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「ハノーバーメッセ 2024」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけ

3ヶ月 3週 ago
「ハノーバーメッセ 2024」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけ in kat 2024年01日24日(水) in

 ドイツメッセ日本代表部(代表:竹生学史氏、International Linkage代表)は、1月18日、東京都千代田区のステーションコンファレンス東京で、本年4月22日~26日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界最大級のB to B向け産業技術の専門展示会「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2024」(https://intl-linkage.co.jp/dm/hannovermesse/)に関するプレスカンファレンスを開催した。当日はドイツメッセ日本代表部 竹生氏の司会のもと、同展の概要や見どころについて紹介され、日本からの同展への参加を呼びかけた。

 

ハノーバーメッセ 2024で何が期待できるか?

 ドイツメッセ グローバルディレクター トレードフェア アンド プロダクト マネジメント ハノーバーメッセのフーベルトゥス フォン モンショー(Hubertus von Monschaw)氏より、ハノーバーメッセ 2024の概要と期待される点について、以下のとおり紹介された。

・4000社が出展、多様な分野の8000に及ぶ製品・ソリューションが披露

・インダストリアルトランスフォーメーション(IX)やインダストリー4.0、エネルギー4.0、水素&燃料電池、産業用ワイヤレス&産業用5Gといったトピカルなテーマで、750人超の講演者による会議プログラムを開催

・今回のパートナーカントリーは、グリーン産業への転換をリードする国、ノルウェー

・メインテーマは「Energizing a Sustainable Industry(持続可能な産業の活性化)」。このメインテーマのもと自動化やデジタル化、電動化によってクライメイトニュートラル(気候中立)をどう実現していくのか、また、成長の可能性の妨げとなっている熟練労働者の不足をどう解消するのかといった課題へのソリューションを提供する

・産業の5大課題へのソリューションに出会える!
①スマートマニュファクチャリング:インダストリー4.0は12年前にハノーバーメッセで誕生した。新しいトレンドとして、インダストリー4.0のプラットフォーム環境で発展してきた産業イニシアチブ「マニュファクチャリングX」がIoTやAI、ロボティクスなどの産業DXの発展にどうつながっていくのか、製造業固有のデータ共有基盤の構築がどう進んでいくのか、などが示される予定

②産業界のためのエネルギー:産業界では持続可能性がすべての製造業での課題となっており再生可能エネルギーの適用も始まっているが、世界中でより環境にやさしい低炭素のサーキュラーエコノミーモデルへシフトする政策が示される中、今回の展示会ではスマートソリューションによって再生可能エネルギーの利用をいかに拡大しつつエネルギー需要をカバーするかといった提案がなされる予定

③AI・機械学習:AIと機械学習は例えば機械の予兆保全分析などを可能とし装置の効率化やダウンタイムとコストの削減などに貢献しているが、エネルギー分野でもAIアルゴリズムによって再生エネルギー発電量やエネルギー効率の予測・改善に寄与できることなどが示される予定

④カーボンニュートラルな生産:カーボンエミッションを削減しつつ生産を行うことは企業にとって極めて重要で、環境負荷を減らすサステナブルな材料やサーキュラーエコノミーモデルを取り入れる戦略を目指しているが、多くの産業にとって継続してカーボンニュートラルを実現することはコスト面など大きな課題を抱えている。今回の展示会では市場での競争力を高めつつカーボンゼロを目指すソリューションが提示される予定

⑤水素および燃料電池:水素と燃料電池はクリーンエネルギーのソリューションとして実用段階に入りつつある。本展示会では20年前から取り上げており、今回も500社以上が出展する重要なテーマであり業界となる水素は将来のエネルギーの一つであり、エネルギー供給の点でも重要。現状課題を抱える再生エネルギーから水素を製造する「グリーン水素」の量産プロセスについても、ソリューションが提起される

・300社を上回るさまざまな技術分野のスタートアップ企業が、産業界のトレンドや次世代の産業の姿を反映

・自動化、デジタル化、電動化の分野で高度な技術イノベーションを示す製品またはソリューションを生んだ企業5社を選定し表彰する世界有数の産業賞「HERMES AWARD」の表彰式が、オープニングセレモニーの場で行われる

・オープニングセレモニーには、ドイツのオラフ・ショルツ首相やノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相も臨席する予定

 

パートナーカントリー・ノルウェーはグリーン産業への転換を提案

 パートナーカントリーであるノルウェーを代表して、ノルウェー大使館 駐日ノルウェー臨時代理大使のリーネ アウネ(Line Aune)氏とノルウェー大使館 通商技術参事官のスベイン グランダム(Svein Grandum)氏が登壇。世界の低炭素社会に貢献している同国のグリーン技術やハノーバーメッセ2024で発信するテーマなどについて紹介した。

・「Norway 2024:Pioneering the Green Industrial Transition(ノルウェー2024年:グリーン産業への転換をリードする)」を2024年のテーマに掲げ、世界の産業界がグリーン産業への転換に必要とされる新しいソリューションの提供・開発に注力

・100年以上の歴史を持つ水力発電、50年以上の歴史を持つ風力発電、波力発電、太陽光発電など、自然由来のエネルギーの利活用で世界をリードしている。中でも洋上風力発電では欧州のほかの国や日本にも技術供与している

・高度なスキルを有する労働者や、上記の信頼性と安定性を有する再生可能エネルギー技術などを抱える同国は、グリーンシフトにおける主要パートナー

・ホール12に設置されるノルウェーパビリオンでは、エネルギー、プロセス産業、バッテリー/充電ソリューション、デジタル化の分野からさまざまな企業が出展、エネルギー転換や持続可能な産業に関連する製品・ソリューションを展示する

 

ハノーバーメッセだからこそ出会える、ものづくりの先進性とリアル

 ゲストスピーカーとして、シーメンス デジタルインダストリーズ 産業機械営業統括部 統括部長 兼 医薬産業事業統括部 部長の濱地康成氏が登壇。「シーメンスやドイツの取り組みとHANNOVER MESSEの魅力」と題して、DX・GXの成功事例を学ぶことができるなど、参加してこそ得られるハノーバーメッセの魅力について紹介した。同社は1947年にハノーバーメッセへの出展を開始、ドイツ産業の発展とともにブースを拡大し、世界中が注目するDXの最新テクノロジーを発信している。

・世界経済フォーラムの選出する世界最先端工場「Global Lighthouse」の132拠点のうち、日本はわずかに2拠点。製造事業者の先進性の指標軸となる、DXやGXによる全体最適化の達成において、日本のものづくりは遅れている。日本人はDXやGXの最新の成功事例に出会えるハノーバーメッセに参加し、世界からものづくりの先進性を学ぶべき

・数理・データサイエンス・AI教育などDX等成長分野を中心とする人材育成において、世界はどのように産官学で連携しているのか、また、世界と日本の教育の違いは何かを学ぶために、さらに未来の日本のために、日本の良い文化を生かしつつ欧州の良い文化を掛け合わせてより良い文化を作るべく、特に若い人たちにハノーバーメッセに参加して学んでほしい

・シーメンスの最近の取り組みとしては、スマートマニュファクチャリングとデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に向けた協業をグローバルに発表している

・ハノーバーメッセ2024に参加し、世界のリアルを見てほしい

 

左から、竹生学史氏、フーベルトゥス フォン モンショー氏、
リーネ アウネ氏、スベイン グランダム氏、濱地康成氏


 

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ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2024年1月号「特集:自動化・電動化技術」「キーテク特集:解析技術」発行!

