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日本工作機器工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催

5年 3ヶ月 ago
日本工作機器工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催admin 2020年01日20日(月) in

 日本工作機器工業会は1月16日、東京都港区の芝大門の芝パークホテルで、「2020年新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は、寺町彰博会長(THK社長)が、「まだ12月が締まっていないため概略であるが、工作物保持具部会を除いたその他4部会の販売額は80%台のマイナス成長となった。全体では18%程度のマイナスになると見られる。しかしながら、当工業会の数字は暦年ではなく年度で発表しているため、正式には5月に発表する。2018年は当工業会にとって過去最高の販売額になったが、一転して2019年は厳しい年になった。2019年を振り返ると、2016年から始まったデジタルバブルが2018年半ばに崩壊した影響があった。そこに米中貿易摩擦が加わり、経済戦争につながった。さらに産業の米と言われる自動車業界が岐路に立つ状況になってきた。こうしたことが重なり2019年は特に生産材の関係で急ブレーキをかけた年になった。一方、2020年は引き続きデジタル化を進めていかざるを得ない。我々製造業関連、また今後は消費材の関係でもインダストリー4.0やソサエティ5.0と言われるようにデジタルとの共存が明確になってきている。こうしたものは今後も着実に進んでいく。したがって、地政学的なリスクが大きくならなければ2020年は着実に進んでいくものと私自身は期待している」と見通しを語った。

挨拶する寺町会長

 

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NTN、2020年ツアー・オブ・ジャパンに冠協賛、全8ステージで回る学校も開催

5年 3ヶ月 ago
NTN、2020年ツアー・オブ・ジャパンに冠協賛、全8ステージで回る学校も開催kat 2020年01日17日(金) in

 NTNは、5月17日~5月24日まで8日間にわたり全8ステージで開催される、国内最大規模の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」(TOJ)の2020年大会に冠協賛する。同大会への冠協賛は、2017年から4年連続となる。各レース会場で、環境について学べるイベント「NTN 回る学校」も併催される。

昨年の大会の様子(PHOTO:TOJ2019)

 

 TOJは、UCI(国際自転車競技連合)公認の国内最高峰の国際自転車ロードレースで、今年で23回目の開催を迎える。自転車ロードレースの認知度と人気の高まりにより、年々その注目度が増し、昨年のレースは世界からトップクラスの選手が所属する16チームが参戦、8日間で約30万人の観客を動員した。

 NTNは、企業理念の実践を通じて、人と自然が調和し、人々が安心して豊かに暮らせる「なめらかな社会」の実現を目指しており、国連の定める「持続可能な開発目標(SDGs)」についても、世界各地における地域社会との交流や事業を通じた社会貢献活動をはじめ環境保護や次世代育成に向けた積極的な取組みを展開している。

 同社では本冠協賛を通じて大会を盛り上げるとともに、次世代を担う子どもたちや地域の人々に環境やエネルギーについて楽しく学んでもらうイベント「NTN 回る学校」を各レース会場で開催することで、大会フィロソフィーにも掲げられている地域貢献、社会貢献活動に寄与していく。

昨年の「NTN 回る学校」の様子:環境ワークショップ「なめらかエコ教室」

 

昨年の「NTN 回る学校」の様子:曲作りに挑戦「回る楽器職人」

 

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潤滑剤関連5団体、令和2年新年賀詞交歓会を開催

5年 3ヶ月 ago
潤滑剤関連5団体、令和2年新年賀詞交歓会を開催kat 2020年01日16日(木) in

 潤滑油協会、全国石油工業協同組合、日本グリース協会、全国オイルリサイクル協同組合、全国工作油剤工業組合の潤滑剤関連5団体は1月16日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で「令和2年新年賀詞交歓会」を開催した。

 冒頭、挨拶に立った潤滑油協会の武藤英輔会長(三和化成工業 社長)は、「自動車をはじめ国内の工業が押しなべて縮小傾向にある中、潤滑油の供給体制は過剰となっており、石油元売りでは早くから企業統合で対応している。一方で潤滑油の専業メーカーは単独で大きな動きをとることは難しく、各社の置かれた状況を判断しながら前進すべきで、①情報技術の進展する中でIoT化推進につながるような潤滑油の高付加価値化を図る、②国内市場の縮小する一方で、工業化の途上にあり潤滑油の需要拡大が見込まれる地域などをターゲットに、企業同士が連携・協力して世界市場を相手にしていく、③災害時に安定的に潤滑油剤を供給するためのBCP(事業継続計画)に関して企業単独では限界があるため、企業同士、あるいは企業と国、地方自治体などが連携・協力して取り組むべき」と述べた。

挨拶する武藤・潤滑油協会会長

 

 また、乾杯の挨拶に立った日本グリース協会の山崎雅彦会長(協同油脂 副会長)は、「このところ“100年企業”の経営者の経営哲学に深い関心を寄せているのだが、稲盛和夫氏の言う、自分を犠牲にしても他の人を助けようとする“利他の心”の実践が、長年企業を存続・発展させているのだと感じる。潤滑剤に関わる企業ならびに業界がますます発展していくよう、利他の心を実践していこう」と5団体会員企業に向けて呼びかけた。

乾杯の挨拶を行う山崎・日本グリース協会会長

 

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IMV、IoT対応の超小型振動ピックアップを開発

5年 3ヶ月 ago
IMV、IoT対応の超小型振動ピックアップを開発kat 2020年01日16日(木) in

 IMV(https://www.imv.co.jp/)は先ごろ、高周波加速度センサをベースに、独自の雑振動キャンセル構造を搭載したIoT対応の超小型振動ピックアップ(センサ)「VP-8021A」を開発した。

超小型振動ピックアップ(センサ)「VP-8021A」

 

 機械が壊れる前の物理的な兆候を検知することで機械の突発停止による時間や費用のロスをなくす「予知保全」において、振動計測は最も一般的に採用されており、転がり軸受やすべり軸受、歯車といった重要な機械要素の予知保全において多用されている。

 その一方で信頼性の高い振動計測を実施するには圧電式などの高価なセンサが必要となる、振動波形データを処理する方法が分からないといった問題から、常時設備監視を行う現場においては普及しているとは言い難い状況にある。

 さらに近年取組みが進んでいる工場のIoT化においては、生産性向上や生産設備の保守コスト削減、ダウンタイムの削減に向けた予知保全への期待が高まってきているが、安価なMEMS加速度センサは市場にあるものの高周波振動を測定できないため設備診断に使える計測データが期待できず、一方、高価な圧電式センサでは計測箇所を絞らざるを得ないため現場の求める多点監視が行えないという課題がある。

 こうした課題に対しIMVでは、アナログ・デバイセズ社製の高周波加速度センサ「ADXL1002」をベースに、精度を確保するためのIMV独自の雑振動キャンセル(NVC:ノイズ振動キャンセラー)構造を搭載したIoT対応の超小型振動ピックアップ(センサ)「VP-8021A」を開発、上市している。

 従来のMEMS加速度センサの高周波振動を測定できないという問題を解決、MEMS素子ながら圧電方式並みの10kHzまでの振動周波数検知を実現した。

 φ17mm×27mm(突起部除く)とコンパクトで、マグネットなどで簡単に取付けが可能。制御用途にも使える価格帯と高い検知能力を実現したことで、IoTによる振動の多点監視やAIでの自動解析を可能にし、振動計測の適用拡大に貢献する。

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イグス、省メンテンナンスでコスト効率の高いパラレルリンクロボットを開発

5年 3ヶ月 ago
イグス、省メンテンナンスでコスト効率の高いパラレルリンクロボットを開発kat 2020年01日15日(水) in in

 イグスは、シンプルかつ低コストで自動化を実現するパラレルリンクロボット「ドライリンDLE-DR」を開発した。摩擦特性を最適化した無潤滑部品を使用することで、ダウンタイムのコストも削減。従来モデルと比べて作業空間が10倍と大きく、シンプルな組立作業、ピック&プレース、検査などの用途に適している。

 

「ドライリンDLE-DR」

 

 組立キット(30分で組立可能)またはすぐに取付け可能な組立済み製品として購入できる。

 仕様は、最大可搬重量:5㎏、位置決め精度:±0.5 mm、作業空間:直径660mm×高さ180mm。

 歯付きベルト式ドライリンZLW リニアアクチュエータ3台(エンコーダ付きステッピングモータNEMA23 XL)、無潤滑なイグボール製リンクジョイント、エンドエフェクタ、モータ用アダプタプレート(エンドエフェクタは非付属)、取付けハブに直接固定されたゼロ地点を決めるための校正ピンで構成される。

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ロボット関連3団体、2020年 新年賀詞交換会を開催

5年 3ヶ月 ago
ロボット関連3団体、2020年 新年賀詞交換会を開催 in kat 2020年01日14日(火) in in

 日本ロボット工業会、製造科学技術センター、マイマロマシンセンターのロボット関連3団体は1月10日、東京都港区の東京プリンスホテルで「2020年 ロボット関連3団体新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は3団体を代表して橋本康彦・日本ロボット工業会会長(川崎重工業常務)が挨拶に立ち、「昨年は米中貿易摩擦の影響が実体経済に及び世界的な景気減速が見られ、また年末には英国のEU離脱(ブレグジット)が決定的となった。その一方で米中通商会議の第一弾が昨年末に合意され、世界経済の回復に期待感を抱かせた。このような状況の中、2019年のわが国のロボット産業は、需要の約7割を占める輸出で依然マイナスの状況が続き、受注額は対前年度比14%減の8240億円、生産額も約14%減の7800億円にとどまる見通しだ。本年2020年は7月に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることで景気面での一層の盛り上がりが期待される。世界的には貿易摩擦による景気減速やブレグジットに加え、年初から米国とイランの緊張が高まるなど中東地域でのリスク要因もあるが、ある程度の方向感が示されつつある。そうした中、自動化に対する潜在ニーズは大変強い。半導体関連の投資なども回復基調にあり、一度きっかけが得られれば、自動化に向けたロボット導入の投資が一気に加速することも考えられる。こうしたことから本年のロボット受注額は対前年度比6%増の8700億円、生産額も6%増の8300億円と、昨年からの回復を期待している」と述べた後、3団体の活動計画について報告した。

挨拶する橋本会長

 

