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イグス、168点のモーション・プラスチック製品を新提案

2年 11ヶ月 ago
イグス、168点のモーション・プラスチック製品を新提案kat 2021年05日11日(火) in

 イグスは、例年ハノーバーメッセで披露している「春の新提案」として、最多となる168点の新提案品および製品ラインアップ拡大品を発表した。これらの新提案は、フィジカルとバーチャルを融合させたイグス独自の展示会で紹介している。「iFデザイン賞」を受賞したこの展示会は、全面リニューアルを経て、5月7日から公開中となっている。

 

「iFデザイン賞」を受賞したバーチャル・リアル展示会

 

 同社は、デジタル化、供給体制の整備、リモートコンサルティングへの投資により、2020年はグループ全体でオンライン販売が前年比30%増加し、コロナ禍にあっても売上高の減少は前年比4.8%減にとどまり、7億2,700万ユーロとなった。本年は現時点で受注が増加傾向にあり、グループ全体で大きな成果を達成できるよう日々取り組んでいる。在宅勤務を推進する中で、2021年春はこれまでで最多となる168の新提案品および製品ラインアップ拡大品を発表したもの。

 同社では、潤滑剤を使わないプラスチック製品が使用時の環境への影響が少ないことに加え、これらの製品をカーボンニュートラルな方法で生産し、使用後はリサイクルすることを使命の一つに掲げている。独ケルンで現在建設中の新工場棟は、当初よりクライメイトニュートラルを目指しており、2025年にはケルン工場全体での達成を目標としている。温室効果ガス排出量をさらに削減するため、最新技術に投資しエネルギーの節減を図っているほか、静音設計の射出成形機を導入している。

 また、「チェーンジリサイクルプログラム」(日本未対応)によって使用済みの樹脂製ケーブル保護管を回収・リサイクルする取組みに加えて、ケミカルリサイクルの推進にも注力し、プラスチック廃棄物のオイルへの還元に取り組むMura Technology社への投資を継続している。

 同社は、投資の大部分をオンラインショップとオンラインツールに充当した。オンラインショップはリニューアルを行い、ユーザーに対しより有益な情報を提供できるようになった。イグス製品の選定や計算を行えるオンラインツールは対応製品を増やし、従来どおりインターネット上において無料で利用でき、登録も不要となっている。

 同社では同時に、供給能力の強化にも注力。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各国で在庫を増やし、組立工場の整備も進めている。オンラインご希望の製品を簡単に選定・注文でき豊富な在庫で納期を確約することで、多くのユーザーに評価され、オンライン販売はグループ全体で前年比30%増加した。

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NTN、健康宣言を制定

2年 11ヶ月 ago
NTN、健康宣言を制定kat 2021年05日11日(火) in

 NTNは、健康経営を一層強化するとともに従業員の健康に関する意識を高めるため、「NTN健康宣言」を制定した。

 

 

 同社では、「職場」「心」「身体」の三つの視点から従業員の健康づくりに取り組んでおり、これまでに全従業員を対象とした産業カウンセラーとの個別面談や40歳以上の健康リスクが高い従業員を対象とした保健指導、禁煙宣言の発布など、様々な健康施策を実施してきた。

 さらに2020年から続くコロナ禍においては、在宅勤務の活用などの感染防止対策だけでなく、従業員の心身への影響を調査し、在宅勤務での疲れを訴える従業員向けにオンラインストレッチセミナーを開催するなどの施策を展開してきた。これらの取組みが評価され、2020年度は経済産業省より「健康経営優良法人2021 大規模法人部門(ホワイト500)」の認定を初めて取得している。

 

コロナ禍における在宅勤務疲れ解消のためオンラインストレッチセミナーを開催

 

 同社では今後、国内拠点においては上述の取組みを強化するとともに、健康リスクの高い40 歳以下の若年層に対しても、健康診断実施前の期間に健康づくりに関する情報を配信するなど、健康意識の向上を図る。さらに、これまでも実施していたラインケア研修(厚生労働省が職場におけるメンタルヘルスを推進するために制定したケアの一つ)の対象者を全管理職に拡大するなど、メンタルヘルスケアの体制を一層強化する。

 海外拠点においては各拠点で実施している健康施策に加え、喫煙率低下に向けたルール作りや作業前のストレッチ、準備体操の実施など、各地域の法令、文化や習慣等に配慮した施策を各拠点の担当者と連携して導入していく。また、健康経営について海外拠点の担当者と情報交換を行う「安全衛生グローバルカンファレンス」を開催し、グローバルで施策を共有することで、NTNグループ全体で健康づくりに取り組んでいく考えだ。

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ジェイテクト、農業機械用高耐泥水性シール付玉軸受を開発

2年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、農業機械用高耐泥水性シール付玉軸受を開発kat 2021年05日11日(火) in in

 ジェイテクトは、従来自動車のハブユニットに使用していた高密封軸受のシールを、泥水などの過酷な環境で使用される農業機械に応用することで、耐水性の大幅な向上を実現した。農業機械の安定操業とメンテナンス頻度の低減に貢献できる。2020年10月から同社グループ企業のダイベアで量産を開始。国内外の農機メーカーに提案を進め、2億7500万円の売上を目指す。

開発品イメージ

 

 トラクターやプランター(畑を耕しながら種をまく機械)は、泥水中の過酷な環境で使用されるため、これまでは短いライフサイクルでの取り換えやオーバーホールが当然のこととされてきた。こうした中で保証期間の延長によるメンテナンスコストの増加や産業廃棄物などが問題となってきており、ジェイテクトでは壊れにくい軸受を提供することで、農業機械メーカーのニーズに応えるべく、自動車を車輪から支える役割を果たすハブユニットに使われるシールを応用し、高泥水性シール付玉軸受を開発したもの。

400時間耐泥水性評価結果

 

 従来の農機アタッチメント用密封型軸受は二つのラジアル方向リップで耐泥性を向上させていたが、本製品は、ラジアル方向のリップに加えてアキシアル方向のリップを追加することで、形状の最適化と低トルク化、そして高密封性を両立している。

 開発品では、3リップと形状最適化、およびシールドによるラビリンス効果で耐泥水性を2倍以上向上したほか、シール形状の最適化でトルクが40%低減している。

3リップと形状最適化、およびシールドによるラビリンス効果

 

耐泥水性の比較

 

起動トルク評価結果

 

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ジェイテクト、転がり軸受設計計算ソフトウェア MESYS に軸受データを提供開始

