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新東工業、産業用ロボット向け高精度・高トルク6軸力覚センサを生産開始

5年 1ヶ月 ago
新東工業、産業用ロボット向け高精度・高トルク6軸力覚センサを生産開始kat 2020年6月4日(木曜日) in

 新東工業は4月から、愛知県新城市の同社新城事業所で歪ゲージ式6軸力覚センサ「ZYXer™(ジクサー)」の生産を開始した。

6軸力覚センサZYXer™

 

 産業用ロボットは近年、生産現場がかかえる人手不足や働き方改革を目指した生産の効率化ニーズを背景に様々な分野で採用が進んでいるが、人の手指に代わる繊細な動きや力を変えるような作業については多くの課題が残っている。

 6軸力覚センサは、三次元空間における縦・横・高さ方向の力(Fx,Fy,Fz)とその方向を中心に回転する力(Mx,My,Mz)を同時に計測できるセンサ。

 同社の6軸力覚センサは高精度(他社比較25 倍) によりロボットによる精密組立作業を実現したり、高トルク(他社比較2 倍) により従来は不可能だった高精度・高品質なロボットによるバリ取り研磨作業を実現するなど、手指の感覚が求められる巧みの作業から、非常に大きな力が必要となる作業、複雑な力の動きを伴う作業まで、すべての力を高精度に測定できる。

 具体的には、耐モーメントを向上させることにより、ロボットアームの移動速度で「業界最高水準」を実現、生産数量の増加やサイクルタイムの削減を可能にしているほか、繊細な力を検出する能力を飛躍的に高めたことで、製品の品質不良やロボットハンドの破損を防ぎ生産の安定を実現している。

 腕の力による「押し付け」が必要となる研磨作業や、部品の「はめ合わせ」時に人の指先感覚が必要となる精密な組み付け作業、さらには均一の力で「張り合わせる、塗布する」ための作業など、今まで自動化が難しかった熟練作業をロボットに置き換える目的で、同社の6軸力覚センサへのニーズが高まってきていた。

 同社では今後、力覚センサを搭載した各種ロボットのアプリケーションを開発し市場に投入することで、ロボット関連事業の拡大を目指していく。

kat

新東工業、産業用ロボット向け高精度・高トルク6軸力覚センサを生産開始

5年 1ヶ月 ago
新東工業、産業用ロボット向け高精度・高トルク6軸力覚センサを生産開始kat 2020年06日04日(木) in in

 新東工業は4月から、愛知県新城市の同社新城事業所で歪ゲージ式6軸力覚センサ「ZYXer™(ジクサー)」の生産を開始した。

6軸力覚センサZYXer™

 

 産業用ロボットは近年、生産現場がかかえる人手不足や働き方改革を目指した生産の効率化ニーズを背景に様々な分野で採用が進んでいるが、人の手指に代わる繊細な動きや力を変えるような作業については多くの課題が残っている。

 6軸力覚センサは、三次元空間における縦・横・高さ方向の力(Fx,Fy,Fz)とその方向を中心に回転する力(Mx,My,Mz)を同時に計測できるセンサ。

 同社の6軸力覚センサは高精度(他社比較25 倍) によりロボットによる精密組立作業を実現したり、高トルク(他社比較2 倍) により従来は不可能だった高精度・高品質なロボットによるバリ取り研磨作業を実現するなど、手指の感覚が求められる巧みの作業から、非常に大きな力が必要となる作業、複雑な力の動きを伴う作業まで、すべての力を高精度に測定できる。

 具体的には、耐モーメントを向上させることにより、ロボットアームの移動速度で「業界最高水準」を実現、生産数量の増加やサイクルタイムの削減を可能にしているほか、繊細な力を検出する能力を飛躍的に高めたことで、製品の品質不良やロボットハンドの破損を防ぎ生産の安定を実現している。

 腕の力による「押し付け」が必要となる研磨作業や、部品の「はめ合わせ」時に人の指先感覚が必要となる精密な組み付け作業、さらには均一の力で「張り合わせる、塗布する」ための作業など、今まで自動化が難しかった熟練作業をロボットに置き換える目的で、同社の6軸力覚センサへのニーズが高まってきていた。

 同社では今後、力覚センサを搭載した各種ロボットのアプリケーションを開発し市場に投入することで、ロボット関連事業の拡大を目指していく。

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日本能率協会、7/29~31に大阪で「メンテナンス・レジリエンス」など7展を開催

5年 1ヶ月 ago
日本能率協会、7/29~31に大阪で「メンテナンス・レジリエンス」など7展を開催kat 2020年06日04日(木) in

 日本能率協会(JMA)ほか7主催者は7月29日~31日、大阪市住之江区のインテックス大阪で「メンテナンス・レジリエンスOSAKA2020」、「第12回生産システム見える化展」、「第3回自動化・省人化ロボット展」、「プラントショーOSAKA2020」など七つの専門展示会を開催する。総展示規模は585社、1107ブースを見込む。

 全国的に緊急事態宣言が解除されたことを受けて開催を決めたもので、主催者側は、「コロナ禍により多くの商談機会が失われ、経済に深刻な打撃が懸念される中、感染症のリスクを抑えながら展示会を開催することで、一日も早い経済回復、対象業界の振興に寄与していく」としている。今後、緊急事態宣言が再度発出されるなどの状況が生じた場合には、最新の情報をもとに開催延期などの措置について再度案内する予定。

 開催にあたっては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大阪観光局が大阪府、大阪市の合意のもと作成した「感染症拡大のリスクを抑え、MICE(ビジネスイベントの総称: Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibition/Event)開催のための主催者向けガイドライン」(2020年6月3日発表)に基づき、主催者側は、参加者の安全を確保するための運営方法を講じていく。

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川崎重工、神戸海洋博物館にロボットによる自動検温システムを設置

5年 1ヶ月 ago
川崎重工、神戸海洋博物館にロボットによる自動検温システムを設置kat 2020年6月3日(水曜日) in

 川崎重工業は、同社の人共存型双腕スカラロボット「duAro2」(デュアロ・ツー)による自動検温システムを新たに開発、神戸海洋博物館内にある同社グループの企業ミュージアム「カワサキワールド」に設置した。神戸海洋博物館/カワサキワールドは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため3月2日から休館していたが、6月2日の営業再開にあたり、来館者・運営スタッフの安全確保を目的にすべての来館者を対象に検温を実施している。

duAro2を用いた自動検温システム

 

 新開発の自動検温システムは、双腕ロボットの右手に非接触型の温度センサーを取り付け、検温エリアに入った来館者が測定開始センサーの上に手を近づけ、センサーに額を近づけると検温を開始するもの。体温が規定以下の場合は入館可能の合図として左手で保持したバーが開いて入場できるが、体温が規定以上の場合はバーが開かず、係員を呼ぶ仕組みとなっている。すべての作業はセンサーで感知して行い、係員と来館者が接触することがないため、新型コロナウイルスの感染防止に寄与する。

 検温に使われる「duAro2」を含む「duAro」シリーズは、人との共存・協働作業が可能なロボットで、簡単にダイレクトティーチングができ、実用性が高く様々な場面や作業において活用されている。また、アーム部分にやわらかい表面素材を使っているほか、動作中に万が一人と接触しても、衝突を検知して停止し、安全性にも配慮している。