3ヶ月 3週 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2024年1月号「特集:自動化・電動化技術」「キーテク特集:解析技術」発行! in admin 2024年01日23日(火) in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第45号となる2024年1月号が1月25日に小社より発行される。

 今号は、「特集:自動化・電動化技術」、「キーテク特集:解析技術」で構成。特集「自動化・電動化技術」では、各種産業分野での自動化導入の状況について報告するとともに、モジュール製品を活用したイージーオーダーロボットによる自動化支援の取り組みや、6軸協働ロボットの作業範囲を拡張するアクチュエータ技術、各種産業展で編集部が注目したbmt関連製品・技術などを紹介する。

 また、キーテク特集「解析技術」においては、さまざまな問題を多方面にわたりシミュレートすることによって試作や実験の回数を減らすなど、ものづくりでの研究・開発工程の効率を高める解析技術の適用事例として、高分子のトライボ分子シミュレーションや、流体潤滑の負圧処理の比較と検証、といった話題を紹介する。

特集:自動化・電動化技術

◇ものづくり現場から物流倉庫まで、自動化・電動化導入の動向 ・・・関連各社に聞く

◇モジュール製品を活用したイージーオーダーロボットによる自動化支援の取り組み・・・THK 星野 京延 氏 に聞く

◇アプリケーション指向の電動アクチュエータを用いた自動化・電動化支援の取り組み・・・木村洋行 北澤 潤 氏、足立 健太 氏 に聞く

◇各種産業展示会で注目の、自動化を支えるbmt製品技術・・・編集部

キーテク特集:解析技術

◇高分子のトライボ分子シミュレーション・・・兵庫県立大学 鷲津 仁志

◇流体潤滑の負圧処理の比較と検証・・・トラ研 栫井 邦彦

連載

注目技術:EVプロトタイプと搭載の電動アクチュエータ技術・・・THK

あるコスモポリタンの区区之心 第16回 ウイグル人の慟哭・・・紺野 大介

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イグス、ボール循環型ガイドに寸法互換性があるすべり式ミニチュアリニアガイドを追加

4ヶ月 ago
イグス、ボール循環型ガイドに寸法互換性があるすべり式ミニチュアリニアガイドを追加kat 2024年01日11日(木) in

 イグスは、すべり式リニアガイドのドライリンWシリーズに、ボール循環型ガイドからの置き換えが容易なミニチュアリニアガイドを追加した。このミニチュアリニアガイドは、医療用ピペッティングシステムや組み立て式家具など、狭い設置スペースでの調整用途に適した製品となっている。

 

 今回すべり式リニアガイド・ドライリンWシリーズに追加した製品は、一般的なボール循環型ガイドと取り付け寸法が同一のリニアガイドで、ドライリンWのキャリッジの従来サイズから高さを出してボール循環型ガイドの取付け寸法と互換性をもたせることにより、ユーザーは迅速・効率的に無潤滑のリニアガイドへの切り替えができる。なお、同製品は寸法が非常にコンパクトで、ミニチュアリニアキャリッジ(WW-06-20-T415-AL)とダブルレール(WS-06‐20)を合わせても、設置に必要な寸法はわずかに高さ16mm、幅32mm。

 材質は耐腐食性に優れ、表面がアルマイト処理されたアルミニウム製のハウジングで、同じくアルマイト処理されたアルミニウム製のレールへ取り付けて使用できる製品。同レールサイズは06で、シルバー(WS-06-20‐CA)とブラック(WS-06-20-AR)の2色から選択可能で、ブラックは光を反射せず、どんなデザインにも目立たずに調和する。

 レールサイズ 06 の新しいミニチュアリニアガイドは、「転がる代わりにすべる」製品。固体潤滑剤を含む高機能プラスチックで作られたライナーがキャリッジ内でレールをすべるため、潤滑剤もグリースも使用する必要がない。グリースを使用すると、グリースの潤滑膜に汚れや粉塵が引き寄せられることがあり、リニアガイドのスムーズな動作に影響を及ぼす。特に設置スペースが狭い場所では、部品に手が届きづらく、頻繁なクリーニングが難しくなりますが、イグスのリニアガイドは時間の経過とともに高機能プラスチックから固体潤滑剤が放出されるため、摩擦の少ないドライ運転が可能になると同時に、長期間にわたりメンテナンス不要で使用を継続できる。

 イグスではまた、ミニチュアリニアガイドの中心部に送りねじを搭載した、電動リニアアクチュエータ(SLW-0620)も新しく製品ラインナップに加えている。ドライリン送りねじとナットの接触面積を低減させる技術によって、静かでスムーズなスライド走行を可能にしており、医療技術や実験機器、家庭用電化製品など、狭い設置スペースでの自動調節機能に適している。ミニチュアリニアアクチュエータは手動または電動で位置調整が可能で、ドライリンWミニチュアリニアガイドと同様にシルバーとブラックの2色から選択が可能となっている。

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ハイウィングループ、令和6年能登半島地震の救済・支援で2000万円の災害義援金を寄付

4ヶ月 ago
ハイウィングループ、令和6年能登半島地震の救済・支援で2000万円の災害義援金を寄付kat 2024年01日11日(木) in

 ハイウィングループはこのほど、本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」の被災地での救済・支援活動に役立てもらえるよう、合計2000万円の災害義援金を寄付した。

 台湾グローバル本社/HIWIN Technologiesは1月9日、台湾・保健当局(衛生福祉部災害救済専用口座)を通じ1000万円の、ハイウィン日本法人は1月10日、石川県(石川県令和6年能登半島地震災害義援金)に対し1000万円の災害義援金を寄付した。

 ハイウィングループでは、今回被災したユーザーの設備復旧を全力で支援したい、とコメントしている。

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エボニック ジャパン、社長に内藤吾朗氏が就任

4ヶ月 3週 ago
エボニック ジャパン、社長に内藤吾朗氏が就任kat 2023年12日19日(火) in

 エボニック ジャパンは、2024年1月1日付で、内藤吾朗常務取締役が代表取締役社長、および日本におけるエボニック グループ代表に就任する人事を決定した。

 エボニック ジャパン現常務取締役である内藤氏は、12月末日をもって退任するフロリアン・キルシュナー現社長の後任として同社代表取締役社長、日本におけるエボニック グループ代表に加え、グループ会社である日本アエロジルの代表取締役社長を務めることになる。

 内藤氏はこれまで、エネルギー・化学業界において、30年にわたり経験を積んできた。2008年、エボニック ジャパンにコミュニケーションズ マネジャーとして入社し、2013年からはドイツ本社でコーポレートコミュニケーションズやサステナビリティリレーションズを担当。日本へ帰国後、2017年からはエボニック ジャパン 事業開発部の責任者を務め、2022年より同社常務取締役を務めている。

内藤吾朗氏

 

内藤吾朗(ないとう・ごろう)氏

1967年 神奈川県生まれ。1993年 国際基督教大学卒業。

1993~1994年シェルジャパン天然ガス部、1994~1997年シェルインターナショナルガス社(ロンドン)、1997~2000年シェル・ガス&パワー・ジャパン マレーシアLNG、西豪州LNG、およびオマーンLNG担当、2000~2002年同社 事業開発課長、2002~2004年同社社長特別補佐(事業開発・渉外担当)。