 日本ロボット工業会については、業界活性化のさらなる推進に向け、重要項目としてまず、ロボット革命イニシアティブ協議会との協力のもと、ロボット活用の裾野の拡大に向けたマッチング活動や、人材育成ならびに環境整備など、具体的な成果につながるよう、引き続き積極的に取組みを進めていく。2018年4月に同工業会にFA・ロボットシステムインテグレーター協会を設立し、業界ネットワークの構築、経営基盤や事業基盤の向上、システムインテグレーターに対する専門性の高度化に向けた、活動を積極的に展開しているが、本年は、ロボットシステムインテグレーションを行う上で必要な知識の習得レベル、技能の習熟レベルを図る「ロボットSI検定3級」を実施する予定だ。

 また、イノベーションの加速化に向けた、産学連携の推進だ。競争力をベースとしたグローバル市場での優位性の確保のもと、AIおよびソサエティ5.0を通じた潜在需要の顕在化を図るうえでも、イノベーションの加速化を通じた市場の獲得・拡大が急務となっているが、イノベーションの加速化を図るうえでも、引き続き日本ロボット学会はじめ関係学会、関係諸団体との連携を図っていく。

 さらに、国際標準化の推進、国際協力・協調の推進だ。国際標準については、欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいるが、引き続きわが国においても官民あげての取組みが非常に重要となる。国際標準化活動に対してわが国はロボットのリーディングカントリーとして、引き続き積極的に取り組んでいくとともに、国際ロボット連盟の活動とも併せて、国際交流を積極的に推進していく。

 製造科学技術センターではロボット、ファクトリーオートメーション、ものづくりなどにおける製造科学技術の調査研究や標準化に取り組んでいる。また、ものづくり、事づくり、人づくりへと幅広く調査研究活動を積極的に行っている。

 まずロボット関連では、インフラ維持管理のロボット等の性能評価指標に基づき、その普及や改訂、福島ロボットテストフィールドを活用した、ロボット開発を目指した人材育成に関する事業も推進していく。

 ものづくりでは、人とロボットとの革新的な協力形態の実現により、複雑な産業機械製品の新たな生産手法の確立を図る調査研究を進める。標準化では、製品に関するデジタルデータの活用や製造ラインにおける省エネ・効率化のためのデジタル検証について取り組んでおり、その成果についてこれからのものづくりの基盤形成に着々と貢献しつつある。特に産業オートメーションシステム等に関する国際規格である、ISO TC184の国内審議団体として、スマートマニュファクチャリングシステムの推進にも取り組んでいる。わが国のものづくりの課題に応えるとともに、未来に向けた競争力の活力の創生に寄与するために活動を充実していく。

 わが国の電子産業においては政府が推進するコネクテッドインダストリーにおけるソサイエティ5.0の実現に不可欠な、IoTシステムの構築、ロボット、AIセンサーなどのキーデバイスとしてのMEMSの技術革新を目指した研究が活発化してきている。こうした状況のもと、マイクロマシンセンターでは、重要項目としてまず、MEMSのオープンイノベーションセンターであるマイクロナノ・オープンイノベーションセンター(MNOIC)のファンドリー事業について、関係業界からの強い期待が寄せられているため運営の拡充、強化に努めていく。

 また、業界として必要とされる研究シーズの検討を行い、医療やバイオ、エネルギー分野などを含め、幅広く将来の研究開発プロジェクトにつなげていく。

 さらに、国際標準化において国際電気標準会議(IEC)におけるMEMS分野の幹事団体として海外関係団体、企業との連携を強化することにより、MEMS分野の国際標準化に積極的に取り組んでいく。

 同センターは本年も、マイクロマシン・MEMS分野における産学官連携のセンターハブとなる活動を展開していく考えだ。

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日本工作機械工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催

5年 3ヶ月 ago
日本工作機械工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催admin 2020年1月14日(火曜日) in

 日本工作機械工業会は1月9日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った飯村幸生会長(東芝機械 会長)は、「工作機械の競争軸は加工精度や剛性、Iot対応などの単なる機能性能から、工程集約や自動化、生産体制の構築、あるいは地域特性に合わせたカスタマイズなど生産設備全体のエンジニアリングの提案力にシフトしつつある。激しい変化の時期は競争環境が激化し、優勝劣敗の局面でもある。技術革新や競争軸の変化をビジネスチャンスとして世界市場でプレゼンスを向上することが求められている。当工業会は一昨年、1兆8000億円を超える空前の受注額を記録した。昨年は世界各地の景気後退と米中摩擦の長期化が設備投資の下押し圧力となり急な下り坂となった。2019年の受注総額は1兆2500億円を下回る見込みだ。本年については昨年同様、世界経済や社会を形作っている枠組みに対する国家間の齟齬が予見さる中、中国経済の動向、秋の大統領選に向けた米国の政治・経済状況、ブレグジットを控えた欧州情勢など、世界の政治・経済の行方が非常に見通しづらい状況にある。内需については、政府の経済対策による景気下支え効果や自動化・省力化投資の発現が見込まれる。外需に関しては、総じて軟調に推移するものと見ている。受注はしばらく一進一退の局面が続くと思われるが、内外の生産技術革新に向けた根強いニーズに支えられれて設備投資マインドは徐々に好転し、今年前半に受注の底を打ち、緩やかに反転すると期待している。以上を踏まえて、2020年の日工会の受注額を1兆2000億円と見通している」と今年の見通しを述べた。

挨拶する飯村会長

 また、来賓を代表して経済産業大臣政務官の宮本周司氏が挨拶。「我が国は自由貿易の旗手として、また自由で公正なルールづくりをしっかりと主導していく。その中にはデータ化やデジタル化といった我々がまず積極的に取り組まないとならないものがある。特にデジタル技術やデータを最大限に活用する新たなビジネスやサービスを生み出すことが求められている。また、デジタル市場のルール整備や5G時代の情報通信技術の確立、これまでの発想にとらわれない大胆な政策を講じて日本中でイノベーションの創出を強く後押ししていく覚悟だ。特に基幹産業である工作機械業界のさらなる発展には、デジタル技術やデータ活用が極めて重要だと考えている。AIやIotを活用した知能化技術、ロボットとの連動による自動化・省人化に加えて、製造工程全体の自動化、また工場に留まらない製造業全体の生産性向上を支えていただくことに大なる期待が寄せられていると拝察している」と述べた。

挨拶する宮本氏

 

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日本工作機械工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催

5年 3ヶ月 ago
日本工作機械工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催 in admin 2020年01日14日(火) in in

 日本工作機械工業会は1月9日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った飯村幸生会長(東芝機械 会長)は、「工作機械の競争軸は加工精度や剛性、Iot対応などの単なる機能性能から、工程集約や自動化、生産体制の構築、あるいは地域特性に合わせたカスタマイズなど生産設備全体のエンジニアリングの提案力にシフトしつつある。激しい変化の時期は競争環境が激化し、優勝劣敗の局面でもある。技術革新や競争軸の変化をビジネスチャンスとして世界市場でプレゼンスを向上することが求められている。当工業会は一昨年、1兆8000億円を超える空前の受注額を記録した。昨年は世界各地の景気後退と米中摩擦の長期化が設備投資の下押し圧力となり急な下り坂となった。2019年の受注総額は1兆2500億円を下回る見込みだ。本年については昨年同様、世界経済や社会を形作っている枠組みに対する国家間の齟齬が予見さる中、中国経済の動向、秋の大統領選に向けた米国の政治・経済状況、ブレグジットを控えた欧州情勢など、世界の政治・経済の行方が非常に見通しづらい状況にある。内需については、政府の経済対策による景気下支え効果や自動化・省力化投資の発現が見込まれる。外需に関しては、総じて軟調に推移するものと見ている。受注はしばらく一進一退の局面が続くと思われるが、内外の生産技術革新に向けた根強いニーズに支えられれて設備投資マインドは徐々に好転し、今年前半に受注の底を打ち、緩やかに反転すると期待している。以上を踏まえて、2020年の日工会の受注額を1兆2000億円と見通している」と今年の見通しを述べた。

挨拶する飯村会長

 また、来賓を代表して経済産業大臣政務官の宮本周司氏が挨拶。「我が国は自由貿易の旗手として、また自由で公正なルールづくりをしっかりと主導していく。その中にはデータ化やデジタル化といった我々がまず積極的に取り組まないとならないものがある。特にデジタル技術やデータを最大限に活用する新たなビジネスやサービスを生み出すことが求められている。また、デジタル市場のルール整備や5G時代の情報通信技術の確立、これまでの発想にとらわれない大胆な政策を講じて日本中でイノベーションの創出を強く後押ししていく覚悟だ。特に基幹産業である工作機械業界のさらなる発展には、デジタル技術やデータ活用が極めて重要だと考えている。AIやIotを活用した知能化技術、ロボットとの連動による自動化・省人化に加えて、製造工程全体の自動化、また工場に留まらない製造業全体の生産性向上を支えていただくことに大なる期待が寄せられていると拝察している」と述べた。

挨拶する宮本氏

 

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2019 国際ロボット展が開催

5年 3ヶ月 ago
2019 国際ロボット展が開催kat 2020年01日14日(火) in in

 日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は、2019年12月18日~21日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで『ロボットがつなぐ人に優しい社会』をテーマに、「2019 国際ロボット展」を開催した。本展は、2年に1度開催される世界最大規模のロボットトレードショーとして、今回で23回目を迎えた。前回2017年を上回る、637社・団体、3060小間(前回612社・団体2775小間)の過去最大規模での開催となった。

会場のようす

 

 産業用ロボットメーカーによる大規模展示をはじめ、国内外からIoT、AI、関連技術など、ロボットに関わる製品・技術が一堂に揃い、最先端のロボットに触れられる4日間となった。

 ファナックは、AGVに搭載された14㎏可搬小型協働ロボット「CR-14iA/L」が、部品ストッカーと小型切削加工機「ロボドリル」間を移動し、ワークパレットを搬送、6軸多関節ロボット「LR MATE 200ID」による「ロボドリル」へのワーク着脱のデモンストレーションを実施した。また、パラレルリンクロボット「ゲンコツロボットDR-3iB/8L」に装着したソフトハンド「mGrip」によって食品など不定形の多品種ワークをやわらかく掴んで搬送するデモンストレーションを行った。

ファナック AGVに搭載された小型協働ロボットによる部品供給のデモンストレーション

 

