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SEMICON Japan 2024

 

bmt配信ニュース

NTN、小型・軽量の逆入力遮断クラッチを開発

2年 9ヶ月 ago
NTN、小型・軽量の逆入力遮断クラッチを開発kat 2022年02日21日(月) in in

 NTNは、逆入力遮断クラッチ「トルクダイオード®」の新たなラインアップとして、従来品に対して外輪外径を1/3の10mmに小型化し、重量を1/14の5gに軽量化したトルクダイオード「TDL8」を開発した。各種産業機械の小型・軽量化に貢献し、省エネルギー化と安全性を向上する。逆入力防止機構や落下防止機構などへの提案を進め、2024年度に2億円/年の販売を目指す。

TDL8 主要寸法:外輪外径10mm

 

 トルクダイオードは、モータと変速機など二つの動力伝達軸の間に使用し、入力軸からの回転(トルク)を出力軸に伝達し、出力軸からの回転(トルク)は入力軸に伝達しない逆入力遮断クラッチ。トルクダイオードには、出力軸を回転させようとしても出力軸がロックされて入力軸へ回転を伝達しないロックタイプと、出力軸を回転させると出力軸が空転して入力軸へ回転を伝達しないフリータイプの2種類がある。

 ロックタイプのトルクダイオード(TDL)は、外輪と内輪、保持器、ころ、ばね、側板で構成されており、ユーザーが用意する入力軸とともに使用する。入力軸の回転は、内輪と一体化した出力軸に伝達される一方、入力軸が回転しない場合には、ころとばねが出力軸をロックし、逆入力を遮断する。同様の機能を持つ電磁ブレーキと比べて、TDLは電気や配線が不要となるため、搭載機器の省エネルギー化が可能となるほか、停電時における安全性能にも優れている。

ロックタイプ トルクダイオードの機能


 これらの特徴を活かし、TDLは意図しない出力軸の回転を防止するための逆入力防止機構や、停電時など入力軸の回転が停止した際の安全確保を目的とした落下防止機構などに使用されている。例えば自動車では、シート座面の高さ調節時に、レバー操作によりシートを上下させ、操作がない時はその高さを保持するシートリフタ機構に採用されている。

開発品の適用例:落下防止機構


 今回開発した小型・軽量トルクダイオード「TDL8」は、新たに開発した極小径のころに加え、従来よりも省スペースを可能とする独自形状のばねを採用することで、同社従来設計を適用した同サイズの商品に比べ、ころを多く組み込んでいる。これにより、同社従来品「TDL28」から1/3の小型化となる外輪外径10mmと1/14の軽量化となる重量5gを実現した。

構造

 

 開発品は、従来品から大幅な小型・軽量化を実現しており、搭載機器の小型・軽量化・省エネルギー化に貢献するとともに、搭載機器を小型化することでその機器を加工するのに必要な電力や切削液、工具の消費などを抑えられ、機器の製造時の省エネルギー化や環境負荷の低減にも寄与する。

kat

イグス、追尾式太陽光発電システム向けピローブロックベアリング用素材2種を開発

2年 9ヶ月 ago
イグス、追尾式太陽光発電システム向けピローブロックベアリング用素材2種を開発kat 2022年02日21日(月) in in

 イグスは、追尾式太陽光発電システム向けのピローブロックベアリング用に耐紫外線性に優れた「ソーラーミッドG」と「イグリデュール P UV」の二つのポリマー素材を開発した。長時間太陽光を浴びる環境下でも優れた耐久性を備え、実条件下の試験において従来の素材に比べ約3倍の耐紫外線性が確認されている。

 

 

 世界中の太陽光発電システムでは、表面だけでなく裏面でも光を捉える両面発電モジュールの導入が増えている。イグスでは6年以上前から、角型軸にモジュールをしっかりと固定するための樹脂製ベアリングユニット「イグボール ピローブロックベアリング」を提供しており、多くの採用実績を持つ。

 このピローブロックベアリングはこれまで、モジュールの裏側に取り付けられ、断続的に太陽光にさらされるという標準的な方法で使用されてきたが、近年、太陽光発電システムの利用率を高める目的で2枚の発電モジュールを両面に設置する方法が増えてきている。

 この追尾式太陽光発電システムに設置されるピローブロックベアリングでは紫外線を浴びる時間がさらに長くなることから、今回こうした用途に特化した2種類のトライボポリマーとして、「ソーラーミッドG」(ハウジング材質)と「イグリデュール P UV」(球面ボール材質)を開発した。無潤滑でメンテナンスフリー、そして汚れや埃に強い素材であるため、太陽光発電分野での使用に最適。耐紫外線性も向上している。

