けを変更したい場合は、内周側または外周側のどちらかアクセスしやすい側からクロスバーを開き、サイドのスライダーのロックを解除して棚板を引き抜く。この新しい内部仕切りは、E4Qの四つのサイズに対応しており、複数の幅を用意している。

kat

安川電機、小型塗装ロボットの販売を開始

4年 ago
安川電機、小型塗装ロボットの販売を開始kat 2021年4月12日(月曜日) in

 安川電機は、塗装用途ロボット「MOTOMAN-MPXシリーズ」の新たなラインアップとして小型塗装ロボット「MOTOMAN-MPX1400」(可搬質量5kg、最大リーチ1256mm)の販売を開始した。手首軸の許容負荷の強化・壁掛設置時の動作領域拡大により、使いやすさを向上した。自動車ヘッドランプ、自動車内装部品、小型家電製品などの塗装に最適。

MOTOMAN-MPX1400

 

 同社は、スマートフォンなどの小物用途から自動車などの大型用途まで、それぞれの用途に最適化した塗装ロボットのラインアップを幅広く取りそろえているが、今回、家電製品や自動車のヘッドランプといった樹脂成形部品など、様々な小型製品の塗装に最適な小型塗装ロボットMOTOMAN-MPX1400を製品化した。

 MOTOMAN-MPX1400は、同社従来機種(MOTOMAN-EPX1250)と比べて、手首軸の許容負荷の強化により、搭載可能な塗装ガンの選択肢が広がったほか、壁掛設置時の動作領域拡大による待機姿勢やメンテナンス作業時の姿勢自由度向上など、ユーザーから要望が多かった機能を強化し、使いやすさを更に追求した。ユーザーの生産スタイルに合わせた塗装システムの構築が可能なことから、生産ラインのコンパクト化やコスト低減に貢献できる。

 主な特徴は以下のとおり。

・手首軸の許容負荷を向上させたことで、従来機種よりも重量のある塗装ガンを搭載できるようになっている。複数色での塗装が可能な多連スプレー塗装ガンや塗料の微粒子化ができる小型ベルガンなど、搭載可能な塗装ガンの選択肢が広がったことで、多様化するユーザーニーズに対応する

・壁掛設置でのロボット旋回軸動作領域を拡大しており、狭いエリア内でもロボット待機姿勢がとりやすく、設備の省スペース化に貢献するほか、メンテナンス作業も姿勢自由度向上により作業効率的が向上する

・設備を有効活用したロボット更新が可能なため、設備改修費用の削減に貢献する

kat

ヤマハ発動機、ハイパーEV向け電動モーターユニットの試作開発受託を開始

4年 ago
ヤマハ発動機、ハイパーEV向け電動モーターユニットの試作開発受託を開始kat 2021年4月12日(月曜日) in

 ヤマハ発動機は、2020年より四輪車をはじめとするモビリティ向け電動モーター(35~200kW)の試作開発を受託しているが、新たにハイパーEVなど高出力帯モビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニットを開発、4月から試作開発受託を開始した。

 今回開発した電動モーターの主な特徴は、ギヤ、インバーターを一体化したコンパクトな機電一体型の電動モーターユニットで、車両へ複数ユニット搭載する用途を想定している。

(左より)電動モーターユニット試作品(350kWクラス)、
ユニット活用イメージ(350kWクラス×4基)

 

 試作開発受託にあたっては、モーターサイクルをはじめ幅広い製品群に柔軟に対応してきた鋳造・加工・組立を中心とした生産技術、試作設備等を活用し、顧客の要望に沿った試作モーター開発を短期間で実現する。

 同社では、350kWクラスをはじめとする電動モーター試作品を本年5月26日~28日に横浜市のパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2021横浜」に出展する予定。

 

ハイパーEV向け電動モーターユニット 試作品の概要

 

kat

THK、スタートアップ企業向け技術支援サービスを開始

4年 ago
THK、スタートアップ企業向け技術支援サービスを開始kat 2021年04日12日(月) in

 THKは本年4月10日に創立50周年を迎えたのを機に、スタートアップ企業向けの技術支援サービス「EntSherpa(アントシェルパ)」(https://www.entsherpa.com)を4月12日から開始する。同社が長年蓄積してきたノウハウをもとに、専門チームがアイデアの具現化から技術面の課題解決まで、スタートアップ企業の事業運営を全力でサポートしていく。