 安川電機は新たなソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」の最新提案としてデータ活用の進化によるスマートなモノづくりを「メインステージ」でデモしたほか、「人協調ロボットゾーンでは防滴・高可搬・食品仕様の人協働ロボットシリーズを展示した。「AIゾーン」では、AIとデジタル環境によるばら積みピッキングや研磨作業の自動良否判定ロボットシステムを紹介。「溶接・接合ゾーン」では高品質アーク溶接ロボットシステムやジグレス協調レーザ溶接、新型中空スポットロボットによる異常時の自動退避を、「塗装ゾーン」では最適な塗布姿勢で高い塗装品質を実現するロボットシステムや新型7軸ロボットによる高効率シーリングシステムを紹介した。また、「組立ゾーン」では高荷重対応力覚センサとねじ締めロボットによる組立システムを披露したほか、データマネジメントの事例紹介を行った。

安川電機 防滴・高可搬・食品仕様の人協働ロボットシリーズ

 

 川崎重工業は、工場内物流のモデルケースや物流拠点の自動化ソリューションを提案した。「人とロボットの新しい協働のあり方体験ゾーン」では、同社が推進・実現する「共存(同じ空間での作業)」「協調(異空間で同じ作業)」の両方を来場者は、遠隔協調ロボットシステム「Successor(サクセサー)」や人共存型双腕スカラロボット「duAro(デュアロ)」、教示レスを実現するOLP技術などを通じて体験。また、「更なる進化を続けるヒューマノイドロボット”Kaleido”ゾーン」では、災害対応型や電源内蔵型、油圧駆動型とさらなる進化を遂げた同ヒューマノイドロボットの各種のパフォーマンスが披露された。

川崎重工業 「人とロボットの新しい協働のあり方体験ゾーン」

 

 不二越は、『“CONNECTED SMART ROBOTICS”~次世代のものづくりの世界を、ヒトと繋がり、共に考えるロボットソリューションで提案する~』をコンセプトに、「MZ25」(25kg可搬)を加えラインナップを拡充した小型ロボット「MZシリーズ」をはじめとする幅広い商品・システムで、様々な自動化・合理化ソリューションを提案した。小型ロボットを活用した検査・組立などのアプリケーションや、ロボットの稼動状態を確認できるIoT技術、AIを用いたアプリケーションのほか、サーボハンドなどの多彩なハンドリング事例やマシンローディング等各種ロボットシステム、高密度スポット溶接セル、ロボットを使ったFSW接合システムやワンサイドスポット溶接、プラズマ照射、板金折り曲げなどのシステムを紹介した。

不二越「AI異品検知システム」

 

 イグスは、ロボット動作向けのケーブル保護管「トライフレックスR」を6軸ロボットに数分で組み付けるデモンストレーションを行った。また、ステッピングモータ、制御ユニット、ティーチングソフト付きで提供される4軸および5軸の低コストロボット「ロボリンクDP」を披露。関節部には薄型・軽量のロータリーテーブルベアリング「イグリデュールPRT」の歯付き外輪タイプを使用することで軽量、メンテナンスフリーを実現している。AGV(無人搬送車)に取り付けて物の受け渡しを行う用途などで、無潤滑で滑らかな動きを実現するとともに、軽量化によってAGVの省電力化にも貢献する。さらに、IoTにより計画保全を実現する「スマートプラスチック」を紹介した。ユーザーの知りたい最適な時期・間隔で製品の寿命・交換時期の情報がユーザーのデータシステムにクローズドで通知される。これによって、メンテナンス費用の低減や予期しない設備稼働停止の回避、長寿命化、稼働効率の向上、時間節約、異常原因の迅速な発見など生産性の向上に寄与するとともに、エネルギー消費量の節減などコスト削減や環境保全に貢献できる。

イグス「トライフレックスR」の6軸ロボットへの装着デモのようす

 

 木村洋行は、2020年1月から取扱いを開始するEWELLIX(エバリックス)社製の直動製品を紹介。装置の電動化によって省エネ化やメンテナンス性の向上に大きく貢献する。独自のピラー型アクチュエータはストローク量や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、低騒音で堅牢で高荷重に対応できるため、厳しい仕様条件のニーズにも対応できる。電圧は120V ACおよび24V DCに対応、最大定格荷重(押し/引き)はシリーズによって最大6000N、ストロークは700mm以上、動作速度も無負荷時で最速42mm/秒かつ最大負荷時で最速31mm/秒を実現。ブースでは、6軸ロボットにピラー型アクチュエータを組み合わせたシステムを用いて、段ボール箱のピック&プレース作業のデモンストレーションを行った。

木村洋行 ピラー型アクチュエータを用いた「LIFTKIT」をURに接続してのデモンストレーション

 

 ジェイテクトは、労働者人口の減少と高齢化という社会課題と電動パワーステアリングを中心とした同社が持つ人と機械が調和する技術を掛け合わせて立ち上げた新規事業のパワーアシストスーツを紹介。高出力モデル「J-PAS」と中出力モデル「J-PAS LUMBUS」の実機展示と試着による体験も実施した。人の感覚に調和した滑らかなアシストと、重量物を持ち上げることをサポートする高出力性能を示した。また、2020年度の販売開始を目指し開発を進めている、自立歩行支援を目的とした介護機器「J-Walker テクテック」を展示した。東京大学 中澤公孝教授のポールウォーキング理論を取り入れトレーニング機能を保有しており、自動車分野で培った安全技術を取り入れることで、利用者が安心して歩行できる機能を搭載。自立歩行が困難になってきた要介護者の歩行支援を促し、さらには自立度を向上できることをアピールした。

ジェイテクト「J-Walker テクテック」

 

 THKは、直動案内などの機械要素にセンサを後付けして破損・潤滑状態をモニタリングし収集したデータを解析・通知することで予兆検知を行うIoTサービス「OMNIedge」を披露した。12月18日から正式受注を開始。ボールねじの無償トライアルも募集している。また、同社の在庫品検索、短納期品の入手、選定・CADデータ・見積書取得とあらゆる工程をサポートするコミュニケーションプラットフォーム「Omni THK」を紹介した。そのほか、アクチュエータとユニットにより生産現場の工数削減をサポートする「ロボット走行軸用モジュール」や、最適なロボット可動システムを提供して労働力をサポートするシステムインテグレーション「NEXTAGE」、多種形状のワークに対応するハンドで製造ラインをサポートする「ならいハンド」、モノに合わせた多種多様なハンドで物流ピッキングをサポートするピッキングロボットハンドシステム「PRS」、段差や複雑な経路も走行可能なロボットが建設現場をサポートする自律移動制御システム「SIGNAS」、サービス向けロボットテクノロジーが様々なシーンをサポートする「SEED Solutions」などを紹介した。

THK「OMNIedge」

 

 ナノコート・ティーエスは、耐摩耗性・耐食性・摺動性・耐焼付き性・離型性などの特性を兼ね備えた先進の低温PVD(物理蒸着)プロセスによるダイヤモンドライクカーボン(DLC)など硬質薄膜「セルテスシリーズ」の受託コーティングについて、製品品質と生産性を飛躍的に向上させるほか、従来法では難しかったアルミ・銅などの低融点金属や樹脂・ゴムなどへのコーティングも可能なほか、1200×600mmサイズ板へのDLCコートも可能なことを示した。また、摩擦係数・摩耗量・摩耗形態、清浄度・帯電特性・仕事関数、膜質・膜厚・硬度・密着力、表面粗さ、離型性・凝着性・接触角といった表面特性受託試験サービスも行っていることをアピール。実際の使用と同じ材料、あるいは同質の材料同士を接触させることで、金型・インプリントなどの離型性やフィルム・薄膜などの密着性・はく離性といった表面力を定量化できる表面力測定試験を開始したことも紹介した。

ナノコート・ティーエス「離型力動体測定受託試験機」

 

 ニコンは、インテリジェントアクチュエータユニット「C3 eMotion」を紹介した。需要の高まる協働ロボットなどロボットの関節部は、モータ、減速機、駆動回路、ブレーキやエンコーダなど様々なパーツで構成され、製造する上で高度な技術とノウハウが必要だが、同品は同社が得意とするエンコーダをはじめ、それらパーツをパッケージ化したロボットの関節ユニット。採用された「ダブルエンコーダ構造」は、入力側であるモータ部と、出力側であるシャフト部の2ヵ所にエンコーダを使った独自の方式。ロボットの関節部はモータが回転し減速機などを介してシャフトに伝えられて駆動する仕組みになっており、一般的にエンコーダはモータ部のみに取り付けられるが、同品では減速されたシャフト側にもエンコーダを搭載することで、入力側と出力側の微細な回転差異を検出し外力を感知することができる。

ニコン「C3 eMotion」を協働ロボット関節部に組み込んでのデモンストレーション

 

 日本ベアリングは、直線運動案内機器とそれを使用したデモ機を多数展示し実際に製品の動きを示して機械設計や開発の提案を行った。小径で長さのあるニードルローラーを転動体として採用、ローラーの総数を増やすことで1個あたりのローラーが受ける荷重は小さくなり、各ローラーの弾性変形量が小さくなった結果として、剛性を1.5倍以上に高めたローラーガイド「EXRAIL(エクスレール)」を展示した。ローラーの数が増えたことで動摩擦力が比較的大きくなり素早く振動が収まることで、従来の1.5倍以上の高減衰性を実現。また、荷重を多数の小径ニードルローラーで受けるためガイド駆動時に発生するウェービングを1/2以下に減少させ、運動精度を高めている。また、ボールねじとスプラインの軌道溝を設けた軸と高剛性で高精度なボールねじナットとボールスプライン外筒で構成され、1軸で位置決めと直線運動、回転運動を行えるため、これら運動を組み合わせることでスカラ形ロボットなどに使用できるボールねじスプライン「SPBR-KP」を紹介。さらに、 スライドガイドと高剛性・高精度ボールねじを一体化したコンパクトな1軸アクチュエータ「BG形・BH形」を展示した。

日本ベアリング「EXRAIL」

 

 日本精工は、ダイレクトドライブモータ技術と直動製品技術を用いて、一軸上で回転と直動運転を実現する「ロッド型 昇降-回転運動アクチュエータ(Z-θアクチュエータ)」を参考出品した。立型工作機械や竪型射出成形機などに、このまま内包することで、コンパクトな搬送設備を簡単に設置でき面積生産性の向上に貢献する。ロボット関節部のベアリングとして、クロスローラーに比べ、小型・低トルク・高剛性を実現する「高剛性薄肉アンギュラ玉軸受」を紹介した。ロボットの小型・軽量化、高速化に貢献する。回転位置決めユニットの理想をカタチにしたもので、ロボットとの連携で、多彩な用途に対応できる「メガトルクモータ™」を展示した。減速機を有さないダイレクトドライブモータを採用した静粛性に優れた車輪ユニット「ダイレクトドライブ車輪ユニット」を参考出品した。バックドライバビリティもあり、人と接触した際にも押し返せるなど安全性も高い仕様で、図書館や病院など人々が行き交う場所で、静かで滑らかな駆動ができる、台車型自動移動ロボットの実現を容易にする。