 新型コロナウイルス発生後の社会では、人との接触を減らすことも必要となり、今後ますますロボットが果たす役割は大きくなると考えられている。川崎重工では、「保有するロボット技術や多彩な事業部門の技術シナジーを活かして、今回の自動検温システムによる感染防止対策などの医療分野をはじめ、各分野での社会課題の解決に取り組んでいきたい」とコメントしている。

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オークマ 仙田正巳氏が黄綬褒章を受章

5年 1ヶ月 ago
オークマ 仙田正巳氏が黄綬褒章を受章kat 2020年6月3日(水曜日) in

 オークマ サービスユニット組立課の仙田正巳氏が、令和2年春の褒章において黄綬褒章を受章した。

 黄綬褒章は「第一線で業務に精励している者で、他の模範となるような技術や事績を有すると認められる者」に授与される褒章。

 仙田氏は、工作機械の最も重要な要素である主軸ユニット組立に長年従事し、豊富な知識、高度な技術・技能を有しており、同社の品質向上および生産性向上に貢献してきた。現在は、サービスユニットの引き取り修理での品質確保・高寿命確保に取り組むとともに、後進の技能育成に注力している。同氏はまた、2018年度に厚生労働大臣表彰「卓越した技能者(現代の名工)」にも選ばれている。

 オークマでは、「総合ものづくりサービス」企業として、こうした高度な技能者による社内外の技能者育成を推進し、世界のものづくりの発展に貢献していきたい、としている。

仙田正巳氏

 

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日本能率協会、「TECHNO-FRONTIER」をオンライン活用の新スタイルで展開

5年 1ヶ月 ago
日本能率協会、「TECHNO-FRONTIER」をオンライン活用の新スタイルで展開kat 2020年06日03日(水) in

 日本能率協会(JMA)は、メカトロニクス、エレクトロニクスに焦点を当てた専門技術展「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)」について、同会として初めてオンラインを活用した新たなスタイルで展開し、ものづくりエンジニアのための技術開発、市場創造の場を提供していく。

 本企画は今年4月に新型コロナウィルス感染拡大防止に伴い中止となった「TECHNO-FRONTIER2020」で失われたベアリング・直動案内など機械要素部品などのメーカーと開発・設計者間での商談機会を創出する目的で開催するもの。オンライン(WEB)上で実施するセミナー「ウェビナー」、バーチャル展示会を新たに企画し、6 月から順次展開していく計画だ。

オンライン新企画のロゴ

 

 TECHNO-FRONTIER は、モータ/電源/センサーなどの要素技術をはじめ、製品設計に関する幅広い製品・技術の展示と、最新技術動向が学べるシンポジウムが同時開催されるショー&カンファレンスとして、1983年の初開催以来、研究開発や設計に関わるエンジニアから多くの支持と高い評価を得ている。

 新企画の第1 弾として、6月18日と7月9日に「TECHNO‐FRONTIERウェビナー」 が以下のとおり開催される。

・6 月18 日(木) 14:00~14:40 
「機器の小型・低発熱化を実現する電流検知方式とは ~高精度電流センサーIC の活用法~」旭化成エレクトロニクス

・7 月9日(木) 14:00~14:40 
「シミュレーションによるノイズ設計の基礎」サイバネットシステム

 参加(視聴)対象は開発・設計・製造・研究に携わる技術者などで、参加申込方法は公式サイト(https://jma-tf.com/webinar/)からの事前登録制(無料)となる。6月2日から登録受付を開始している。参加定員は各セッション100名。

 新企画の第2 弾としては、9月8日~18日に「TECHNO-FRONTIERバーチャル展示会2020」が開催される。コロナ禍により阻まれた技術開発を活発に推進する目的で、技術者相互の情報交流や技術探索ができるライブ感のあるバーチャル展示会をオンライン上で開催。参加者はデジタルカタログや動画閲覧を通じて製品の詳細情報を入手できるほか、技術相談などの各種機能を使用できる。出展企業はデジタル技術の仕組みを活用し、見込み顧客の情報が得られる。

 出展対象はモータ技術、モーション・エンジアリング、メカトロニクス制御技術、センシング・画像解析技術、部品設計・加工技術、電源・パワーエレクトロニクス、次世代給電技術、バッテリー技術、電子部品用材料、EMC・ノイズ対策技術、熱設計・対策技術、CASE・ADAS、MaaS Tech、ものづくりIoT、AI・Robotics Tech、開発・設計DXなど多岐にわたる。

 出展申込方法については6月2日から案内を開始、出展申込締切は7月17日。出展費用はカタログスポンサー(資料掲載など)がJMA 会員価格:¥200,000、会員外価格:¥240,000)で、シルバースポンサー(資料や動画掲載など)がJMA 会員価格:¥450,000、会員外価格:¥540,000)。そのほか、ゴールド・プラチナ・スペシャルスポンサー、出展者セミナー(オプション)などを設けている。シルバースポンサー以上の出展企業には、自社ページに来訪した視聴者データを提供する予定。

 来場(視聴)対象は開発、設計、製造、研究等に携わる技術者などで、参加方法は公式サイト(https://jma-tf.com/virtual/)からの事前登録制(無料)となる。8月から登録受付を開始する予定だ。

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日本トライボロジー学会、第65期会長に杉村丈一氏(九州大学)

5年 2ヶ月 ago
日本トライボロジー学会、第65期会長に杉村丈一氏(九州大学) in kat 2020年06日02日(火) in

 日本トライボロジー学会(JAST)は5月26日、Web会議システムを利用したリモート方式により「第64期定時社員総会」を開催した。今回は第65期役員の選任についても決議がなされ、第65期新会長に九州大学 教授で水素素材先端科学研究センター センター長の杉村丈一氏が選出された。

杉村丈一・JAST第65期会長

 

 JAST第64期定時社員総会は新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に、また、緊急事態宣言(4月7日発出、5月25日解除)を踏まえた現状に鑑み、規模を縮小して同会役員のみのWeb会議システムを利用したリモート方式により、5月26日に開催された。総会出席者27名、有効委任状1638通、合計1665名で同会正会員数2419名の過半数を超え、総会は成立した。

 社員総会の議事は、議長である第64期会長の香川大学 教授の若林利明氏から出席者全員に対して提案を行い、監事を含めた全出席者から異議がなく承認が得られた。

 決議事項には第65期役員選任の件も挙げられ、本議案についても同意が得られた。これを受けて第65期第1回理事会が開催され、九州大学 杉村丈一氏が第65期会長に選出されたもの。

 杉村JAST新会長は、「“会員サービスの充実による会員メリットの向上”、“世界における日本のトライボロジーのプレゼンス向上”、“学会運営の効率化と財政の健全化”などの運営方針を堅持しつつ、コロナウイルスによる難局においても、情報や場の提供を継続していくための新しいやり方や仕組みを模索し、理事会、事務局、各種委員会委員、会員各位と力を合わせて学会運営にあたっていきたい」と抱負を述べている。

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オリエンタルモーター、防塵・防水対応のブラシレスモーターを追加