 EntSherpaは、英語で起業家を意味するEntrepreneur(アントレプレナー)と、ヒマラヤ登山隊のガイドとしても知られるSherpa(シェルパ)を掛け合わせた造語です。「理想」という高い山に挑むスタートアップ企業の道先案内人として、THK がアイデアの具現方法で悩みを抱える起業家に対し、最短ルートでものづくりを実現するためのサポートを提供する。

 EntSherpaでは、専門チームによるWEB 問い合わせへの即時対応、対面やオンラインによる技術相談、製品選定のアドバイス、製品の無償サンプル提供などのサービスが利用できる。すでに複数の企業が同サービスを活用しており、アイデアの具現化の過程を経て、製品化・量産化に向けた開発支援を進めている。

 EntSherpaのサービスは日本国内からスタートしているが、準備が整い次第、全世界のスタートアップ企業の支援へと順次発展させていく考えだ。

 THKでは「創造開発型企業として顧客とともに成長を続け、創立50 周年を迎えた。創立期を象徴する“技術者の駆け込み寺”の精神を令和の時代に即して体現したものがEntSherpa。社会を豊かにする革新的なものづくりの発想を形にしたいと考えている起業家の方々に寄り添いながら、50 年間で培ってきた技術・事業運営の専門知識とノウハウを活かし、ともにイノベーションを起こす手伝いをしていきたい」とコメントしている。

 本技術支援サービスの特徴は以下のとおり。

・WEB サイトからの問い合わせには、EntSherpaのために組織された専門チームが24 時間以内に回答。経験豊富な熟練技術者が中心となり、様々な分野の知見と専門性に長けた高度な技術(構造解析など)を駆使し、スタートアップ企業が抱える技術的課題の解決策を全面サポートする

・豊富なTHK 製品群の中から、試作品の仕様に則した製品のサンプルを無償で提供(無償サンプルの提供には、申請および審査通過が必要)

・THK の国内および海外における製販一体の強固な基盤を利用して、ハードルが高いとされるグローバル量産体制の構築支援から国際取引に関するアドバイスまで、グローバル展開を見据えたモノづくりを包括的に後押しする

 

EntSherpaのサービス概要

 

kat

イグス、湿潤環境向けのローコストオートメーションを開発

4年 1ヶ月 ago
イグス、湿潤環境向けのローコストオートメーションを開発kat 2021年04日02日(金) in in

 イグスは、ロボットが劣化しやすい、水しぶきがかかるような湿潤環境で簡単な作業を実行するローコストオートメーションとして、5軸の「防滴仕様ロボリンクRL-DP」を開発した。水のかかる環境で使用でき経済的に手頃なソリューションを求める、ユーザーニーズを受けて開発されたもの。

 

防滴仕様ロボリンクRL-DP

 

 防滴仕様ロボリンクRL-DPは、ステンレスと高性能ポリマーの2種類の材質を適用。接合リンクには同社のロボットとしては初めて耐食性の高いSUS304 / SUS316Tiステンレス鋼を採用したほか、ジョイント部には固体潤滑材として機能するトライボポリマーを使用しているため、水で洗い流されて環境汚染の原因となる潤滑剤を必要としない。

 また、防滴仕様のため、水しぶきから保護するためのロボット用カバーの費用も削減できる。

 保護等級IP44を満たしているため水しぶきがかかる環境に適しているほか、保護等級IP65のエンコーダ付きモーターを使用しているため屋外での検査等にも使用できる。その他、食品・飲料業界、化学・製薬業界、タンクやコンテナの洗浄作業などの用途にも適用が可能。

 防滴仕様ロボリンクRL-DPは、動作電圧が24VDC、最大可搬重量が3kg、重量が22.4kg(電源ユニット、外付けディスプレイを除く)、アーム長が790 mm、位置決め精度が±1mm、処理能力が7ピック/分。
 

kat

NTN、フィルム延伸機テンタークリップ用軸受の信頼性を向上

4年 1ヶ月 ago
NTN、フィルム延伸機テンタークリップ用軸受の信頼性を向上kat 2021年04日01日(木) in in

 NTNは、保持器とグリースの見直しにより、低トルクで耐グリース漏れ性と耐久性を大幅に向上させたフィルム延伸機テンタークリップ用軸受を開発した。プラスチックフィルムの生産性向上に寄与できる。延伸機メーカー、クリップメーカー、プラスチックフィルムメーカーなどに提案を進め、プラスチックフィルムの生産性向上とフィルム延伸機のランニングコストの低減に貢献していく。2023年度に5億円の販売を目指す。