 ASTM G154に基づく試験(紫外線蛍光ランプ式促進耐候性試験)では、2000時間の過酷な紫外線照射後において、太陽光発電業界でこれまで使われていた材質の数値が14%だったのに対して、開発材2種の曲げ特性は5%しか変化しなかった。この試験により、ソーラーミッドGとイグリデュールP UVは、追尾式太陽光発電システムの耐久性と信頼性をさらに高めることが実証されている。耐紫外線性に優れた開発材を使用することで、メンテナンス作業も大幅に軽減できる。

kat

THK、製造業向けIoTサービスに回転部品のラインナップを追加

2年 9ヶ月 ago
THK、製造業向けIoTサービスに回転部品のラインナップを追加kat 2022年02日18日(金) in

 THKは、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」に回転部品の予兆検知をラインナップに追加した。

 同社が2020年1月に販売を開始したOMNIedgeは、安全な通信網を使って部品の状態を数値化し、予兆検知を実現するIoTサービス。これまでに直動案内(LMガイド)、ボールねじ、アクチュエータの直動部品の予兆検知を中心に展開してきたが、今回、回転部品の予兆検知がライナップに加わった。

OMNIedgeのラインナップ:直動部品+回転部品

 

 生産ラインに欠かせない製造装置やユーティリティ設備では回転部品が多用される一方で、メンテナンスの頻度は依然として高く、維持管理の負担は少なくない。そこでTHKでは、ユーザーにOMNIedgeによる予兆検知の価値を最大限に享受してもらうよう、直動部品だけでなく回転部品への対応を拡げていくもの。

 現在OMNIedgeを導入いただいているユーザーとしては自動車部品、食品、素材メーカーなどが主で、その生産ラインの製造装置の機械要素部品が多くを占めている。こうしたユーザーでは共通して、直動部品だけでなく、ポンプ、ファン、モーターなど回転部品の予兆検知にも積極的に導入しており、予兆検知システムを統一化して導入することにメリットを示している。

 そこでTHKでは、「自社設備のLMガイドやボールねじなどの機械要素部品以外の部品も同様に見える化できるようにして、メンテナンスレベルを向上させたい」というユーザーの要望に対応すべく、これまでのコンセプトである「簡単に後付けが可能」、「安心してデータを活用できる安全な通信網」、「リーズナブルに始められる価格設定」で回転部品への対応を拡大していく。

 回転部品に対象を広げたOMNIedgeの特徴は以下のとおり。

・センサは後付けできるので、すでに稼働している回転部品にも即座に装着可能。また、Wi-Fi接続に対応したセンサのため、最小限のワイヤリングでスッキリと配置できるほか、導入時の初期設定は煩わしい手間がなく、モニタリングが即時に行える

・センサ本体のLEDが状態別に色変化するので、特別な検査機器を持ち込むことなく目視で状態を確認できる。そのため、巡回時の現場では状態目視で異変に気付ける。

・回転部品の予兆検知は、LEDでの状態確認だけでなく、Webアプリでのモニタリングが可能で、事務所にいながら各機器の状態をリモート監視できる。また、設定した閾値を超過するとメールが発報されるので、次の巡回までの間に故障が発生しても見逃してしまうことを防ぐ

OMNIedgeイメージ図(回転部品)

 

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NTN、風力発電装置主軸用DLCコーティング自動調心ころ軸受で新エネ大賞 新エネルギー財団会長賞を受賞

2年 9ヶ月 ago
NTN、風力発電装置主軸用DLCコーティング自動調心ころ軸受で新エネ大賞 新エネルギー財団会長賞を受賞kat 2022年01日26日(水) in in

 NTNは風力発電装置主軸用「DLCコーティング自動調心ころ軸受」で、新エネルギー財団が主催する令和3年度「新エネ大賞」において「新エネルギー財団会長賞」を受賞した。

風力発電装置主軸用「DLC コーティング自動調心ころ軸受」


 同賞は、新エネルギーの導入の促進を図ることを目的に、新エネルギーに関する機器の開発、設備などの導入、普及啓発活動、分散型エネルギーの活用および地域に根ざした導入の取組みなどを表彰するもの。

 風力発電装置の主軸用自動調心ころ軸受にはこれまで、潤滑不足による軌道面ところの金属接触などが原因で軌道面に摩耗が発生し、はく離や割れといった不具合に進展するという課題があった。

 受賞商品は、軸受のころの転動面に耐摩耗性・潤滑性に優れる硬質膜DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを適用することで、軌道面の耐摩耗性を大幅に向上させた。DLC膜は3層構造となっており、風力発電装置の主軸用軸受のような油膜形成が困難な厳しい潤滑条件下でも、密着力の高いDLC膜が継続的に高い性能を発揮し、摩耗の発生を防ぐことで風力発電装置の安定稼働に貢献する。

