メインコンテンツに移動
第9回ものづくりワールド名古屋

 

Aggregator

SEMI、SEMICON Japan 2022開催前の記者会見を開催、見どころを紹介

1年 5ヶ月 ago
SEMI、SEMICON Japan 2022開催前の記者会見を開催、見どころを紹介kat 2022年12日13日(火) in in

 SEMIは12月13日、 12月14日~16日に東京ビックサイトで開催されるエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2022」(https://www.semiconjapan.org/jp)の各種イベントのハイライト・見どころを紹介する記者会見を開いた。当日はまた、半導体製造装置・材料の市場予測についても発表がなされた。

 まず開会の挨拶に立ったSEMIジャパン 代表取締役の浜島雅彦氏は、「今年のテーマは現状にふさわしい『未来を変える。未来が変わる。』。半導体を基盤とするデジタルの力で課題を解決し、未来を切り開こうとする同産業のダイナミズムを実感いただける場を目指したこのスローガンのもと、新型コロナウイルスへの万全の対策を施しつつ、会期の3日間、盛大にイベントを実施していきたい」と語った。

挨拶する浜島氏

 

 また、SEMICON Japan 2022 推進委員会委員長(アドバンテスト 経営執行役員 CCRO (Chief Customer Relations Officer) 営業本部長)の阪本公哉氏は「エネルギー問題、気候変動など、人類が世界規模の様々な問題に直面する中で、デジタルの力による課題解決が急務となっており、こうしたデジタルイノベーションの基幹技術となる半導体の存在は、ますます重要性を増してきている。本展では半導体の現在と同時に未来を提示することで、世界の未来を感じてもらえるイベントを目指す。今回は展示会場がソールドアウトとなりフルサイズでの開催となる。人と人とが直接触れ合い、会話を交わしながらビジネスを進めるという、展示会開催の意義を出展社と来場者の相互に強く実感していただけると確信している。半導体需要の拡大により半導体工場の設備投資は活況を呈しているものの、SDGsや地政学的な影響を含め、半導体サプライチェーンは様々な課題に直面している。半導体製造装置・材料のサプライチェーンで世界の4割を占める日本企業への関心は一層高まっており、国内外からの多くの方々の来場を期待している。グローバルな半導体産業の大きな課題の一つが、今後の発展を担う人材の確保であり、今回、大学の研究室の研究を後押しする狙いから、表彰制度『アカデミアAward』を初開催する。こうした学生向けの取組みを強化することで、人材開発活動に継続して注力していく。たくさんの方々とリアル会場でお会いできることを心待ちにしている」と述べた。

挨拶する阪本氏

 

 続いて、SEMIジャパン・浜島氏より、「SEMICON Japan 2022」のハイライト紹介があった。

イベントの見どころ

 オープニングキーノートパネルで、衆議院議員で半導体戦略推進議員連盟 会長の甘利 明氏やRapidus社長の小池淳義氏らが登壇し、次世代半導体戦略を語る。

セミナーの見どころ

 SEMICON Japanの最終日をかざるグランドフィナーレパネルでソニー、TSMC、東京エレクトロンなどが、サプライチェーンが協調して取り組むべき人材戦略などの課題について語る。

 また、NTT会長の澤田 純氏のキーノートでは研究開発を進めているIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を通じて実現が望まれる社会について提起する。

 さらに、アカデミア出展の研究室の未来に向かう研究を表彰することで一層の発展を後押しする「アカデミアAward」を初開催する。

注目の展示エリア

 半導体パッケージングおよび実装分野の最新技術の展示と、国内外キーパーソンによる講演、ネットワーキング・イベントを組み合わせた初開催となる大型イベント「APCS(Advanced Packaging and Chiplet Summit)」(https://www.semiconjapan.org/jp/apcs)がある。産業界から熱い注目の集まる次世代の半導体パッケージングやチップレット、基板実装の最新技術を網羅したイベントを創設することで、世界をリードする日本の半導体産業のさらなる成長に貢献する。

 また、軽く・薄く・曲がるフレキシブルエレクトロニクスとリジッドなシリコン半導体のハイブリッド技術とその応用を展示する「FLEX Japan 2022」(https://www.semiconjapan.org/jp/flex-japan)が設けられる。

 さらに、最新の電動車両を構成する電装品やECU(電子制御ユニット)の進化が分かる分解展示ブースで、テスラの「モデル3」を中心に最新EVの電装品を比較できる形で展示する「第5回 SEMI Smart Mobility パビリオン」や、量子コンピュータ業界と半導体業界のコラボレーションの土台作りとして、半導体業界の方々に量子コンピューティングの業界、技術、製品、企業を紹介する「第3回量子コンピューティングパビリオン」、注目されるSiC、GaNなどの化合物半導体製造技術を展示する「第5回パワー・化合物半導体パビリオン」、航空機産業で培った先端技術の半導体製造装置への応用を提案する「航空機サプライヤーパビリオン」なども、見どころだ。

 そのほか、若手の動員を促す目的で、フォロワー100万人超のフリースタイルピアニストYoutuberによる生演奏や、半導体の進化がe-sportsにどのような影響を与えたのかをプロのe-sportsプレイヤーの対戦プレイを見ながら考える体験型セッション、さらにはYouTuber「ものづくり太郎チャンネル」とのコラボレーション企画などの「Special Contents」も用意されている。

 記者会見ではそのほか、SEMI市場調査統計部門 アナリストのInna Skvortsova氏が半導体製造装置・材料の市場予測について発表した。半導体製造装置の世界販売額が、過去最高だった2021年の1025億ドルから2022年には5.9%増の1085億ドルと3年連続での記録更新となったことや、2023年は前工程、後工程の両分野で装置販売額が縮小する見込みであるものの、2024年には成長回復することなどを予測。地政学的な影響やインフレ圧力、エネルギー価格の上昇といった懸念材料はあるものの、長期的には成長が見込まれるとした。

市場予測を発表するSkvortsova氏

 

kat

THK、製造業向けIoTサービス工具監視AIソリューションの提供を開始

1年 5ヶ月 ago
THK、製造業向けIoTサービス工具監視AIソリューションの提供を開始kat 2022年11日29日(火) in

 THKは本年11月末から、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」の工具監視AIソリューションの提供を開始する。切削工具の欠損、摩耗度をAIが検知し、ロス削減、生産性向上に寄与していく。

OMNIedge工具監視AI ソリューション

 

 OMNIedgeは、製造現場で発生するロスを削減して設備総合効率(OEE)の向上に貢献するソリューションを提供していくTHKのIoTサービスで直動転がり案内「LMガイド」、ボールねじ、アクチュエータの直動部品からサービスを開始し、プロセスオートメーションやユーティリティ設備向けのモータ、ポンプなどの回転部品まで対象を広げ「部品予兆検知AIソリューション」を展開してきたが、今回、工作機械の切削工具が抱える課題解決につなげるべく、後付け可能で面倒な閾値設定が一切不要な「工具監視AIソリューション」の提供を開始する。

 切削工具には、「寿命管理を最適にしながら工具コストを削減したい」、「欠損やチッピングによる加工不良、手直しロスの発生を防ぎたい」という製造現場ならではの課題が存在し、従来は加工したワークの個数をもとに加工不良につながらないよう工具を早期交換するのが鉄則だった。そのため、異常がなくても安全係数を見て交換することで、コストは相対的に上昇する傾向にある。そこでTHKでは、より簡単に、即座に使用できるAIソリューションを開発したもの。

 特筆すべきは後付け(レトロフィット)を可能にすることで、現場で稼働している年式やメーカーの異なる工作機械でも簡単に導入できる点にある。また、切削工具の欠損/チッピングの検知、さらには摩耗度のモニタリング検知ができるため、機械加工の量産を手掛ける事業所では工具寿命の最適化、工具交換のコスト削減、加工不良発生時の手直しロスの削減などにつながり、高い費用対効果が期待できる。センサから収集したデータはAIが自動解析し異常検知を行うため、繰り返し使用していくほど精度が向上する。特徴は以下のとおり。

・センサは後付けで簡単に設置できる:CT(電流センサ)をモータケーブルにクランプするだけで設置は完了。CNCへの接続は不要で、工作機械の年式・メーカーなど対応機種に縛られない

・すぐに使えるソフトウェア:設定ツールでの煩わしい設定が一切不要で、設置したその日からすぐに監視とデータ取得が可能

・進化するAIでどんどん精度がよくなる:AIによる自動解析をおこない、データに基づいて異常を検知するので、使用を繰り返すほどAIが賢くなっていく

OMNIedge工具監視AI ソリューション構成図

 

kat

JIMTOF2022開催、工作機械向けベアリング&モーション技術が集結

1年 5ヶ月 ago
JIMTOF2022開催、工作機械向けベアリング&モーション技術が集結 in kat 2022年11日29日(火) in

 日本工作機械工業会は11月8日~13日、東京都江東区の東京ビッグサイトで「JIMTOF2022(第31回 日本国際工作機械見本市)」を開催した。多品種少量生産に対応する複合加工機やマシニングセンタ+協働ロボットなどの高生産性の自動化システム、スラッジ・切りくず回収やクーラント吐出などの消費電力低減によるカーボンフットプリント削減といった工作機械の出展が見られる中、工作機械の効率向上や高精度化、突発故障回避のための状態見える化、加工環境の改善などに貢献するベアリング&モーション関連技術が多数披露された。

 以下にその一端を紹介する。

工作機械エリア 開催のようす

 