5年 2ヶ月 ago
オリエンタルモーター、防塵・防水対応のブラシレスモーターを追加kat 2020年06日02日(火) in

 オリエンタルモーターは、DC24Vのコンパクトな基板型ドライバを採用した高トルク・低騒音のブラシレスモーター「BLHシリーズ」に防塵・防水の保護等級IP65対応のモーター(ケーブルタイプ)を追加した。

ブラシレスモーターBLHシリーズ

 

 BLHシリーズは、 DC24V入力のコンパクトな基板 型ドライバを採用した、高トルク、低騒音のブラシレスモーター。 モーターのバリエーションは平行軸ギヤヘッドGFSギヤ、中空軸フラットギヤヘッドFRギヤ、丸シャフトタイプの3種類を用意し、それぞれ出力 15W~100W を展開している。 50 W以下のドライバは 名刺サイズよりも小さく、装置の小型化に貢献する。 また、80~3000r/minの広い速度制御範囲を持ち、搬送コンベアや搬送台車、計量機器、包装機器など様々な用途で採用されている。

 今回、モーターが覆われていない状況下での耐環境性や高い保護等級へのニーズに対応して 、BLHシリーズに保護等級IP65に対応したケーブルタイプのモーターを追加した。 ケーブルタイプの モーターは出力30W~100Wまでを用意している。

 今回ラインナップに加えたケーブルタイプのモーターは保護等級IP65に対応、粉塵や飛沫水のかかる環境下で適用できる。 

 使用するモーターは共通だが、アナログ設定タイプ、デジタル設定タイプ、RS-485通信タイプの3タイプのドライバを用意。ドライバのタイプを選択することによって、幅広い用途に適用できる(100Wはアナログ設計タイプのみ)。

 価格(税抜)はモーターが13900円~、ドライバが9350円~。

 同社では、粉塵や飛沫水のかかる環境で速度制御が必要な搬送用途など産業用に幅広く拡販し、1年後にシリーズ合計で1万5000台/月の販売を目指す。

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フェローテック、磁性流体・ペルチェ素子・絶縁放熱基板の利点を活かし自動車分野で応用・展開へ

5年 2ヶ月 ago
フェローテック、磁性流体・ペルチェ素子・絶縁放熱基板の利点を活かし自動車分野で応用・展開へkat 2020年06日02日(火) in in

 フェローテックは2018年1月に「オートモーティブプロジェクト」を立ち上げた。それから3年目を迎えた本年4月にはオートモーティブプロジェクトが組織として独立、自動車のマーケットの部門横断的な攻略が本格化してきている。

 この間、自動車用温度調節シート向けで多くの採用実績を持つ「サーモモジュール(ペルチェ素子)」や、創業の技術であり車載スピーカーで実績のある「磁性流体」、さらには自動車のエンジンやモータ、パワーステアリング、ヘッドランプなどの制御装置の基板として採用されている絶縁放熱基板を中心に、自動車市場の様々な課題へのソリューションを提起し、徐々に具体的な適用に向けた検討案件が増えている。

 今回、それらコア技術の適用によるメリットと、様々な利点を活かした自動車分野での各種課題解決のためのソリューションについて、同社に話を聞いた。

 

◇フェローテックのコア技術 ・磁性流体

 磁性流体は、流体でありながら外部磁場によって磁性を帯び、磁石に吸い寄せられる機能性材料で、磁性微粒子、界面活性剤、キャリアとなるベース液(潤滑油)からなる。直径約10nmの極小の酸化鉄粒子が、凝集を防ぐ界面活性剤で被膜され、安定的に分散したコロイド状の液体となっている。

 自動車分野では、磁性流体の放熱効果やダンピング効果などによる高音質化や小型化などから、スピーカーに採用されている。

 

 

・ペルチェ素子(サーモモジュール)

 ペルチェ素子は、対象物を温めたり冷やしたりする半導体冷熱素子のことで、N型とP型という異なる性質を持った半導体素子を組み合わせたモジュールに、直流の電気を流すと熱が移動し、一方の面が吸熱(冷却)し、反対の面が放熱(加熱)するというペルチェ効果を応用したもの。電源の極性を逆にすると、吸熱と放熱を簡単に切り替えることができる。

 ペルチェ素子のこうした特性を活かし、自動車分野では温調シートで多数の実績を持つ。
 

 

・絶縁放熱基板

 絶縁放熱基板は、セラミックス基板に銅回路板を接合したもので、放熱性・絶縁性・耐久性が高いアルミナセラミックス基板に銅製(Copper)の回路と放熱板を共晶反応で直接接合させた構造のDCB(Direct Copper Bonding)基板を自社開発し、世界第2位のシェアを持つ。

 最近では、窒化ケイ素や窒化アルミニウムを基板とした、より信頼性の高いAMB(Active Metal Brazing:活性ロウ付け法)方式の技術を開発。新工場に量産設備を導入し、サンプル出荷を開始している。

 自動車分野では、電動パワーステアリング用など各種モータの制御用インバータの基板などで採用されている。

 

 

 

◇自動車における磁性流体適用のメリットと課題解決のソリューション

 磁性流体の自動車分野でのアプリケーションとしては、圧倒的に高いシェアを持つ車載用スピーカー向け磁性流体に加えて、セミアクティブダンパーやリニア振動・触覚(ハプティック)デバイスへの応用など、新しい用途での検討が進んできている。

 ここでは、2018年以来、3回にわたり出展した「EV/HEV駆動システム技術展」を通じて具体的なサンプル要求が増えてきている「感温性磁性流体を用いた熱輸送システム」の利点と、自動車の課題解決のためのソリューションについて紹介する。

・感温性磁性流体を用いた熱輸送システム 自動車での課題と感温性磁性流体適用のメリット

 自動車においては、エンジンのオーバーヒートを防止するためのラジエーターによる冷却など、熱マネージメントが早くからなされているが、電気自動車(EV)など電動車両の本格化に伴い、例えばバッテリーとなるリチウムイオン電池が温度にセンシティブで、高温/低温のいずれにおいても特性が大きく変化したり劣化が進みやすいといった、熱関連の新たな問題が顕在化してきている。

 バッテリーやインバータなどの発熱を伴う機器の冷却において、熱の集中を防ぐためのループ循環系の熱輸送システムを構築するには、一般的に流体を循環させるためのポンプなどの機械的駆動力が必要となり、そのための設置スペースが必要となる上、バッテリーの消費にもつながる。さらにポンプなどの重量が加算されることで、電力消費(電費)は増大する。

 これに対しフェローテックでは、温度に反応して磁化が大きく変化する「感温性磁性流体」を開発。これを用いた熱輸送システムを提案している。

 感温性磁性流体を用いた熱輸送システムでは、磁性流体を封入した流路に、冷却される区間の「低温部」と加温される区間の「高温部」を設けて、磁性流体に温度勾配を作る。それから、低温部と高温部の間に磁石を設置。高温部の磁性流体中の磁性微粒子は温度上昇に伴って磁化が減少する一方で、低温側の磁性流体は磁化が変わらずに磁石へと強く引き寄せられる。これによって、低温側から高温側へと感温性磁性流体の流れ(駆動力)が発生して、流体の自己循環が可能となる。つまり、機械的な動力なしに、熱を輸送できるというわけである。

感温性磁性流体を用いた熱輸送システムの駆動メカニズム

 