2004~2008年オズマ・ピーアール 第3DU第2部長。

2008~2013年エボニック ジャパン コミュニケーションズ マネジャー、2013~2015年エボニック インダストリーズ社(ドイツ) グローバルコミュニケーションズ コーディネーター、2015~2016年同社コーポレートレスポンシビリティ バイスプレシデント、2016年~エボニック ジャパン 事業開発本部長、2020年~同社 第四化学品本部長(兼任)、2022年~同社 常務取締役(現任)。

kat

TRAMIと東京理科大学トライボロジーセンター、第4回 産×学連携講座を開催

4ヶ月 3週 ago
TRAMIと東京理科大学トライボロジーセンター、第4回 産×学連携講座を開催kat 2023年12日19日(火) in

 自動車用動力伝達技術研究組合(TRAMI)主催、東京理科大学トライボロジーセンター(佐々木信也センター長)による「第4回 産×学連携講座—来て見て触って描いてみよう未来のEV—」が12月15日、 東京都葛飾区の東京理科大学 葛飾キャンパスで開催、オンサイト、オンライン合計で約600名が参加した。

オンサイト開催の様子

 

 TRAMIは2018年4月、複数の企業・大学・独法等が協同して試験研究を行うことにより、単独では解決できない課題を克服し、技術の実用化を図るために設立。現在、組合員は、主要自動車会社およびサプライヤー11社で構成されている。

 本イベントは、参加者に産学連携・コミュニケーションの重要性を感じてもらうとともに、学生には現在学んでいる学問と産のつながりを体験してもらう場になることを目的に、企画がなされたもの。

 当日はまず、以下の内容で講演が行われた。

■学から産へ
・「今更聞けない!? 電気自動車を支える基盤技術」星 伸一氏(東京理科大学)
…電気自動車の種類と基本構成、電気エネルギーを機械エネルギーに変える「モータ」の原理と、モータに適切な三相交流電流を流す「電力変換回路(インバータ)の原理を説明したほか、トルクリプル抑制制御や強化パレート進化型アルゴリズムを用いたNV抑制制御などTRAMIと星研究室での共同研究実施例を紹介。電気自動車にはさまざまな課題があり、さまざまな領域の研究者・技術者の連携や産学での連携が重要と総括した。

講演する星 伸一氏

 

■産から学へ
・ 「現地駐在員は見た!? ヨーロッパの電気自動車事情」松江浩太氏(マツダ)
…ドイツという欧州先進地域で体験したBEVの、出先での充電に不安がない、充電さえ早ければ航続距離は重要ではない、といった簡単で便利な点を紹介する一方で、社用車でなく自分で購入するには高価すぎる点に言及。日本でBEVを普及させるには充電インフラの充実が不可欠で、かつ急速充電期の出力も最低でも150kWが必要とした。学生に対しては日本だけを見ていると世界から取り残されるため、いろいろな新しいものに興味を持ち自分で体験することを勧めた。

講演する松江浩太氏

 

・ 「不便なのにおもしろい!? マニュアルBEVで見つける電気自動車の新たな魅力」勇 陽一郎氏(トヨタ自動車)…マニュアルBEVを作るに至ったデザイン手法としては、性能目標も大事だが、顧客価値目線も大事であることを紹介。作るまでのステップとしては、“小さく作って共感してもらう”を繰り返して価値を高める必要性を強調した。BEVのすごさとして、モータによって遅くする、トルクを出さない、エンジン音を足すなど“あえて”の味付けがやりやすく、制約の少ない好きな絵が描けるモビリティと総括。学生に対しては、一歩を踏み出すことの重要性などを伝えた。

講演する勇 陽一郎氏

 

 講演終了後は佐々木信也トライボロジーセンター長による講評があり、その後、附設展示会の見学会が行われた。各ブースにおいては、ファシリテーターによる解説も行われた。

講評を行う佐々木信也氏

 

 「電動車展示会」では国内外の以下の電動車両の展示がなされた。

・BEV:ホンダ「Honda e」、トヨタ自動車「Lexus(マニュアルBEV)」、日産自動車「アリア」、SUBARU「ソルテラ」、BYD「BYD Seal」

・HEV:三菱自動車「アウトランダー PHEV」、マツダ「MX-30」

電動車展示会:LexusマニュアルBEV

 

LexusマニュアルBEVの、あえて付けられたシフトレバーとクラッチペダル


 また、「ユニット分解展示会」では、ポルシェ「Tycan 4S」、テスラ「model Y」、ヒュンダイ「Ioniq5」、フォード「F150Lightning」というBEVベンチマーク車両4車種のE-Axleなど駆動系部品の分解実演が行われた。

ポルシェ「Tycan 4S」の分解実演の様子

 

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ポリプラ・エボニック、新工場起工式を開催

4ヶ月 3週 ago
ポリプラ・エボニック、新工場起工式を開催kat 2023年12日18日(月) in

 ポリプラ・エボニックは12月8日、兵庫県姫路市網干区のダイセルの姫路製造所 網干工場内で、同社関係者、工事関係者など約50名が列席して起工式を開催、新工場建設工事中の安全を祈願した。

 現在、同社の網干工場はダイセル網干工場敷地内に位置しているが、今後の製造能力増強のため、同工場内の異なる場所に2025年中の完成を目指して新工場の工事が進められる。

 工事完了後、製造設備は順次新工場に移設するが、既存の製造設備および製造工程に変更はない。

 新工場では生産能力の拡大だけでなく、サステナブルな社会への貢献や働き方改革にも配慮することで、企業価値のさらなる向上を目指す。
 

起工式に参加した同社役員一同
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エボニック、シリカ製品のサンプル用ボトル容器を環境配慮型素材に切り替え

4ヶ月 3週 ago
エボニック、シリカ製品のサンプル用ボトル容器を環境配慮型素材に切り替えkat 2023年12日18日(月) in

 日本におけるエボニックグループの日本アエロジルと、DSL.ジャパンは、シリカ製品のサンプル用ボトル容器を、環境に配慮したバイオマスプラスチック100%素材に切り替える。

 この切り替えは、石油由来プラスチック使用量削減の取り組みとして、国内におけるグループ初の試みとなる。該当のブランドは、日本アエロジル四日市工場で製造されるAEROSIL®、AEROXIDE®とDSL.ジャパン赤穂工場で製造されるSIPERNAT®、CARPLEX®で、2024年1月発送分より順次切り替えを実施する予定。

 今回の切り替えにより、1年あたり数tのCO2排出量削減を見込んでいる。さらに今後、海外の拠点においてもこの取り組みの拡大を検討している。

 独エボニック インダストリーズは、サステナビリティをイノベーションの原動力の柱として位置付けており、サステナビリティに貢献度の高い「次世代ソリューション」による売上高の割合を、現在の43%から、2030年までに50%以上に大幅に引き上げることを目標に掲げている。また、生産と加工に伴う直接的および間接的な温室効果ガスの排出量を大幅に削減することで、フットプリントの削減に貢献する。

バイオマスプラスチック素材のサンプル用ボトル容器

 

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木村洋行、超薄型ボールベアリングの特長を生かし、半導体分野での適用を展開

5ヶ月 ago
木村洋行、超薄型ボールベアリングの特長を生かし、半導体分野での適用を展開 in kat 2023年12日12日(火) in 超薄型ボールベアリングの特長