日本精工「Z-θアクチュエータ」

 

 ハイウィンは、コンパクトながら自由度が高く敏捷な動きが特長で、幅広い用途に適した可搬重量5~20kgの垂直多関節ロボット「RA/RTシリーズ」を紹介、工作機械でのロボットによるロード・アンロード作業および自動フィーダーを含むシステムや、パレット搬送のデモを行った。自社開発部品を用い、敏捷で高精度、そして自由度の高い運動を実現するスカラロボット「RSシリーズ」を展示、エンドエフェクタ交換により高精度で迅速な組立作業に対応できることを示した。さらに、速度や把持力を調整できるインテリジェント機能を搭載したインテリジェント電動グリッパ「Xシリーズ」を紹介。コンパクトリニアモジュールにより、高速、高精度、高剛性、高効率なコンパクト設計で、協働ロボットにもすぐ使えるとしている。 

ハイウィン「RA/RTシリーズ」によるパレット搬送のデモンストレーション

 

 ミネベアミツミは、小型の6軸ロボットによる動展示を行った。従来のサーボモータでは難しい、ロボット全体軽量の軽量・小型化設計、低価格化を高分解能エンコーダ付きステッピングモータで提案。ロボットハンドには電動グリッパと小型6軸力覚センサを搭載。独自技術により、小型・軽量を追求した6軸力覚センサが一本一本のチャックにかかる力とモーメントをセンシング、フィードバックをすることでロボットへ触覚、力感覚を与える。小さな部品を掴み、所定のところへ納める動作で繊細な力を確実に制御する様子がリアルタイムに確認された。また、ルネサスエレクトロニクスと共同で開発したレゾルバ付きステッピングモータおよび「レゾルバモータ制御ソリューション」の紹介も行った。光学式のエンコーダでは難しかった、熱や埃、振動など厳しい環境でも高精度にモータ制御が可能で、高負荷でも止まらない「脱調レス」の優れた特長がある。展示品では、分解能20万P/Rの高分解能よる減速機なしで実現する非常に滑らかな駆動を披露、従来のオープン制御とレゾルバサーボ制御の違いを示した。

ミネベアミツミ「小型6軸力覚センサ」

 

kat

SEMICON Japan 2019が開催

5年 3ヶ月 ago
SEMICON Japan 2019が開催kat 2020年01日14日(火) in in

 SEMIは2019年12月11日~13日に東京都江東区の東京ビッグサイトで、エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2019」を開催した。「次代のコアになる。」をテーマに、ICT、自動車、工場自動化、医療、家電など、あらゆる産業のキーデバイスである半導体関連技術のほか、半導体のアプリケーション展示もなされた。15ヵ国から695社・団体が1713小間の規模で出展、52865名が来場した。

開催のようす

 

 半導体製造装置においては「微細化の進展」と、微細化によらず集積度を向上できる「3D NANDフラッシュメモリーの高度化」が進展する中で、ベアリング・モーション機器関連では、半導体製造装置を高精度・高速に稼働させつつコンタミネーションの発生を抑え、また長期稼働の信頼性を支える各種の製品技術が紹介された。

 木村洋行は、2020年1月から取扱いを開始するEWELLIX(エバリックス)社製の直動製品を紹介した。高効率、高精度、高耐久性を兼ね備えたボールスクリューとさらに高荷重を受けられるローラースクリュー、クロスローラーガイドなど各種の高精密レールガイドをラインナップしているほか、アクチュエータも通常のシリンダ型に加えてピラー型など各種をラインナップ。特に装置の電動化によって省エネ化やメンテナンス性の向上に大きく貢献する。独自のピラー型アクチュエータはストローク量や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、低騒音で堅牢で高荷重に対応できるため、厳しい仕様条件のニーズにも対応できる。電圧は120V ACおよび24V DCに対応、最大定格荷重(押し/引き)はシリーズによって最大6000N、ストロークは700mm以上、動作速度も無負荷時で最速42mm/秒かつ最大負荷時で最速31mm/秒を実現する。

木村洋行 EWELLIX社製の直動製品群

 

 THKは、製造業向けIoTサービス「OMNIedge」(オムニエッジ)を披露した。第一弾としては直動案内機器(THK製品名「LMガイド」)の予兆検知から対応を開始しているが、第二弾としてはボールねじの予兆検知への対応を予定。来年夏の受注開始に向けて、試験導入を希望する50社を対象とした無償トライアルの募集を開始している。同社ではLMガイドやボールねじなどの機械要素部品にセンサを装着し、収集したデータを数値化、状態を可視化でき、LMガイドの破損や潤滑状態、ボールねじの予圧やガタの状態を検知できる「THK SENSING SYSTEM(TSS)」を開発。専用開発したセンサとアンプ、直動案内のトップシェアメーカーとして蓄積してきた膨大なデータベースを活用した、アルゴリズムを確立している。従来、現場の作業員の感覚で確認判断していたものを数値化することで、計画的なメンテナンスを可能とし、担当者の経験やスキルを問わず保全の効率化を実現するとともに、予備在庫の管理コストを削減できる。また、これまでの時間管理から状態管理に移行することで、交換時期を適正化して設備稼働率を高め、全体の生産効率を向上できる。さらに、すでに製造現場で稼働している設備にも装着できるよう、後付けが簡単にできる設計とした。

THK「OMNIedge」

 

 日本ベアリングは、精密研削加工された軌道台とスタッドローラーを内蔵したRリテーナー(樹脂製)で構成され高精度を必要とされる光学機器や計測器に最適な「NBスライドウェイNV形」を展示した。軌道台はスタッドローラーが滑らかに動くように最適設計が施され、またRリテーナーのスタッドローラーにより軌道台と転動体のスリップがなく、スライドウェイでは難しかった昇降やタクトの速い動作に適している。特にNV形はローラーと軌動面の接触長さを増やし、またローラーピッチを細かくしてローラー数を増やしたことで定格荷重を高めた高剛性タイプで、上下動で使ってもケージずれがない。ワークを運ぶピック&プレースユニットに同社のリニアガイドを、θ補正のθ軸ユニットに同社のボールスプラインを、XY補正のカムポジショニングステージに同上のスライドウェイをそれぞれ用いて、微小ワークの高速搬送を行うデモンストレーションなどを実施した。

日本ベアリング「NBスライドウェイNV形」

 

 ハイウィンは、金属間の接触がないため摩擦による誤差や摩耗がない超高精度位置決めステージ「DiAMOND」を紹介した。独自のカウンターバランスと誤差修正プログラムにより、ステージ本体の振動を抑制する。また、EtherCAT、MECHATROLINK-Ⅲ、Mega-UlinkおよびProfinetに対応する「E1ドライバ」が、モーション制御に必要な高速通信と大容量通信を実現し、最大16軸制御可能であるHIWIN製PLC(HIMCシリーズ)との組み合わせが可能とした。また、高速・省スペース、生産設備の生産性向上とダウンサイジングが可能な多関節ロボットがエンドエフェクタを交換することにより多種の自動生産ラインに適用できることや、速度と精度を両立した単軸リニアモーター位置決めステージ「SSAシリーズ」が最高速度5000mm/s、分解能0.1μm、繰返し精度±1μmを実現、上面にカバーを取り付けて安全性を確保し、側面部の加工によりハンドリング性能を向上できることをアピールした。

ハイウィン「DiAMOND」と多関節ロボットを用いたウェハー搬送・位置決めのデモンストレーション

 

 フェローテックブースでは、2020年1月1日付けで合併するフェローテックセラミックスとアドマップのそれぞれの保有技術である、ファインセラミックスおよびマシナブルセラミックス技術とCVD(化学蒸着)-SiC(炭化ケイ素)技術が紹介された。同ブースでは今回、小型旋盤によるマシナブルセラミックス「ホトベール」の快削性のデモンストレーションが行われたが、半導体製造プロセスでは、快削性に加えて機械的強度にも優れるマシナブルセラミックス「ホトベールⅡ」が、検査装置の部品(プローバーのガイド)に採用されている。穴径35μmの貫通孔を位置精度高く形成することが可能で、角穴形状の高精度加工技術も確立していることなどをアピール。CVD-SiC技術ではコーティング技術と膜単体製造技術があるが、前者では、等方性高純度黒鉛および各種焼結SiC基材に高純度で均質性に優れたコーティングを提供、後者ではコーティング技術を応用し、緻密なSiC膜のみで構成された製品を提供。平板をはじめ、複雑形状まで幅広く適応可能なことを紹介。コーティング技術のアプリケーションとしてはたとえば半導体製造装置用チューブ・ボートなどが、膜単体製造技術のアプリケーションとしてはSiCダミーウェハなどがある。

フェローテック 小型旋盤を用いた「ホトベール」の快削性のデモンストレーション

 

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日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2021年に初の3兆円超えへ

5年 3ヶ月 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2021年に初の3兆円超えへkat 2020年1月9日(木曜日) in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:牛田一雄ニコン会長)は1月9日、2019年~2021年の半導体・FPD製造装置の需要予測を発表した。SEAJ半導体調査統計専門委員会(メンバー13社)およびFPD調査統計専門委員会(メンバー7社)による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたもの。

半導体・FPD製造装置の概況と今後の見通しについて語る牛田会長

 

 半導体/FPD製造装置の日本製装置販売高の予測では、2019年度は、半導体製造装置が8.1%減、FPD製造装置は6.8%減、全体で7.8%減の2兆5658億円と予測した。2020年度は半導体、FPDともに緩やかな回復を見込み、全体で7.2%増の2兆7511億円と予測した。2021年度はFPDに不透明さは残るものの、半導体投資が本来の成長軌道に戻ると見て、全体で2018年度の2兆7843億円を超える史上最高額となる、9.4%増の3兆89億円と予測した。

 また、半導体製造装置・日本市場販売高の予測では、2019年度はイメージセンサーの投資は好調だったもののメモリーメーカーの投資が想定以上に悪化したため、30.5%減の6865億円と予測した。2020年度はメモリー投資の復活と高水準のイメージセンサー投資継続で31.4%増の9021億円とした。2021年度は2020年と同水準と見て、0.3%増の9048 億円を予測した。