イグス ブース

 「作業時間を減らしたい」「部品点数を減らしたい」「無駄なスペースを減らしたい」といった工作機械周りの課題を解決する、耐久性に優れ、可動部や捻回部でも安全に使用できるケーブル保護管や可動ケーブル、潤滑油不要ですべりで動くベアリングおよびリニアガイドなどメンテフリー・長寿命のモーション・プラスチック(無潤滑樹脂製部品)製品と、それらモーション・プラスチック製品をセンサ付きとすることでメンテナンス時期を予測しダウンタイムを防ぐ予知保全システム「スマートプラスチック」を紹介した。ブースでは今回、ユニバーサルロボット社製6軸URロボットの第7軸の機能としてリニアガイド「ドライリン」を使用したデモンストレーションを行った。

6軸URロボットの第7軸の機能としてドライリンを使用した例

 

 また、本年5月にドイツ・ハノーバーメッセで発表・披露したプラスチック製自転車「igus:bike」を国内初展示した。igus:bikeは「海洋プラスチックからモーション・プラスチックへ」という目標のもと作られた、90%以上がプラスチック製の都市型自転車で、イグスとオランダのスタートアップ企業mtrl(マテリアル)社とで共同開発した。可動部にイグスのモーション・プラスチックを用いることで、従来は金属でしか実現できなかったフリーホイールやギヤボックスなど負荷のかかる可動部品のプラスチック化を実現し、錆びることなくメンテナンスフリーで使用できる。将来的には、廃棄プラスチックのリサイクル素材で製造されたバージョンも販売予定であるほか、使えなくなったigus:bikeを回収し、その素材を使って新たなigus:bikeを製造することも計画されている。現在、ドイツでは2023年中の発売開始を目指して準備を進めている。販売元はmtrl社だが、将来的には世界中に製造拠点を置き、現地で出た海洋プラスチック廃棄物をリサイクルし、現地で自転車を製造する構想もある。また、イグスのスマートプラスチック技術を使用し、自転車部品の寿命をスマートフォンなどで確認できるようなシステムも開発中という。

igus:bikeNTN ブース


 工作機械やロボットの進化を支え、地球や社会、ヒトの未来づくりへの貢献と各種ESG課題の解決を目指し、「Navigate your future」をテーマに「超高速/高精度技術」「IoT技術」「ロボティクス技術」の三つのゾーンに分けて商品・サービスを紹介した。
 独自のリンク機構により、手首のような滑らかな動きを実現するロボティクス・モジュール商品である「i-WRIST®」を展示した。今回改良を加え、動作速度や取付け姿勢の自由度、最大可搬質量を1㎏から3㎏へと向上した。従来よりも幅広い機種のエンドエフェクタの搭載や製品の取り扱いが可能になり、様々な製造工程の自動化と効率化、製造現場の省人化に貢献できる。

i-WRIST

 

 また、ピッキングロボット用の部品供給機「TRINITTE」を紹介した。カメラおよびピッキングロボットと連携接続し、TRINITTEのパルス信号とカメラの画像処理信号をロボットに取り込むことで、安定した部品の連続ピッキングを実現。さらに、「工作機械主軸用センサ内蔵軸受ユニット」を披露した。軸受に隣接する外輪間座に内蔵したセンサで軸受軌道面付近の高度な状態監視を行い、軸受の焼付きを未然に防止。回転を利用した電磁式発電機と無線モジュールによってワイヤレス化を実現する。

TRINITTE

 

ジェイテクト ブース

 「カーボンニュートラル達成」をテーマとし、工作機械構成部品や生産ライン付帯設備、運用/保全を通じたソリューションを提案した。

 精度よく回る(精度)」、「静かに回る(静粛性)」、「速く回る(高速性)」、「軽く回る(低トルク)」、「長く回る(長寿命)」という軸受の五つの基本性能を高い次元で実現する工作機械の高精度スピンドル用軸受「PRECILENCE®(プレシレンス)」を展示した。低速から高速回転領域で低NRROを実現。これらの特徴により、工作機械における高精度加工の実現に寄与する。

PRECILENCE

 

 非接触回転ながら剛性が高い「エア軸受スピンドルユニット」を紹介した。潤滑油が不要のためランニングコストを削減できるほか、スティックスリップがないため高精度を維持しつつ、長寿命が可能。具体的には、多孔質絞りのエア軸受のため、オリフィス絞りや自生絞り等の他のタイプに比較して高い剛性を持つ。また、グラファイトの自己潤滑性により回転軸との接触時に凝着が生じないので、軽微な接触であれば再使用が可能。さらに、NRRO(非同期振れ)0.05μm以下の高精度の回転精度とエア消費量が40NL/min 以下の省エネ効果を実現している。

エア軸受スピンドルユニット

 

THK ブース

 部品の状態を数値で見える化し、予兆検知を実現する製造業向けIoTサービス「OMNIedge」を紹介した。OMNIedgeは、2020年から同社の直動案内「LMガイド」にセンサをつけてそこから収集したデータを専用のアンプで処理することで現在の状態を数値で見える化する予兆検知サービスを開始、その後ボールねじ、アクチュエータ、さらにモーターなどの回転部品まで対象を広げてきたが、今回、工作機械の切削工具が抱える課題解決につなげるべく、後付け可能で面倒な閾値設定が一切不要な「工具監視AIソリューション」を披露した。切削工具には「寿命管理を最適にしながら工具コストを削減したい」、「欠損やチッピングによる加工不良、手直しロスの発生を防ぎたい」という課題があるが、従来は加工したワークの個数をもとに加工不良につながらないよう工具は早期交換されていたため、異常がなくても安全係数を見て交換することで相対的にコストが上昇する傾向にある。これに対し開発した「工具監視AIソリューション」は、後付け(レトロフィット)を可能にすることで、現場で稼働している年式やメーカーの異なる工作機械でも簡単に導入できる。切削工具の欠損/チッピングの検知、さらには摩耗度のモニタリング検知ができるため、機械加工の量産を手掛ける事業所では、工具寿命の最適化、工具交換のコスト削減、加工不良発生時の手直しロスの削減などにつながり、高い費用対効果が期待できるほか、センサから収集したデータはAIが自動解析し異常検知を行うため、繰り返し使用するほど精度が向上していく。

OMNIedge 工具監視AIソリューション

 

 また、クロスローラーリングと同等の高剛性と高い回転精度を有する旋回軸受(高速複列アンギュラリング)「BWH形」を紹介した。複列に配置したボールを保持器で整列させる構造のため、ボールは安定したスムーズな動きができ、ローラーに比べて転動面から生じる発熱による温度上昇を抑制しながら高速回転が可能なほか、予圧調整が不要、組み付けが容易など取り扱いがしやすい。

BWH形

 

日本ベアリング ブース

 転動体にニードルローラーを採用し、高剛性、高運動精度、高減衰性を実現したローラーガイド「EXRAIL」を展示した。精密工作機械をはじめとする重荷重・精密駆動用途に幅広く対応できる。今回は特にEXRAILの紹介動画を新制作してブースで上映し、高剛性、高運動精度、高減衰性のキーとなるニードルローラーやローラーのスムーズな循環を実現するリテーナ、メンテナンスフリーを実現する潤滑油含浸樹脂、多方向からの給油に対応する給脂孔など主要構成要素の一部を3Dモーショングラフィックによる動作確認で示しながら、使いやすく設計のしやすいローラーガイドであることを紹介した。

EXRAIL

 

 そのほか、丸軸と外筒の軌道溝をボールが転がる直動軸受である「NBボールスプライン・ボールねじスプライン」を展示した。「NBボールスプライン」はボールの転がり運動を利用した直線運動機構で、ラジアル荷重とトルクを同時に負荷できることから、搬送装置やロボットなど幅広い分野で使用されている。「NBボールねじスプライン」は1本にボールねじとスプラインの軌道溝を設けた軸と高剛性で高精度なボールねじナットとボールスプライン外筒で構成。SPBR形はボールねじナットとボールスプライン外筒に高速回転が可能なアンギュラコンタクトの回転部を一体としたロータリーボールねじナットとロータリーボールスプライン外筒が組み合わされている。SPBF形にはロータリーボールねじナットとボールスプライン外筒が組み合わされている。NBボールねじスプラインは1軸で「位置決め」「直線運動」「回転運動」を行うことができ、これらの運動を組み合わせることでスパイラル運動やスカラ形ロボット、組立機、ローダーなど様々な機械に使用できる。

NBボールスプライン

 

日本精工 ブース

  ”工作機械メーカーとともに高度自動化とカーボンニュートラルの世界を目指す”をコンセプトに、ボールねじ送り系の状態安定化技術「NSK Feed Drive Adjuster™」を披露した。工作機械の送り系の温度上昇によって起こる、ねじ軸の伸びによる機能の変化を最小限に留める。通常、ねじ軸の伸びが著しい場合は送り系の異常や故障を防ぐため、ねじ軸を支持している機構の片側で軸方向の変位を逃すことで対処しているが、これにより支持剛性が低下し軸方向の荷重を適切に受けられなくなり、工作機械の加工精度・品質に影響が出る課題があった。これに対しNSK Feed Drive Adjuster™は、片側のサポート軸受部に適度な剛性と動特性の維持を可能にするとともに軸方向の変位に追従することで、送り系が発熱などの環境変化の影響を受けても剛性の変化が最小限となり、軸方向の荷重を支持し続けられるため、加工の精度や品質、生産性の変化を低減できる。また加工調整のための暖機運転、冷却などによるロスタイムや環境負荷の削減にも貢献する。 
 

状態安定化技術を適用したボールねじ送り系と、開発担当の新井 覚 氏

 