 木村洋行が日本総代理店を務める1941年創業のKAYDON(ケイドン)社は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング「Reali-Slimシリーズ」(図1)を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーである。現在はSKFグループ企業として、超薄型ボールベアリングを中心に、あらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けている。ここでは木村洋行が進める、超薄型ボールベアリングの特長と、多くの特長を生かした半導体製造プロセスでの適用展開について紹介する。


 ケイドン超薄型ボールベアリングは内径25.4~1016mmまでのサイズをくまなくラインアップしている。最大の特長は、ベアリング断面が超薄型のため装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れ、設計の自由度が向上する点だ。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、図1のとおり内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

 

図1 内径が大きくなっても断面サイズが一定の
ケイドン超薄型ボールベアリング


 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある(図2)。
 
 

図1 内径が大きくなっても断面サイズが一定のケイドン超薄型ボールベアリング

 

 ケイドン超薄型ベアリングの中でも特に、複合荷重を受けられる4点接触型を使うことで大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さをさらに短縮できる。気体・液体の配管類、あるいは電気配線やスリップリング等を中空シャフト内に収納できるなど、フレキシブルで効率的なデザインにできる。

 キングポストデザインのISO 7010組み合わせベアリングから4点接触型超薄型ベアリングで中空シャフトを用いた機構への置き換えではまた、内径寸法を大きくできるため耐モーメント荷重を50%程度向上させている。
回転軸に垂直に加わるラジアル荷重を支えるよう組み付けられたベアリングでは、例えばISO 6010深溝ボールベアリングでは下部約150°の範囲の転動体で荷重を分散支持しているが、ケイドン4点接触型では同じ荷重分布でラジアル荷重を支持しつつ、80%以上の軽量化・省スペース化を実現できる(図3)。
 

図3 典型的なラジアル荷重負荷分布での、ケイドン4点接触超薄型ベアリング(左)と
ISO 深溝ボールベアリング(右)との比較

 

半導体分野における軸受へのニーズ

 半導体製造プロセスにおいて軸受には、回転の高精度化を損なうことなく、真空~高真空への対応、電子部品や光学レンズに悪影響を及ぼすアウトガス対策やコンタミネーションの低減、コンタミネーション発生につながる摩擦・摩耗の低減、プロセス中で使用されるガス・薬剤による腐食への耐性、エッチングや化学蒸着(CVD)などのプロセスに対応した耐熱性などを持たせることが要求される。

 ケイドン超薄型ベアリングはそもそも、1960年代のアポロ計画の宇宙服のヘルメットリング向けに採用され、その後も米国航空宇宙局(NASA)の月面探査車向けなど、宇宙空間の厳しい仕様環境に耐えるベアリングとして、多くの採用実績を持つ。宇宙環境下では軽量・省スペース化が求められるとともに、真空環境、極低温~高温の幅広い温度領域で精密な動きを求められ、ベアリングにとって非常に過酷な環境での稼働と高い信頼性を求められる。そのため内外輪の材質だけでなく、ボールや保持器の材質、潤滑剤の選定などでケイドンの長年の経験が活かされている。

 こうした宇宙機器での実績からケイドン超薄型ボールベアリングは、同じく真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-5~10-8Torrレベルの超高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現している。

 

半導体製造プロセスでの適用例

 ケイドン超薄型ボールベアリングの半導体製造プロセスに適したこれらの性能のほか、半導体製造装置の回転機構の小型・軽量・簡素化が図れる省スペース設計によって、半導体製造プロセスにおいてはウェハ搬送ロボットからウェハ研磨装置、露光装置、検査装置など、前工程から後工程までの広範な装置に適用されている。

 最も多用されているのがウェハ搬送ロボットで、ベアリングの薄さ軽さから装置をコンパクト化できるだけでなく、同じ内径サイズの一般的なISO規格・JIS規格のベアリングに比べて80%以上の軽量化が図れるためアームが伸び切った時のたわみ量を少なくでき、安定した正確な搬送を実現できる。他方で、ウェハ搬送ロボットを含む産業用ロボットでは複合荷重を受けることが可能なクロスローラーベアリングが多用されているが、4点接触型(Type-X)ケイドン超薄型ベアリングは、単列のベアリングのみで複合荷重を受けられるため省スペース化が図れるだけでなく、クロスローラーベアリングに比べて、より軽く安定した起動トルクと回転トルク、高い回転精度を実現できることも、ユーザーから高く評価されている。

 ケイドン超薄型ベアリングは1個単位でカスタマイズできることも大きな利点で、それぞれが特殊環境を伴う半導体製造装置ごとの要求に応じて、内外輪や保持器の材質や、内外輪の歯切りなど各種形状への追加工、潤滑を工夫したベアリングとして提供がなされている。

 ウェハ搬送ロボットの中でもチャンバー内にウェハを搬送するロボットでは、ベアリングの防錆油残渣などがチャンバー内で揮発しマイクロコンタミネーションを発生させることがあってはならない。こうした懸念に対しケイドン社では、宇宙分野から続く真空環境で高い信頼性をもって運転できるベアリングの材料技術・潤滑技術に関する豊富な知見とノウハウを備えており、クリーンルーム内でベアリング各部品を徹底的に洗浄し、組み立てを行い、ユーザーの仕様に最適なグリースを封入して納入する「クリーン・パック」を行うことで、清浄度の高いアプリケーションにも使用できるようにしている。

 さらに、ユーザーでも洗浄作業が容易なように、耐薬品性に強く耐食性が高いオールステンレス材質や、転動体と保持器、転動体と内外輪の接触部分での防錆油残渣などを洗浄しやすいデザインを採用している。

 一方で、オールステンレス製ベアリングは高価なことから、一般的な軸受鋼(SUJ2)を基材としつつ耐食性を付与できるコーティング「エンデュラコート」を施したベアリングも用意している。

SEMICON Japan 2023における展示の見どころ ケイドン超薄型ベアリング

 木村洋行は、本年12月13日〜15日に東京ビッグサイトで開催される半導体製造装置・材料の国際展示会「SEMICON Japan 2023」に出展するが、当社ブースではやはり、上述のとおり半導体製造プロセスで採用実績の多いケイドン超薄型ベアリングが展示のメインとなる。内径サイズが変わっても断面サイズが変わらない薄型に特化したベアリング(図4)であることをアピールするとともに、多様なアプリケーション、ニーズに対応が可能なカスタムベアリングであること(図5参照)も訴求していく。

 また、ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重の複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)ケイドン超薄型ボールベアリングを組み込みハンドルで回転させるデモ機(図6参照)を置いて、その軽くて安定した起動トルク・回転トルクを来場者に体感していただく予定だ。
 

図4 ケイドン超薄型ボールベアリングの、内径サイズが変わっても断面サイズが変わらない利点をアピール(SEMICON Japan 2022での展示例)
 

 

図5 カスタムベアリングの一例(SEMICON Japan 2022での展示例)

 
 

図6 4点接触型Type-Xを組み込んだデモ機の例(2019 国際ロボット展での展示例)
  スモーリー波状ばね

 ベアリングは運転中、わずかな隙間の状態で使われるが、アンギュラ玉軸受のように2列対向で使うベアリングでは、用途によりアキシアル方向に負の隙間を持たせた予圧状態で使用する。転動体と軌道輪との間で弾性接触の状態を保つことで、軸受剛性の向上、高速回転の実現、回転精度・位置決め精度の向上、振動・騒音の抑制、転動体のすべりに起因するスミアリングの防止、外部振動で発生するフレッチングの防止など、さまざまな効果が得られる。