 半導体製造装置について、2019年度の日本製製造装置販売高はメモリー投資の抑制傾向が続くものの想定以上にロジック、ファウンドリー投資が好調な点を加味し、前回予測から2.9ポイント上方修正の前年度比8.1%減の2兆658億円と予測。2020年度はメモリー投資の復調が見込まれるため8%増の2兆2311億円、2021年度は12%増の2兆4088億円と予測した。2020年は、5G通信の普及が本格的に始まる年であり、関連してデータセンタ需要の復調も期待できる。半導体需要は、これまでのように電子機器の出荷台数に大きく依存するのではなく、5GやAI、IoT、自動運転など用途の広がりによって拡大していくと見た。

 FPD製造装置については、G6基板のOLED(有機EL)、G10.5基板のLCDともに、中国が投資の8割を占める。2019年度はG10.5基板の投資で一部納期の延期が見られることから6.8%減の5000億円を予測。2020年度は4.0%増の5200億円、2021年度は1.9%増の5101億円と予測した。

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日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2021年に初の3兆円超えへ

5年 3ヶ月 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表、2021年に初の3兆円超えへ in kat 2020年01日09日(木) in in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:牛田一雄ニコン会長)は1月9日、2019年~2021年の半導体・FPD製造装置の需要予測を発表した。SEAJ半導体調査統計専門委員会(メンバー13社)およびFPD調査統計専門委員会(メンバー7社)による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたもの。

半導体・FPD製造装置の概況と今後の見通しについて語る牛田会長

 

 半導体/FPD製造装置の日本製装置販売高の予測では、2019年度は、半導体製造装置が8.1%減、FPD製造装置は6.8%減、全体で7.8%減の2兆5658億円と予測した。2020年度は半導体、FPDともに緩やかな回復を見込み、全体で7.2%増の2兆7511億円と予測した。2021年度はFPDに不透明さは残るものの、半導体投資が本来の成長軌道に戻ると見て、全体で2018年度の2兆7843億円を超える史上最高額となる、9.4%増の3兆89億円と予測した。

 また、半導体製造装置・日本市場販売高の予測では、2019年度はイメージセンサーの投資は好調だったもののメモリーメーカーの投資が想定以上に悪化したため、30.5%減の6865億円と予測した。2020年度はメモリー投資の復活と高水準のイメージセンサー投資継続で31.4%増の9021億円とした。2021年度は2020年と同水準と見て、0.3%増の9048 億円を予測した。

 半導体製造装置について、2019年度の日本製製造装置販売高はメモリー投資の抑制傾向が続くものの想定以上にロジック、ファウンドリー投資が好調な点を加味し、前回予測から2.9ポイント上方修正の前年度比8.1%減の2兆658億円と予測。2020年度はメモリー投資の復調が見込まれるため8%増の2兆2311億円、2021年度は12%増の2兆4088億円と予測した。2020年は、5G通信の普及が本格的に始まる年であり、関連してデータセンタ需要の復調も期待できる。半導体需要は、これまでのように電子機器の出荷台数に大きく依存するのではなく、5GやAI、IoT、自動運転など用途の広がりによって拡大していくと見た。

 FPD製造装置については、G6基板のOLED(有機EL)、G10.5基板のLCDともに、中国が投資の8割を占める。2019年度はG10.5基板の投資で一部納期の延期が見られることから6.8%減の5000億円を予測。2020年度は4.0%増の5200億円、2021年度は1.9%増の5101億円と予測した。

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TRAMI、「令和2年度動力伝達の未来を支える基盤技術に対する研究」を公募

5年 3ヶ月 ago
TRAMI、「令和2年度動力伝達の未来を支える基盤技術に対する研究」を公募kat 2020年01日08日(水) in in

 自動車用動力伝達技術研究組合(TRAMI:Transmission Research Association for Mobility Innovation)は、産学連携による基盤研究を通じ(1)駆動系技術に関する学の深化、(2)駆動系分野における技術革新、(3)産学交流を通じた人財育成、を図ることを目的に、2018年4月2日に設立された。

 TRAMIでは駆動系技術の革新を期待するとともに、大学等の高等教育機関における機械要素・動力伝達に関する教育・研究活動の充実を目的に、機械要素およびトライボロジーの分野で、以下のとおり研究を公募する。

・締切:2020年1月31日 正午

・研究期間:2020年4月~2022年3月(原則2年間)

・研究費:150万円(1件・1年間)‥‥‥計4件を予定


 詳しくは,以下のTRAMIホームページで確認できる。

https://trami.or.jp/

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フェローテック、ペルチェ素子・磁性流体の技術で、自動車の内装、バッテリー、自動運転への対応を促進

5年 3ヶ月 ago
フェローテック、ペルチェ素子・磁性流体の技術で、自動車の内装、バッテリー、自動運転への対応を促進kat 2020年1月8日(水曜日) in オートモーティブプロジェクト

 フェローテックは2018年1月に「オートモーティブプロジェクト」を立ち上げた。それから3年目を迎えるが、この間、自動車用温度調節シート向けで多くの採用実績を持つ「サーモモジュール(ペルチェ素子)」、さらには創業の技術であり車載スピーカーで実績のある「磁性流体」を中心に自動車市場の攻略を進め、徐々に具体的な適用案件が増えてきている。

 ここでは、本年1月15日~17日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「オートモーティブワールド2020 第11回EV・HEV駆動システム技術展」で出展予定の電子デバイス製品の技術について、自動車分野で検討が進んでいるシステム分野別に、同社の現状の取組みをまじえて、同社サーマルマテリアル部 部長の八田貴幸氏とマグネティックマテリアル部 部長の廣田泰丈氏、サーマルマテリアル部 オートモーティブ営業課 課長の二ノ瀬 悟氏 に話を聞いた。

 

左から八田 氏、二ノ瀬 氏、廣田 氏

 

フェローテックのコア技術 ペルチェ素子

 ペルチェ素子(サーモモジュール)は、対象物を温めたり冷やしたりする半導体冷熱素子のことで、N型とP型という異なる性質を持った半導体素子を組み合わせたモジュールに、直流の電気を流すと熱が移動し、一方の面が吸熱(冷却)し、反対の面が放熱(加熱)するというペルチェ効果を応用したもの。電源の極性を逆にすると、吸熱と放熱を簡単に切り替えることができる。

 ペルチェ素子のこうした特性を活かし自動車分野でフェローテックは、温調シートで多数の実績を持つ。

 

  磁性流体

 磁性流体は、流体でありながら外部磁場によって磁性を帯び、磁石に吸い寄せられる機能性材料で、磁性微粒子、界面活性剤、キャリアとなるベース液(潤滑油)からなる。直径約10nmの極小の酸化鉄粒子が、凝集を防ぐ界面活性剤で被膜され、安定的に分散したコロイド状の液体となっている。

 自動車分野ではすでに、磁性流体の放熱効果やダンピング効果などによる高音質化や小型化などからスピーカーに採用されている。

 

 

絶縁放熱基板

 絶縁放熱基板は、セラミックス基板に銅回路板を接合したもので、放熱性・絶縁性・耐久性が高いアルミナセラミックス基板に銅製(Copper)の回路と放熱板を共晶反応で直接接合させた構造のDCB(Direct Copper Bonding)基板を自社開発している。自動車のエンジンやモータ、パワーステアリング、ヘッドランプなどの制御装置の基板として採用されている。

 新たに窒化ケイ素や窒化アルミニウムを基板とした、より拡張性の高いAMB(Active Metal Brazing:活性ロウ付け法)方式の技術を開発。新工場に量産設備を導入してサンプル出荷を開始している。特に窒化ケイ素基板を用いたAMBは、高い信頼性に加えて、車載のパワーデバイスとして用いられる炭化ケイ素(SiC)と熱膨張係数の点で相性が良いといったことから、車載向けでの引き合いが増えてきている。自動車メーカーからは、-55~300℃といった温度変化を1000~2000サイクル実施しても、銅パターンのはく離やセラミックス基板のクラックが発生しないといった、強度の向上や寿命の延長を要求されており、設備や工程の改善、技術の確立を急いでいる状況だ。

 

絶縁放熱基板

 

システム分野別のソリューション

 本年1月15日~17日に開催される「オートモーティブワールド2020 第11回EV・HEV駆動システム技術展」では、自動車分野で検討が進んでいる内装分野、バッテリー分野、自動運転関連分野というシステム分野別に分けて、フェローテックのコア技術であるペルチェ素子および磁性流体、さらには絶縁放熱基板の適用について紹介、提案する。

 

内装分野

 自動運転時には、車内空間で乗員が快適に過ごせるように車内環境を快適にコントロールする必要がある。たとえば、より静粛性・静音性を保とうとすれば振動・騒音などを解消するダンパー技術が要求され磁性流体の出番となり、シートや飲料のカップホルダーの温度を心地よく調整しようとすればペルチェ素子の技術が有効となる。

 

振動制御用磁性流体

 フェローテックでは、磁気応答性や印加磁場によるせん断力(粘性)変化、分散性(再分散性)、潤滑・摩耗特性などで優位性のある「MCF(Magnetic Compound Fluid:磁気混合流体)」を開発し、セミアクティブダンパーへの応用を提案している。新開発のMCFは、従来の磁性流体よりも大きい磁性粒子を主成分とすることで、印加磁場によって磁性粒子の配列を制御し、アクティブダンパーや様々な振動吸収に適用できる。市場にある類似の磁気粘性流体はおしなべて粒子が均一に分散せず沈殿してしまう。これに対し、同社の新MCFは分散性が良好で1ヵ月以上経過しても沈殿が少ない。

 現在は一般自動車向けに先行して、特殊なダンパーや産業機器向けで検討が進んでいる。同社のMCFの配合を最適化し様々な要求に応じた具体的な提案ができる段階となっており、フィールドで実績を重ね、一般自動車分野での案件にフィードバックして適用を拡大していきたい。 自動車には足回りやエンジン回りの振動のほか、あらゆる振動系が組み込まれている。同社ではMCFの優れた分散性と耐摩耗性能で差別化を図り、採用を促していく考えだ。

 

MCFの優位性の例:良好な分散性

 

スピーカー用磁性流体

 フェローテックの磁性流体は車載用スピーカー向けでシェアが圧倒的に高い。これはトータルの特性・性能のバランスが車載要求仕様をしっかりと満たすことができる技術の賜物であり、特に耐熱性に優れていることも採用を後押ししていると思われる。