2年 11ヶ月 ago
ジェイテクト、転がり軸受設計計算ソフトウェア MESYS に軸受データを提供開始kat 2021年05日11日(火) in

 ジェイテクトは、機械設計者向けの技術計算ソフトウェアを開発するMESYS社 にKOYO 軸受のデータベースの提供を開始した。これにより、同社が提供するソフトウェア「MESYS」において、KOYO軸受を選択することで各種軸受のモデル化が容易となった。

 MESYS 社は、スイス・チューリッヒに本社を置く、軸受、シャフト、歯車を中心とした機械設計者向けの技術計算ソフトウェアの開発会社で、MESYSは日本を含め世界25ヵ国で利用されているソフトウェア。

 MESYSのユーザーがソフトウェア上のデータベースからKOYO軸受の呼び番号を選択すると、軸受の主寸法や定格荷重などが自動的に設定され、計算が可能になる。これまでのように軸受カタログを参照して数値を入力する必要がなくなるため,効率的な技術検討が可能となる。

 今回ジェイテクトがデータ提供した対象は、同社の転がり軸受総合カタログに掲載している軸受の内の主要な軸受。

 MESYSの最新バージョンにおいて、軸受データベース設定画面上で「KOYO」を選択し、計算したい軸受の呼び番号を選択することで、主寸法や各種定格荷重などが自動的に設定される。

軸受選択画面イメージ(上)と計算イメージ(下)

 

 なお,KOYO軸受のデータベースは技術計算ソフトウェアRomax Nexus(Romax Technology社提供)、KISSsoft(KISSsoft社提供)にも組み込まれており、これらのソフトウェアでもMESYSと同様にKOYO軸受の技術検討が可能になっている。

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NTN、自動車用「クリープレス軸受」を開発

2年 11ヶ月 ago
NTN、自動車用「クリープレス軸受」を開発 in kat 2021年05日11日(火) in in

 NTNは、軸受の外輪外径面に独自開発の逃げ部加工を施すことで、クリープの停止を実現した「クリープレス軸受」を開発した。自動車用トランスミッション、EV・HEVモータ軸支持用深溝玉軸受として提案を進め、耐クリープ軸受全体で2025年度に10億円/年の販売を目指す。

クリープレス軸受

 

 近年、EV・HEVを含む自動車の省燃費化や省電費化に向けて、モータやトランスミッションなどの小型・軽量化の要求が高まっている。それに伴い駆動装置に使用される軸受の軌道輪やハウジングを薄肉にする傾向にあるが、それらの変形によって固定した外輪が円周方向に回転してずれる「クリープ」という現象が発生する場合がある。

 クリープは、回転方向と現象によっていくつかの種類に分けられるが、特にトランスミッション内で一定方向の重荷重がかかる軸受においては、外輪やハウジングの剛性が不足した場合、外輪のひずみにより本来動くはずのない外輪が円周方向に回転する「進行波型クリープ」が起きやすくなる。同現象が発生すると、外輪とハウジングのはめあい面の摩耗により軸の芯ずれや傾きが大きくなり、装置の異音や振動、または摩耗粉による軸受の寿命低下などを引き起こすことがある。

 今回同社が開発したクリープレス軸受は、これまでのクリープ対策とは全く異なる手法で、外輪のひずみにより発生する進行波型クリープを停止させることに成功したもの。

 クリープレス軸受は、外輪外径面の一部に逃げ部を設け、ハウジングとの接触を回避する設計としている。これにより、一定方向荷重が負荷される条件において、ひずみの進行波を遮断し、重荷重でも進行波型クリープを停止させることが可能となる。追加部品が不要なため、組み付け性に優れており、同一寸法の標準軸受からの置き換えも可能となっている。

構造

 

クリープ速度試験

 

 今後、EV・HEVの普及に伴い、自動車部品の小型・軽量化がますます加速する中、耐クリープ軸受のニーズはさらに高まると見られており、NTNでは、本開発品のほか、クリープ現象やクリープ摩耗を防止できる「膨張補正深溝玉軸受」、「AC軸受」、および「クリープガード軸受」による商品ラインナップによって、こうしたニーズに対応していく。

 同社では、モータやトランスミッションの小型・軽量化に伴うニーズに対応した商品の開発・提供を通じて、自動車の電動化、省電費、省燃費化に貢献していく考えだ。

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イグス、工具不要で組立時間短縮のケーブル保護管向けに新型内部仕切りを開発

3年 ago
イグス、工具不要で組立時間短縮のケーブル保護管向けに新型内部仕切りを開発kat 2021年04日30日(金) in

 イグスは、フリースパン走行およびスライド走行でケーブルを安全にガイドするケーブル保護管「エナジーチェーンE4Qシリーズ」向けに、新しい内部仕切りを開発した。

 

新しい内部仕切りを採用した「エナジーチェーンE4Qシリーズ」

 

 エナジーチェーンE4Qシリーズは、独特な設計により重量を軽減、工具不要で開閉可能なロック機能付きのクロスバーにより組立時間を短縮するが、今回より迅速にケーブルを収納できるよう、汎用セパレーターとロック可能な棚板で構成される新しい内部仕切りを開発した。

 新しい内部仕切りを組み立てるには、まずノッチ付きのクロスバーにセパレーターを取り付け、その後セパレーターの溝へ棚板を挿入。棚板は左右、および内周側・外周側のどちらからでも希望の高さへ差し込み可能で、クロスバーを閉じると、セパレーターは自動的にロックされる。

 確実に固定されるため、高加速度がかかる環境などあらゆる用途に対応可能で、内部仕切りの取り付けを変更したい場合は、内周側または外周側のどちらかアクセスしやすい側からクロスバーを開き、サイドのスライダーのロックを解除して棚板を引き抜く。この新しい内部仕切りは、E4Qの四つのサイズに対応しており、複数の幅を用意している。

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THK、スタートアップ企業向け技術支援サービスを開始

3年 ago
THK、スタートアップ企業向け技術支援サービスを開始kat 2021年04日12日(月) in

 THKは本年4月10日に創立50周年を迎えたのを機に、スタートアップ企業向けの技術支援サービス「EntSherpa(アントシェルパ)」(https://www.entsherpa.com)を4月12日から開始する。同社が長年蓄積してきたノウハウをもとに、専門チームがアイデアの具現化から技術面の課題解決まで、スタートアップ企業の事業運営を全力でサポートしていく。

 EntSherpaは、英語で起業家を意味するEntrepreneur(アントレプレナー)と、ヒマラヤ登山隊のガイドとしても知られるSherpa(シェルパ)を掛け合わせた造語です。「理想」という高い山に挑むスタートアップ企業の道先案内人として、THK がアイデアの具現方法で悩みを抱える起業家に対し、最短ルートでものづくりを実現するためのサポートを提供する。