 また、耐焼付き性の向上とクーラント環境下での信頼性向上で環境にやさしいグリース潤滑の採用を拡大させ、オイルエア潤滑に比べ工作機械の消費電力削減や作業環境の改善に貢献する主軸軸受用グリース「ROBUSTGRD™」を紹介した。グリースを構成する増ちょう剤、基油、添加剤の最適配合により同社従来品比5倍の耐焼付き性能を実現するほか、グリース潤滑では加工の際に使用するクーラント液が軸受に浸入するとその水分で油膜が切れ潤滑性能に悪影響が出ることが懸念されるが、ROBUSTGRD™ではクーラントが浸入した際にその水分の影響による油膜切れを発生しづらく、信頼性を高めている。

ROBUSTGRDの展示:独自開発の、回転中の軸受の油膜を測定する技術を使い、
ROBUSTGRDと従来グリースの油膜厚さを比較

 

ハイウィン ブース

 「繋がる、広がる―Connect & Expand」をキャッチコピーに、工作機械Solutionと自動化・省力化Solution、Total Solutionの三つのソリューションを提示。
 状態可視化システム搭載の直動機器「i4.0シリーズ」を紹介した。ボールねじやリニアガイドウェイ、単軸ロボットに温度・振動センサを付けて直動機器の状態を可視化することで、工作機械案内部の予知保全につなげることができる。

i4.0シリーズ

 

 また、直動や回転部品だけではない、モーターやドライバーなどメカトロ部品を組み合わせ、産業用ロボットや超精密位置決めステージまでをカバーするラインアップによってユーザーの工数を削減する自動化・省力化の提案を行ったほか、直動機器から各種モーターやドライバー、そしてそれらを組み合わせたモジュールや超精密位置決めステージ、産業用ロボットなどの提供を通じて、設計・開発から、購買や組立、品質保証、生産管理まで、装置メーカーの工数削減に貢献するトータルソリューションの提案を行った。市に営業拠点を配置。ブースでは、神戸市内の約7500坪の敷地に研究開発機能を備えた本社工場を設立し、11月1日より稼働を開始したことをアピールした。

ロボットやステージによる自動化・省力化Solution

 

kat

ジェイテクト、eAxleモーター用導電軸受を開発

1年 5ヶ月 ago
ジェイテクト、eAxleモーター用導電軸受を開発kat 2022年11日25日(金) in in

 ジェイテクトは、グループ会社である光洋シーリングテクノと共同で、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleのモーター用軸受に導電機能を持たせた、導電軸受「JTEKT Ultra Earth BearingTM(JUEB)」を新たに開発した。eAxleの信頼性向上、さらなる小型化に貢献する。

 電動化への波は自動車だけでなく建設機械や農業機械、ドローンなどの産業機械全般に広がっており、こうした中、ジェイテクトではJUEBをまずはBEVメーカーやeAxleメーカーに提案し、将来的には国内外のあらゆる産業における電動駆動ユニット用軸受の耐電食ニーズに対応していく。2030年に6億円/年の売上を目指す。

JTEKT Ultra Earth Bearing(JUEB)

 

 自動車の電動化が進む中、モーター、インバーター、減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、電費向上や航続距離延長など、より良いBEV実現のためには、その駆動源の心臓部であるeAxleの信頼性向上や小型化が求められている。

 インバーターで駆動するモーター用軸受においては、軸受内部に電気が流れることで、電食と呼ばれる損傷が起こることが課題となっていた。軸受に電食が発生すると、回転時の異音や軸受寿命の低下などの問題が発生し、eAxleの性能に影響を及ぼす。

 軸受の電食に対しては、従来技術として絶縁体であるセラミックボールの使用や、外輪表面への絶縁コーティング形成など、軸受を絶縁させる対策がとられていたが、それらの対策はコストが非常に高くなるという課題がある。

 また、軸受以外での電食対策も市場では実用化されており、一例として導電ブラシやアースリングと呼ばれる導電部材があるが、取り付けスペースや組付けの手間、さらにはコスト増の問題があった。

 ジェイテクトは2020年に、軸受の電食対策として従来技術よりも安価な絶縁コーティング軸受を開発したが、今回開発したJUEBは、導電による電食対策として、新開発の導電部材を軸受に内蔵することで絶縁軸受よりも安価で、導電ブラシ付軸受よりも安価かつ小型化を実現した。

 開発品の特徴は以下のとおり。
 
・耐電食性と小型化の両立:耐電食性能は、従来の市販の導電ブラシと同等以上であることが確認されているほか、軸受寸法はそのままで導電部材を軸受に内蔵することで、今まで軸受の横に取り付けられていた別体の導電ブラシの取り付けスペースが不要となり、その分モーター軸を短縮することが可能となる

小型化:6007軸受での事例

 

耐電食性:電食が発生するまでの耐久時間

 

・より効果的な電食対策:すでに開発済の絶縁軸受と、今回の導電軸受を適用部位によって使い分けることにより、より効果的に電食を抑制することが可能となるほか、JUEBによりモーターの筐体とシャフトを導通させることで、インバータノイズが原因となるラジオノイズ対策等にも効果が期待できる

JUEBと絶縁軸受組合せの一例

 

・JUEBによる軸長短縮化・軽量化によりeAxleは小型化され、バッテリー搭載位置の確保やタイヤ搭載位置の自由度向上など、BEV各パーツの搭載性が向上、それに伴いBEVの電費向上と航続距離延長に寄与する

kat

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年11月号「特集1:半導体製造プロセス」「特集2:産業用ロボット」発行!

1年 5ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年11月号「特集1:半導体製造プロセス」「特集2:産業用ロボット」発行!admin 2022年11日22日(火) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第39号となる2022年11月号が11月25日に小社より発行される。

 今号は、「特集1:半導体製造プロセス」、「特集2:産業用ロボット」で構成。

 特集1「半導体製造装置」では、微細化や高集積化の進む半導体製造プロセスにおいて、低発塵や高速・高加減速、高精度といった要求性能を実現するベアリング&モーション技術を広く紹介する。

 特集2「産業用ロボット」では、自動化ニーズに対応する協働ロボットの進化と適用から、中小企業などでの自動化を支援する取組み、さらには産業用ロボットのキーコンポーネントである減速機向けのコーティング技術を紹介する。

特集1:半導体製造プロセス

◇半導体製造装置の市場・技術動向とベアリング&モーション技術・・・日本半導体製造装置協会 小林 章秀 氏に聞く

◇半導体製造における超精密位置決め技術の動向・・・住友重機械工業 吉田 達矢

◇半導体分野における超薄型ボールベアリングの適用・・・木村洋行 北澤 潤 氏、足立 健太 氏に聞く

◇半導体製造プロセスにおける真空シールの適用と新展開・・・フェローテックマテリアルテクノロジーズ 西本 文夫 氏、鷺坂 圭亮 氏に聞く

◇ベリリウム銅合金を用いた低ガス放出チャンバー・超高感度ガス分析技術の半導体製造プロセスにおける適用・・・東京電子 黒岩 雅英 氏に聞く

特集2:産業用ロボット

◇ものづくりにおける自動化ニーズに対応する協働ロボットの進化・・・ユニバーサルロボット 山根 剛氏に聞く

◇機械要素技術を組み合わせた自動化・省力化システムと、自動化導入支援の取組み・・・ハイウィンに聞く

◇産業用ロボット向け減速機のトライボロジー課題に対応するDLCコーティング・・・編集部

連載

注目技術:第33回自律分散式転がり軸受の適用による大容量・高頻度充放電の蓄電が可能なフライホイール蓄電技術・・・空スペース

あるコスモポリタンの区区之心 第9回 ホツマツタエと碩学・・・紺野 大介

Q&A「浄油技術」の基礎知識 第9回 フィルタエレメントの選定方法・・・RMFジャパン テクニカルサポート

トピックス

JIMTOF2022開催、工作機械向けベアリング&モーション技術が集結
トライボコーティング技術研究会、令和4年度第 2 回研究会を開催

雑誌ご購入

定期購読はこちらから
単号のみのご購入はこちらから(外部サイト)

admin

JAST、トライボロジー会議 2022 秋 福井をリアル開催

1年 6ヶ月 ago
JAST、トライボロジー会議 2022 秋 福井をリアル開催 in kat 2022年11日14日(月) in

 日本トライボロジー学会(JAST)は11月9日~11日、福井県福井市のフェニックス・プラザで、「トライボロジー会議 2022 福井」(実行委員長:福井大学・本田知己氏)を開催した。トライボロジー会議のリアル開催は3年ぶりで、会期中は630名が参加した。

会場のフェニックス・プラザ

 今回は、「機械要素」、「潤滑剤」、「分析・評価・試験方法」、「摩耗」、「加工・製造」、「摩擦」、「表面・接触」、「表面処理・コーティング」、「バイオトライボロジー」、「流体潤滑」、「マイクロ・ナノメカニズム」、「疲労」、「境界潤滑」、「摩擦材料」、「シミュレーション」のテーマによる一般講演と、「自動車のトライボロジー技術の最前線」、「境界潤滑膜の現在と未来」、「シールにおけるトライボロジー技術」、「フラーレン添加油剤の将来展望」、「次世代教育について考える~他学協会との交流~」のテーマによるシンポジウムセッションで、全227件の発表がなされた。

 初日となる9日には、新潟・富山・石川・福井の4県の大学・高専・公設試・企業に所属するトライボロジストからなる地区研究会「日本海トライボロジー研究会」の設立30周年を祝いつつ次の10年、20年へとつなげていくための記念イベントとして、「イブニングフォーラム feat.日本海トライボロジー研究会」が開催された。