 また、本商品に適用しているDLCコーティング技術は、風力発電装置のコンパクト化を目的に2017 年に開発した「左右列非対称設計」と組み合わせることも可能。

 今回の受賞は、これらの開発における独創性や、今後継続的に増加する風力発電装置の普及に貢献することなどが評価されたもの。NTNでは、本商品の拡販を通じて再生可能エネルギーの普及に貢献していく考えだ。

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第6回 ロボデックスが開催

2年 9ヶ月 ago
第6回 ロボデックスが開催 in kat 2022年01日26日(水) in in

 「第6回 ロボデックス(ロボット開発・活用展)」が1月19日~21日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。ものづくり現場の自動化・省人化に寄与する産業用ロボットのほか、機械要素技術が多数披露された。

 

 ユニバーサルロボットは、6軸協働ロボット「e-Seriesファミリー(UR3e、UR5e、UR6e、UR16e、UR10e)」を用いて、双腕構成によるねじ締めや、MIG(Metal Inert Gas)溶接、コンベアトラッキング、パレタイジング(荷積み・荷下ろし作業)、シーリング材塗布のデモンストレーションを実施した。パレタイジングのデモでは、UR10eの基台としてEWELLIX(エバリックス)社(日本総代理店:木村洋行)のピラー型電動アクチュエータ「LIFTKIT」を接続、垂直方向の第7軸として活用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できることをアピールした。LIFTKITはUR10eのティーチングペンダントから操作が可能で、PLCなしでシステムアップできる。

ユニバーサルロボット 6軸協働ロボットUR10eの基台にピラー型電動アクチュエータLIFTKITを接続してのパレタイジングのデモ

 

 ハイウィンは、自社製の機械要素部品を採用して高いコストパフォーマンスを実現、コンパクトで柔軟な回転軸により、高精度な組立作業や高速機械加工など幅広い分野で効率的な生産ラインを構築できるスカラロボットを展示した。また、搬送や組立て、塗布などに活躍するスカラロボット以外にも各種産業用ロボットをラインアップしていることを紹介。同社では各種産業用ロボット・自動化システムの導入におけるPoC(概念検証)から実際の導入、運用におけるティーチング、メンテナンスまでを支援する「ロボット技術センター」を東京都府中市に開設しているが、ロボット技術センターの出張ラボをブース内に設け、ワークを持ち込んでもらっての自動化に向けた無料相談・検証などを実施した。

ハイウィン スカラロボットとロボット技術センター出張ラボ

 

 ユニパルス/ロボテックは、最大1.5tの重量物を持ち上げられ軽快に移動できる電動バランサ「ムーンリフタ」を展示した。AC100Vのみで動かせ、作業者は荷物を両手で持てるため、移動先での位置合わせもミリ単位でスムーズに安全に行える。電動式のメリットを活かして可動範囲や減速範囲、上げ下げの加速度、動きの感触など、100種類以上に及ぶパラメーター設定ができるようになっており、現場の状況や使う人の好みに合った快適な作業性が得られる。そのほか、出力軸トルクを直接計測しフィードバック制御を行う電動トルクアクチュエータ「ユニサーボ」や、小型・軽量かつ非直線性0.03%FS、最高回転数25000rpm、許容過負荷500%を実現した回転トルクメータ「UTMⅢ」、壊れにくく高精度で校正不要のロードセルなどを紹介した。

ユニパルス/ロボテック 電動トルクアクチュエータ ユニサーボを使ったパラレルリンクロボットによるダイレクトティーチングおよび押し付け動作のデモ

 

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ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年1月号「特集:自動車」「キーテク特集:解析技術」発行!

2年 10ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年1月号「特集:自動車」「キーテク特集:解析技術」発行!admin 2022年01日21日(金) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第34号となる2022年1月号が1月25日に小社より発行される。

 今号は、特集「自動車」、キーテク特集「解析技術」で構成。

 特集「自動車」では、電気自動車の動力伝達系とトライボロジー技術や、電動車に要求される潤滑油・グリース技術、AICE車から燃料電池車(FCV)までの各種の表面課題に対応するドライコーティングの適用、自動車製造工程/車載機器における無潤滑樹脂すべり軸受の適用などについて、広く紹介する。

 また、キーテク特集「解析技術」においては、様々な問題を多方面にわたりシミュレートすることによって試作や実験の回数を減らすなど、ものづくりでの研究・開発工程の効率を高める解析技術の適用事例として、層状化合物の低摩擦のメカニズムや、等温非ニュートン流体の弾性流体潤滑(EHL)解析と実験結果との比較、といった話題を紹介する。