 局部的に熱が偏在することによる問題を低減する目的で全体的な熱マネージメントを進めたい自動車メーカーや、電源を使用せずに熱効率を高めるヒートパイプを構築して自動車メーカーに提示したい自動車部品メーカー、さらには発熱密度の増大によって処理速度の低下や高温による故障など多くの熱問題を抱える電子機器メーカーなどから、具体的な引き合いが増えており、実用を想定した研究が活発になっている。

 すでに挙げたバッテリーやインバータをはじめ、自動車内部には多くの場所で熱源が存在するため、熱的に相互を補填し合うことで効率を追求することが重要になってくる。例えば冬場の暖房は、熱機関駆動の自動車では容易にエンジンからの熱を活用できる一方で、EVではPCTヒーターなど電熱線で発熱させることなどにより冬場の電費効率は著しく下がる。これに対して、他の部位からの熱源を活用することによって、効率改善が期待できる。後述のペルチェ素子とのコンビネーションなど、他の熱管理技術との組み合わせによっても、さらなる領域での活用を考えることができる。

 また、自動車からの水平展開として、熱が問題となる身の回りの課題にも着目している。身近では、スマホ、ノートPC、フラットパネルTVの発熱などへの対策や、産業分野においてもLED、レーザー、ロボット、製造装置、サーバーといったように、チラーなどで強制的に冷却を行っている用途に展開できると考えられている。

 

感温性磁性流体を用いた熱輸送システムの実験での駆動確認感温性磁性流体を用いた熱輸送システムの加熱位置による駆動の向き

 

実用に向け大きな進展となる「水ベースの感温性磁性流体」を開発

 感温性磁性流体の基礎研究は国内外の拠点で長年進められてきたが、製品レベルの設計開発は約5年前から加速している。磁性流体は前述のとおり、磁性ナノ粒子、界面活性剤、キャリアとなるベース流体からなるが、感温性磁性流体のベース流体にはケロシンなどの有機溶剤が主に用いられてきた。

 有機溶剤が用いられてきたのは、磁性ナノ粒子を分散することが比較的容易であるためであるが、ガソリンを使う内燃機関とは違い、EVや家電製品では、そうした可燃性流体の使用は避けたいとの要望が強く、不燃性流体をキャリアにした感温性磁性流体は長年の目標とされてきた。

 フェローテックでは今回、磁性ナノ粒子および界面活性剤の組成、分散に関するコーティング技術・工程ノウハウを駆使して、初めての「水ベース感温性磁性流体」を開発することに成功した。水単体は当然のことながら0℃で凝固し100℃で沸騰するが、独自の配合技術によって、最新の開発試作品では-70℃という凝固点を実現。概ねの用途における使用温度範囲は-40℃~+80℃程度のため、低温側の要求も高温側の要求もカバーできると見る。

 ここでのコーティング技術は、10nmという極めて小さいナノ磁性粒子を個々に界面活性剤で覆うもので、これによって各磁性ナノ粒子が凝集することも沈降することもなく、非常に優れた分散性を実現できる。本来、水は極性が強い特殊な液体のため、安定な分散を得るのは難しい材料であるが、今回は開発グループにより比較的最近に見出した材料・工程を積極的に適用し、有機溶剤ベースと比べても遜色ないレベルで分散性に優れた水ベース感温性磁性流体を世に送り出すに至った。

 また、磁性流体中の磁性ナノ粒子の濃度は、熱輸送のために駆動させるためには重要なパラメータとなる。すなわち粒子濃度が高いほど、ヒートパイプ中の感温性磁性流体の駆動力は強まることになる。スピーカーなど一般産業機器向けの磁性流体の粒子濃度は100~200ガウス程度、また水ベース磁性流体としての粒子濃度上限も300ガウス程度がこれまでの上限だったが、今回開発した感温性磁性流体は、これまでに類を見ない600ガウス以上という高い粒子濃度を達成した。

 また、同社米国拠点では、別の用途向けの水ベース磁性流体をtonレベルで大量生産できる施設を所有しており、量産時の供給能力とコスト対応能力も充分に確保できているものと見られる。

 一方、具体的な熱輸送システム全体の効率を上げるには、高性能の感温性磁性流体を使用するだけでなく、熱輸送の効率を高めるために適切に温度勾配を持つように設計されたループが構築されることになるが、そういった個々の熱輸送システムでの性能を保証することも材料メーカーであるフェローテックの責務の一つである。そのため同社では、駆動環境による熱輸送効率の違いなど、熱輸送実用に向けた各種試験データを取得し知見を高める活動も大学と共同で進めている。

 直近では、本年6月をめどに開発品のサンプル販売を開始すべく、最終的な準備に取り組んでいるところだ。一方、長期的な取組みにはなるが、水ベースの感温性磁性流体という今まで世の中にない全く新規の製品となるため、分類や試験評価手法を含めた国際標準化についても研究機関と協力しながら進めていく考えだ。

◇自動車におけるペルチェ素子適用のメリットと課題解決のソリューション

 ペルチェ素子を用いた自動車でのアプリケーションとしては、自動車用温度調節シート向けで多くの採用実績を持つほか、近年では、海外の自動車OEMで採用実績がある温度制御が可能な車載用カップホルダーや、バッテリーおよびキャビンの温調システム、車載カメラのCMOSイメージセンサ用クーラーなどで引き合いが増えてきている。

 ここでは、具体的な採用に向けて検討が進んできているバッテリーの温度コントロールのアプリケーションを中心に、ペルチェ素子採用の利点と、自動車の課題解決のためのソリューションについて紹介する。

・バッテリー/キャビンの温度コントロール 温調システムとしての高い効率

 ペルチェ素子は、冷却・加熱の双方に対し既存の手法に比べて、微妙な温度制御が可能なことや電力消費抑制につながる軽量・小型化が図れるなど優位性が多い一方で、特に過熱に使用した際の吸熱の利得が大きいことはあまり知られていない。

 ペルチェ素子から放熱される熱量(Qh)は、吸熱量(Qc)と総消費電力(VI=ジュール熱)との総和となるため、ジュール効果によって発生する熱エネルギー(ジュール熱)に比べ、小さな電気で大きな加熱ができる省エネヒーターを構成できる。フェローテックでは、キャビンヒーターにおけるQcの利得による効果を周知させ、自動車分野での適用を進めていく考えだ。

キャビンヒーターにおけるQcの利得効果

 

 一方で、ペルチェ素子の放熱面の温度(Th)と吸熱面の温度(Tc)が逆転すると冷却効率(COP)が極端に上がる、というメリットも浸透しているとは言えない。特に、夏場にペルチェ素子の放熱側である環境温度Thが30℃でペルチェ素子の吸熱面となるバッテリーの温度Tcが60℃といった場合には、温度差が-ΔTとなりCOPは200%、250%という高効率クーリングシステムを構成できる。同社では、こうした高効率の温調システムとしてのペルチェ素子の有用性についても訴求していく。
 

バッテリークーラーにおけるκ(Th-Tc)の利得効果:TcがThよりも高い場合、熱伝導による損失κ(Th-Tc)が逆に利得となり効率が大きく改善

 