 一般的には定圧予圧用のばねとリテーニングリングが組み合わされて使われるが、同じくアキシアル方向へのベアリング予圧用として配置できるスモーリー社の「ウェーブスプリング(波状ばね)」(図7)は、前者の組み合わせの半分以下のスペースで同様の定圧予圧を実現しつつ装置への組み込みが容易で、ベアリングの作動温度を下げ振動を低減、摩耗を最小限に抑制し静かで滑らかな性能を付与できる。

 カタログサイズになくとも自由なサイズに製作可能で、ケイドン超薄型ベアリングとセットで使用することで、半導体製造装置内でのさらなる省スペース化が図れる。
 

図7 省スペースでベアリングの定圧予圧が可能なスモーリー波状ばね

 

今後の展開

 2013年に世界第一位のベアリングメーカーであるSKFのグループとなっているケイドン社は、カスタムメイドという従来からのフットワークの軽さに加えて、SKFのノウハウ・知見を注入した基礎研究や生産技術を利用したものづくりを進めてきている。「超薄型」を謳う後発のメーカーも出てきているものの、SKF協力のもとでケイドンが実施した寿命試験結果(図8)を見ると、他社製ベアリングとの耐久性の差は明らかである。

 

図8 軸受の基本定格寿命(L10)の比較


 

 ケイドン超薄型ベアリングはとりわけ、軽くて安定した起動トルクと回転トルク、高い回転精度を実現できるといった利点を持つ。木村洋行では引き続き、上述した半導体製造プロセスでの適用のように、軽量・コンパクトで厳しい条件で使えるベアリングであることを訴求していく。

 ベアリングは半導体製造装置に限らず各種機械を安定稼働させるための主要な機械要素であるため、ベアリングの突然の故障に伴う機械・ラインの突発停止などがない、生産効率向上につながる信頼性の高いベアリングを選定してもらう取り組みを強化している。

 木村洋行では、顧客の現場のニーズに対して最適な提案を行うために、製品やアプリケーションに関するトレーニングを定期的に受け、製品の性能や利点に関する知見、適用の可能性などの情報と知識を常にアップグレードさせている。

 木村洋行では今後も、顧客の声に耳を傾けて顧客の利益となるフィールドでの新しい提案を行い、ケイドン社製品の特質を活かしつつ、顧客のさまざまな課題の解決につながるような用途開拓を進めていく考えだ。

kat

ジェイテクト、軽量・コンパクト コラムアシストタイプのEPSを新開発

5ヶ月 1週 ago
ジェイテクト、軽量・コンパクト コラムアシストタイプのEPSを新開発kat 2023年12日04日(月) in in

 ジェイテクトは「軽量・コンパクト コラムアシストタイプ電動パワーステアリング(C-EPS)」を新たに開発した。本製品は广州汽车集团股份が11月17日に発表したミニバン「E8」に採用されている。

軽量・コンパクト コラムアシストタイプ電動パワーステアリング(左)
​​​​ステアリングコラム搭載位置(右)

 

 ジェイテクトが1988年に世界で初めて開発・量産して以来、世界シェアNo.1を誇るステアリングシステムは、自動車の「曲がる」機能を担うもので、このうちC-EPSは、パワーアシストユニットをステアリングコラムに配置するタイプ。

 今回、燃費向上や衝突安全性向上といった市場ニーズに応えるべく、「軽量・コンパクト」をコンセプトに開発したの特長は、以下のとおり。

1.C-EPSの軽量・コンパクト化による環境負荷低減

・EPSにはモータの回転力をステアリングアシストに必要な駆動力に増幅する減速機を搭載しており、今回、高強度かつ高減速比タイプの減速機を採用

・高減速比化はモータの出力を抑えることにつながり、モータの小型化を可能にしたことにより、減速機~モータ長において従来比8%削減、C-EPS全体質量において従来比11%低減を達成

・小型化した新開発モータでは、独自の補正制御によりモータのトルク変動を抑制し、モータ作動音を従来比50%以上低減し、静粛性向上も達成

減速機~モータ小型化


2.トルクセンサ部※3小型化による衝突安全性能の向上

・C-EPSは、衝突の際にドライバーへの衝撃を吸収し、傷害を軽減させるための衝撃エネルギー吸収構造を持つ。本開発品では、トルクセンサ部の小型化により衝撃エネルギー吸収ストロークを従来比15%増加することができ、コンパクト化と衝突安全性能向上を両立

トルクセンサ部小型化


 ジェイテクトでは本製品においては中国現地法人と連携し、ユーザーニーズに応えるために、設計・製造・調達をゼロから見直し開発を行ったが、今後は中国のみならず世界中の自動車メーカーに提案を進めていく。

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安川電機、業界初 自律性を備えた産業用ロボットの販売を開始

5ヶ月 1週 ago
安川電機、業界初 自律性を備えた産業用ロボットの販売を開始kat 2023年12月4日(月曜日) in

 安川電機は、産業用ロボットの業界で初めてロボット自身が周りの環境に適応しながら判断する自律性を持った次世代ロボット 「MOTOMAN NEXT シリーズ(可搬質量4kg、7kg、10kg、20kg、35kg の5 機種のラインアップ)」を販売開始した。

MOTOMAN NEXT シリーズ

 

 同社では1977 年に日本初の全電気式産業用ロボットを開発して以来、自動車産業を中心とした活用、3C/3品市場など適用市場の拡大、そしてバイオメディカルロボットや人協働ロボットなど用途最適のマニピュレータの高機能化のように時代ごとに求められる成長産業へ同社のロボット事業を拡大してきた。

 今日に至るまで産業用ロボットの導入台数は、ロボットの動作速度や可搬質量の基本性能の向上、応用技術の進化などにより拡大し続けている。一方、不確定なモノの状態・形状・大きさのバラツキ、作業順序の変更や割込みが存在するような作業など、人が判断を行い作業している「未自動化領域」はまだ多く残っている。

 このような「未自動化領域」の自動化へ挑むロボット:MOTOMAN NEXT シリーズは、ロボット自身が状況を把握し、自ら判断・計画しながら、最適な方法で作業を完結させる。また、ユーザーやパートナー企業の知見を組み込み、ソリューションを創り上げることができるオープンプラットフォームを提供する。ユーザーやパートナー企業との協創により自動化を加速し、FA分野をはじめ、食品・物流・農業といった産業における労働力不足などの社会的課題の解決につなげていく。

 MOTOMAN NEXTシリーズの主な特長は以下のとおり。

・自律性の実現

 MOTOMAN NEXT のコントローラは、周囲状況の認識・判断処理、およびセンサーから得られた周囲の位置情報を基に動作計画を立て、実行するために、ロボット本体の制御機能に加えて“自律制御ユニット”を搭載する新規のアーキテクチャを採用。作業の状況を自分自身でチェックし、その状況に合った方法で作業を完結させることで自律性を実現する。

 

 MOTOMAN NEXT のマニピュレータは、コントローラからの指令に対する追従性を高めるため、自社開発した最適モータを採用。これにより基本性能が向上し、コントローラが指令した位置と実際の位置の差を最小化することでデジタルツインを実現する。本マニピュレータは同社の最新のモータ技術、ロボット技術を密に融合させた製品となっている

 

・ユーザー・パートナー企業とソリューションを創り上げるオープンプラットフォーム

 MOTOMAN NEXT コントローラでは、ユーザーとパートナー企業が持つ独自の知見・技術を生かしてロボットアプリケーションを構築してもらうよう、開発環境をオープン化している