 EntSherpaでは、専門チームによるWEB 問い合わせへの即時対応、対面やオンラインによる技術相談、製品選定のアドバイス、製品の無償サンプル提供などのサービスが利用できる。すでに複数の企業が同サービスを活用しており、アイデアの具現化の過程を経て、製品化・量産化に向けた開発支援を進めている。

 EntSherpaのサービスは日本国内からスタートしているが、準備が整い次第、全世界のスタートアップ企業の支援へと順次発展させていく考えだ。

 THKでは「創造開発型企業として顧客とともに成長を続け、創立50 周年を迎えた。創立期を象徴する“技術者の駆け込み寺”の精神を令和の時代に即して体現したものがEntSherpa。社会を豊かにする革新的なものづくりの発想を形にしたいと考えている起業家の方々に寄り添いながら、50 年間で培ってきた技術・事業運営の専門知識とノウハウを活かし、ともにイノベーションを起こす手伝いをしていきたい」とコメントしている。

 本技術支援サービスの特徴は以下のとおり。

・WEB サイトからの問い合わせには、EntSherpaのために組織された専門チームが24 時間以内に回答。経験豊富な熟練技術者が中心となり、様々な分野の知見と専門性に長けた高度な技術(構造解析など)を駆使し、スタートアップ企業が抱える技術的課題の解決策を全面サポートする

・豊富なTHK 製品群の中から、試作品の仕様に則した製品のサンプルを無償で提供(無償サンプルの提供には、申請および審査通過が必要)

・THK の国内および海外における製販一体の強固な基盤を利用して、ハードルが高いとされるグローバル量産体制の構築支援から国際取引に関するアドバイスまで、グローバル展開を見据えたモノづくりを包括的に後押しする

 

EntSherpaのサービス概要

 

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イグス、湿潤環境向けのローコストオートメーションを開発

3年 1ヶ月 ago
イグス、湿潤環境向けのローコストオートメーションを開発kat 2021年04日02日(金) in in

 イグスは、ロボットが劣化しやすい、水しぶきがかかるような湿潤環境で簡単な作業を実行するローコストオートメーションとして、5軸の「防滴仕様ロボリンクRL-DP」を開発した。水のかかる環境で使用でき経済的に手頃なソリューションを求める、ユーザーニーズを受けて開発されたもの。

 

防滴仕様ロボリンクRL-DP

 

 防滴仕様ロボリンクRL-DPは、ステンレスと高性能ポリマーの2種類の材質を適用。接合リンクには同社のロボットとしては初めて耐食性の高いSUS304 / SUS316Tiステンレス鋼を採用したほか、ジョイント部には固体潤滑材として機能するトライボポリマーを使用しているため、水で洗い流されて環境汚染の原因となる潤滑剤を必要としない。

 また、防滴仕様のため、水しぶきから保護するためのロボット用カバーの費用も削減できる。

 保護等級IP44を満たしているため水しぶきがかかる環境に適しているほか、保護等級IP65のエンコーダ付きモーターを使用しているため屋外での検査等にも使用できる。その他、食品・飲料業界、化学・製薬業界、タンクやコンテナの洗浄作業などの用途にも適用が可能。

 防滴仕様ロボリンクRL-DPは、動作電圧が24VDC、最大可搬重量が3kg、重量が22.4kg(電源ユニット、外付けディスプレイを除く)、アーム長が790 mm、位置決め精度が±1mm、処理能力が7ピック/分。
 

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NTN、フィルム延伸機テンタークリップ用軸受の信頼性を向上

3年 1ヶ月 ago
NTN、フィルム延伸機テンタークリップ用軸受の信頼性を向上kat 2021年04日01日(木) in in

 NTNは、保持器とグリースの見直しにより、低トルクで耐グリース漏れ性と耐久性を大幅に向上させたフィルム延伸機テンタークリップ用軸受を開発した。プラスチックフィルムの生産性向上に寄与できる。延伸機メーカー、クリップメーカー、プラスチックフィルムメーカーなどに提案を進め、プラスチックフィルムの生産性向上とフィルム延伸機のランニングコストの低減に貢献していく。2023年度に5億円の販売を目指す。

 

開発品

 

 プラスチックフィルム市場は、包装用途を中心に堅調に推移しており、近年は社会的関心の高まりを背景にバイオプラスチック、リサイクル原料を使用した環境対応フィルムのほか、食品ロスの削減に貢献するバリアフィルムなどの需要が拡大してきている。また、エレクトロニクス分野では、スマートフォンや液晶ディスプレイに欠かせないプリント基板にも耐熱性に優れるプラスチックフィルムが使用されている。

 フィルム延伸機はプラスチックフィルムを加熱・搬送しながら薄く引き伸ばす装置で、テンタークリップは同装置上でフィルムの両端をつかんでレールを走行するため、ガイドローラとして複数の軸受が使用される。

 テンタークリップには、延伸機の全長に応じて1 台あたり数千から数万個の軸受が使用されていることから、摩擦損失や交換によるランニングコストを抑える必要があり、軸受には低トルクと優れた耐久性が求められる。

 また、テンタークリップの走行速度は生産性向上のために高速化する傾向にあるが、一般的に軸受内部のグリースは高速・高温では漏れやすくなり、その結果、フィルムの汚染や不測のメンテナンスの必要性が生じる。このことから、軸受グリースには、耐漏れ性に優れることが要求される。

 今回開発したテンタークリップ用軸受は、「非接触シール」、内径を拡大しグリースの保持性を向上させた「新開発保持器」、および耐熱性に優れる「長寿命グリース」の適用により、低トルク化、グリース漏れの抑制、耐焼付き性の向上をすべて実現した商品となっている。

 

開発品の構造

 

 具体的な性能として、同社従来品(非接触シール形軸受)の低トルク性能を損なうことなく(軸受回転トルクが接触シール形軸受の1/4)、グリース漏れ量を70%低減、耐焼付き性を40%向上させている。

 開発品は、軸受温度が230℃まで使用可能な中温仕様と、300℃まで使用可能な高温仕様をラインアップし、汎用プラスチックフィルムからエンジニアリングプラスチックフィルムまでの幅広い延伸温度に対応が可能となっている。

 

従来品との比較

 

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ジェイテクト、X線画像診断装置用の低騒音・低トルクのX線管軸受ユニットを開発