パーソナル冷暖房システムとしてのメリット

 自動車の断熱性能には限界があり、窓が増えたり大型車になると表面積が大きくなるため、放出され損失される熱も大きい。つまり、エアコンでは熱貫流量Qが、熱貫流率Kや、車内温度Tiと外気温Toとの差、冷暖房の対象となる自動車表面積Aによって左右されるため、自動車の燃費や電費の観点からは効率の良い冷暖房システムとは言えない。

 そこで、燃費や電費を抑制する観点や室内の快適性を高める観点から、ペルチェ素子を採用した現在のシート温調システムの進化系のような、パーソナルに乗員の体を温めたり冷やすというシステムも一部検討されており、そうした中でペルチェ素子採用の可能性も拡大してきている。

 エアコンを用いた冷暖房は上述のとおり表面積に比例して熱効率のロスが発生することに加えて、たとえばキャビンの温度が低くエンジンおよびエアコンユニットが冷えている状態で暖房運転を開始した場合、エアコンユニット内の空気を暖めてから暖かい風が出てくることから、数分程度の立ち上がり時間を要する。これに対してパーソナルな冷暖房システムであるペルチェ素子では、システムがコンパクトなこともあり、数秒でドライバーや同乗者の体を温めたり冷やしたりすることが可能となっている。

 自動運転ではドライバーもリラックスした状態に置かれ、室内の快適化がますます要求されてくることから、欧州の高級車ではすでに、アームレストや屋根やダッシュボードにまでペルチェ素子を搭載してパーソナルな冷暖房を実現しようという取組みも始まっている。同社では、“高級ホテル空間”とでも言える車室内の快適性向上では、ペルチェ素子を用いたパーソナル温調システムの果たす役割は増えてくるものと見る。

 

◇自動車における絶縁放熱基板適用のメリットと課題解決のソリューション

 パワー半導体用の放熱基板として用いられるDCB基板は、内燃機関車からHEV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)といった電動化、さらには先進運転支援システム(ADAS)の搭載などを背景に、需要の増加するモータ制御用インバータ回路の基板として引き合いが増えてきている。さらに、高圧バッテリーに蓄えた直流電力を交流に変換し走行用モータを駆動するための動力変換装置IGBTなど放熱が必要な新しいアプリケーションでも、攻略を進めている。

 特に窒化ケイ素基板を用いた新開発のAMBは、高い信頼性に加えて、車載のパワーデバイスとして用いられる炭化ケイ素(SiC)と熱膨張係数の点で相性が良いといったことから、車載向けの各種アプリケーションで引き合いが増えてきている。自動車メーカーからは、-55~300℃といった温度変化を1000~2000サイクル実施しても、銅パターンのはく離やセラミックス基板のクラックが発生しないといった、強度の向上や寿命の延長を要求されており、設備や工程の改善、技術の確立を急いでいる状況だ。

 

◇今後の展開

 自動車分野では電動化へと向かう大きな変革の中にあって、新規参入の機会が増えてきている。フェローテックでは、ペルチェ素子、磁性流体、絶縁放熱基板という各製品事業では自動車分野での採用実績も少なくないものの、自動車の新しい潮流の中での新たな課題に対して、部門独立し人員も増強された横断的な組織である「オートモーティブプロジェクト」として、最適なトータルソリューションを提供して課題解決に努めつつ事業を拡大していく。

 同社では、上述のような具体的な案件を成約させることで今年度は数千万円程度のビジネス獲得から始めて、3年後には50億円程度のビジネスに育てていく考えだ。
 

●フェローテックの自動車関連事業をさらに知るには

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ヤマハ、高速搬送・高精度位置決めのリニアコンベアモジュールを7月に発売

5年 2ヶ月 ago
ヤマハ、高速搬送・高精度位置決めのリニアコンベアモジュールを7月に発売kat 2020年6月2日(火曜日) in

 ヤマハ発動機は、現行機種「LCM-X」の高精度・挟ピッチといった特徴を継承しつつ、モジュールの構造を全面的に見直しすることで剛性を大幅に高め、異物などの侵入や電気的ノイズなど環境に対する耐性を向上させたリニアコンベアモジュール「LCMR200」を7月1日に発売する。

LCMR200

 

 駆動方式はムービングマグネット式コア付リニアモータで、最大可搬質量は15㎏、最高速度は2500mm/sec、繰返し位置決め精度±5μm。

現行機の構造を大幅に見直し、使いやすさをさらに高めたほか、新開発の循環ユニットと組み合わせることで設置時の精度調整が容易になった。

 最大64台のスライダを1台のコントローラ「YHX」で制御する仕組みは、「LCM-X」から引き継ぎつつ、「スタンダードプロファイル」という新開発のプログラムにより、YHXコントローラ内のプログラミング作業を不要とし、自動化設備の構築がより簡単になった。

 製品ライフサイクルの短縮化により、ものづくりの現場では多品種変量生産が増えており、搬送工程においても柔軟性や臨機応変な対応力が求められている。こうした背景から、リニアコンベアモジュールは従来のベルトコンベアやローラコンベアに比べて、ラインの組み替えも簡単・自由に行えるうえ、高速・高精度の搬送が可能で、幅広い産業界への適用が期待される。

今回開発されたリニアコンベアモジュールの特徴は以下のとおり。

・リニアモータによるダイレクト駆動により、高速搬送、高精度停止、位置決めを行うことが可能

・モジュールのほぼ全長を架台に直接設置してリニアガイドを支持する構造とし、またリニアガイドやスライダのガイドブロックをサイズアップし強度を高めまた(フットプリントは同等)

・ケーブルの取出方向が正面/背面の2方向から選択可能になり、電気配線を含めたレイアウトの自由度が向上するとともに、往復ラインを構築する際には面積効率が高まる

・スライダの乗り継ぎ精度調整を大幅に簡易化した循環ユニットを新たに専用開発したことで、乗り継ぎの安定性と耐久性が大幅に向上した

・YHXコントローラのスタンダードプロファイルを用いることで、ユーザーがYHXコントローラ内にラダープログラムを作成する必要はなく、上位PLCからLCMR200および単軸ロボットをポジショナとして制御することが可能

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不二越、精密仕上げ加工向け超硬エンドミルを発売

5年 2ヶ月 ago
不二越、精密仕上げ加工向け超硬エンドミルを発売kat 2020年06日02日(火) in

 不二越は、エンドミル加工において精密仕上げ加工のニーズに対応する目的で「アクアREVOミル2枚刃・4枚刃2.5Dシャープコーナ(Sタイプ)」を開発、シリーズに追加し6月1日に世界同時発売した。2020年度で年間2億円、3年後には年間6億円の売上を目指す。

アクアREVOミルシリーズ

 

 同社では昨年末、材料、形状、コーティングをすべて一新し、エンドミル加工に求められる機能を飛躍的に向上した高性能汎用超硬エンドミル「アクアREVOミル」を発売した。硬さと靭性を高い次元で両立したエンドミル専用の超硬素材を新開発。形状は基準ねじれ角30度の不等分割・不等リードを採用し、切削抵抗を低減、加工面に影響するびびり振動を抑制し、安定した高能率加工を実現している。また、耐摩耗性、耐熱性、耐熱衝撃性に優れる新コーティング「REVO-Mコート」の採用により、ウェット加工でも高性能を発揮。一般鋼からステンレス鋼、高硬度材まで幅広い被削材への対応を可能としている。