イブニングフォーラムのようす

 また、10日には特別講演会が開催され、福井県年縞博物館 特別館長で福井県立大学 客員教授の山根一眞氏が「奇跡の湖、水月湖の年縞と年縞博物館の奮戦」と題して、また、福井大学 基盤部門 産学官連携本部 特命准教授の青柳賢英氏が「福井県製造の超小型衛星が切り拓く未来」と題して、それぞれ講演を行った。

山根一眞氏による特別講演のようす

 同日に開催された「交歓会」で挨拶に立った本田知己・実行委員長は、「福井の地に皆様をお迎えして対面でお会いできたことを、熱いディスカッションが繰り広げられていることを大変うれしく思うとともに、皆様が談笑されているのを目の当たりにして“対面で開催して良かった”との思いをあらためて強くしている。現地開催を前提に講演募集を開始したものの、依然コロナ禍にある状況で、例年どおり講演件数が集まるか企業展示に参加いただけるかと懸念していたが、特に強くプッシュすることもなく、一般講演では51セッションで196件、シンポジウムセッションでは5テーマで31件の講演がなされ、企業技術・製品展示コーナーでも机上製品展示24件、資料展示10件の出展がなされ、非常に盛況裡に開催されているものと感じている。各セッションでは引き続き活発な議論を展開していただくとともに、展示コーナーでは実際の製品を見ながらの有益な商談につなげていただきたい。会期中は福井県の観光や食、お酒を楽しんでいただきつつ、久しぶりに対面開催となった温かい雰囲気での会議を是非とも満喫していただきたい」と述べた。

挨拶する本田知己 実行委員長

 続いて牧野武朗JAST会長(三菱重工業)が、「久しぶりの対面開催だったが、各講演会場ともに、熱く内容の濃い議論が繰り広げられているのを実感している。対面の開催自体が初めてという若いトライボロジストも含めた皆様が、“お酒を飲んでいるときのような和やかな雰囲気でセッションを行う”という昔ながらのトライボロジー会議の伝統といった空気を楽しんでいただいていることを非常にうれしく思う。福井の良さは、散歩してみると実にいろいろな必見すべきスポットに出会うことができて、空が広く大変気持ちが良いこと。実行委員の方々のご配慮によって、今回のトライボロジー会議は、越前がに漁の解禁がなされたばかりという絶好のタイミングでの開催となった。最終日まで福井の地を堪能していただきつつ、対面での交流・議論を満喫していただきたい」と語った。

挨拶する牧野武朗JAST会長

 そのほか次回以降のJAST主催イベントの案内として、2023年5月29日~31日に開催予定の「トライボロジー会議 2023 春 東京」と2023年9月25日~30日に開催予定の「国際トライボロジー会議 福岡 2023(ITC Fukuoka 2023)」についての開催概要や見どころなどが、それぞれ紹介された。

 会期中は「企業技術・製品展示コーナー」が設けられたほか、出展企業数社による製品PRやサービスについての企業プレゼンテーションが実施された。

企業技術・製品展示コーナーのようす

 展示会場にはまた、福井県の観光案内や物産品販売のコーナーが設けられた。

観光案内コーナーのようす

 

物産品販売コーナーのようす


 

kat

ジェイテクト、電動化に貢献する幅短縮デフサイドシールを新開発

1年 6ヶ月 ago
ジェイテクト、電動化に貢献する幅短縮デフサイドシールを新開発kat 2022年11日08日(火) in in

 ジェイテクトのグループ会社である光洋シーリングテクノは、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleの小型化・軽量化に寄与する幅短縮デフサイドシール「JTEKT Ultra Compact SealTM (JUCS)」を新たに開発した。JCUSは、BEVのeAxleにとどまらず、建設機械や農業機械、ロボット、ドローンなどの産業機械に適用することで、国内外のあらゆる駆動システムの小型化ニーズに対応していく。約5億円/年の売上を目指す。

JUCS

 

 デフサイドシールとは、デファレンシャル(デフ) とドライブシャフトの連結部に装着するオイルシールのことで、内部からのオイル漏れや外部からの異物混入を防ぐ働きがる。なおデフとは、自動車の旋回時など走行中に発生する左右輪間の回転差を吸収しつつ、両輪と駆動源をつなぎトルク伝達を行う差動装置をいう。

 自動車の電動化が進む中、インバータ、モーター、デフを含む減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、より良いBEV実現のためにはその駆動源の心臓部であるeAxleの小型化・高出力密度化が求められている。

 そうした中、ジェイテクトグループでは、eAxleへの搭載を考慮し、ゴム材の開発、ならびにリップ設計の見直しを行うことで、デフサイドシールの幅寸法短縮を実現した。

同軸タイプeAxleの断面図とJUCS搭載位置

 

 開発品の特徴は以下のとおり。

・シール性能(低温時における偏心追随性)を維持したままユニット長を短縮可能:零下などの低温時はデフサイドシールのゴムが固くなり、軸の偏心に対するシールリップの追随能力が低下し、eAxleからのオイル漏れが発生しやすくなる。そこで低温性を従来比1.2倍に向上させたゴム材を開発し、加えて緊迫力構成比率(ゴム:ばね)の最適化により、低温時における偏心追随性の向上を図った。その結果、従来と同等の偏心追随性を確保しながら、シール内周部のリップ長さを20%短縮することが可能となった。また、シール外周部は、金属環とハウジングを接触させる構造とし、幅寸法短縮により低下するシールの保持力を維持している。


・デフサイドシール左右合わせて約4mmのeAxle幅寸法短縮を実現:上記の技術により、デフサイドシールで主に使用されるサイズ(外径50~80mm、幅9~12mm)において、シール幅を約2mm、左右合わせて約4mm短縮することが可能となり、eAxleのユニット長の短縮に貢献する。

 今後は、JUCSだけでなく、発表済みのJTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)やJTEKT Ultra Compact Bearing(JUCB)といった、ジェイテクトグループが有する技術でシナジーを生み出し、ユーザーに電動化貢献技術を提案していく。

 BEV電動駆動システムで特に需要拡大が予測される出力150Kwの同軸タイプeAxleに、上述3製品を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減すると算出され、eAxleの幅寸法短縮をはじめ、前後寸法や高さ寸法の短縮、それらに伴う小型化・軽量化に貢献することが期待できる。

 ジェイテクトは引き続き、グループを挙げて、eAxleの一層の小型化・軽量化に寄与し、バッテリー搭載量拡大によるBEV航続距離向上をはじめ、eAxle搭載位置の自由度拡大、車室や荷室空間の確保、車両シルエットの自由度拡大、電費向上など、BEVにおける嬉しさ追求に貢献していく。

kat

ジェイテクト、電動化に貢献する超幅狭軸受を新開発

1年 6ヶ月 ago
ジェイテクト、電動化に貢献する超幅狭軸受を新開発kat 2022年11日08日(火) in in

 ジェイテクトは、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleに搭載される軸受を幅狭化した超幅狭軸受「JTEKT Ultra Compact BearingTM (JUCB)」を新たに開発いたしました。eAxleの一層の小型化・軽量化に貢献する。JUCBは、BEVのeAxleだけでなく、建設機械や農業機械、ロボット、ドローンなどの産業機械に適用することで、国内外のあらゆる駆動システムの小型化ニーズに対応できる。同社ではJUCBで約70億円/年の売上を目指す。

JUCB

 

 自動車の電動化が進む中、インバータ、モーター、デフを含む減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、電費向上や航続距離延長など、より良いBEV実現のためには、その駆動源の心臓部であるeAxleの小型化が求められている。

 ジェイテクトは、2016年に主にHEV(ハイブリット車)やBEVのモーターに使用される高剛性組み合わせ樹脂保持器を開発した。今回開発したJUCBは、高剛性組合せ樹脂保持器をベースに保持器側面中心に穴を設け、保持器の幅を極限まで狭くすることで軸受の幅狭化を実現した。また、独自の金型設計および成形手法を確立し、幅狭化をする中でも保持器の強度を確保することができた。JUCBの特徴は以下のとおり。

軸受の幅狭化


・軸受性能(強度、耐久性)は従来品と同等、軸受幅は従来品に対して極限まで狭めることを達成した。汎用サイズ(6207)への適用で、軸方向寸法5mm(約30%)の短縮、重量は73g(約26%)の低減となる。これにより、同軸タイプや3軸タイプeAxleに搭載することで、ユニット長の短縮化を可能とする。

幅狭保持器

 

同軸タイプ(左)と3軸タイプ(右)
eAxleの断面図とJUCBによるユニット長短縮化

 

 今後は、JUCBだけでなく、発表済みのJTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)や現在開発中のeAxle向け超幅短オイルシールなど、ジェイテクトグループが有する技術でシナジーを生み出し、ユーザーに電動化貢献技術を提案していく。

 BEV電動駆動システムで特に需要拡大が予測される出力150Kwの同軸タイプeAxleに、上述3製品を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減すると算出され、eAxleの幅寸法短縮をはじめ、前後寸法や高さ寸法の短縮、それらに伴う小型化・軽量化に貢献することが期待できる 。