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ユニバーサルロボット、可搬重量30kgの協働ロボットをリリース

5ヶ月 1週 ago
ユニバーサルロボット、可搬重量30kgの協働ロボットをリリースkat 2023年12月4日(月曜日) in

 ユニバーサルロボットは、1300mmリーチで本体質量63.5kg と軽量、コンパクトながら可搬重量30kgの協働ロボット「UR30」をリリース、11月29日~12月1日に開催された「国際ロボット展」で披露された。

国際ロボット展でのUR30を用いたデモ

 

 UR30は、大型のワークや段ボール箱、原料袋・樹脂袋のような重量物の積み上げ作業はもちろん、加工機へのワークの脱着などのマシンテンディングや高トルクのねじ締めなど、身体的負担が大きい、人による重作業の自動化に活用できる。加工機へのワークの脱着を行う場合、可搬重量が大きいため、より大型のワークであっても複数のグリッパを一度に装着できるようになり、加工済みのワークを取り外しながら加工前のワークを取り付ける作業が一度にできるようになる。これにより段替え時間を短縮し、生産性の最大化が可能となる。

 UR30はまた、より大型で高出力のナットランナーを装着させることで、高トルクのねじ締めに対応。URロボット独自のステディモード機能により、反力を受けても保護停止することなく、安全を担保しながら一貫して正確なねじ締め作業を実現する。これは、特に高トルクのねじ締めを多用する自動車関連の製造工程において有益となる。

 さらに、可搬重量30 kgのUR30は、あらゆる製造業における重量物の積み上げ作業や平積み作業に最適。ロボットのリーチは1300㎜で、システムの省スペース化に大きく貢献します。また、ロボットの質量はわずか63.5kgで、AMR(自律走行搬送ロボット)やAGV(無人搬送車)に載せて作業セル間を移動させるのにも適している。

 ユニバーサルロボット社長のキム・ポウルセン氏は「大きな可搬重量と高い柔軟性は、オートメーションの新時代を下支えするもの。今日の世界では、変動する需要や変化する外的環境に対応できる生産ラインの構築が求められている。UR30は30kgという大きな可搬重量にもかかわらず、小型・軽量であるため制限なく生産ラインに導入できる柔軟さを有している。UR30を導入することで、ユーザーは将来の需要の変化にも対応するフレキシブルなラインを構築できるようになる。UR30は、オートメーションの世界の限界を押し広げるURURの革新の旅における新たな一歩となる製品」と述べている。

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イグス、低コスト協働ロボットの日本市場での本格販売を開始

5ヶ月 1週 ago
イグス、低コスト協働ロボットの日本市場での本格販売を開始kat 2023年12月4日(月曜日) in

 イグスは、クラス最軽量の低コスト協働ロボット「ReBeL(リベル)」の日本市場での本格販売を開始する。

ReBeL

 

 ReBeLは、軽量で無潤滑の低コスト協働ロボットとしてドイツで開発され、2021年の発売以来、欧州、北米市場を中心に年々販売実績を伸ばしている。

 日本市場においては、本年より販売を開始しており、中小製造業を中心とするロボット需要の高まりを受け、様々な業界からの問い合わせや引き合いが増加。イグスではこうしたニーズに応えるため、ロボット製品の国内販売部門の体制を強化するともに、日本市場向けに対応したReBeLの拡販を開始する。

 ReBeLは、人間とロボットの協働作業に適したアーム型ロボットで、イグスが独自開発した高機能ポリマーで製造されているため、本体重量が約8.2㎏(ロボットに内蔵したコントローラ含む)と軽量のため、従来の金属製ロボットでは困難な壁付け、天吊りも可能。また、省スペースで設置できるためコンパクトな設計が可能となる。内蔵型コントローラやティーチングソフトウェア(iRC)をセットにして100万円台(可搬重量2㎏、最大リーチ600m以上クラスの協働ロボットとして最もリーズナブルな価格帯)で提供している。

 このように軽さや価格帯において競争力のある協働ロボットだが、従来はソフトウェアの操作画面がグローバル仕様のため英語版のみとなっていた。今回日本市場での販売強化にあたり、日本語表示に対応した。また、品質・安全性に対する要求が高い日本市場に対応するために、国際的な第三者認証機関によるISO TS15066 2017:4に準拠した試験で、協働ロボットとしての適合性を確認している。

 イグスでは、既存の設備やリソースをベースにしてシンプルかつ低コストな自動化で生産性の向上を図ること、そしてロボットをはじめとしたその製品群を「ローコストオートメーション(LCA)」と表現している。このLCAを日本市場においても訴求するために、本年1月に東京本社内にLCAセンターを開設し、自動化を検討している企業に対して、ロボットが実際に動作する様子を体感できる場を提供している。

 今回販売を強化するReBeLは、このLCA製品群の中でも今後日本市場で最も注力する製品に位置付けており、すでに軽さや価格においてさまざまな業界から注目されており、旺盛なニーズに対応するためReBeL拡販のための専門チームを立ち上げた。

 2023年11月時点で、製造現場以外にも、研究開発や製品の試験現場等での導入事例が増えており、今後は、大学・学校等の教育分野や、飲食業等サービス分野での幅広い用途の活用・採用も見込んでいる。なお、イグスはReBeLの販売を強化するとともに、来年度LCA事業における3倍の増員を視野に、日本事業全体での売上拡大を目指す。

 ReBeLの機能・特長は以下のとおり。

・プラスチックで構成されるため8.2㎏と軽量。壁付け、天吊りが可能

・コントローラ内臓で省スペース

・プラグ&プレイですぐに稼働可能

・最大2kgの可搬重量

・最大664mmの可動範囲

・最大6自由度

・最大速度0.2 m/s

・繰り返し精度:±1mm

・無料、ライセンスフリーのロボット制御ソフトウェア(iRC)を使用可能

kat

イグス、低コスト協働ロボットの日本市場での本格販売を開始

5ヶ月 1週 ago
イグス、低コスト協働ロボットの日本市場での本格販売を開始kat 2023年12日04日(月) in in

 イグスは、クラス最軽量の低コスト協働ロボット「ReBeL(リベル)」の日本市場での本格販売を開始する。

ReBeL

 

 ReBeLは、軽量で無潤滑の低コスト協働ロボットとしてドイツで開発され、2021年の発売以来、欧州、北米市場を中心に年々販売実績を伸ばしている。

 日本市場においては、本年より販売を開始しており、中小製造業を中心とするロボット需要の高まりを受け、様々な業界からの問い合わせや引き合いが増加。イグスではこうしたニーズに応えるため、ロボット製品の国内販売部門の体制を強化するともに、日本市場向けに対応したReBeLの拡販を開始する。

 ReBeLは、人間とロボットの協働作業に適したアーム型ロボットで、イグスが独自開発した高機能ポリマーで製造されているため、本体重量が約8.2㎏(ロボットに内蔵したコントローラ含む)と軽量のため、従来の金属製ロボットでは困難な壁付け、天吊りも可能。また、省スペースで設置できるためコンパクトな設計が可能となる。内蔵型コントローラやティーチングソフトウェア(iRC)をセットにして100万円台(可搬重量2㎏、最大リーチ600m以上クラスの協働ロボットとして最もリーズナブルな価格帯)で提供している。