3年 1ヶ月 ago
ジェイテクト、X線画像診断装置用の低騒音・低トルクのX線管軸受ユニットを開発kat 2021年04日01日(木) in in

 ジェイテクトは、医療用X線画像診断装置の一般撮影用装置に使われるX線管軸受ユニットについて、従来よりも低騒音・低トルク化を実現した製品を開発、2022年をめどに四国工場(徳島)で量産を開始する。 開発品の適用により、国内外の医療現場で患者や医療関係者のストレスの低減、作業性の向上に貢献していく。X線管球メーカーへの提案を進め、5000万円/年の売上を目指す。

 

低騒音・低トルク化を実現したX線管軸受ユニット

 

 X線管は、医療用X線画像診断装置においてX線を発生させるために必要となる部品の一つ。その中にX線管軸受ユニットが使用されており、X線管の中で高速回転している。X線画像診断装置においてはいかに静かに稼働させるかが課題で、静粛性が向上することで患者や医療関係者のストレス低減につながる。一方、バッテリー駆動の回診用(移動用)X線画像診断装置においては、省電力であることに加え、作業性向上のニーズがある。

 これらのニーズに対し、X線管軸受ユニットにおいては低騒音であることに加え、回転トルクが小さいことが重要となるが、これは従来設計の軸受では対応できない領域だった。

 ジェイテクトでは1995年よりX線管軸受ユニットを開発・製造しており、CT市場をはじめ、多くの医療現場での実績を積み重ねてきた。今回こうした経験をもとに、一般撮影用装置の一層の低騒音化とバッテリー駆動の装置の省電力化に貢献すべく、低騒音で低トルクのX線管軸受ユニットを開発した。

 開発品では、X線管軸受ユニット全体の大きさは変えずに軸受の内部設計を見直したほか、潤滑膜の成分・膜厚を見直した。これらの見直しにより、低振動(軸受の騒音の代替特性として用いた)と同時に低トルクを実現している。

 

サンプル品での実験結果

 

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木村洋行、超薄型ボールベアリング、電動アクチュエータをロボット分野で適用展開

3年 1ヶ月 ago
木村洋行、超薄型ボールベアリング、電動アクチュエータをロボット分野で適用展開 in kat 2021年03日30日(火) in in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)は長年にわたり販売に携わってきたケイドン社の超薄型ボールベアリングと、2020年から取扱いを開始したEWELLIX(エバリックス)社の電動アクチュエータについて、ロボット分野での適用拡大を推進している。

 ここでは、それら製品技術の適用の利点について紹介するとともに、その利点を活かしたロボット分野での各種アプリケーションや、日本国内における今後の展開などについて紹介する。

超薄型ボールベアリング 概要と特徴

 1941年に創業されたKAYDON(ケイドン)社は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング(Reali-Slimシリーズ)を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーで、現在はSKFグループとして超薄型ボールベアリングを中心に、あらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けている。
 

内径が大きくなっても断面サイズが一定の
ケイドン超薄型ボールベアリング

 

 ケイドン超薄型ボールベアリングは内径25.4~1016mmまでのサイズをくまなくラインナップしている。最大の特徴はベアリング断面が超薄型であるため、装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れるため、設計の自由度が向上する点が挙げられる。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

 

ケイドン4点接触型ベアリング

 超薄型ボールベアリングは塗装・溶接ロボットから半導体搬送ロボット、多関節ロボット、人型ロボット、さらには宇宙環境用ロボットまで様々なロボットに適用されている。適用事例の詳細はこちらの記事を参照いただきたいが、ロボットでの採用理由としては装置の小型・軽量化を図れることや、ボールベアリングであるために起動トルク・回転トルクが軽くて非常に安定しており、高い回転精度を実現できることが挙げられるほか、4点接触型ベアリングによるメリットも大きい。

 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある。
 

超薄型ボールベアリングの種類

 

 ロボット関連ではラジアルやアキシアル荷重のほか、高いモーメント荷重も同時に掛かる複合荷重のアプリケーションが多いため、ケイドン超薄型ベアリングではアンギュラコンタクト型の2列背面組み合わせや4点接触型が用いられる。特にケイドン社が世界に先駆けて開発した4点接触型では、上記の高い複合荷重を単列で同時に受けることができるため、装置設計をさらにコンパクト化・軽量化でき、ベアリング使用点数の削減がそのままコスト削減にもつながる。

 一方、通常のISO・JIS規格のベアリングは内径を大きくするほど断面寸法も大きくなるため中空シャフトを使用しにくく、必然的に従来型のソリッド・シャフト(キングポスト・タイプ)を使用せざるをえないケースが多くなる。ロボットのように複合荷重を受ける用途ではさらにアンギュラコンタクト型を2列の組み合わせで使用するため、軸方向の長さが増すなど、設計自由度に制約があった。これに対し、ケイドン超薄型ベアリングの中でも複合荷重を受けられる4点接触型を使用すれば、大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さを更に短縮できる。気体・液体の配管類、あるいは電気配線やスリップリング等を中空シャフト内に収納できるなど、フレキシブルで効率的なデザインにできる。
 

左図のソリッド・シャフトから右図の4点接触型・超薄型ベアリングを使用した中空シャフトへの移行例
(ISO 7010組み合わせベアリングからの置き換え事例)

 

 キングポストデザインのISO 7010組み合わせベアリングから4点接触型超薄型ベアリングで中空シャフトを用いた機構への置き換えではまた、内径寸法を大きくできるため耐モーメント荷重を50%程度向上させている。

 回転軸に垂直に加わるラジアル荷重を支えるよう組み付けられたベアリングでは、例えばISO 6010深溝ボールベアリングでは下部約150°の範囲の転動体で荷重を分散支持しているが、ケイドン4点接触型では同じ荷重分布でラジアル荷重を支持しつつ、80%以上の軽量化・省スペース化を実現できる。
 

典型的なラジアル荷重負荷分布での、
ケイドン4点接触超薄型ベアリングとISO 深溝ボールベアリングとの比較ウルトラスリム・ボールベアリング

 上述のとおり超薄型ベアリングでは必要な負荷容量を確保しつつ、例えばISO 6010ベアリングとの比較では80%以上のコンパクト化・軽量化や設計の自由度向上を実現しているが、近年では、さらに薄型断面が必要な用途に対して、世界最小断面寸法 2.5 x 3.0mmの「ウルトラスリム・ボールベアリング」を提案している。同じ内径寸法で比較するとISO 6010ベアリングに比べ重量99.9%減、体積97%減を実現できる。
 

同等の軸径でのベアリングサイズの比較イメージ
(一番左と真ん中がケイドン製、右が一般的なISO規格品)