 ジェイテクトでは引き続き、グループを挙げて、eAxleの一層の小型化・軽量化に寄与し、バッテリー搭載量拡大によるBEV航続距離向上をはじめ、eAxle搭載位置の自由度拡大、車室や荷室空間の確保、車両シルエットの自由度拡大、電費向上など、BEVにおける嬉しさ追求に貢献していく。

kat

イグス、プラスチック製自転車をJIMTOF2022で国内初展示

1年 6ヶ月 ago
イグス、プラスチック製自転車をJIMTOF2022で国内初展示kat 2022年11日08日(火) in

 イグスは11月8日~13日に開催される「JIMTOF2022 第31回日本国際工作機械見本市」の同社ブースで、本年5月にドイツ・ハノーバーメッセで発表・披露したプラスチック製自転車「igus:bike」を国内初展示する。

igus:bike

 

 igus:bikeは「海洋プラスチックからモーション・プラスチックへ」という目標のもと作られた、90%以上がプラスチック製の都市型自転車で、イグスとオランダのスタートアップ企業mtrl(マテリアル)社とで共同開発した。

 可動部にイグスのモーション・プラスチック(無潤滑樹脂製部品)を用いることで、従来は金属でしか実現できなかったフリーホイールやギヤボックスなど負荷のかかる可動部品のプラスチック化を実現し、錆びることなくメンテナンスフリーで使用できる。将来的には、廃棄プラスチックのリサイクル素材で製造されたバージョンも販売予定であるほか、使えなくなったigus:bikeを回収し、その素材を使って新たなigus:bikeを製造することも計画されている。

 現在、ドイツでは2023年中の発売開始を目指して準備を進めている。販売元はmtrl社だが、将来的には世界中に製造拠点を置き、現地で出た海洋プラスチック廃棄物をリサイクルし、現地で自転車を製造する構想もある。また、イグスのスマートプラスチック(予知保全)技術を使用し、自転車部品の寿命をスマートフォンなどで確認できるようなシステムも開発中という。価格は€1200~。

kat

THK、高速複列アンギュラリングを新開発

1年 6ヶ月 ago
THK、高速複列アンギュラリングを新開発kat 2022年11日07日(月) in

 THKは、同社で最も高速性に優れた旋回軸受 高速複列アンギュラリング「BWH形」を新開発し、11月2日より受注を開始した。

BWH形の構造図


 高速複列アンギュラリングBWH形は、内外輪の間に保持器で複列にボールが配列された旋回軸受で、同社のクロスローラーリングとともに回転シリーズの一角を担う。主な特長として、あらゆる方向の荷重を受けられ、クロスローラーリングと同等の高剛性と高い回転精度を有するほか、転動体をローラーからボールに変更した新構造の採用により同社で最も高速性に優れた旋回軸受となっている。

 クロスローラーリングは、THKの旋回軸受として長年にわたりマシニングセンタの回転テーブルをはじめ、産業用ロボットの関節部、減速機などの用途に幅広く採用されてきたが、近年はユーザーの要求性能が年々高まりを見せ、特にその中でも高剛性と高速性を兼ね備えた旋回軸受の製品化を望む声が多く寄せられていた。

 同社ではこれに対応した新製品開発を進めていたが、今回、転動体をローラーからボールへと置き換えることで、高速性ニーズと発熱による昇温抑制に対応した高速複列アンギュラリングBWH形を新たに開発したもの。ボールへの置き換えにより、連続した高速回転でも発熱による温度上昇が大幅に抑制され、今までカバーしきれなかった高速回転領域の市場ニーズへの対応が可能となっている。特に工作機械市場の中でも生産ラインの工程集約につながるマシニングセンタや複合加工機で、旋削機能の搭載をはじめ回転テーブルの高速稼動など、マシン性能の高機能化と生産性向上を図ることができる。

 製品ラインナップは内径φ100、φ120、φ200を展開、今後は大径サイズの形番も順次加えていく予定。

 開発品の特徴は以下のとおり。

・高速性に優れた旋回軸受:複列に配置したボールを保持器で整列させる構造のため、ボールは安定したスムーズな動きができ、ローラーに比べて転動面から生じる発熱による温度上昇を抑制しながら高速回転が可能

・予圧調整が不要:内外輪がともに一体構造で適正な予圧が付与されているので、組付け時に予圧調整が不要

・組付けが容易:内外輪の取付穴で製品を直接組み付けられるので、押さえ部品が不要で組付けが容易

kat

THK、直動案内・ボールねじのラインナップを拡充

1年 6ヶ月 ago
THK、直動案内・ボールねじのラインナップを拡充kat 2022年11日07日(月) in

 THKは、11月8日~13日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2022(第31回 日本国際工作機械見本市)」を機に、多様化する市場ニーズに応えるべく主力製品のLMガイド、ボールねじのラインナップを拡充する。

 精密ボールねじ「SDA-V形」は、ねじ軸径φ10~50、リード4~50mmから構成される、現行107品目のラインナップを誇る。ナット形状はISO/DIN/JIS規格に準拠し、さらに高速送りを実現する。最高回転数は5000min-1、外径寸法は従来形番に比べて30%のコンパクト化(外径比最大での比較)を実現し、市場ニーズの“装置の高速化・コンパクト化”に応える。新たな追加ラインナップとしては、軸径φ20, φ32, φ38, φ40、リード 6mm, 8mm, 15mmの品揃えを展開。ユーザーが求める形番展開をいち早く標準化し、幅広いニーズに対応する。

SDA-V形


 直動案内(製品名:LMガイド)「HDR形」は、ボール転動面が“背面合わせ”の特徴的構造(DB構造)を有する。本製品は、LMガイド1軸でも高いモーメント荷重(ローリング方向の荷重)を受けることができ、あらゆる取付姿勢(壁掛け、逆さ、立使用など)でも水平使用時とほぼ同等の性能を発揮する。外形寸法は世界標準寸法(ISO規格)に準じており、LMブロックは標準タイプ、ロングタイプ、ショートタイプに対応している。新たな追加ラインナップは、ユーザーから多くの要望が寄せられていた長手方向のブロック長さをより短くして軽量かつロングストロークに対応した、ショートタイプブロック。

HDR形


 カバースタンパー「WPC-ST形」は、LMレール上面よりLMブロック内部への異物流入を防ぐプレートカバーを画期的な方法で簡単に取り付けるための専用治具。これまでプレートカバーはLMブロックを一旦LMレールから外して取り付けるのが通例だったが、WPC-ST形を用いることでLMブロックを取り外すことなく簡単にプレートカバーを取付けることが可能となっている。対応形番はLMガイドHDR形(#15-65全サイズ)とローラータイプLMガイドSRG形(#25-65)の2形番、プレートカバーは巻取り品、セット品のそれぞれに対応。

WPC-ST形

 

kat

日本ベアリング、高剛性、高運動精度、高減衰性ローラーガイドの紹介映像を制作、JIMTOF2022で公開

1年 6ヶ月 ago
日本ベアリング、高剛性、高運動精度、高減衰性ローラーガイドの紹介映像を制作、JIMTOF2022で公開kat 2022年11日07日(月) in

 日本ベアリングはこのほど、転動体にニードルローラーを採用し、高剛性、高運動精度、高減衰性を実現し、精密工作機械をはじめとする重荷重・精密駆動用途に幅広く対応する新時代のローラーガイド「EXRAIL」の構造・特長を紹介する映像「EXRAIL Presentation Picture」を制作した。11月8日~13日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)」の同社ブースで上映する。
 

EXRAIL Presentation Picture

 

 同社ではこれまで、ローラーガイドEXRAILをトランスフォーム(変形)させたトランスフォームロボ「exrail-1(エクスレール・ワン)」を通じてEXRAILの高剛性、高運動精度、高減衰性を体現する、動画4作品を制作している。

 今回の作品では、exrail-1のコックピットから降り立った女性パイロット(CV:小林沙苗)が、EXRAILの高剛性、高運動精度、高減衰性の三大特長について説明。exrail-1のモーションキャプチャーや各種データ、高剛性、高運動精度、高減衰性のキーとなる転動体・ニードルローラー、スムースなローラーの循環を実現するリテーナ、メンテナンスフリーを実現する潤滑油含浸樹脂、多方向からの給油に対応する給油孔などの主要構成要素の一部を3Dモーショングラフィックによる動作確認で示しながら、使いやすさや設計のしやすさにも対応した、“産業界での闘いに勝利するための”新時代のローラーガイドEXRAILの全貌をわかりやすく、透き通った力強い語り口で紹介している。

 本動画はまた、同社ホームページ内のJIMTOF2022出展紹介ページ(https://www.nipponbearing.com/news/trade_fair_JIMTOF2022.html)や日本ベアリングYouTubeチャンネル(https://youtu.be/408xyxaTduQ)でも視聴できる。

kat

NTN、2022年“超”モノづくり部品大賞(大賞)を受賞

1年 6ヶ月 ago
NTN、2022年“超”モノづくり部品大賞(大賞)を受賞kat 2022年11日07日(月) in in

 NTNは、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催する「2022年“超”モノづくり部品大賞」において、世界最高水準の伝達効率により自動車の省燃費・電費化に貢献する固定式等速ジョイント(CVJ)「CFJ」により「“超”モノづくり部品大賞(大賞)」を受賞した。

 

 CVJはエンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝えるドライブシャフトの構成部品で、タイヤ側に使用される固定式CVJには高い作動角を取りながら、回転を等速に維持してトルクを伝達する機能が求められている。従来のCVJにはトルク伝達時に内部部品にかかる力が一方向に片寄ることでトルク損失が大きくなるという課題があり、その損失は作動角が大きいほど増加する傾向にあった。