 

開発品

 

 プラスチックフィルム市場は、包装用途を中心に堅調に推移しており、近年は社会的関心の高まりを背景にバイオプラスチック、リサイクル原料を使用した環境対応フィルムのほか、食品ロスの削減に貢献するバリアフィルムなどの需要が拡大してきている。また、エレクトロニクス分野では、スマートフォンや液晶ディスプレイに欠かせないプリント基板にも耐熱性に優れるプラスチックフィルムが使用されている。

 フィルム延伸機はプラスチックフィルムを加熱・搬送しながら薄く引き伸ばす装置で、テンタークリップは同装置上でフィルムの両端をつかんでレールを走行するため、ガイドローラとして複数の軸受が使用される。

 テンタークリップには、延伸機の全長に応じて1 台あたり数千から数万個の軸受が使用されていることから、摩擦損失や交換によるランニングコストを抑える必要があり、軸受には低トルクと優れた耐久性が求められる。

 また、テンタークリップの走行速度は生産性向上のために高速化する傾向にあるが、一般的に軸受内部のグリースは高速・高温では漏れやすくなり、その結果、フィルムの汚染や不測のメンテナンスの必要性が生じる。このことから、軸受グリースには、耐漏れ性に優れることが要求される。

 今回開発したテンタークリップ用軸受は、「非接触シール」、内径を拡大しグリースの保持性を向上させた「新開発保持器」、および耐熱性に優れる「長寿命グリース」の適用により、低トルク化、グリース漏れの抑制、耐焼付き性の向上をすべて実現した商品となっている。

 

開発品の構造

 

 具体的な性能として、同社従来品(非接触シール形軸受)の低トルク性能を損なうことなく(軸受回転トルクが接触シール形軸受の1/4)、グリース漏れ量を70%低減、耐焼付き性を40%向上させている。

 開発品は、軸受温度が230℃まで使用可能な中温仕様と、300℃まで使用可能な高温仕様をラインアップし、汎用プラスチックフィルムからエンジニアリングプラスチックフィルムまでの幅広い延伸温度に対応が可能となっている。

 

従来品との比較

 

kat

ジェイテクト、X線画像診断装置用の低騒音・低トルクのX線管軸受ユニットを開発

4年 1ヶ月 ago
ジェイテクト、X線画像診断装置用の低騒音・低トルクのX線管軸受ユニットを開発kat 2021年04日01日(木) in in

 ジェイテクトは、医療用X線画像診断装置の一般撮影用装置に使われるX線管軸受ユニットについて、従来よりも低騒音・低トルク化を実現した製品を開発、2022年をめどに四国工場(徳島)で量産を開始する。 開発品の適用により、国内外の医療現場で患者や医療関係者のストレスの低減、作業性の向上に貢献していく。X線管球メーカーへの提案を進め、5000万円/年の売上を目指す。

 

低騒音・低トルク化を実現したX線管軸受ユニット

 

 X線管は、医療用X線画像診断装置においてX線を発生させるために必要となる部品の一つ。その中にX線管軸受ユニットが使用されており、X線管の中で高速回転している。X線画像診断装置においてはいかに静かに稼働させるかが課題で、静粛性が向上することで患者や医療関係者のストレス低減につながる。一方、バッテリー駆動の回診用(移動用)X線画像診断装置においては、省電力であることに加え、作業性向上のニーズがある。

 これらのニーズに対し、X線管軸受ユニットにおいては低騒音であることに加え、回転トルクが小さいことが重要となるが、これは従来設計の軸受では対応できない領域だった。

 ジェイテクトでは1995年よりX線管軸受ユニットを開発・製造しており、CT市場をはじめ、多くの医療現場での実績を積み重ねてきた。今回こうした経験をもとに、一般撮影用装置の一層の低騒音化とバッテリー駆動の装置の省電力化に貢献すべく、低騒音で低トルクのX線管軸受ユニットを開発した。