 このように軽さや価格帯において競争力のある協働ロボットだが、従来はソフトウェアの操作画面がグローバル仕様のため英語版のみとなっていた。今回日本市場での販売強化にあたり、日本語表示に対応した。また、品質・安全性に対する要求が高い日本市場に対応するために、国際的な第三者認証機関によるISO TS15066 2017:4に準拠した試験で、協働ロボットとしての適合性を確認している。

 イグスでは、既存の設備やリソースをベースにしてシンプルかつ低コストな自動化で生産性の向上を図ること、そしてロボットをはじめとしたその製品群を「ローコストオートメーション(LCA)」と表現している。このLCAを日本市場においても訴求するために、本年1月に東京本社内にLCAセンターを開設し、自動化を検討している企業に対して、ロボットが実際に動作する様子を体感できる場を提供している。

 今回販売を強化するReBeLは、このLCA製品群の中でも今後日本市場で最も注力する製品に位置付けており、すでに軽さや価格においてさまざまな業界から注目されており、旺盛なニーズに対応するためReBeL拡販のための専門チームを立ち上げた。

 2023年11月時点で、製造現場以外にも、研究開発や製品の試験現場等での導入事例が増えており、今後は、大学・学校等の教育分野や、飲食業等サービス分野での幅広い用途の活用・採用も見込んでいる。なお、イグスはReBeLの販売を強化するとともに、来年度LCA事業における3倍の増員を視野に、日本事業全体での売上拡大を目指す。

 ReBeLの機能・特長は以下のとおり。

・プラスチックで構成されるため8.2㎏と軽量。壁付け、天吊りが可能

・コントローラ内臓で省スペース

・プラグ&プレイですぐに稼働可能

・最大2kgの可搬重量

・最大664mmの可動範囲

・最大6自由度

・最大速度0.2 m/s

・繰り返し精度:±1mm

・無料、ライセンスフリーのロボット制御ソフトウェア(iRC)を使用可能

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NTN、業界最速の直進フィーダと通信機能付パーツフィーダコントローラを開発

5ヶ月 1週 ago
NTN、業界最速の直進フィーダと通信機能付パーツフィーダコントローラを開発kat 2023年12日04日(月) in

 NTNは、製造現場の加工設備に部品(ワーク)を供給する直進フィーダとして補助エアを削減しながら業界最速となる最大18m/分の高速搬送を実現した「クロスドライブリニアフィーダ」と、多数の運転条件の設定や運転状態の監視が可能な通信機能付パーツフィーダコントローラを開発した。社会情勢の変化や技術革新により製造業のニーズが多様化する中、製造業の生産性向上や製造におけるカーボンニュートラルの実現に貢献していく。

 生産年齢人口の減少やカーボンニュートラルを背景に、パーツフィーダには、部品の搬送速度の向上に加え、搬送を補助するエア量やそれに伴う消費電力削減が求められている。また、多品種少量生産のために、一つのパーツフィーダでさまざまなワークを搬送することが多くなっており、ワークに応じた多様な運転条件の設定を1台のコントローラで実現するニーズが高まっている。

 これに対し今回開発されたクロスドライブリニアフィーダは、板ばねを水平方向と垂直方向に交差(クロス)させる独自設計により、高速搬送に必要となる高振幅かつ高周波数の振動を発生。ワーク搬送の阻害要因となるピッチング運動(直進フィーダの入口と出口で振動が異なるためにワークがその場に留まったり、戻ったりしてしまう現象)を打ち消す独自機構により、直進フィーダとして業界最速となる最大18m/分(従来品比3倍の高速化)の高速搬送を実現している。加えて、直進フィーダとして使用するエア量を従来品比で最大で1/5に削減できる。

 また、上述の独自設計により、従来品比で17%の静粛化を実現している。

 自動車関連部品や樹脂部品、医薬品などの搬送に適用できる。

クロスドライブリニアフィーダ

 

 一方、パーツフィーダの運転制御用に新開発された通信機能付パーツフィーダコントローラの特長は以下のとおり。

・多品種少量生産に対応:PCやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を用いた指令により運転条件を無制限に登録し、パーツフィーダを制御することが可能

・状態監視が可能:運転時のモニタリングが可能。運転状態の変化をリアルタイムでより正確に捉えるとともに、データを蓄積することでタイムリーなメンテナンスが可能となり、突発的な設備の故障による生産停止を未然に防止

通信機能付パーツフィーダコントローラ

 

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HEF、第8回鉄道技術展でブッシュと窒化処理を提案

5ヶ月 1週 ago
HEF、第8回鉄道技術展でブッシュと窒化処理を提案kat 2023年12日04日(月) in in

 HEF DURFERRIT JAPANは11月8日~10日、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「第8回鉄道技術展2023」(主催:産経新聞社)に出展した。

HEFブースの様子

 

 HEFブースでは今回、フランスの鉄道車両において多数採用されている「HEFブッシュ」が紹介された。ブッシュのしゅう動面内のグリース分布をコントロールし、給脂インターバルの長期化を実現することで高速鉄道AGVなどに採用されている。こうした実績を背景に、日本国内でも鉄道分野でのHEFブッシュ採用の提案が早くから進められており、国内の地下鉄車両などですでに採用されている。HEFブッシュを採用することで、軌道保守や分岐器、車両(例えばブレーキ装置、トーションバー・アンチローリング装置、連結システム)などにおいて、メンテンナンスフリーや寿命延長に寄与できることを提案した。

HEFブッシュ

 

 また、CLIN(Controlled Liquid Ionic Nitriding)技術を適用したクリーンな塩浴軟窒化プロセス「ARCOR処理」を紹介。優れた耐摩耗性・耐焼付き性・耐食性を持つことから、六価クロムめっき代替処理として提案を行った。本プロセスに関わる薬剤は欧州化学物質庁(ECHA)に登録されREACH規制に適合する環境対応型プロセスとして認定を受けている。
 

ARCOR処理をした各種部品

 

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ジェイテクト、ケニア・ナイロビにアフリカ市場初の販売拠点を新設

5ヶ月 1週 ago
ジェイテクト、ケニア・ナイロビにアフリカ市場初の販売拠点を新設kat 2023年12日04日(月) in

 ジェイテクトは11月、将来成長が期待できるアフリカ地区の販売網強化を目的に、ケニア・ナイロビにJTEKT SALES MIDDLE EAST(JSME)の販売支店となるJSMEケニア支店を新設した。

 ジェイテクトは市販ビジネスの強化のため、2021年4月にアフターマーケット事業本部を立ち上げ、軸受に加え自動車部品など市販商品の拡販を推進している。

 従来アフリカ地区での販売は、中東代理店を主体にした活動をしていたが、今後成長が期待できる同地区に販売支店を設置し、ケニアを始めとする東アフリカ地区のユーザーに自動車や産業機械向けのアフターマーケット商材を提案していく狙い。

 東アフリカ地区の経済発展にともない、ユーザーニーズが多様化し、さまざまな課題が増えることが想定される。ジェイテクトおよびジェイテクトグループでは、それらユーザーニーズに対応し、課題を解決すべく商品提供を進めていく考えだ。

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THK、牽引重量1tタイプの新型機搬送ロボットの受注を開始

5ヶ月 1週 ago
THK、牽引重量1tタイプの新型機搬送ロボットの受注を開始kat 2023年12日04日(月) in in

 THKは、2020年9月に受注を開始した搬送ロボット「SIGNAS」の牽引重量を2倍の1tに高めた新型機の受注を11月から開始している。

「SIGNAS」新型機

 