 自動運転の普及に伴い、快適な車内環境への要求からスピーカーでもさらなる高音質化が求められる。一方で、限られた車内空間からスピーカーに許されるスペースはますます制約される環境下で、200℃に達すると言われるスピーカーの駆動発熱部の放熱が必要となるが、当社の磁性流体は他社製に比べて非常に高い耐熱性を有するため、長期間にわたり安定に放熱の役割を果たし、高い音質を実現できる。

 

ハプティックデバイス

 磁性流体の粘性ダンピング制御を必要とするリニア振動・触覚(ハプティック)デバイスが普及してきている。タッチスクリーンパネルなど、触覚によって人が情報を積極的に取り入れるデバイスは 今後大きく伸びていく分野である。  現時点ではスマートフォン向けを中心に適用されてきているとのことだが、車載のタッチスクリーンや操作パネル用に適用は拡大していくと思われる。

 

ハプティックデバイス

 

車載用カップホルダー

 フェローテックのペルチェ素子を用いた車載用カップホルダーはすでに、海外の自動車OEMで採用実績がある。 ドリンクを冷えたままに、あるいは温かいままに保つカップホルダーを車載する車両では、HVACユニット (Heating Ventilation Air Conditioning unit:暖房・換気・空調ユニット)が採用されるケースが多いが、エアコンの風を利用して冷却・加熱を行うこの方式では、冷却・加熱効率が悪く、また電力消費もばかにならない。これに対しペルチェ素子は小型・軽量・省電力のシステムで、冷却・加熱機能を0.1℃単位で設定できる。

 このペルチェ素子を利用した省電力で積極的に温度制御が可能なカップホルダーに対し、国内の自動車OEMも関心を示しており、自動車OEMでの評価が始まっている。

 

ペルチェ式カップホルダー

 

バッテリー分野 バッテリーの温度コントロール

 特にペルチェ素子の吸熱面となるバッテリー表面の温度が80℃で、放熱側が水冷で60℃といった場合には温度差が-ΔTとなり冷却効率(COP)が100を超える高効率クーリングシステムを構成できる。さらに、EVでは重量の増加も電力消費の増大、航続距離の低下につながることから、軽量の温調システムとしてもペルチェ素子が評価されている。

 

バッテリーおよびキャビンの温度コントロールのモックアップ

 

感温性磁性流体を用いた熱輸送システム

 バッテリーなど発熱を伴う機器の冷却において、ループ循環系の熱輸送システムを構築するには一般的に流体を循環させるためのポンプなど機械的駆動力が必要となり、バッテリーを消費させることにつながる。 これに対しフェローテックでは、温度に反応して磁化が大きく変化する「感温性磁性流体」を用いた熱輸送システムを提案している。

 感温性磁性流体を用いた熱輸送システムでは、流路の高温側と低温側の間に磁石を設置。熱源により加熱された磁性流体は温度上昇に伴って磁化が減少し磁石にあまり反応しないが、低温側の磁性流体は磁化の大きさが変わらず、磁石に強く引き寄せられる。これによって低温側から高温側へと、感温度磁性流体の流れ(駆動力)が発生し熱を輸送できる。すなわち機械的な動力なしに流体の自己循環が可能となる。

 すでに各業界で適用に向けた基礎研究が始まってきており、同社では実用化に必要な感温性磁性流体を鋭意開発中である。

 

感温性磁性流体を用いた熱輸送システムのデモ機

 

自動運転関連分野 CMOSイメージセンサ用クーラー

 自動運転車では、全周囲の距離や画像認識を行い、死角を少なくして安全性を確保するために、1台当たり20個程度のカメラが搭載されると予測され、その機能を担うCMOSイメージセンサ (相補性金属酸化膜半導体を用いた固体撮像素子)の市場拡大が見込まれている。このセンサは熱に敏感で、熱によって引き起こされるダークショットノイズ(暗電流)は、発熱量とともに増大して画像の精細さを欠く結果となる。これに対して車載カメラのCMOSイメージセンサに冷却用ペルチェ素子を装着することで高精細な画像を得ることを可能にしている。OEMでの具体的な検討が始まってきている。

CMOSイメージセンサ用クーラー

 

今後の展開

 上述したとおり、バッテリーの冷却による保護や走行距離延長、さらには2026年に商用車から始まるとみられる完全自動運転で必至とされるCMOSセンサやLiDARシステムなどの搭載時では、軽量・省スペースで高効率な温調システムであるペルチェ素子への需要がますます高まると見られる。車内空間でますます求められる快適性に対しては、優れた音響特性やダンピング特性を実現する磁性流体の様々な製品・技術が対応できるだろう。 自動車分野における各種の技術課題や量産キャパシティー、コストなどに対して、フェローテックはペルチェ素子および磁性流体のNo.1サプライヤーとして、引き続き応えていく考えだ。 本年1月15日~17日に開催される「オートモーティブワールド 2020 第11回EV・HEV駆動システム技術展」のフェローテック ブース(青海展示棟A4-54)では、上述のような最新技術を紹介するほか、ペルチェ素子、磁性流体、絶縁放熱基板とテーマを変えて技術セミナーを実施する(下表参照)。

 ぜひ会場に足を運んで、自動車の諸課題に対応する最新ソリューションに触れていただきたい。

 

製品プレゼンテーションプログラム

 

●フェローテックの自動車関連事業をさらに知るには

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自動車工業4団体、新春賀詞交歓会を開催

5年 3ヶ月 ago
自動車工業4団体、新春賀詞交歓会を開催kat 2020年1月8日(水曜日) in

 日本自動車工業会(自工会)、日本自動車部品工業会(部工会)、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会の自動車工業4団体は1月7日、東京都港区のホテルオークラ東京で、「2020年自動車工業団体新春賀詞交歓会」を開催した。

2020年自動車工業団体新春賀詞交歓会のもよう

 

 冒頭、豊田章男・自工会会長(トヨタ自動車 社長)の代行で挨拶に立った神子柴寿昭・自工会副会長(本田技研工業 会長)は、「日本の基幹産業として自動車産業の培ってきたものづくりの力を守り続ける上で、若者のクルマ離れが取り沙汰される中で昨年の東京モーターショーは、自動車業界の垣根を越えてオールインダストリーで共に未来を作っていく“Open the Future”のテーマのもと来場者130万人超と若者の関心も集め成功裡に終えることができた。一方で、昨年は度重なる自然災害に見舞われ高齢者のドライバーによるブレーキ/アクセルの踏み間違えによる事故が社会問題化し、こうした問題に対し我々は何ができるのか、何をすべきかをあらためて深く考えさせられた一年だった。災害時に自動車が、被災者の役に立っていくためには、電動車のさらなる普及、給電機能の装着率向上とともにそうした機能を分かりやすく伝えていく必要がある。また、交通事故ゼロを目指すこと」、これも自動車に関わる全ての人に共通した願いだと思っております。事故ゼロに向けた技術はどこのメーカーが先に出すがというような競争領域ではなく、むしろ同じ想いを持って業界が協力し合ってこそ、本当に役に立つ技術がいち早く届けられると考える。オリンピックパラリンピックの開催される本年は、東京を舞台にした自動運転の実証実験も始まり、世界に日本の技術力を示せる良い機会。オリンピックパラリンピックを機に、その究極の安全技術を飛躍させたい。安心・安全で環境にやさしく、走りの楽しさを実現できるモビリティーの実現に向けて業界が一丸となって、ONE TEAMで取り組んでいきたい」と語った。

挨拶する神子柴副会長

 

 続いて来賓の挨拶に立った牧原秀樹・経済産業副大臣は、「日本経済の屋台骨である自動車産業は製造業の売上全体の2割を占め540万人の雇用者を抱えている。すそ野の広い自動車業界で働く人がみな、働き甲斐のある環境となるよう共に務めるとともに、変化を求めて新しいことにチャレンジするのに良いとされる庚子の本年は業界の発展に全身全霊を尽くしたい」と述べた。

 また、青木一彦・国土交通副大臣は「自動運転の普及に向けては、議長国として自動操舵など安全に関する国際統一基準の策定で世界をリードしていく。世界を牽引する日本の自動車産業が安全で環境性能に優れた自動車を普及促進できるよう、共に努めたい」と語った。

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自動車工業4団体、新春賀詞交歓会を開催

5年 3ヶ月 ago
自動車工業4団体、新春賀詞交歓会を開催kat 2020年01日08日(水) in in

 日本自動車工業会(自工会)、日本自動車部品工業会(部工会)、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会の自動車工業4団体は1月7日、東京都港区のホテルオークラ東京で、「2020年自動車工業団体新春賀詞交歓会」を開催した。

2020年自動車工業団体新春賀詞交歓会のもよう

 

 冒頭、豊田章男・自工会会長(トヨタ自動車 社長)の代行で挨拶に立った神子柴寿昭・自工会副会長(本田技研工業 会長)は、「日本の基幹産業として自動車産業の培ってきたものづくりの力を守り続ける上で、若者のクルマ離れが取り沙汰される中で昨年の東京モーターショーは、自動車業界の垣根を越えてオールインダストリーで共に未来を作っていく“Open the Future”のテーマのもと来場者130万人超と若者の関心も集め成功裡に終えることができた。一方で、昨年は度重なる自然災害に見舞われ高齢者のドライバーによるブレーキ/アクセルの踏み間違えによる事故が社会問題化し、こうした問題に対し我々は何ができるのか、何をすべきかをあらためて深く考えさせられた一年だった。災害時に自動車が、被災者の役に立っていくためには、電動車のさらなる普及、給電機能の装着率向上とともにそうした機能を分かりやすく伝えていく必要がある。また、交通事故ゼロに向けた技術はどこのメーカーが先に出すがというような競争領域ではなく、むしろ同じ想いを持って業界が協力し合ってこそ、本当に役に立つ技術がいち早く届けられると考える。オリンピックパラリンピックの開催される本年は、東京を舞台にした自動運転の実証実験も始まり、世界に日本の技術力を示せる良い機会。オリンピックパラリンピックを機に、その究極の安全技術を飛躍させたい。安心・安全で環境にやさしく、走りの楽しさを実現できるモビリティーの実現に向けて業界が一丸となって、ONE TEAMで取り組んでいきたい」と語った。

挨拶する神子柴副会長

 

 続いて来賓の挨拶に立った牧原秀樹・経済産業副大臣は、「日本経済の屋台骨である自動車産業は製造業の売上全体の2割を占め540万人の雇用者を抱えている。すそ野の広い自動車業界で働く人がみな、働き甲斐のある環境となるよう共に務めるとともに、変化を求めて新しいことにチャレンジするのに良いとされる庚子の本年は業界の発展に全身全霊を尽くしたい」と述べた。