 アクアREVOミル2枚刃・4枚刃2.5Dシャープコーナ(Sタイプ)は刃先コーナの切れ味を重視した形状で、側面や溝加工での隅部の残りを除去し、直角に仕上げる。コーナ摩耗の進行を抑え切れ刃を維持することで、長寿命で安定した加工を実現している。

 2枚刃 2.5D S タイプ(シャープコーナ)は、寸法範囲がφ1.0~φ20.0で全20寸法をラインナップ。4枚刃 2.5D S タイプ(シャープコーナ) は、寸法範囲がφ1.0~φ20.0で全20寸法を用意。

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NTN、転がり軸受総合カタログ」を全面改訂、商品ラインアップ、技術情報を拡充

5年 2ヶ月 ago
NTN、転がり軸受総合カタログ」を全面改訂、商品ラインアップ、技術情報を拡充kat 2020年06日02日(火) in

 NTNは、同社が持つ転がり軸受に関する技術情報やノウハウを顧客に一層活用してもらう目的で、「転がり軸受総合カタログ」を全面改訂した。

「転がり軸受総合カタログ」

 

 今回の全面改訂では、同社が長年蓄積してきた軸受寿命データをもとに、転がり軸受の寿命を計算する際の基礎となる基本動定格荷重(軸受の動的負荷能力で、100万回転の基本定格寿命を与えるような一定荷重)の見直しを行うとともに、ISO規格およびJISで規定された、修正定格寿命(90%およびそれを超える信頼度、疲労限荷重、潤滑剤の汚染、特別な運転条件のいずれか、または組み合わせに対して修正した定格寿命)の計算に必要な疲労限荷重を型番ごとに記載した。

 さらに、顧客の様々なニーズに対応できるよう、同社の世界最高水準の軸受シリーズである「ULTAGE(アルテージ)」シリーズの商品ラインアップも拡充した。

 このほか、軸受の選定方法、取扱い、軸受周りの設計など技術解説に関するページを大幅に増やし、技術情報を充実させている。また、サイズも従来のA4からA5に変更し、より手に取ってもらいやすくするとともに、段付きのインデックス加工を施し、目的のページをすぐに開ける装丁とした。

 全面改定した「転がり軸受総合カタログ」は、同社商品の選定だけでなく転がり軸受について学ぶ際にも活用できる。

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ジェイテクト、電気自動車モータ用高速回転グリース潤滑玉軸受を開発

5年 2ヶ月 ago
ジェイテクト、電気自動車モータ用高速回転グリース潤滑玉軸受を開発kat 2020年05日29日(金) in in

 ジェイテクトは、電気自動車(EV車)の駆動ユニットのモータ用として、dmn(ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1))2150万以上の高速回転を可能にするグリース潤滑玉軸受を開発した。これにより同社では、モータの小型・高出力化による高速回転化に対応し、電費の向上と航続距離の延長に貢献していく。

開発品


 同社亀山工場・四国工場、グループ企業のダイベアなどで2025年に量産を開始し、国内外の自動車メーカー、駆動モータメーカーなどに提案を進め、3億円/年の売上を目指す。

 近年普及の進むEV車は環境への負荷が低く、今後ますます厳しさを増す燃費規制をクリアする技術として注目され、電力の高効率化や安全性・快適性の向上のため、さらなる技術開発が求められている。

 中でも、自動車の燃費・電費の向上に直結するモータの小型・高出力化が進んでおり、モータを支持する軸受には一層の高速回転性能が要求されている。そのため、高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が課題となっていた。

 これに対しジェイテクトでは、これらの課題を解決するEV車の駆動ユニットのモータに使用する高速回転グリース潤滑玉軸受を開発したもの。

 軸受の高速化技術として、冠型の樹脂保持器の形状を工夫する手法が一般的だが、さらなる高速回転化による遠心力の増大により、保持器の変形や他部品との干渉による破損や、焼付きという問題が発生していた。そこで、開発品では、冠形の保持器とはまったく異なった革新的な新形状の保持器の開発と、独自開発のグリース採用によって、さらなる高速化に対応することを可能にした。

開発品の特徴

 

 新形状樹脂保持器の開発では、ボールポケット形状の工夫と軽量化設計で遠心力による影響を軽減したほか、グリースを保持する形状を採用し潤滑性を向上した。また、従来の高速回転用冠形保持器と比較して、保持器の軸方向寸法をコンパクト化した。


 独自開発グリースの採用では、高温高速条件下での潤滑性能とグリース寿命を向上した。

 開発品では、軸受幅を拡大することなく、グリース潤滑玉軸受の高速性をさらに向上させ、dmn 150万以上を実現している。

評価結果

 

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芝浦機械、しゅう動面仕様のターニングセンタを追加

5年 2ヶ月 ago
芝浦機械、しゅう動面仕様のターニングセンタを追加kat 2020年5月29日(金曜日) in

 芝浦機械はこのほど、ターニングセンタ「TMDシリーズ」のラインナップにしゅう動面仕様機を追加し、基本仕様の改善を実施した。

TMDシリーズ しゅう動面仕様機

 

 しゅう動面仕様機と14MPaの超高圧クーラントの組み合わせにより、航空・宇宙分野などで部品用途がある耐熱鋼インコネル718の高効率加工を提案する。

 同社のターニングセンタTMDシリーズは、高剛性、高精度、高応答性に優れ、一般鋼材への加工に適した仕様となっている。今回、切削振動対応に優れ、高減衰性を高めるしゅう動面仕様機をラインアップへ追加し、航空・宇宙分野などの部品加工で要求されるインコネル等の耐熱鋼への、より効率の良い加工提案が可能となったもの。

 インコネルをはじめとする多くの耐熱鋼は加工硬化性が高く、旋削加工時に発熱、流れ型の切りくずが発生するため、高効率加工には刃先冷却と切りくずの飛散防止対策が重要となっている。

 今回、超高圧クーラントを刃先に吹き付けながら旋削加工することで、これらの課題を解決した。さらに、加工方法の変更で、従来切削方法比で切削用チップ寿命を1.4倍以上に長寿命化し、耐熱鋼インコネルの高効率加工に対応する。

 早送り速度については、X軸早送りを12m/minから15m/minに、Z軸早送りを10m/minから12m/minにそれぞれ高速化し、より効率の良い加工提案が可能となった。

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ヤマハ、スーパースポーツのフラッグシップモデル2種を8月に発売

5年 2ヶ月 ago
ヤマハ、スーパースポーツのフラッグシップモデル2種を8月に発売kat 2020年5月29日(金曜日) in

 ヤマハ発動機は、クロスプレーン型クランクシャフト採用の水冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒・4バルブ・997cm3エンジンを搭載したスーパースポーツ「YZF-R1M」と「YZF-R1」を8月20日に発売する。

「YZF-R1」ブルー

 

 「YZF-R1」は、1998年の販売開始からスーパースポーツ市場を牽引してきた同社モーターサイクルのフラッグシップモデルで、サーキットを征する性能を照準に開発した。