 

 ケイドンは超薄型ベアリングのパイオニアで、現在では「超薄型」を謳う後発のメーカーも出てきているが、ケイドンが実施した寿命試験結果を見ると、他社製品は極端に耐久性が低いことが分かる。ケイドン超薄型ベアリングは長年にわたる品質向上のための技術や製造上の工夫などの蓄積によって超薄型ながら高い負荷容量、長寿命化を実現している。ベアリングは各種機械を安定稼働させるための主要な機械要素であるため、ベアリングの突然の故障に伴う機械・ラインの突発停止などがない、生産効率向上につながる信頼性の高いベアリングを選定していただきたい。

軸受のL10定格寿命試験結果の比較

 

電動アクチュエータ 概要と特徴

 木村洋行では2020年1月から、スウェーデンに本社を置くEWELLIX(エバリックス)社の直動製品の取扱いを開始している。エバリックス社は、SKFグループだったSKF Motion Technologies社を前身とする直動製品メーカーで、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評がある。

 特徴のあるピラー型電動アクチュエータは、ストローク長や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、高荷重という厳しい仕様条件に対応しながらも、低騒音かつ堅牢さが求められる厳しいニーズにも対応できる。
 

ピラー型電動アクチュエータ

 

ロボット分野での適用 協働ロボットの垂直方向の動作範囲拡大

 ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボット自体を垂直方向に動作させることにより、URロボットの垂直方向だけでなく半径方向の作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~900mmで、最大許容荷重は1500N。

 URロボットの基台としてピラー型アクチュエータである「LIFTKIT」を使用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できる。これにより協働ロボット単体の時と比較して、倉庫でのパレタイジング作業などにおいて作業効率を飛躍的に向上できる。

 現在ではUR以外の日本製を含めた協働ロボットとピラー型アクチュエータとの共用も可能にしている。PLCを介してピラー型アクチュエータとロボットの両方を統合制御でき、LIFTKITと同様に他社製の協働ロボットの動作範囲拡大が可能になっている。
 

LIFTKITによるパレタイジング作業例

 

協働ロボットの水平方向の動作範囲拡大

 ユニバーサルロボット社の公式UR+アクセサリとしてはLIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレースなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT」を提案している。SLIDEKITの水平方向のスライド長は100~1800mmで、最大許容荷重は10900N(動的)と12100N(静的)、最大動的モーメント荷重は2400 Nm(Mx)、1800 Nm(Mz)。
 

SLIDEKITを用いたピック&プレース作業例

 

 ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能であり、その場合URロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる。

 SLIDEKITでも逐次改良が進み、より省スペース・コンパクト化しつつ高剛性化が図られているほか、動作音がより静かに改善されている。

  遊星型ローラースクリューによる高負荷条件下での精密駆動

 エバリックス社の直動製品としては、遊星型ローラースクリューにも特徴があり、ねじとねじとのしゅう動という構造によって高剛性化を実現している。同サイズのボールねじよりも高荷重を受けられ、動定格荷重3994kNまで対応できるため、コンパクト化と耐久性の向上(長寿命化)が図れる。

 エバリックス社ではローラースクリュー単体での提案だけでなく、エバリックス社製アクチュエータ内部のボールスクリュ―をローラースクリューにすることで、さらなる性能向上を図り、以下のようなロボットでも適用されている。
 

遊星型ローラースクリュー

 

 自動車の製造ラインで稼働する溶接ロボットでは、その多くがエア駆動アクチュエータによるワークの把持を行っているが、遊星型ローラースクリューを用いた電動アクチュエータに替えることで、必要とされるエネルギーを大幅に削減でき、生産コストの低減に寄与できる。

 また、リベッティングロボットは通常、複数の異種合金製シートを変形・変質なく接合するのに用いられるが、ローラースクリューを使用したアクチュエータに置き換えると、リベッティング作業を高速化でき作業効率を向上できる。高硬度(60 HRC)の遊星ローラーねじを用いることで、リベッティング時の良好な耐衝撃性を実現している。

 さらに、クリンチング接合ロボットで用いられるエア駆動アクチュエータから、遊星型ローラースクリューを用いた電動アクチュエータに置き換えることで、負荷や速度、位置決め精度などのパラメータの制御性を向上させ、接合品質の改善や省エネルギー化、メンテナンス周期延長を実現している。
 

リベッティングロボットへの適用例

 

今後の展開

 製造現場において協働ロボットへのニーズが高まってきている中で、木村洋行では、協働ロボットの動作範囲を拡大できるエバリックス社のLIFTKITおよびSLIDEKITのメリットをアピールしていくとともに、省エネルギー化だけでなく、高い位置決め性能と耐荷重性能向上を実現できるローラースクリューや、それを用いた電動アクチュエータの提案を進めていく考えだ。

 一方、産業用ロボットで多用されるクロスローラーベアリングに比べボールベアリングのため軽くて安定した起動トルクと回転トルク、高い回転精度を実現できるケイドン超薄型ベアリングの利点を訴求していく。

 ケイドン社、エバリックス社ともに専用工場を有し、ニッチなアプリケーションにも対応可能な小ロットからのカスタマイズに対応しつつ入手性も良好な一方で、世界第一位のベアリングメーカーであるSKFのノウハウ・知見を注入した基礎研究や生産技術を利用したものづくりを進めている。

 木村洋行では以前より、機械を正常に稼働させるための技術的サポートを重視しているが、ケイドン社、エバリックス社の各種製品の特質を生かし、量産時に本来の機能を発揮できる正しい使い方をユーザーに伝達・提案していくことで、現場の様々な課題の解決に努めていく。

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日本精工、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発

3年 1ヶ月 ago
日本精工、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発kat 2021年03日30日(火) in in

 日本精工は、トポロジー最適化技術による新形状樹脂保持器の設計などにより、dmN(軸受のピッチ円径(dm) × 回転数(n))180万以上の高速回転を可能とする、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受「Gen3」を開発した。本製品はグリース潤滑用の深溝玉軸受では世界最高速回転を実現し、電動車の航続距離延長や燃費・電費の向上が図れるほか、モータの小型化を可能にすることにより車内スペースの確保に貢献する。同社では、本製品の売上として2030年に120億円を目指す。

電動車駆動モータ用高速回転玉軸受「Gen3」

 

 地球温暖化などの環境問題を背景として、カーボンニュートラルの実現に向けた社会的取り組みが注目される中、環境負荷が小さい電動車の普及が期待されている。電動車普及に向けた重要課題の一つが航続距離の延長であり、燃費・電費の向上と電池を搭載できるスペースの確保が求められている。