 同社のCFJは従来のCVJの基本構造を大きく変え、内部部品にかかる力を相殺する独自の「スフェリカル・クロスグルーブ構造(ボールが通る転動溝を内輪・外輪で互いに交差させた構造。隣り合う転動溝を互い違いに傾斜させることで、ボールが内部部品を押す力の向きを交互に振り分け、互いに相殺させる)」を採用。本構造の適用により、従来品が持つ世界最高水準の軽量・コンパクト性、最大47°の作動角度はそのままに、トルク損失率を50%以上低減、さらに高作動角時においてもトルク損失率の増加を大幅に抑えることが可能となっている。

 脱炭素社会化を背景に、自動車業界においてCO2排出量の削減や省燃費化・省電費化に向けた取組みが加速する中、自動車部品の高効率化が急務となっている。CFJは従来品の軽量・コンパクト性を維持しながらトルク損失率を従来品比で50%以上低減し、自動車の燃費改善やCO2排出量の削減に大きく貢献するが、こうした環境貢献度に加え、世界最高水準の高効率性を実現した「スフェリカル・クロスグルーブ構造」の技術の独創性などが高く評価され、今回の受賞となった。

kat

NTN、高効率固定式等速ジョイントを量産受注

1年 6ヶ月 ago
NTN、高効率固定式等速ジョイントを量産受注kat 2022年11日07日(月) in in

 世界最高水準の伝達効率で自動車の燃費・電費の向上に貢献
NTN株式会社(以下、NTN)は、世界最高水準の伝達効率を持ち自動車の燃費・電費の向上に貢献する高効率固定式等速ジョイント「CFJ」を、自動車メーカー数社より量産受注した。世界最小・最軽量の固定式等速ジョイント「EBJ」の基本特性を維持しつつ、トルク損失率を50%以上低減した商品となっている。

高効率固定式等速ジョイント「CFJ」

 

 脱炭素社会化を背景に、自動車業界ではCO2排出量の削減や省燃費化・省電費化に向けた取組みが進められる中、エンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝えるドライブシャフトの構成部品である等速ジョイント(CVJ)に対する高効率化のニーズがこれまで以上に高まっている。

 CVJがトルクを伝達する際、内部部品のボールがケージを押す力が一方向に片寄ることで部品間に摩擦が起き、トルク損失が発生する。また、CVJの取付け角度が大きくなると、ボールがケージを押す力も大きくなり、トルク損失率は増加する。CFJは、隣り合うトラック(転動溝)を互いに傾斜させた独自の「スフェリカル・クロスグルーブ構造」により、隣り合うボールがケージを押す力の向きが交互となることで力の片寄りを抑え、トルク損失率を従来品比で50%以上低減している。また、その独自構造によりCVJの取付け角度が大きくなっても、トルク損失率の増加を大幅に抑えることが可能となっている。

 同社では今回、CFJの高効率性に加え、大きな取り付け角度におけるトルク損失率の低減が自動車メーカー数社から高く評価され、量産受注につながったもの。

 CFJは、昨今グローバルで人気のSUVや、加速度的に普及が進むEVやHEVに最適な商品。EVにおいては、大容量バッテリーの搭載や室内空間の拡大、衝突安全性などを考慮して、パワートレインユニットが車両の端に配置される傾向にあるため、CVJの取付け角度が大きくなる。大きな取付け角度においても高効率性を発揮するCFJを適用することで、車両レイアウトの自由度の向上と省電費化の両立に貢献する。

 また、EVやHEVでは、車が減速する時のエネルギーを利用してモータを回し、電力として蓄える回生ブレーキシステムが搭載されている。CFJはその独自構造により走行時と逆方向の回生トルクが入力される際のトルク損失率も低減するため、回生エネルギーによる発電効率も向上させることが可能となる。

 EBJからCFJへの置き換えによる燃費の改善効果をJAPIA LCI算出ガイドラインに基づき内燃機関車両で試算した場合、燃費は0.62%の改善、CO2排出量は0.96g/kmの削減効果が見込まれ、CO2排出量の規制が厳格化する中、こうした高い環境性能についても自動車メーカーなどから高い評価を得ている。

kat

NTN、複列磁気エンコーダ付転がり軸受を開発

1年 6ヶ月 ago
NTN、複列磁気エンコーダ付転がり軸受を開発kat 2022年11日07日(月) in in

 NTNは、耐環境性に優れた、高精度な角度検出が可能な「複列磁気エンコーダ付転がり軸受」を開発した。軸受と磁気式エンコーダを一体化した軸受ユニットで、ロボットの性能向上や関節機構の小型・軽量化のほか、組み立てやセットアップなどの工数削減に貢献する。

複列磁気エンコーダ付転がり軸受:深溝玉軸受6907 を使用した場合
主要寸法:内径φ35mm×外径φ55mm×幅20.5mm

 

 近年、各種産業の製造現場においては、少子高齢化に伴う生産年齢人口比率の低下などを背景に、ロボットの活用による自動化・省人化が加速しており、ロボットが担う作業が多様化している。各種ロボットには動作精度の向上に加え、関節機構の部品点数の削減や各種部品の小型・軽量化、組立工数の削減などが求められている。

 今回開発した複列磁気エンコーダ付転がり軸受は、ロボットの関節機構を支持する深溝玉軸受に磁気リングとセンサを取り付け、回転速度や方向、絶対角の検出機能を持たせた軸受ユニット。独自の「複列磁気リング」を軸受の内輪に取り付け、外輪に搭載した磁気センサICにより「複列磁気リング」の磁極の変化を読み取ることで、業界最高水準の角度検出精度(最大20bit、分解能約0.00034°)で回転の速度や絶対角などを検出する。

 フォークリフトなどの運搬機械向けに展開している回転センサ付軸受で培った軸受と回転検出部の一体化技術を活用することで、複列磁気リングと磁気センサICの間隔や向きなどを最適化し、コンパクトで軽量なユニットを実現している。

 開発品の適用により、関節機構の軸とロータリエンコーダをつなぐ動力伝達装置(カップリング)が不要となり、関節機構の小型・軽量化を実現する。また、磁気式エンコーダは、耐環境性に優れているため、埃や油などが伴う使用環境においても高い検出精度を発揮することが可能となっている。

 開発品は軸受と磁気式エンコーダを一体化しているため、ロータリエンコーダとカップリングの取り付けやセットアップ作業が不要で、ロボットの組み立てが容易となる。また、軸受寸法や負荷容量は通常の軸受と変わらず、幅広い種類のロボットに適用できる。

kat

ハイウィン、新本社・工場の稼働を開始

1年 6ヶ月 ago
ハイウィン、新本社・工場の稼働を開始 in kat 2022年11日03日(木) in

 ハイウィンは11月1日、新本社(神戸市西区区井吹台東町7-4-4)の稼働を開始した。新本社は敷地面積約7500坪(約25000m2)、西神南ニュータウンに隣接する「神戸サイエンスパーク」内に建設された。本社機能に加え、従来から国内で実施していたボールねじやリニアガイドウェイ、単軸ロボットの二次加工生産能力を約2倍に増強するほか、クリーンルームを備えており、システムやモジュールの生産を行う。またロボットや自動化ライン向けのビフォーサービスとしてユーザーの実製品で検証してよりスピーディにライン化を行うサポートをするほか、作業従事者への教育やロボットの操作資格の取得が可能なエデュケーション・トレーニングセンターやR&D部門を新設する。

新本社の外観

 

 進化するスマートファクトリーへの対応という課題においては、従来製品に加えて、ロボットやシステム、モジュールに対する要望が高まっている。これに対し同社では、進化した工場機能を備えた新本社において、各種部品やモジュール、システムの新製品やラインアップを充実させていく。多様化するユーザーニーズに対しワンストップ・ソリューションの提案ができる強みを活かし、それらニーズへの迅速な対応やメンテナンス機能の強化などを図っていく計画だ。

 稼働開始の11月1日には、工作機械メーカーや半導体製造装置メーカーをはじめとするユーザー企業や販売店などを招いての「新社屋落成記念式典」が開催された。

 式典ではまず、会社紹介の動画が上映された後、台湾本社会長の卓 文恒氏が挨拶に立ち、「新しい技術の開発には3年を要し、その技術の普及には30年を要するという言葉があるが、日本法人は1999年に設立され、この23年の間に日本市場においてその技術が高く評価され邁進を続けている。新工場の稼働により、さらなるイノベーションと高付加価値をユーザーに提供していきたい」と述べた

挨拶する卓 文恒氏

 

 来賓挨拶ではオークマ社長の家城 淳氏が、「ハイウィンとは(日本法人設立前の)約30年前にボールねじ提供の提案をいただいた。開発の熟成された提案ではあったが、重要な要素部品であるボールねじの採用にあたっては慎重をきたす必要があり、また、当社が実証主義をモットーとしていることから、中堅技術者であった私を含めた当社の技術陣が提案されたボールねじについてじっくりと検証を重ね、製品認定を経て当社の旋盤に採用されるに至った。現在では旋盤だけで約10倍に採用が拡大、当社マシンの負担を減らしていただいている。工作機械業界もまた、労働人口減少への対応や作業環境の改善、脱炭素社会の実現といった社会課題解決に努めているが、そこでは基板技術であるハイウィンの精密部品・モジュールも重要な役割を果たすことになる。次世代ものづくりの使命をともに担っていこう」と述べた。

挨拶する家城 淳氏

 

 また、日本法人の会長を務める蔡 惠卿氏が「私は本年より会長を務めることになったが、1999年の日本法人設立の時から日本企業との交流を始めている。本日から稼働する新社屋でも、すべての工程に携わり、子供のころから深い憧れのある日本の文化・日本ならではの要素を建築物の隅々に取り入れた。また、エントランスに設置したシンボルツリーで表現しているように、日本法人がユーザーとともに成長し続けることを願っている」と語った。