 主な特長は、①サーキット性能に磨きを掛けたクロスプレーンエンジン、②APSG(アクセル開度センサーグリップ)を織り込んだYCC-T(電子制御スロットル)、③伝わりやすい“接地感”を主眼にセッティングした前後サスペンション、④EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)を加え、すべてを見直した電子制御システム、⑤エアロダイナミクス特性を高めた新設計のカウリング、⑥次世代“R”デザインを主張するLEDデュアルヘッドランプ&新作ポジションランプ、など。

 上級モデルの「YZF-R1M」は、オーリンズ社製電子制御サスペンションやアルミにバフがけを施したタンクやリアアームに加え、新たにカーボン素材の軽量カウルを採用している。

 最高出力200PSを発揮するエンジンは、環境規制に適合しつつ、クロスプレーンの“リニアリティとトルク感”向上を目標に開発した。スロットルバルブと燃焼室を近づけるために新作したシリンダーヘッドとバルブ傘裏狙いの斜流噴射のインジェクターを搭載。これらによって、低〜中回転域の燃焼速度を最適化し、スロットルの開け始めからのリニアリティ感を向上するとともに、トルク感のあるエンジン特性に仕上げた。

 なお、高回転域ではセカンダリーインジェクターからの噴射が加わり良好な燃焼に貢献する。

 また、フィンガーロッカーアーム式バルブシステムを採用した。アーム形状を見直し、高回転域でのバルブ挙動特性を向上。レースユースでのさらなる高回転化を見据えた限界性能の底上げも果たしている。

 さらに高回転域での油圧低下を防ぎ、オイル撹拌によるロス馬力低減を図るため、各コンロッド大端部へのオイル供給は、“センター給油方式”を採用。コンロッド大端、クランクジャーナル、ピストンクーラーへのオイル供給量の最適化を図り、高回転域でのクランクケース内のオイル撹拌による馬力ロスを低減している。

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ヤマハ、425馬力4ストローク船外機の国内販売を8月から開始

5年 2ヶ月 ago
ヤマハ、425馬力4ストローク船外機の国内販売を8月から開始kat 2020年5月29日(金曜日) in

 ヤマハ発動機は、同社ラインアップの中で最大馬力となる、425馬力の4ストローク船外機「F/FL425A」の国内販売を8月に開始する。

F/FL425A:ホワイト仕様もラインナップ

 

 「F/FL425A」は、2018年夏に米国で先行発売し、北米市場から高い評価を得ている大型4ストローク船外機。パワーユニットにはV型8気筒、排気量5559cm3、最高出力425馬力のエンジンを採用、高負荷運転に対応する耐久性を高めながら、「ダイレクトフューエルインジェクション」や「内蔵型電動ステアリングシステム」を4ストローク船外機として初めて採用し、最高レベルのトルクとパワーを発揮する。

さらに同社が培ってきた船外機制御技術「ヘルムマスター」や「CL7」との組み合わせにより、高い利便性を有する。

 本船外機は、2018年に米国舟艇工業会(NMMA: National Marine Manufacturers Association)のイノベーションアワードを受賞している。

 大型船外機の主要市場である北米では、30フィートを超える大型ボートの推進機として主流であった船内機(インボード)や船内外機(スタンドライブ)に代わり、スピード性能と燃料経済性、メンテナンス性に優れ、さらに船内スペースが広く確保できる船外機が注目されている。

 「F/FL425A」は、こうした市場ニーズに応え、大型の外洋型ボートの主機として充分に対応するトルクとパワーを持ち、かつ耐久性に優れた信頼性の高い船外機として開発された。

また、ボートの大型化と船外機の複数台セットによって、操船に高いスキルが求められることから、ケーブルや油圧装置を廃した「内蔵型電動ステアリングシステム」を採用し、軽快で応答性に優れたステアリング特性を実現するとともに、ジョイスティックによる操船が可能な「ヘルムマスター」、7インチのタッチスクリーンカラーディスプレイ「CL7」との組み合わせなどにより、扱いやすく、操船のしやすいシステムを構築できる。

 日本市場においては、大馬力エンジンを必要とする大型プレジャーボートや漁業用和船、業務艇における推進機の換装を見込み、これらの市場に対して需要の喚起を図っていく。

主な特徴は以下のとおり。

・4ストローク船外機として初めてダイレクトフューエルインジェクションを採用し、燃焼効率を高め、卓越したトルクとパワーを実現。

・専用プロペラも同時に新規開発。翼面積を拡大し、十分な推進力を確保するとともに、旋回時のベンチレーション(船底からの空気吸い込み)を低減。信頼性の観点から、二相ステンレス鋼を採用することで、耐腐食性とキャビテーション(プロペラ表面圧力低下による気泡発生)耐力も向上。

・425馬力もの出力をプロペラに伝達するためのギアサイズは大きくなる一方で、水の抵抗は増加するため、本モデルでは、全面歯当たりする歯形形状を採用することで、小さいギアサイズでも、面圧を分散し、耐久性向上とサイズダウンの両立を実現。また、新たな形状のロアギアケースを採用することで、水中の抵抗を低減させ高速走行時、および旋回時の良好な安定性を確保しました。

・船外機では初の「内蔵型電動ステアリング」を採用、ステアリング操作に対してダイレクトに反応する操船性とリギング類の簡素化を実現した

・新たな排気構造を採用し、プロペラへの排気ガスの干渉を低減。後進時の推進力を高めることで、ヘルムマスターによる操船時の効率を上げ、離着岸など低速でのボート取り回しを容易にした

・90Aの発電容量を確保し、電化製品をはじめ、多様な航海計器、電子機器類の使用に対応した

・係留した状態でオイルの交換を可能とする新しい「水上ギヤオイル交換システム」を採用した。

・次世代の船外機として外観デザインを一新させ、伝統的な「船外機らしさ」「ヤマハらしさ」を継承しながらも、個性的でダイナミックなフォルムを採用し、ホワイトカラーをラインアップに追加した

・多分割構造のカウリングを採用し、外観のデザイン性とともにメンテナンス性、リギングの容易性を高めた

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日産、EV救急車がゼロエミッション東京の実現に向け東京消防庁で稼働開始

5年 2ヶ月 ago
日産、EV救急車がゼロエミッション東京の実現に向け東京消防庁で稼働開始kat 2020年5月29日(金曜日) in

 日産自動車は、東京消防庁池袋消防署へ納車した日本初のゼロエミッション(EV)救急車が稼働を開始したと発表した。

ゼロエミッション(EV)救急車

 

 車両サイズは全長5548mm、全幅2070mm、全高2499mmで車両総重量は3.5t、乗車定員は7名。モーターは最大出力55kW、最大トルク220Nmで、駆動用バッテリーは容量33kWh、充電AC200V 最大 7kw 普通充電(タイプ2)。装備品用バッテリーは容量 8kWh、充電AC100V 1.5kW。駆動方式は前輪駆動。

 本車両は、東京都が推進する「ゼロエミッション東京」の取組みの一環として、東京消防局に初のゼロエミッション(EV)救急車として導入されたもので、同車は池袋消防署のデイタイム救急隊で運用される予定。

 本車両は、救急隊員の負担を軽減するための電動ストレッチャーや、すべてのシートに乗員の安全性を向上させるシートベルトが装備されている。

 また、救急車には患者や隊員の身体的な負担軽減が求められることや精密医療器具を搭載する必要があることなどから、静粛性が高く、振動の少ないEVのメリットは大きいと見られている。