 また、青木一彦・国土交通副大臣は「自動運転の普及に向けては、議長国として自動操舵など安全に関する国際統一基準の策定で世界をリードしていく。世界を牽引する日本の自動車産業が安全で環境性能に優れた自動車を普及促進できるよう、共に努めたい」と語った。

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イグス、国際ロボット展 特別メディア会議を開催

5年 3ヶ月 ago
イグス、国際ロボット展 特別メディア会議を開催kat 2020年01日06日(月) in

 イグスは、2019年12月18日~21日に東京ビッグサイトで開催された「2019国際ロボット展」に合わせて「特別メディア会議」を開催した。当日は北川邦彦社長自らが、同年9月16日~21日にハノーバーで開催された「EMO Hannover」と同年10月7日~10日にドイツ・シュトゥットガルトで開催された「Motek」で披露された秋の新商品を紹介しつつ、今後の日本でのフォーカス商品について説明した。また、2020年から日本国内で実施予定の使用済みプラスチック製品のマテリアルリサイクルの取組みについてアナウンスした。
 

秋の新商品について実演をまじえて説明する北川社長

 

 同社では毎年、前年に実施された「クリスマス・ウイッシュ」というイベントを通じて、ユーザーから聞き取り収集した課題を解決する新商品を開発、春に開催される「ハノーバーメッセ」において春の新商品として発表している。2019年の「ハノーバーメッセ」では、120点のモーション・プラスチック商品が披露された。

 「秋の新商品」は「ハノーバーメッセ」での発表に間に合わなかった製品や、春の新商品についてユーザーからのコメントやアドバイスを反映し改良した製品などで、今年は約20点が発表された。

 このうち、今後の日本でのフォーカス製品としては、半導体などクリーンルーム対応の省スペースケーブル保護管「eスキンソフト」および「eスキンフラット」、道具なしで簡単に開閉でき組立が容易な「E4Q」低コスト4軸・5軸ロボット「ロボリンクDP」、パラレルリンクロボット「デルタロボット DLE-DR」、ロータリーテーブルベアリング「PRT-04」、捻回角度±360°/mの6軸ロボットに最適なバスケーブル「チェーンフレックスCFROBOT8.PLUS」、イグス製品の摩耗などの状態を検知し計画保全につなげる「スマートプラスチック」を紹介した。

 

クリーンルーム対応の省スペースケーブル保護管「eスキン」

 従来のケーブル保護管「エナジーチェーン」を設置できないようなスペースにおいて、「eスキンフラット」は、やわらかい素材の上部シェルおよび下部シェルからなるコルゲート構造を採用した保護管によって高さ200mmに納まる高屈曲(曲げ半径を制御)を実現。ファスナー開閉式機構のため、中のケーブルが破損した際に他社製品では全交換する必要があったが、本品では破損したケーブルだけを交換することが可能。従来固定だった長さも、巻きの状態で購入することで、希望の長さに調整できる。コンタミの発生を抑える特殊な樹脂を使用することでIPAクラス1のクリーンルーム仕様となっている。

 また、個々のeスキンの各チャンバーにケーブルを1本ずつ収納することで、さらに小さい設置スペースに収まる「eスキンフラット」は、同様に長さの調整が容易で、ケーブルが破損した場合、ジッパー構造のため、そのチャンバーのみを開いてケーブル交換が行える。IPAクラス1のクリーンルーム仕様。
 

「eスキンソフト」(上)と「eスキンフラット」(下)

 

工具不要で開閉できる頑丈なケーブル保護管「エナジーチェーンE4Q」

 自動車製造など大きな損害をもたらす突発的なライン停止を防止する目的から、イグスの20億サイクル/年の試験評価に基づき長寿命化を確保した可動ケーブル「チェーンフレックス」と、ケーブルを保護しつつ自身の高耐久性も備えるケーブル保護管が用いられている。エナジーチェーン内では、収納したケーブル同士が干渉しあうことによる損傷を防ぐため、横・縦の細かい仕切りを備えた新しい内部仕切りパーツ(セパレーター)により、ケーブルを整列させている。

 「EQ4」では、革新的なクロスバー機構によって、スナップを起こして両側のロックを解除するだけで、工具を用いることなく手で開閉できる。メンテナンスを容易にし、組立時間を80%短縮できる。工作機械業界からのコストダウン要求に対して、トータルコストダウンの手法として提案。自動車ラインでの実施例では、従来品で2.5日間を要していた交換時間が4時間に短縮されている。
 

エナジーチェーンE4Q(左):工具が必要な従来品(右)に対し、指でスナップを起こすだけでサイドレールとの嵌合が外れ容易に開閉でき、縦・横のセパレータも簡単に取り外せる

 

低コストロボット「ロボリンクDP」

 中国、韓国、日本向けの新タイプで、ステッピングモータ、制御ユニット、ティーチングソフト付きで提供される4軸および5軸の低コストロボット。関節部には薄型・軽量のロータリーテーブルベアリング「イグリデュールPRT-04」の歯付き外輪タイプを使用することで軽量、メンテナンスフリーを実現している。AGV(無人搬送車)に取り付けて物の受け渡しを行う用途などで、無潤滑で滑らかな動きを実現するとともに、軽量化によってAGVの省電力化にも貢献する。
 

制御ユニット、ティーチングソフト付きで提供されるロボリンクDP

 

パラレルリンクロボット「デルタロボット」

 デルタロボットは、リニアガイド「ドライリンW」のステッピングモータ駆動の歯付きベルトタイプを3本使用することによって、3方向のシャフトを滑らかに高速で動かす。リンクジョイントには軽量の球面ベアリング「イグボール」を使用。モジュラー式でアタッシュケースに入る程度のコンパクトな組立てキットとして提供できる。
 

デルタロボット

 

薄型・軽量のロータリーテーブルベアリング「イグリデュールPRT-04」

 ロータリーテーブルベアリングはポリマー製すべり軸受用材料で実績のある「イグリデュールJ」を摺動材として採用、メンテナンスフリーで無潤滑で使用できる。新製品は、耐摩耗、無潤滑でメンテナンスフリーといった特徴はそのままに、従来製品に比べ60%軽量化しつつ高さを50%に抑えた。コスト効率と省スペース化を実現している。上述のとおり歯付きタイプはロボットの関節部などに適用できる。
 

イグリデュールPRTを用いたロボット関節部アッセンブリーの例
捻回角度±360°/mの6軸ロボットに最適なバスケーブル「チェーンフレックスCFROBOT8.PLUS」

 最新の編組技術や、ねじれに強い材料の配合などによって、従来の2倍となる、捻回角度±360°/mの耐性の可動ケーブル。6軸ロボット用バスケーブルとして最適。膨大な試験に基づく豊富なデータセットをベースに、ユーザーはオンラインでケーブルの寿命計算を精確に実施できる。優れた耐油性、耐クーラント性、難燃性を有する。イグス試験施設において実施された、3次元動作用ケーブル保護管「トライフレックスR」内での1500万サイクル以上の捻回テストにおいて、イーサネット通信の電気特性が問題なく機能することが確認されている。
 
 

チェーンフレックスCFROBOT8.PLUS  IoTにより計画保全を実現するスマートプラスチック

 摩耗センサーや加速度センサー、温度センサーなど様々なセンサーと監視モジュールで構成された「isense(アイセンス)」を搭載した、リニアガイドやエナジーチェーンなどのスマートプラスチック製品によってセンシングされたデータが、予防保全のためのデータを集中管理するコミュニケーションモジュール「icom」に直接伝送される。オンラインシステムの場合、icomに伝送されたデータは、イグスのデータセンターに送信される。これによりイグスデータセンターとの連携によるオプションとして、外部のメンテナンス作業部隊や交換部品を自動的に手配するといった、迅速なオペレーション体制の構築や寿命の最適化が図れる。

 しかし日本の場合は、工場内の情報を外部に出すことを望まないユーザーも少なくない。こうしたニーズに対応して、情報を外部に出さずにクローズドな環境で、ユーザーのデータシステムに対してのみ、通信をするという新しいタイプのスマートプラスチックが、特に日本のユーザー向けに開発。icomの基板を改良するなどしてクローズドシステムを可能にした新しいコミュニケーションモジュール「icom.plus」は、センシングされた予防保全のためのデータを自由に統合。

 ユーザーの知りたい最適な時期・間隔で製品の寿命・交換時期の情報がユーザーのデータシステムにクローズドで通知される。これによって、メンテナンス費用の低減や予期しない設備稼働停止の回避、長寿命化、稼働効率の向上、時間節約、異常原因の迅速な発見など生産性の向上に寄与するとともに、エネルギー消費量の節減などコスト削減や環境保全に貢献できる。
 

スマートプラスチック:薄型の製品もセンシングを可能にしている

 

2020年から日本で、マテリアルリサイクルの取組みを開始

 イグスでは今回、2020年から日本国内で、ユーザーで使用済みのプラスチック製品のマテリアルリサイクルを実施する計画をアナウンスした。

 プラスチックのリサイクルとしては大別して、①薬液で溶かす方法、②細かく破砕して再生プラスチックにして利用する方法、③プラスチックを燃やしてエネルギーに変換する方法がある。このうち①の化学的方法はコストが高くつき、③はCO2排出量増加につながるという問題があり、イグスでは、②の完全リサイクルの活動と、CO2排出量の低減につながるグリーンエネルギーの取組みを進めている。

 ドイツ本社ではすでにユーザーで使用済みの他社製品を含むプラスチック製品を引き取って、処理業者を通じて別のプラスチック製品に再生したり、石油に変えるケミカルリサイクルの取組みを進めている。日本でも2020年からこの取組みを開始する計画で、数社と協力体制を作りつつある。自社製品はもちろん、他社のエンジニアリングプラスチック製品についてもこれまでの比較評価などのデータを通じて豊富な情報を有していることから、適切に分類してリサイクルに回すことが可能となっている。工場におけるCO2排出削減と廃棄プラスチックゼロを強力に推し進めていく。

 北川社長は、「近年プラスチック製品による海洋汚染などが問題になる中で、イグスでは製品が自然環境の中に廃棄されることのないように、しっかりとコントロールしていく。エンジニアリングプラスチックによる再生品はある程度強度が必要とされる用途に適しているが、特にイグス製品のリサイクル品は大きな負荷や振動が加わるサッカースタジアムの観戦席といった、より耐久性を要求される用途など、生活の中で充分に役立てられると自負している」と語った。