 開発品では、X線管軸受ユニット全体の大きさは変えずに軸受の内部設計を見直したほか、潤滑膜の成分・膜厚を見直した。これらの見直しにより、低振動(軸受の騒音の代替特性として用いた)と同時に低トルクを実現している。

 

サンプル品での実験結果

 

kat

木村洋行、超薄型ボールベアリング、電動アクチュエータをロボット分野で適用展開

4年 1ヶ月 ago
木村洋行、超薄型ボールベアリング、電動アクチュエータをロボット分野で適用展開 in kat 2021年03日30日(火) in in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)は長年にわたり販売に携わってきたケイドン社の超薄型ボールベアリングと、2020年から取扱いを開始したEWELLIX(エバリックス)社の電動アクチュエータについて、ロボット分野での適用拡大を推進している。

 ここでは、それら製品技術の適用の利点について紹介するとともに、その利点を活かしたロボット分野での各種アプリケーションや、日本国内における今後の展開などについて紹介する。

超薄型ボールベアリング 概要と特徴

 1941年に創業されたKAYDON(ケイドン)社は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング(Reali-Slimシリーズ)を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーで、現在はSKFグループとして超薄型ボールベアリングを中心に、あらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けている。
 

内径が大きくなっても断面サイズが一定の
ケイドン超薄型ボールベアリング

 

 ケイドン超薄型ボールベアリングは内径25.4~1016mmまでのサイズをくまなくラインナップしている。最大の特徴はベアリング断面が超薄型であるため、装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れるため、設計の自由度が向上する点が挙げられる。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

 

ケイドン4点接触型ベアリング

 超薄型ボールベアリングは塗装・溶接ロボットから半導体搬送ロボット、多関節ロボット、人型ロボット、さらには宇宙環境用ロボットまで様々なロボットに適用されている。適用事例の詳細はこちらの記事を参照いただきたいが、ロボットでの採用理由としては装置の小型・軽量化を図れることや、ボールベアリングであるために起動トルク・回転トルクが軽くて非常に安定しており、高い回転精度を実現できることが挙げられるほか、4点接触型ベアリングによるメリットも大きい。

 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある。
 

超薄型ボールベアリングの種類

 

 ロボット関連ではラジアルやアキシアル荷重のほか、高いモーメント荷重も同時に掛かる複合荷重のアプリケーションが多いため、ケイドン超薄型ベアリングではアンギュラコンタクト型の2列背面組み合わせや4点接触型が用いられる。特にケイドン社が世界に先駆けて開発した4点接触型では、上記の高い複合荷重を単列で同時に受けることができるため、装置設計をさらにコンパクト化・軽量化でき、ベアリング使用点数の削減がそのままコスト削減にもつながる。

 一方、通常のISO・JIS規格のベアリングは内径を大きくするほど断面寸法も大きくなるため中空シャフトを使用しにくく、必然的に従来型のソリッド・シャフト(キングポスト・タイプ)を使用せざるをえないケースが多くなる。ロボットのように複合荷重を受ける用途ではさらにアンギュラコンタクト型を2列の組み合わせで使用するため、軸方向の長さが増すなど、設計自由度に制約があった。これに対し、ケイドン超薄型ベアリングの中でも複合荷重を受けられる4点接触型を使用すれば、大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さを更に短縮できる。気体・液体の配管類、あるいは電気配線やスリップリング等を中空シャフト内に収納できるなど、フレキシブルで効率的なデザインにできる。
 

左図のソリッド・シャフトから右図の4点接触型・超薄型ベアリングを使用した中空シャフトへの移行例
(ISO 7010組み合わせベアリングからの置き換え事例)

 

 キングポストデザインのISO 7010組み合わせベアリングから4点接触型超薄型ベアリングで中空シャフトを用いた機構への置き換えではまた、内径寸法を大きくできるため耐モーメント荷重を50%程度向上させている。

 回転軸に垂直に加わるラジアル荷重を支えるよう組み付けられたベアリングでは、例えばISO 6010深溝ボールベアリングでは下部約150°の範囲の転動体で荷重を分散支持しているが、ケイドン4点接触型では同じ荷重分布でラジアル荷重を支持しつつ、80%以上の軽量化・省スペース化を実現できる。
 