 さらに、本車両は33kWhと8kWhの二つのリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、電装機器やエアコンをより長時間作動させることが可能で、停電時や災害時には移動電源としても活用できる。

 本車両は、同社が欧州で販売中の「NV400」をベース車両としており、日本法規への適合や専用の救急架装については、日産パラメディックでの豊富な実績を持つオートワークス京都に委託した。

 内外装は欧州の緊急車両架装大手であるGruau社に委託、堅牢で合理的な救急架装パッケージを採用している。

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ファナック、加工機・ロボットによる自動化システムの簡単スタートアップパッケージを販売開始

5年 2ヶ月 ago
ファナック、加工機・ロボットによる自動化システムの簡単スタートアップパッケージを販売開始kat 2020年5月29日(金曜日) in

 ファナックは、切削加工機・放電加工機・射出成形機など加工を司る「ロボマシン」とロボットを組み合わせたシステム構築に必要な基本要素をパッケージ化した QSSR (Quick and Simple Startup of Robotization) を開発し、販売を開始した。

 QSSRを使用したシステム構築により、設計工数やシステム立上げ時間を大幅に短縮し、ロボマシンとロボットによる自動化システムの簡単設置、簡単設定、簡単操作を実現する。

 小型切削加工機「ROBODRILL α-DiBシリーズ」と「LR Mate 200iD」による 「ROBODRILL-QSSR」は、加工ワークの自動交換に最適なロボットシステム。ロボット取付架台、安全柵、簡単接続機能、ロボットのサンプルプログラムなど、ロボットシステム構築に必要な基本要素をパッケージ化し、加工現場の自動化を実現する。側面自動ドアは、サーボモータ駆動式も選択可能で、エアシリンダ駆動式に比べドア開閉時間が約40%と高速で、さらにロボットとの同時動作によりワーク脱着時間の大幅な短縮が可能。

ROBODRILL-QSSR

 

 電動射出成形機「ROBOSHOT α-SiAシリーズ」と「LR Mate 200iD」による 「ROBOSHOT-QSSR」は、成形品の取出しや成形後の組立に最適なロボットシステム。ロボット取付架台、安全柵および安全装置、ロボットのサンプルプログラムなど、システム構築に必要な基本要素をパッケージ化し、成形現場の自動化を実現する。あらかじめ組み込まれたロボットのサンプルプログラムに、アプリケーションに合わせた位置教示を追加することで、ロボット動作のカスタマイズが可能。

ROBOSHOT-QSSR

 

 ワイヤカット放電加工機「ROBOCUT α-CiBシリーズ」と「M-20iA」による「ROBOCUT-QSSR」は、加工ワークの自動交換に最適なロボットシステム。ロボット取付架台、安全柵および安全装置、ロボットのサンプルプログラムなど、システム構築に必要な基本要素をパッケージ化し、加工現場の自動化を実現する。コア・ステッチ機能は、荒加工後に除去が必要な中子をワークに一時的に固着。仕上げ加工前にロボットで中子の除去を行うことにより、ワークの自動交換と合わせて、長時間の連続無人運転が可能となっている。

ROBOCUT-QSSR


 

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DMG森精機、工作機械にニコンの非接触レーザースキャナーの搭載を開始

5年 2ヶ月 ago
DMG森精機、工作機械にニコンの非接触レーザースキャナーの搭載を開始kat 2020年5月28日(木曜日) in

 DMG森精機は、ニコンと2019年11月に包括的な業務提携を行うことで基本合意し、本年3月に正式契約を締結しているが、今回、この包括的な業務提携の一環として、同社の工作機械にニコンの非接触レーザースキャナー「LC15Dx」を搭載することが決定し、両社は売買契約の締結に関し基本合意した。

ニコンの非接触レーザースキャナー 「LC15Dx」搭載イメージ

 

 ニコンの非接触レーザースキャナー 「LC15Dx」は高性能データ処理機能の搭載により、接触式の三次元測定機と同等の精度で、さらに高速に多点測定が可能なほか、タッチプローブでの測定が困難な小寸法や複雑な形状の被検物など様々な部品を非接触で効率よく測定できる。

 DMG森精機は独自の非接触機上計測システムにこの「LC15Dx」を組み込み、オプションとして一部の工作機械に搭載、今秋から販売を開始する。航空機や建設機械、エネルギー産業向けの大型ギヤやタービンブレードの計測・測定に最適で、加工工程の改善、加工精度の向上に貢献する。搭載機種は順次拡大していく予定。

 同社と光利用技術と精密技術をコアとし幅広い技術力を持つニコンのそれぞれのリソースを組み合わせることでシナジーを創出、両社がともに革新的なソリューションを顧客に提供していく考えだ。

 

カラーマップ:設計データとの誤差カラーマップ

 

トポグラフ:ベベルギヤ歯面評価結果

 

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ジェイテクト、第5世代 低トルク円すいころ軸受を開発

5年 2ヶ月 ago
ジェイテクト、第5世代 低トルク円すいころ軸受を開発kat 2020年05日28日(木) in in

 ジェイテクトは、自動車のトランスミッションやデフユニットのピニオン支持などに使用される円すいころ軸受において、シリーズNo.1の低トルク性能と最軽量を誇る第5世代の低トルク円すいころ軸受「LFT-V」(LFTはLow Friction Torqueの略で同社の登録商標)を開発した。

LFT-V

 

 2022年をめどに量産を開始、自動車の低燃費化、高効率化に貢献するとともにEV化にも対応する製品として、今後国内外の自動車メーカー・変速機メーカーなどへ提案を進め、2025年に170万セット/年の販売を目指す。

 自動車のトランスミッションやデファレンシャルに用いられる円すいころ軸受は油中で使用されるが、特に「潤滑油粘度が高い」「給油量が多い」「回転速度が高い」といった使用条件となり、軸受のポンプ作用により、潤滑油の撹拌損失が大きくなってしまうという問題があった。

 そこで同社では、潤滑油の攪拌損失の低減に着目し、軸受内部に流入する潤滑油量を抑制することで大幅な低トルク化を実現した「第3世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅲ)」、「第4世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅳ)」を開発し商品化してきた。

 今回、さらなる低燃費化へのニーズに対応すべく樹脂保持器形状の最適化を行い、潤滑油の流入量を最適制御することで、シリーズNo.1の低トルク性を実現するとともに、保持器ポケット部に油を保持できる溝を設け、始動時や低温時の耐焼付き性の向上に加えて、昨今の低粘度油化および油量低減を見据えて軸受内部の油流れの最適化を行うことで、軸受昇温も低減できる第5世代低トルク円すいころ軸受(LFT- V)を開発したもの。

 開発品の特徴は以下のとおり。

・樹脂保持器形状の最適化により、いずれもLFT-Ⅱ比で、損失トルク60%低減、軸受昇温15%低減、異物油中寿命2倍、耐低温焼付き性:無給油焼付き時間2.2倍、という円すいころ軸受-LFTシリーズNo.1性能を実現

シリーズNo.1性能


・周辺部品の変更なしに省スペースでの低トルク設計対応が可能になり、円すいころ軸受-LFTシリーズ最軽量を実現(保持器の質量60%削減で、軸受質量5%軽量化)

シリーズ最軽量

 

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