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三菱電機エンジニアリング、新機能搭載の音響・振動診断システムの受注を開始

5年 3ヶ月 ago
三菱電機エンジニアリング、新機能搭載の音響・振動診断システムの受注を開始kat 2020年01日05日(日) in

 三菱電機エンジニアリングは、AI(人工知能)技術を採用し、製品や設備が発する音や振動のデータをあらかじめ学習することで、判定閾値を自動生成できるなどの新機能を搭載した音響・振動診断システム「VisibleWave(ビジブルウェーブ)」の受注を開始した。本機能により、判定閾値の設定作業にかかる時間を最大90%以上削減するとともに、判定のばらつきを解消することで、製品検査や設備の予防保全の効率化に貢献する。

 

 

 新機能では、AI技術の採用で音や振動の判定閾値を自動生成し、設定作業時間を最大90%以上削減できる。また、目的や状況に応じて、学習アルゴリズムおよび判定閾値生成方法が選択可能で、AI自動診断で計測から判定までを一貫で実現し、予防保全に貢献できる。

  音や振動を対象とした製品検査や設備診断は、担当者による聴音や触手の判断に熟練を要し、担当者ごとにばらつきが生じたほか、自動化するに至っては判定基準の設定に多大な労力を要するという課題があった。

  これに対し三菱電機エンジニアリングでは今回、三菱電機のAI技術「Maisart」を採用し、音や振動のデータをあらかじめ学習することで判定閾値を自動生成できる音響・振動診断システム「VisibleWave®」を発売するもの。

 

 

3種類の学習アルゴリズム

 

判定閾値生成方法

 

kat

フェローテックマテリアルテクノロジーズが発足、セラミックス技術+成膜技術でシナジー効果創出へ

5年 3ヶ月 ago
フェローテックマテリアルテクノロジーズが発足、セラミックス技術+成膜技術でシナジー効果創出へkat 2020年1月5日(日曜日) in

 フェローテックホールディングス(https://www.ferrotec.co.jp/)100%子会社であるフェローテックセラミックス(FTC)は本年1月1日付けで、同じく100%子会社であるアドマップ(ADMAP)を吸収合併して「株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズ」に商号変更した。合併によって、セラミックス事業を行う FTCとCVD-SiC事業を行う ADMAPの両社の技術力と経営資源を最大限に活かし、顧客ニーズへの対応力および製品開発力の強化を図り、セラミックス事業およびCVD-SiC事業の発展・成長を促進する狙いだ。

 ここでは、昨年12月11日~13日に開催された「SEMICON Japan 2019」で展示されたFTCの二つのキーマテリアル、ファインセラミックスとマシナブルセラミックスの新技術とADMAPのCVD-SiC技術について紹介するとともに、新会社フェローテックマテリアルテクノロジーズにおける両社のシナジー効果について紹介する。

「SEMICON Japan 2019」のフェローテックブースのようす

 

 FTCは、高純度で優れた特性を備えたファインセラミックスと、精密・微細加工が容易であるマシナブルセラミックスを関西工場と石川工場で製造。近年は石川県に開発センターを設立し、新市場開拓に向けた製品開発を推進している。

 ファインセラミックスはその用途の7割が半導体製造プロセス向けで、同プロセスで要求される高純度・高剛性・高精度に加えて、耐摩耗・耐熱・耐薬品性を有する。特に純度99.7%のアルミナ「AS997QⅡ」はマイクロ波透過性が良好なことから、半導体製造プロセスにおけるプラズマ処理装置のチャンバー内部品に用いられるほか、純度99.9%の高純度アルミナ「AS999」は高純度が求められるウェハ搬送用部品などに用いられている。一方、ヒートショック性に優れる(ΔT(℃):700)窒化ケイ素は、機械部品や摺動部品、耐熱部品などに用いられている。そのほか、高い熱伝導性を持つ窒化アルミは絶縁部品などに用いられる。

 一方、マシナブルセラミックスは機械加工が容易に行えるセラミックスで、高精度・高品質の製品を短納期に提供できるのが特徴である。ガラス質をマトリックスとし、フッ素金雲母を均一に析出させた緻密な複合マイカセラミックス「ホトベール」で、電気絶縁性、耐熱性を持ち、絶縁部品や断熱部品などに用いられている。今回フェローテックブースでは、小型旋盤によるホトベールの快削性を示した。

小型旋盤を用いたホトベールの快削性のデモンストレーション

 

 特に半導体製造プロセスでは、機械的強度にも優れるマシナブルセラミックス「ホトベールⅡ」が、検査装置の部品(プローバーのガイド)に採用されている。穴径35μmの貫通孔を位置精度高く形成することが可能であり、角穴形状の高精度加工技術も確立している。一方、次世代プローバー向けハウジングでは熱膨張への対応が求められるが、製造プロセスを調整することなどでバリアブルに熱膨張率を調整することができるという。

ホトベールⅡのアプリケーション例

 

 一方、独自のCVD(化学蒸着法)で製作されたアドマップのSiC(炭化ケイ素)製品は、超高純度・高耐食性・高耐酸化性・高耐熱性・高耐摩耗性の特性を備えており、あらゆるフィールドで使用されている。同社のCVD-SiC技術としては大別して、コーティング技術と膜単体製造技術がある。

 前者では、等方性高純度黒鉛および各種焼結SiC基材に、高純度で均質性に優れたコーティングを提供。半導体をはじめ、産業機械、原子力、航空宇宙分野での高い評価を得ている。後者では、コーティング技術を応用し、緻密なSiC膜のみで構成された製品を提供。平板をはじめ、複雑形状まで幅広く適応可能で、半導体製造装置を中心に、超高温やプラズマの厳しい環境下での数多くの実績がある。コーティング技術のアプリケーションとしてはたとえば半導体製造装置用チューブ・ボートなどが、膜単体製造技術のアプリケーションとしてはSiCダミーウェハなどがある。

CVD-SiC技術のアプリケーション例

 

 上述のような独自技術を有する両社の合併によるシナジー効果について、フェローテックマテリアルテクノロジーズ 営業本部 営業一部 担当部長(元アドマップ営業部長)の斯波大二氏は、「我々のCVD-SiCは成膜速度が速いため、通常は密着性が低下するような、数ppmの不純物が入っている一般的な常圧焼結のセラミックス材料表面を高純度で均質なSiC膜で高密着にコーティングでき、ppbオーダーにパーティクル、不純物を抑制でき、半導体製造プロセスにおいてウェハ回りのコンタミネーションコントロールに一層貢献できる。また、ユーザーの要求によっては、たとえば熱伝導が良好な一方で純度が悪い材料にSiCを成膜することができるようになり、今まで1社では対応できなかった領域を、タッグを組むことで攻略できるようになる。これがシナジー効果の一つと考える。パートナーとなるFTCの扱うセラミックス材料は多種多様で、材料技術と成膜技術という両社の保有技術の組み合わせによるポテンシャルは非常に高いと考える」と語っている。

 また、フェローテックマテリアルテクノロジーズ 営業本部 営業一部 担当部長(元FTC営業部部長)の藤岡秀彰氏は、「FTCでは得意とするファインセラミックスおよびマシナブルセラミックスという材料技術の開発をたゆまず進めているが、高純度化などの問題を抱えている。そうした問題をアドマップが長年CVDで培ってきた豊富なコート技術知見で課題解決につながるものと期待している。一方で、チャンバー内では熱特性、電気特性、耐プラズマ特性など様々な材料特性が要求されるため、このような顧客の要求にも今後対応できたらと考えている」と述べる。

 両社のシナジー効果によって、現在主力の半導体分野での事業の拡大に限らず、医療分野や光学分野、航空機分野、さらには原子力発電分野といった新分野の開拓が見込まれている。斯波氏はさらに、「フェローテックグループとして考えた際、金属・樹脂以外のすべての材料技術、加工技術、成膜技術を保有していることから、フェローテックマテリアルテクノロジーズが窓口となって、多岐にわたるユーザーニーズへのそれぞれの最適解を提示できるようになると期待している」と語っている。

 

◆フェローテックのセラミックス製品をよく知るには

 

◆フェローテックのCVD-SiC製品をよく知るには

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イグス、ケーブル保護管用の自動走行試験施設を新設

5年 4ヶ月 ago
イグス、ケーブル保護管用の自動走行試験施設を新設kat 2019年12日23日(月) in

 イグスは、ドイツ・ケルンにある本社で、3800㎡を超える業界最大規模の試験施設を稼働させているが、このほど、スライド走行用の自動走行試験施設を屋外に新設した。

エナジーチェーン用の自動走行試験施設

 

 ケーブルが収納されたケーブル保護管「エナジーチェーン」がストローク長さ400m、最高速度8m/秒でテストされており、将来的には、装備を追加して最大ストローク長さ1000mのシミュレーションが可能になる予定。

 この全自動システムは、加速度や速度を変えて様々な条件を想定した試験ができ、テスト対象のエナジーチェーンやケーブルには移動装置の動きによる機械的負荷に加え、外部環境からの影響を直接的に作用できる。

 下水処理施設、廃棄物焼却施設、クレーン、発電所あるいは鉱山事業において、電力やデータを長距離にわたって安全に供給することは重要な課題となっており、電動式ケーブルリール、バスバーシステム、カーテンレール式など、収納重量が大きい高速走行の電力供給システムでは頻繁に問題が引き起こされる。

 イグスのエナジーチェーンはこれらのシステムから置き換えることが可能で、今回新設された自動試験施設は、長距離走行でエナジーチェーンシステムが信頼性の高いエネルギー供給を行えることを実証するために設置されたもの。

 屋外試験施設では、ロールEチェーンP4シリーズもテストされている。このP4シリーズはこれまで世界各地の1000点を超えるクレーンやガントリー設備に採用され、最長800mのスライド走行や、毎秒5m以上の高速走行、数百万サイクルの低振動・低騒音運転でその実力を発揮している。チェーンリンクにローラーを取り付けることで、摩擦が最小限に抑えられ、長寿命化が図れる。

 上部および下部走行部は少しずれるよう設計されていて、樹脂製ローラー同士が互いに乗り上げることなくスムーズに走行する。その結果、摩擦係数が低下し、駆動力が低減される。

業界最大規模のイグス試験施設では、エナジーチェーンとチェーンフレックスケーブルを用いて毎年100億サイクル以上のテストが行われている。環境試験室やロボットなど180の試験装置があり、年間4100種類のエナジーチェーンシステムの試験が行われている。
 

kat