 電動車の駆動モータは、小型・軽量化と高出力化ニーズを背景に高速回転化が進んでおり、同社は2020年3月に焼付きの発生や保持器の破損の課題を解決し、dmN = 140万以上の高速回転玉軸受「Gen2」を開発したもの。今後一層高まる電動車駆動モータの高速回転化ニーズに応えるべく、さらなる高速回転軸受の開発に継続的に取り組んでいた。今回開発した高速回転玉軸受Gen3の特徴は以下のとおり。

・極限まで軽量化を図る設計手法(トポロジー最適化技術)を活用し、高速回転に最適な保持器形状を導き出した。さらに、機能や生産面での課題に対し、実態に即した最先端のシミュレーション技術を効果的に駆使して短期間での開発に成功した。

・独自開発のオリジナルグリースと剛性に優れた樹脂材料を採用。本グリースの採用により、撹拌抵抗低減による低フリクションと発熱の抑制による耐焼付き性向上が可能。また、高剛性樹脂材料の効果により、高速回転時の保持器の変形を低減する。

 本製品は、遠心力による保持器の変形を約70%低減し、dmN = 180万以上の高速回転を達成した。

新しい保持器形状の開発手法

 

 本軸受の適用により、電動車駆動モータの小型・軽量化と高速回転化による高出力化が可能となり、電動車の航続距離延長や車内スペースの確保、環境負荷の低減に貢献する。

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THK、製造業向けIoTサービスにアクチュエータを追加

3年 1ヶ月 ago
THK、製造業向けIoTサービスにアクチュエータを追加kat 2021年03日30日(火) in in

 THKは、昨年から販売を始めている製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」について、すでにサービスを展開しているLMガイド、ボールねじに続いて本年3月から、製造現場で広く利用されているアクチュエータへの対応を開始した。

アクチュエータ対応OMNIedge

 

 OMNIedgeは、機械要素部品にセンサを取り付け、「THK SENSING SYSTEM」を活用し、独自のアルゴリズムによって収集したデータを、安全な通信網を介して数値化、解析することで機械要素部品の状態診断、予兆検知を実現するシステム。センサ、アンプ、通信機器一式を通信費込で提供するパッケージ型サービスで、「簡単」「安全」「初期コストゼロ」を実現している。

 アクチュエータ(LMガイドアクチュエータKR, SKRシリーズ)は、使い勝手の良さから、LMガイド、ボールねじとともに搬送機や組立機などの自動化装置に広く採用されており、これら重要な機械要素部品の予兆検知へのニーズが高まってきていることから、以前から要求のあったアクチュエータへの対応を開始したもの。

 THKでは今後さらに、現在無償トライアルを実施しているポンプやファンなどの回転部品にも適用範囲を広げ、その先にある、機械要素部品の予兆検知を基盤とした装置全体の“健康管理”へと発展させていく計画で、引き続き本サービスを通じて製造現場の持続的な生産性向上に貢献していく考えだ。

 アクチュエータに対象を広げたOMNIedgeの特徴は以下のとおり。

1.アクチュエータの状態を見える化:THKの独自技術「THK SENSING SYSTEM」を搭載したセンサをアクチュエータ本体に装着し、データの収集、数値化、状態の可視化を実現。それにより、アクチュエータの破損および潤滑状況を数値化し、状態を検知することが可能となる。

2.センサの取付けに改造や追加工が不要:これまでに対応しているLMガイド、ボールねじと同様、センサの後付けは簡単で、アクチュエータ本体外側に装着するだけ行える。改造や追加工が一切不要で、稼働中の装置にもOMNIedgeを導入することが可能。すぐにでも予兆検知を始めたいユーザーに最適。

3.1台のアンプでLMガイド、ボールねじ、アクチュエータの並列接続が可能:1台のアンプに接続できるセンサは最大三つ。LMガイド、ボールねじとの並列接続も可能で、装置内にある機械要素部品の構成に合わせて、接続部品(LMガイド、ボールねじ、アクチュエータ)を自由に組み合わせることができる。

 工作機械をはじめ、アクチュエータが多用されている搬送・組立装置などの一般産業機械にも導入できる。利用料金はLMガイド、ボールねじと同一の月8000円/装置と利用しやすい価格設定を維持している。

  OMNIedgeへの引き合い数は年々増加しており、導入装置台数はユーザーとTHK自社工場ですでに約1000台に上る。導入済みのユーザーからは、部品の状態を「見える化」し、数値の収集・解析が簡単に行える点に対して、多くの評価・要望が寄せられているという。

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新東工業、産業用ロボット向け6軸力覚センサのラインアップを拡充

3年 1ヶ月 ago
新東工業、産業用ロボット向け6軸力覚センサのラインアップを拡充admin 2021年03日26日(金) in in

 新東工業の産業用ロボット用歪ゲージ式6軸力覚センサ「ZYXer(ジクサー)」が、ラインアップを4種から11種に拡充、9000Nの大容量にも標準で対応可能となった。


 今回、ユーザの需要が高い並進方向±500~9000Nの定格容量モデルを取り揃えた。従来は構造上、鉛直方向のねじれの力(Mz)が、他方向に比べて定格容量が低くなる問題を抱えていたが、独自の設計により解決させ、大きな荷重やスピードにも対応できるようになった。


 また、全ての直径サイズで、アルミ合金とステンレスの2種類から材質を選択することが可能になった。アルミ合金製は軽量かつ磁性を帯びないという特徴があり、ロボットの可搬重量を抑え、設備コストを削減できる。一方でステンレス製は耐食性に優れており剛性も高いため、コンパクトながら高トルクを実現する。

 さらに、ZYXerは標準ラインアップだけでなく、ユーザの要望に応じたオーダー設計も可能であり、1t以上の計測にも対応できる⼤荷重モデルも開発実績がある。大荷重モデルは、多くのロボットメーカの通常ラインアップの力覚センサではカバーしきれない、Fz±14000Nという規格外の定格容量を持つため、ダイカスト等の搬送の際の力検出や車両のドア、重機のタイヤを取り付ける際の作業者の⼒のアシストなどを安定的に把持・組付けすることができる。歪ゲージ式を採⽤していることから、他⽅式に⽐べ⼤荷重モデルでもコンパクトな設計が可能なため、本体厚さと重量を抑えられ、⼤型のロボットに適した力覚センサとなっている。また、アタッチメントを変更することで、各メーカーの産業用ロボットに対応が可能。