挨拶する蔡 惠卿氏

 

 その後、台湾と日本のエンジニアリングチームの演出による「ロボットアームショー」が実施され、垂直多関節ロボット3台がヴィッセル神戸の応援歌に合わせてテンポよく力強くしなやかに舞った。

ロボットアームショーのようす

 

 続いて、垂直多関節ロボットを含む10名によるテープカットが行われた。

テープカットのようす

 

 当日はまた、常設となるショールームにおいて、ボールねじ、リニアガイドウェイ、クロスローラーベアリング、波動歯車装置などの機械要素部品や、ACサーボモーター、ダイレクトドライブ(DD)モーターなどのメカトロ製品、精密位置決めに関する機器やステージの静展示の見学会や、超薄型DDモーター+ビジョンシステムによるウェハ外観検査システムなどの自動化・省力化に関する機器やモジュール製品、ウェハ搬送ロボット、スカラロボット、垂直多関節ロボットなどの産業用ロボットの動展示の見学会が行われた。

静展示例:状態可視化システム搭載のボールねじとリニアガイドウェイ「i4.0シリーズ」


 

動展示例:超薄型DDモーター「DMT」+ビジョンシステムによるウェハ外観検査システム。DMTの中空径にウェハを通すことで効率よい検査が行える

 

kat

イグス、クリップ機構搭載のリニアガイド用簡易取付式キャリッジを開発

1年 6ヶ月 ago
イグス、クリップ機構搭載のリニアガイド用簡易取付式キャリッジを開発kat 2022年10日24日(月) in

 イグスは、設計自由なモジュラー式リニアガイド「ドライリンW」向けに、クリップ機構を備えた簡易取付式キャリッジ(https://www.igus.co.jp/info/n21-clip-study)を開発した。新しいキャリッジは取り付け・取り外しがレール上で素早く行えるため、時間と手間を大幅に削減し、限られたスペースにも対応する。

 

 リニアガイドは、産業機械や測定/検査装置、カメラ機器など、あらゆる場所で使用されており、キャリッジに機械要素を搭載してレール上を移動させる。キャリッジの取り外しについては通常、工具を使用したりレール端部を経由して行ったりすることが多く、手間とスペースを要していた。このためユーザーからのキャリッジへの要件として、省スペースで簡単かつ安全な取り外しが可能なこと、組み立て済みの装置を安全に保管して、湿度や低温からも保護できることなどが挙げられていた。

 イグスではこうした要望に基づき、どの位置からでもワンステップでレールから取り外し可能な簡易取付式キャリッジを開発したもの。工具が不要な本製品は時間と手間を節約し、多様な用途で使用できる。

 クリップ式キャリッジには高機能ポリマー製のスライド部が組み込まれ、このスライド部によってダブルレール上を走行する。取り付ける際は、片側のレールにキャリッジを引っ掛け、バネ付きのレバーを引きながら、もう片方のレールにキャリッジをはめる。取り外す際も同様で、レバーを引きながらキャリッジを片側ずつレールから外す。簡単に操作できるため、より迅速で確実に取り付けることができる。この新しいデザインは、カメラ機器や測定装置を使用するユーザーより、試作段階から高い評価を受けている。

 新しいクリップ式キャリッジが加わり、ドライリンWの製品ラインアップがさらに充実した。現在、約40種類のキャリッジがあり、様々な要素との組み合わせによって非常に多様なモデルが可能となる。すべてのキャリッジに共通する特徴は、高機能ポリマー製スライド部を使用している点で、これにより高精度でスムーズな動作を確保し、無潤滑・メンテナンスフリーでの使用を実現している。

片側を引っ掛けるだけの操作性で素早い取り付け・取り外し

 

kat

木村洋行、加工分野でローラースクリューと電動アクチュエータ、 超薄型ボールベアリングの提案を強化

1年 7ヶ月 ago
木村洋行、加工分野でローラースクリューと電動アクチュエータ、 超薄型ボールベアリングの提案を強化 in kat 2022年10日07日(金) in in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)では長年にわたり超薄型ボールベアリング「Reali-Slimシリーズ」やカスタムベアリングの開発も手掛けるKAYDON(ケイドン)社の日本総代理店を務めており、2020年1月からはEWELLIX(エバリックス)社の直動製品を取り扱っている。

 エバリックスのローラースクリューおよび電動アクチュエータと、ケイドンの超薄型ボールベアリングはともに、設計の自由度を高めるだけでなく、電力消費の削減、ひいてはCO2削減に寄与できるソリューションとして注目されてきている。ここでは同社に、加工分野におけるローラースクリューおよび電動アクチュエータ、超薄型ボールベアリングの適用のメリットについて事例をまじえて話を聞いた。
 

ローラースクリュー 概要と特徴

 エバリックスは、SKFグループだったSKF Motion Technologies社を前身とする直動製品メーカーで、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評がある。エバリックスの直動製品の一つとしてローラースクリューがあるが、ローラースクリューはもともとエバリックスの前身の会社が世界に先駆け開発・製品化しており、エバリックスはローラースクリューのパイオニアといえる。

 ボールを転動体とするボールねじが点接触で運動するのに対し、ローラーを転動体とするローラースクリューは面接触で運動するため、ボールねじに比べ①高荷重の支持、②長寿命、③高剛性、といった特徴を持つ。
図1(a)は、𝐿10寿命計算に使われる基本動定格荷重(一群の同じ製品を運転した時に、その内の 90%がはく離を起こさずに回転できる寿命が100万回転になるような軸方向荷重、Ca)の比較だが、図1(a)からは例えば同じ軸径φ32で、高負荷容量ボールねじの基本動定格荷重が100kN程度なのに対して、エバリックスのローラースクリューの基本動定格荷重は130kN程度と、より大きな荷重が受けられることが分かる。

 このことから図1(b)に示すとおり、同じ基本動定格荷重でみると、高負荷容量ボールねじに比べエバリックスのローラースクリューは、ナットの長さを約3〜4割短縮できる。これは、ナットのダウンサイジングによる省スペース化が図れ、装置をコンパクト化できることを意味する。

 また、ボールねじなどの軸方向荷重としては一般的に、メーカーは基本動定格荷重の30%以下で使用することを推奨している。この値が許容荷重で、図1(c)は、エバリックスのローラースクリューが面接触により面圧を分散できるため、同じ軸径で比較すると、高負荷容量ボールねじの約3.3倍の許容荷重を有すること、つまり、はるかに高い耐荷重能力を持つことを示している。

 こうしたことからローラースクリューでは、同等の基本動定格荷重であればボールねじに比べ軸径の小さな製品にダウンサイジングでき、重量を大幅に軽くすることで、遠心力も大幅に小さくできる(図2)。
エバリックスのローラースクリューのシリーズとしては以下のとおり、大別して遊星型と循環型がある。
 

図1 エバリックス ローラースクリュー vs. 重荷重用ボールねじ(リード10mmで比較)

 

図2 同等の基本動定格荷重のボールねじからのダウンサイジングの効果
遊星型ローラースクリュー

 遊星型ローラースクリュー「SR」は、ねじ軸と、ねじ軸の周りに、ガイドで固定してそれぞれが非接触で配置された、両先端にギヤを切り本体には螺旋ねじを持つローラー、ローラー先端のギヤが噛み合う内歯車(ギヤリング:toothed ring)、ローラーの螺旋ねじと同じ角度の螺旋溝を内側に施したナットなどから構成される(図3)。

 ねじ軸の回転とともに各ローラーは、先端のギヤがギヤリングと噛み合いながら軸の周りを遊星運動で回転、これによってナットの直線運動へと変換される。
遊星型ローラースクリューの特徴としては、転がり接触によって低摩擦で、耐荷重能力が高く、循環型ローラースクリューのような循環機構を必要とせず、また衝撃荷重・振動を受けないため高速・高加速が要求されるアプリケーションに適していること、などが挙げられる。ローラー先端のギヤとギヤリングとの噛み合いによって、ボールねじで見られるような高加速の際の滑りも起こらない。
 

図3 遊星型ローラースクリューの構造

 

 

 

循環型ローラースクリュー

 循環型ローラースクリュー「SV」は、ねじを切った主軸と、軸の周りにケージ(保持器)によって非接触に整列させられた溝付きのローラー、各ローラーを押し出すように段差を設けたカム、内側にねじが切られローラーが落ちるためのスロットを有するナット、などで構成される(図4)。

 ねじ軸の回転とともにローラーが回転、カムの段差でローラーの先端が押されて順次転がりながらナット内側のねじと噛み合っていき、それによってナットの直線運動に変換される。

 循環型ローラースクリューの特徴としては、転がり接触によって低摩擦で、耐荷重能力が高いのは遊星型ローラースクリューと同じだが、ねじに螺旋の角度を取る必要がないため、極めて小さなリード(ねじ軸が1回転した時にナットが軸方向に進む距離)を設定できること、などが挙げられる。短所は、カムの段差によってローラーが溝に落ちてナットが進む際に振動が発生することで、このため高速用途には向いていない。
 

図4 循環型ローラースクリューの構造

 

  加工分野での適用事例

 ローラースクリューは、樹脂を押し出す射出成形機(図5)やブロー成形機、金属を曲げるベンディングマシン、スポット溶接ロボット、リベットマシン、サーボプレス機など、大きな推力を必要とするアプリケーションに適用できる。