典型的なラジアル荷重負荷分布での、
ケイドン4点接触超薄型ベアリングとISO 深溝ボールベアリングとの比較ウルトラスリム・ボールベアリング

 上述のとおり超薄型ベアリングでは必要な負荷容量を確保しつつ、例えばISO 6010ベアリングとの比較では80%以上のコンパクト化・軽量化や設計の自由度向上を実現しているが、近年では、さらに薄型断面が必要な用途に対して、世界最小断面寸法 2.5 x 3.0mmの「ウルトラスリム・ボールベアリング」を提案している。同じ内径寸法で比較するとISO 6010ベアリングに比べ重量99.9%減、体積97%減を実現できる。
 

同等の軸径でのベアリングサイズの比較イメージ
(一番左と真ん中がケイドン製、右が一般的なISO規格品)

 

 ケイドンは超薄型ベアリングのパイオニアで、現在では「超薄型」を謳う後発のメーカーも出てきているが、ケイドンが実施した寿命試験結果を見ると、他社製品は極端に耐久性が低いことが分かる。ケイドン超薄型ベアリングは長年にわたる品質向上のための技術や製造上の工夫などの蓄積によって超薄型ながら高い負荷容量、長寿命化を実現している。ベアリングは各種機械を安定稼働させるための主要な機械要素であるため、ベアリングの突然の故障に伴う機械・ラインの突発停止などがない、生産効率向上につながる信頼性の高いベアリングを選定していただきたい。

軸受のL10定格寿命試験結果の比較

 

電動アクチュエータ 概要と特徴

 木村洋行では2020年1月から、スウェーデンに本社を置くEWELLIX(エバリックス)社の直動製品の取扱いを開始している。エバリックス社は、SKFグループだったSKF Motion Technologies社を前身とする直動製品メーカーで、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評がある。

 特徴のあるピラー型電動アクチュエータは、ストローク長や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、高荷重という厳しい仕様条件に対応しながらも、低騒音かつ堅牢さが求められる厳しいニーズにも対応できる。
 

ピラー型電動アクチュエータ

 

ロボット分野での適用 協働ロボットの垂直方向の動作範囲拡大

 ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボット自体を垂直方向に動作させることにより、URロボットの垂直方向だけでなく半径方向の作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~900mmで、最大許容荷重は1500N。

 URロボットの基台としてピラー型アクチュエータである「LIFTKIT」を使用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できる。これにより協働ロボット単体の時と比較して、倉庫でのパレタイジング作業などにおいて作業効率を飛躍的に向上できる。

 現在ではUR以外の日本製を含めた協働ロボットとピラー型アクチュエータとの共用も可能にしている。PLCを介してピラー型アクチュエータとロボットの両方を統合制御でき、LIFTKITと同様に他社製の協働ロボットの動作範囲拡大が可能になっている。
 

LIFTKITによるパレタイジング作業例

 

協働ロボットの水平方向の動作範囲拡大

 ユニバーサルロボット社の公式UR+アクセサリとしてはLIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレースなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT」を提案している。SLIDEKITの水平方向のスライド長は100~1800mmで、最大許容荷重は10900N(動的)と12100N(静的)、最大動的モーメント荷重は2400 Nm(Mx)、1800 Nm(Mz)。
 

SLIDEKITを用いたピック&プレース作業例

 

 ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能であり、その場合URロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる。

 SLIDEKITでも逐次改良が進み、より省スペース・コンパクト化しつつ高剛性化が図られているほか、動作音がより静かに改善されている。

  遊星型ローラースクリューによる高負荷条件下での精密駆動

 エバリックス社の直動製品としては、遊星型ローラースクリューにも特徴があり、ねじとねじとのしゅう動という構造によって高剛性化を実現している。同サイズのボールねじよりも高荷重を受けられ、動定格荷重3994kNまで対応できるため、コンパクト化と耐久性の向上(長寿命化)が図れる。

 エバリックス社ではローラースクリュー単体での提案だけでなく、エバリックス社製アクチュエータ内部のボールスクリュ―をローラースクリューにすることで、さらなる性能向上を図り、以下のようなロボットでも適用されている。
 

遊星型ローラースクリュー

 

 自動車の製造ラインで稼働する溶接ロボットでは、その多くがエア駆動アクチュエータによるワークの把持を行っているが、遊星型ローラースクリューを用いた電動アクチュエータに替えることで、必要とされるエネルギーを大幅に削減でき、生産コストの低減に寄与できる。