ZYXerの大荷重モデル

 

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トライボロジー研究会、第31回講演会を開催

3年 1ヶ月 ago
トライボロジー研究会、第31回講演会を開催admin 2021年03日25日(木) in

 トライボロジー研究会(運営委員長:杉村丈一 九州大学教授、事務局:協同油脂)は3月18日、Web会議システムを利用して「第31回講演会」を開催した。今回は『シミュレーションを取り入れたトライボロジー技術』をテーマに、以下のとおり行われた。

・KEYNOTE SPEECH
「分子シミュレーションでわかる目から鱗のトライボロジー」鷲津仁志氏(兵庫県立大学)

・CASE STUDY:SESSION Ⅰ 物質のふるまいを解き明かす
「グリースEHL解析技術-低速域における厚膜形成メカニズム-」相馬実波氏(協同油脂)

・CASE STUDY:SESSION Ⅱ システムを解きほぐす
「内燃機関潤滑計算の現状と課題」村上元一氏(トヨタ自動車)
「空調用コンプレッサの数値シミュレーションによる高信頼性設計」伊藤安孝氏(東芝)、青木俊公氏・三浦一彦氏(東芝キャリア)
「軸受動解析システムの開発」大島吉雄氏(ジェイテクト)

・CASE STUDY:SESSION Ⅲ 解いて裏付ける
「往復摺動すべり軸受の非定常油膜解析」東谷裕子氏・河鰭実昌氏・沖 恭弘氏・加藤裕康氏(デンソー)
「冷間圧延機におけるチャタリング防止のための潤滑制御システム」藤田昇輝氏(JFEスチール)

・特別講演
「金融ビジネスにおけるシミュレーションの活用-年金資産運用を例に」臼杵政治氏(名古屋市立大学)

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ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2021年3月号「特集:産業用ロボット」「キーテク特集:グリース」が発行!

3年 1ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2021年3月号「特集:産業用ロボット」「キーテク特集:グリース」が発行! in admin 2021年03日22日(月) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第29号となる2021年3月号が3月25日に小社より発行される。

 今号は、特集「産業用ロボット」、キーテク特集「グリース」で構成。

 特集「産業用ロボット」では、協働ロボットの活用動向から、自律移動型搬送ロボットの開発、中小企業などでの自動化を支援する取組みや、産業用ロボットを支えるベアリングや直動案内、およびそれらを応用したアクチュエータ技術を紹介する。

 また、キーテク特集「グリース」においては、極限環境で使用可能な極圧性長寿命フッ素グリースの開発や、風力発電装置用軸受向けグリース技術の最近の話題などを紹介する。

特集:産業用ロボット

◇協働ロボットファミリー―協働ロボットの活用動向、そして新たな世代へ―・・・ABB 村山 雅成
◇自律移動型の搬送ロボットの開発と展開・・・THK 星野 京延 氏、北野 斉 氏に聞く
◇製造業における自動化システム導入支援の取組み・・・ハイウィン 佐伯 篤志 氏に聞く
◇ロボット分野における超薄型ボールベアリング、電動アクチュエータおよびローラースクリューの適用・・・木村洋行 木村 光正 氏、小塚 真治 氏、北澤 潤 氏に聞く

キーテク特集:グリース

◇極限環境で使用可能な極圧性長寿命フッ素グリースの開発・・・出光興産 関口 浩紀、髙根 孝仁
◇風力発電装置用軸受向けグリースの近年の話題・・・編集部

連載

注目技術:リグテスター 2DISK試験機を用いた高荷重・転がり滑り接触・潤滑下でのトライボロジー特性評価・・・パーカー熱処理工業
Q&A「軸受管理」の機素知識 第5回 AE診断の活用編③AE信号波形の解析方法・・・エヌエフ回路設計ブロック 佐藤 公治

トピックス

JAST、金属ドープDLCテーマに機能性コーティングの最適設計技術研究会を開催
サーフテクノロジー/不二WPC、TOKYO PACK 2021で滑り性・耐摩耗性向上の表面改質技術を披露
イグス、デジタルプレスカンファレンス2021を開催

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日本精工、VWと高出力シングルピニオンEPSを共同開発/受注

3年 1ヶ月 ago
日本精工、VWと高出力シングルピニオンEPSを共同開発/受注kat 2021年03日19日(金) in in

 日本精工(NSK)とフォルクスワーゲン社(VW)は、2019年6月に、ステアリング事業における協業に合意し製品開発における協業契約を締結しているが、その最初の成果として今回、VWの電気自動車用次世代プラットフォームMEB向けに、高出力シングルピニオン電動パワーステアリング(EPS)を共同開発し、受注した。2023年よりNSKの中国工場で量産を開始、VWの電気自動車の生産工場にグローバルに供給していく。

 Volkswagen Group ComponentsのThorsten Jablonski氏(Head of the Gearbox & Electric Drive Business Unit)は、「今回の共同開発の成果は、VWのステアリング事業にとっても大きな前進。NSKとの協業により、中国でのEPSの生産が可能となり、今後もNSKと一緒に我々の技術をグローバルに展開していく」とコメント。

 また、日本精工執行役専務 自動車事業本部 ステアリング&アクチュエータ本部長 麓 正忠氏は「今回の高出力シングルピニオンEPSの共同開発と受注は、VWとの協業の最初の成果となる。VWとの良好な協業関係には感謝しており、将来に向けてさらなる開発を共同で進めていく」と述べている。

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不二越、小型ロボットシリーズのラインナップを拡充

3年 1ヶ月 ago
不二越、小型ロボットシリーズのラインナップを拡充kat 2021年03日19日(金) in in

 不二越は、自動化ニーズがますます高まる電機・電子、一般産業機械分野をターゲットに、スカラロボット「EC06」とコンパクトロボット「MZ12H」を市場投入する。いずれも3月から発売を開始、2021年度の販売目標はEC06が2000台/年で、MZ12Hが3000台/年。EC06は、軽量コンパクトボディの「MZシリーズ」と共通のシリーズの制御装置を使用し、ロボットの組み合わせが容易で、同社ユーザーの利便性を向上する。

 同社では今後も、小型ロボットをはじめ、シリーズ・ラインナップを拡充し、また、ロボットを組み込んだ多様なシステム・アプリケーションを構築して、ユーザーのあらゆるFA化ニーズに応えていく。

 世界的な少子高齢化、労働人口の減少や人件費の高騰を背景として、ものづくりの現場では、人手不足の解消や生産性向上などを目的にロボットによる自動化ニーズが拡大しており、特に電機・電子や一般産業機械分野では、小型ロボットの導入が本格化している。