 ボールねじを大径にしないと高推力を発生できず、装置内で大径ボールねじのスペースが確保できないような場合に、ローラースクリューはダウンサイジングによる省スペース化が可能となる。

 ローラースクリューを用いた電動アクチュエータもシリーズ化されているが、油圧アクチュエータからこの電動アクチュエータに置き替えることで、制御性や分解能を向上でき、必要とされるエネルギーを大幅に削減できるほか、油圧作動油の管理といったメンテナンスコストが削減できるなど、生産コストの低減と生産効率の向上に寄与できる。

 木村洋行ではまた、加工分野で適用の進む協働ロボットのアクセサリとしてエバリックスのピラー型電動アクチュエータをカスタマイズしロボット自体を垂直方向に動作させることで作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。ロボットの基台としてピラー型アクチュエータである「LIFTKIT」を使用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できる。

 また、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレースなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT2.0」(図6)も提案している。
ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能で、その場合は協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる。

 SLIDEKITおよびLIFTKITは当初、ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、現時点でUR、オムロン、ABB社、台湾テックマン(TM)社の4社の協働ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングペンダントによって、協働ロボットとSLIDEKIT/LIFTKITの動作制御が可能となっている。
 

図5 射出成形機での適用例

 

図6 SLIDEKIT2.0を用いた複数のセル生産装置でのワークの受け渡しイメージ
:スライド長3mまで対応

 

超薄型ボールベアリング 概要と特徴

 KAYDON(ケイドン)社は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング「Reali-Slimシリーズ」(図7)を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーで、現在はSKFグループとしてあらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けている。

 

図7 内径が大きくなっても断面サイズが一定の
ケイドン超薄型ボールベアリング

 

 ケイドン超薄型ボールベアリングの最大の特徴は、断面が超薄型のため装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れ、設計の自由度が向上する点。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と、通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある(図8)。

 特に、複合荷重を受けられる4点接触型を使用することで大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さをさらに短縮できる。気体・液体の配管類、電気配線やスリップリングなどを中空シャフト内に収納可能など、フレキシブルで効率的なデザインにできる。

 

図8 超薄型ボールベアリングの種類

 

加工分野での適用事例

 ケイドン超薄型ベアリングは内径が大きくなっても断面サイズが超薄型なことから、工作機械でも省スペース設計が可能で、外輪に歯切りした大口径ターンテーブル用ベアリングや、ツールチェンジャー用ベアリングなどに採用され、装置の省スペース設計のほか軽量化による消費電力の低減にも寄与している。
 工作機械でも砥石がワークの外周側を回転する用途では、砥石を支持するベアリングの内径を大きくしつつ外径寸法を抑える必要がある。このような用途では、ケイドン超薄型ボールベアリングの使用が有効な解決策となる。

 

今後の展開

 ものづくり現場での自動化・ロボット化が進展する中で、URロボットなどのアクセサリに位置づけられるエバリックスの電動アクチュエータの採用が進んできている。また、装置の省スペース設計が可能な点からは、エバリックスのローラースクリューやケイドンの超薄型ベアリングが注目されてきている。いずれも高い負荷容量、長寿命化を実現しつつ、サイズダウン化でき軽量化が図れることからは、装置の消費電力の低減、ひいてはCO2削減にも寄与できる。

 エバリックスの製品もケイドンの製品も、工作機械を含めて様々な用途に合わせてカスタマイズが可能なため、木村洋行ではユーザーとの対話の中でニーズを的確にとらえて、各種製品の特質を活かしつつユーザーの仕様に最適な製品を提供していくとともに、従来から実施している機械を正常に稼働させるための総合的な技術的サポートについても引き続き実施していく考えだ。

kat

イグス、ローコストオートメーション事業拡大に向け、Commonplace Robotics社の株式を取得

1年 7ヶ月 ago
イグス、ローコストオートメーション事業拡大に向け、Commonplace Robotics社の株式を取得kat 2022年10日07日(金) in in

 イグス・ドイツ本社は、ローコストオートメーション(LCA)事業拡大のため、ロボット業界の革新的企業であるドイツのCommonplace Robotics社の株式の過半数を取得した。同社の直感的なソフトウェアと、イグスの高機能ポリマー製可動パーツを組み合わせることで、オートメーションにおけるシンプルなソリューションを実現していく。

 Commonplace Roboticsは、直感的な制御システム、ソフトウェア、ロボット用パワーエレクトロニクスを専門とし、産業界・教育界向けに製品やサービスを提供する企業。クリスティアン・マイヤー氏によって11年前に設立された。“ロボットの統合と運用を低コストかつシンプルにして、ロボットを一般に広く普及させる”という同社のコンセプトが、イグスの産業用LCA製品と合致し、両社は2016年以降、イグス ロボットコントローラ(iRC)、アクチュエータ、ReBeLロボットアームなどの共同開発を行ってきた。ファームウェアやソフトウェアから、スイッチキャビネット構築や回路基板の組み立てまで対応するCommonplace Roboticsの高度な垂直統合は、新規開発の迅速な実現を可能にしている。

 今回の株式取得により、イグスとCommonplace Roboticsは、互いの革新的な技術の強みを組み合わせることになる。Commonplace Roboticsは、イグスとの技術プロジェクトに大きな期待を寄せており、同社にはイグスのローコストロボット用オンラインプラットフォームRBTXを通じて、日々様々な業界の顧客からの要望が届いている。今回の投資を機に、同社はさらに技術を拡充させて、そうした要望の多くに、より迅速に対応できることになる。

 両社による最新製品は、制御システムが装備可能なロボットアームReBeLで、個別部品としても購入可能なアクチュエータは、イグスのノウハウを活かしたギヤボックスと、Commonplace Roboticsのパワーエレクトロニクス、ソフトウェアの技術を統合している。4自由度または6自由度を持つReBeLは、(6自由度の場合)可搬重量が最大2㎏で可動範囲は664mm、正味重量はわずか10㎏。品質管理やピック&プレースといった従来の機械工学分野だけでなく、レストランオートメーションや都市型農業といった新しい分野からの要望や注文も多くなっている。

 

左:Commonplace Robotics CEOのクリスティアン・マイヤー氏
右:イグスCEO兼アントレプレナーのフランク・ブラーゼ氏

 

kat

出光興産、業界初、商用ディーゼルエンジン車のDPFの寿命を延長する無リン無灰オイルを開発

1年 7ヶ月 ago
出光興産、業界初、商用ディーゼルエンジン車のDPFの寿命を延長する無リン無灰オイルを開発kat 2022年10日07日(金) in in

 出光興産は、業界初となる無リン無灰のディーゼルエンジンオイル「idemitsu AshFree」(イデミツアッシュフリー、粘度グレード:10W-30、荷姿:200Lドラムまたは20L缶)を開発、発売を開始した。「idemitsu AshFree」は、ディーゼルトラックやバスに搭載される排ガス浄化処理装置DPF※2(Diesel Particulate Filter、ディーゼル微粒子捕集フィルター:DPF)の目詰まりの要因となる灰を出さないオイルで、DPFの寿命延長によるメンテナンス費用の削減やDPF再生時間短縮による労務時間・燃料使用量の削減を実現する。本製品は同社の特約販売店を通じて販売します。

idemitsu AshFree(20L缶)

 

 トラックやバスのエンジンに使用されている従来のディーゼルエンジンオイルには清浄性や耐摩耗性を向上させるため、添加剤として金属添加剤が含まれている。一方、これらの金属添加剤は灰となってDPFを詰まらせ、トラブルの要因となることが長年の課題となっていた。

 同社ではこの課題を根本的に解決するため、「灰を減らす」のではなく「灰を出さない」というコンセプトのもと、独自の添加剤処方技術により、灰となる金属添加剤を使用しないディーゼルエンジンオイルの開発に取り組み、成功した。

 開発したidemitsu AshFreeの特徴(期待効果)は以下のとおり。

1.DPFの寿命延長
 DPFは定期的な点検・清掃が必要で、燃料、オイル由来のススやオイル中の金属添加剤に由来する灰分から発生するPM(Particulate Matter : 粒子状物質)が溜まると、自動的にPMを燃焼させる「再生」処理をすることで、フィルターの性能を保持する。走行条件によっては自動再生では再生が完了しない場合があり、手動での再生を実施する必要が生じる。手動再生は30分程度車両を停止させて行う必要がある。これに対しidemitsu AshFree を使用することでDPFに灰が溜まらず、DPFの寿命延長(DPFの交換、洗浄などのメンテナンスコスト削減)が可能となる。

2.労務時間の改善
 上述のとおり、DPFの手動再生に費やしていた労務時間を削減し、負担を軽減できる。

3.燃料消費量の削減
 DPFの再生回数増加を抑制するため再生に使用する燃料を削減します。

4. 優れた高温清浄性
 独自の添加剤処方技術により、優れた高温清浄性と低い蒸発性を有しておりデポジット抑制(EGR等)も期待できる。「JASO DH-2」(日本製ディーゼルエンジン+DPF適合性能)規格より低い硫酸灰分と塩基価を実現し、「JASO DH-2」で制定されている全てのエンジン試験をクリアしている。

5. 環境への貢献
 DPFの再生回数抑制などによりCO2排出量の削減につながる。また、リンを使用しないことにより、触媒の被毒を抑え、触媒の交換を減らすことが期待できる。

 出光興産では、「1911年の創業以来、超緻密な設計にこだわり続け、潤滑油の技術力を磨いてきた。今後も、この技術力を通じ、労務環境の改善やCO2排出量の削減など、社会課題の解決に貢献していきたい」としている。

kat