 また、リベッティングロボットは通常、複数の異種合金製シートを変形・変質なく接合するのに用いられるが、ローラースクリューを使用したアクチュエータに置き換えると、リベッティング作業を高速化でき作業効率を向上できる。高硬度(60 HRC)の遊星ローラーねじを用いることで、リベッティング時の良好な耐衝撃性を実現している。

 さらに、クリンチング接合ロボットで用いられるエア駆動アクチュエータから、遊星型ローラースクリューを用いた電動アクチュエータに置き換えることで、負荷や速度、位置決め精度などのパラメータの制御性を向上させ、接合品質の改善や省エネルギー化、メンテナンス周期延長を実現している。
 

リベッティングロボットへの適用例

 

今後の展開

 製造現場において協働ロボットへのニーズが高まってきている中で、木村洋行では、協働ロボットの動作範囲を拡大できるエバリックス社のLIFTKITおよびSLIDEKITのメリットをアピールしていくとともに、省エネルギー化だけでなく、高い位置決め性能と耐荷重性能向上を実現できるローラースクリューや、それを用いた電動アクチュエータの提案を進めていく考えだ。

 一方、産業用ロボットで多用されるクロスローラーベアリングに比べボールベアリングのため軽くて安定した起動トルクと回転トルク、高い回転精度を実現できるケイドン超薄型ベアリングの利点を訴求していく。

 ケイドン社、エバリックス社ともに専用工場を有し、ニッチなアプリケーションにも対応可能な小ロットからのカスタマイズに対応しつつ入手性も良好な一方で、世界第一位のベアリングメーカーであるSKFのノウハウ・知見を注入した基礎研究や生産技術を利用したものづくりを進めている。

 木村洋行では以前より、機械を正常に稼働させるための技術的サポートを重視しているが、ケイドン社、エバリックス社の各種製品の特質を生かし、量産時に本来の機能を発揮できる正しい使い方をユーザーに伝達・提案していくことで、現場の様々な課題の解決に努めていく。

kat

日本精工、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発

4年 1ヶ月 ago
日本精工、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発kat 2021年03日30日(火) in in

 日本精工は、トポロジー最適化技術による新形状樹脂保持器の設計などにより、dmN(軸受のピッチ円径(dm) × 回転数(n))180万以上の高速回転を可能とする、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受「Gen3」を開発した。本製品はグリース潤滑用の深溝玉軸受では世界最高速回転を実現し、電動車の航続距離延長や燃費・電費の向上が図れるほか、モータの小型化を可能にすることにより車内スペースの確保に貢献する。同社では、本製品の売上として2030年に120億円を目指す。

電動車駆動モータ用高速回転玉軸受「Gen3」

 

 地球温暖化などの環境問題を背景として、カーボンニュートラルの実現に向けた社会的取り組みが注目される中、環境負荷が小さい電動車の普及が期待されている。電動車普及に向けた重要課題の一つが航続距離の延長であり、燃費・電費の向上と電池を搭載できるスペースの確保が求められている。

 電動車の駆動モータは、小型・軽量化と高出力化ニーズを背景に高速回転化が進んでおり、同社は2020年3月に焼付きの発生や保持器の破損の課題を解決し、dmN = 140万以上の高速回転玉軸受「Gen2」を開発したもの。今後一層高まる電動車駆動モータの高速回転化ニーズに応えるべく、さらなる高速回転軸受の開発に継続的に取り組んでいた。今回開発した高速回転玉軸受Gen3の特徴は以下のとおり。

・極限まで軽量化を図る設計手法(トポロジー最適化技術)を活用し、高速回転に最適な保持器形状を導き出した。さらに、機能や生産面での課題に対し、実態に即した最先端のシミュレーション技術を効果的に駆使して短期間での開発に成功した。

・独自開発のオリジナルグリースと剛性に優れた樹脂材料を採用。本グリースの採用により、撹拌抵抗低減による低フリクションと発熱の抑制による耐焼付き性向上が可能。また、高剛性樹脂材料の効果により、高速回転時の保持器の変形を低減する。

 本製品は、遠心力による保持器の変形を約70%低減し、dmN = 180万以上の高速回転を達成した。

新しい保持器形状の開発手法

 

 本軸受の適用により、電動車駆動モータの小型・軽量化と高速回転化による高出力化が可能となり、電動車の航続距離延長や車内スペースの確保、環境負荷の低減に貢献する。

kat