 不二越では、2013年の世界高速・軽量コンパクトロボット「MZ07」の発売を皮切りに、小型ロボット市場へ本格参入。以降、「MZシリーズ」のラインナップ拡充に加え、ウィングスライサー型ロボット「EZシリーズ」や、協働ロボット「CZ10」を開発し、全世界で小型ロボット市場の深耕に取り組んできた。

 今回、IoT化や5G対応に向けロボット導入が本格化してきている電機・電子分野の市場を狙って投入したEC06の特徴は、以下のとおり。

・最大可搬質量6kg、定格可搬質量(最大速度で出力可能な可搬質量の限度)3kgで、500mm・600mm・700mmの最大リーチが異なる3機種をラインナップ。ユーザーのものづくりの現場に最適な機種の選択が可能

・軽量化と高剛性を両立した設計で、クラストップレベルの高速・高精度動作(位置繰返し精度±0.02mm)を実現し、ユーザーの生産性向上に貢献

・先端軸の中空構造により、ロボット本体から各種ツールまでの配線・配管の引き回しを簡略化、周辺装置との干渉リスクを低減し、信頼性が向上

・ティーチペンダントに代わり、PCを制御装置に接続して操作が可能なほか、PCのシミュレーションソフトを用いて、各種動作を正確に設定できる

EC06

 

 また、人手に頼っていた作業のロボットへの置き換え需要が拡大してきている一般産業機械分野の市場を狙い投入したMZ12Hの特徴は以下のとおり。

・MZ12の特徴を保持しつつ独自の中空手首構造を新たに採用、ロボット本体から各種ツールまでの配線・配管の引き回しを簡略化。周辺装置との干渉リスクを低減し、高い信頼性を実現

・同一クラスではトップレベルの作業領域とパワフルな手首トルクで、大型ワーク・ハンドに対応し、バリとり、ピッキング、部品の組立・搬送など幅広い用途で使用可能。また、防塵防滴(IP67 相当)・防錆機能を標準装備し、粉塵、水滴が飛散する環境にも対応

・軽量化と高剛性を両立した設計で、クラストップレベルの高速・高精度動作(位置繰返し精度±0.04mm)を実現し、ユーザーの生産性向上に貢献

MZ12H

 

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イグス、ロボットなど捻回用途に耐えるIO-Link可動ケーブル2種を開発

3年 1ヶ月 ago
イグス、ロボットなど捻回用途に耐えるIO-Link可動ケーブル2種を開発kat 2021年03日19日(金) in in

 イグスは、ロボットでの捻回使用に耐えられるセンサ・アクチュエータ用の2種類のIO-Link可動ケーブル「チェーンフレックスCF77.UL.03.05.INI」と「チェーンフレックスCF77.UL.03.05.INI.D」を開発した。いずれもケーブル保護管「エナジーチェーン」内での高度な要求に対応、±180°/mの捻回使用に耐えられるよう設計されているほか、許容曲げ半径は6.8×dで狭い設置スペースにも適している。

ロボットの捻回使用に耐えるIO-Link可動ケーブル

 

 このIO-Linkケーブルは、イグスの社内試験施設で2,200万ストロークの試験をクリアしているほか、現在入手可能な曲げ半径の小さいIO-Linkケーブルに比べコスト効率に優れる。

 IO-Linkは、センサーやアクチュエータなどのデバイスと接続し双方向のデジタル通信が可能なIEC 61131-9で規定された通信規格。IO-Link技術により、ユーザーはいつでもセンサーやアクチュエータの状態を監視し、通信することが可能となるが、この通信に使用されるIO-Linkケーブルには、小さな曲げ半径で高負荷に対応できるとともに、ロボットのねじれ動作にも耐えられることが求められる。

 今回開発されたチェーンフレックスIO-Link可動ケーブルは、3800mm2のドイツ本社の試験施設において6.4×dの曲げ半径で2200万ストロークに耐え、長寿命が実証されている。イグスではこの新しいIO-Linkケーブルをハーネス処理し、M12 / M8 / M5コネクタを備えたハーネス済みレディーケーブルとしても提供している。

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NTN、移動型独立電源が三重県桑名市で採用

3年 1ヶ月 ago
NTN、移動型独立電源が三重県桑名市で採用kat 2021年03日16日(火) in

 NTNが開発した移動型独立電源装置「N3 エヌキューブ」が三重県桑名市の防災拠点施設における非常用電源として採用された。

 N3は2019年にNTNが開発した移動型の独立電源で、輸送用コンテナに風力・水力・太陽光の3種類の自然エネルギーによる発電装置と蓄電池を格納し、短時間で発電・電力供給を行うことができる。NTNはこれまで、大規模災害などによる停電時の非常用電源として自治体などを中心に本商品の提案を進めていたところ、桑名市が昨年秋に建設した「桑名市防災拠点施設」に採用されたもの。同施設は大規模災害時に、支援物資の集配送拠点となるなど、桑名市における災害応急対策の活動拠点となる場所。

 今回桑名市に採用されたN3は防災拠点施設用モデルで12フィートと10フィートのN3を連結している。12フィートN3は上面と地面に設置した太陽光パネルで発電・蓄電することで施設内の設備に電力供給が可能。また、N3内はエアコンを24時間稼働させることで、温度管理が必要な支援物資や医薬品などを保管する防災用備蓄倉庫として使用できる。10フィートN3は同社が開発した高効率な風車と太陽光パネルを搭載し、同じく電力供給できるほか、12フィートN3から切り離して、近隣の被災地などにトラックで移動させ、現地の非常用電源として使用することも可能。どちらのN3も大規模災害後の使用に耐えられるよう、震度7クラスの地震に対する耐震性を備えている。

 3月7日に桑名市による同防災拠点施設の運用訓練が実施され、施設運用マニュアルの点検や関係する防災計画の検証のため、関連企業とともに同社も参加。同社が担当した訓練は、災害後に医療拠点を開設するという想定で行われ、N3の風車や太陽光パネルを展開し、発電したエネルギーで電動ポンプに電力供給を行い、エアテントを設置した。防災に関する専門家として訓練を評価した三重大学の川口淳准教授からは「24時間稼働し、医薬品などを保管できることは非常に重要で、こういったものが地域にあると大変有益である」とのコメントがあった。

 同社では今後も、自然エネルギー商品の開発を進めるとともに、再生可能エネルギーを活用した防災・減災に役立つ発電ソリューションの提案を進めていく考えだ。

 

kat
Checked
53 分 30 秒 ago
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