 SIGNASは内蔵カメラで目印となるサインポストを認識しながら自律移動する搬送ロボット。多くの製造・物流現場で用いられている、ルートテープを必要とするAGV(無人搬送車)とは一線を画し、独自の自律移動制御システムを搭載することによって、かつてない新しい誘導方式を実現する。プログラムの専門知識がなくても、サインポストの位置を変更することで簡単に走行場所を変えることができ、レイアウト変更工事の手間もかからない。

 積載用途のほか、複数台の台車を後方に連結させたり、台車の下に入り込んで牽引することなどにより、次工程へ製品を搬送できる。既存機は牽引可能な重量が500kgだったが、新型機は既存機の2倍の1tに向上した。SIGNASの使いやすさはそのままに、より幅広いワーク・用途に対応しユーザーの搬送自動化、作業者負担の軽減を実現する。

 特長は以下のとおり。

・独自の自律移動制御システムで簡単設定:ロボットに内蔵されたステレオカメラで、設置されたサインポスト(目印)との距離・方位を計測し、経路に沿って 走行動作(発進/カーブ/スピンターン/停止)を制御。経路の設定はサインポストを設置するだけで、ルートテープレスのため、レイアウト変更工事の手間もかからない

SIGNASの自律移動制御システム

 

・牽引重量は既存機の2倍の1t:新型機は牽引可能な重量が500kgから1tへ大幅に向上。金属加工品等の重量物搬送や長尺品、パレットの搬送など、より幅広い用途で使用できる

・車体寸法は既存機とほぼ同一:新型機は車体高さが22mm高くなるのみで、幅寸法、長さ寸法はともに既存機と同一寸法のため、これまでと同じ道幅で走行することが可能

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THKとSkillnote、業務提携を締結し、スキル管理AIソリューションをリリース

5ヶ月 1週 ago
THKとSkillnote、業務提携を締結し、スキル管理AIソリューションをリリースkat 2023年12日04日(月) in

 THKとSkillnoteは、業務提携を締結し、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge」の新たなソリューションとして、スキルマネジメントシステム「Skillnote」と連携した「スキル管理AIソリューション」を12月1日から提供開始した。スキル管理AIソリューションでは人財スキルデータを一元管理・可視化、スキルマネジメントを劇的に効率化できる。

 本サービスは、「OMNIedge」に集約された設備保全データやセンサーデータに、「Skillnote」が管理する人財スキルデータを統合することで、生産設備を扱う人財のアサイン最適化と、データに基づいた戦略的な人財育成ならびに設備保全計画の立案を支援する。

 近年、工場の生産設備は、自動化やセンサーデータを用いた予知保全などによる生産性向上の取り組みが進められている。一方で、設備を扱う人財の管理と育成に関してはさまざまな課題が顕在化してきている。例えば、人手不足により一人当たりが担当する設備台数が増加していることや、設備の複雑化や老朽化により求められる操作スキル、保全スキルが高度化していること、また、設備を扱いなれたベテランの退職に伴う技能伝承が進んでいないことなどがある。これらの課題は、現状手つかずのままであることが多く、製造工場および設備におけるロス低減の観点からも、デジタル化による課題解決が求められている。

 そこでTHKとSkillnoteは、どの設備を、誰が、どの程度、操作や保全できるかといったスキルデータを設備保全データと組み合わせ、より包括的な管理とデータ活用を可能にするサービスを提供する。これにより、設備と人に起因するロスを低減し、OEEの最大化に貢献する。

 スキル管理AIソリューションの特長は以下のとおり。

・設備保全データと、設備を扱う人財のスキルデータを一元化:センサーによるリアルタイムの検知データを含む設備保全データとスキルデータを一元化し、同一画面上から最新情報を把握、更新できる

・設備を扱えるスキル保有者の高速マッチング:スキルデータを元に設備を扱える最適な人財がレコメンドされ、システム上から業務をアサインできる。予兆検知への対応や、設備不調、部品交換、トラブル対応などの際に、スキルや経験のデータを元に最適な担当者に修理やメンテナンスの指示を出せる。また、設備保全計画の立案時に最適な人財をアサインできる

・教育計画の立案と進捗管理:個人に最適化した教育計画の立案から、教育の記録、承認、スキル自動付与までの一連のプロセスをシステム上で完結できる。ベテランの退職に伴う技能伝承や、設備の複雑化、老朽化などに対応するための戦略的な人財育成を確実に推進できる

 THKでは今後、データをもとに設備保全計画を自動立案する機能を予定しているほか、扱える人財が少ない設備に対する教育強化のレコメンドや、設備保全の実績をベースにしたスキル習熟度の自動更新機能も検討している。

 

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THK、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォームで、保全一元管理ツールをリリース

5ヶ月 1週 ago
THK、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォームで、保全一元管理ツールをリリースkat 2023年12日04日(月) in

 THKは、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge(オムニエッジ)」 (https://www.thk.com/brand/omniedge/jp/)から保全一元管理ツールの提供を開始する。設備保全の情報をデジタル化し、保全活動の効率を最大化できる。

 製造現場では人手不足や高経年設備への対応などを背景に、保全活動のDX化やPDCAサイクル効率化の需要が高まっている。THKではこれまで、IoT技術を活用した直動部品(LMガイド、ボールねじ、アクチュエータ)、回転部品(モータ、ポンプ、ファン)向けの「部品予兆検知AIソリューション」をはじめ、工作機械の切削工具向け「工具監視AIソリューション」を提供し、CBM(状態基準保全)を実現させるソリューションを広く展開してきた。

 一方で、製造現場ではCBMに加えて、TBM(時間基準保全)やBM(事後保全)なども含めた様々な保全方式をバランスよく管理・運用していくことが求められている。これに対し同社では今回、保全活動の総合的な管理・運用をサポートする「保全一元管理ツール」の提供を開始するもの。

 本ツールでは、設備や保全に関するデータ(保全履歴、修理の進捗状況、定期点検の通知、ワークフローなど)をクラウド上で一元管理して、保全活動のPDCAサイクル効率化を実現。例えば、本ツール上で設備の不具合や修理の進捗状況を関係者とタイムリーに共有することで、突発的な設備の故障にも迅速に対応できる。

 また、日常点検のスケジュールをカレンダー上で一元管理しながら関係者へ自動でリマインド通知できるため、計画的な保全活動のサポートや点検漏れの削減にも寄与する。

 従来のCBMを実現させるソリューションに加えて、TBMやBMなどもサポートする「保全一元管理ツール」を活用することで、設備のTBM、BM、CBMの対応におけるベストなバランスを実現することが可能となる。これにより保全効率を向上させて、止まらない生産設備を実現できる。

 保全一元管理ツールの特長は以下のとおり。

・設備保全データ(TBM、BM、CBMなど)を一元管理:設備や保全の情報を紐づけてクラウド上で一元管理。過去のメンテナンス履歴から最新の状況まですぐにアクセスできるため、データの管理工数を大幅に削減できる

・計画的な保全活動のスケジューリングをサポート:日常点検のスケジュールをカレンダー上で一元管理。関係者への自動リマインド通知機能を使えば、点検漏れを防止できる

・最新の状況をタイムリーに関係者へ共有:故障中の設備や修理対応の進捗状況などを関係者にタイムリーに共有。修理対応の報告から管理者の承認まで「保全一元管理ツール」内で行えるので、運用効率の向上を図れる

 


 

kat