特集:自動車

◇電気自動車の動力伝達系とトライボロジー技術・・・日産自動車 村木 一雄
◇自動車製造工程および車載機器における無潤滑樹脂すべり軸受の適用・・・イグス 澤田 裕介 氏に聞く
◇自動車分野におけるドライコーティングの適用・・・IHI Hauzer Techno Coating B.V. 滝沢 正明 氏に聞く
◇電動車に要求される潤滑油・グリース技術・・・編集部

キーテク特集:解析技術

◇層状化合物の低摩擦のメカニズム・・・兵庫県立大学 鷲津 仁志
◇等温非ニュートン流体のEHL解析と実験結果との比較・・・トラ研 栫井 邦彦

連載

注目技術:第29回 ZDDP潤滑油添加剤の性能検証・・・Ingram Tribology、PCS Instruments
あるコスモポリタンの区区之心 第4回 悠久の自然の中、束の間の人生・・・紺野 大介
Q&A「浄油技術」の基礎知識 第4回 機械故障のリスク因子とメカニズム・・・RMFジャパン テクニカルサポートDiv

トピックス

SEMICON Japan 2021 Hybridが開催
2月25日に第24回「トライボコーティングの現状と将来」シンポジウム開催
第14回 岩木賞贈呈式も実施

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ハノーバーメッセ2022、5/30~6/2に開催延期

2年 10ヶ月 ago
ハノーバーメッセ2022、5/30~6/2に開催延期kat 2022年01日20日(木) in

 ドイツメッセは、世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ2022」の開催を5月30日~6月2日に延期し、会期を1日短い4日間とすることを発表した。2023年は従来どおり4月に5日間の開催を予定している。

 

 当初の開催予定は4月25日~4月29日だったが、全世界のコロナの感染状況などを考慮し、ハノーバーメッセのアドバイザリー委員会 、同展への主要出展企業、 同展のパートナーであるVDMA(ドイツ機械工業連盟)および ZVAI(ドイツ電気電子工業連盟)の賛同のもと、コロナ禍における大型展示会開催の期間として最善の5月末から6月初旬にかけての開催延期と会期短縮を決めたもの。

 ハノーバーメッセは2022年に欧州で開催される最初の主要な工業展で、「デジタリゼーション」と「サステナビリティ」に焦点を当て、ものづくりにおける「イノベーションの創出」と「気候保護」への取組みを後押ししていく。

 展示会の詳細は以下で確認できる。
◆ハノーバーメッセ2022公式ホームページ
https://www.hannovermesse.de/en/

 本件に関する問い合わせ先は以下のとおり。
◆ドイツメッセ日本代表部
International Linkage(インターナショナル リンケージ)
担当:竹生(たけお)
TEL:03-6403-5817
E-mail:masahito.takeo@intl-linkage.co.jp
 

kat

イグス、クレーン搭載用の長寿命ケーブル保護管を開発

2年 10ヶ月 ago
イグス、クレーン搭載用の長寿命ケーブル保護管を開発kat 2022年01日20日(木) in in

 イグスは、新世代STS(港湾)クレーンで需要の高まるエネルギー供給システムの要求性能に対応すべく、重荷重下での長寿命化を実現できるケーブル保護管「P4HD.56R高荷重向けロールeチェーン」を開発した。より長い走行距離、高速度・高加速度に対応し、高荷重下での高い信頼性を実現する。

ケーブル保護管「P4HD.56R高荷重向けロールeチェーン」

 

 耐摩耗性に優れる材料を採用し、特殊なサイドパーツ、新設計の接続部、ローラーチェーンリンクにより、摩耗を最小限に抑えて駆動エネルギーをさらに低減。メンテナンスの際は、全パーツを交換できる。オプションの予知保全システム「スマートプラスチックセンサー」を搭載すると、軸/軸穴接続部の摩耗状態を監視し、規定の摩耗限界を超えるとセンサーから信号が送られるためメンテナンスを事前に計画できる。

 新世代STSクレーン搭載用のケーブル保護管には、重い積載物をより速く、より長く運搬することが求められる。高荷重向けのP4HD.56Rロールeチェーンは、こうしたクレーン業界における新たなトレンドに着目して開発。用途にもよるが最長15年の耐用年数が見込まれる。摩擦特性を最適化した高機能ポリマーを使用し、あらゆる箇所で摩耗をより低減するための設計改良を行うことで、長寿命を実現した。

 まず、内蔵されたローラーにより、スライド走行に比べて必要な駆動力を57%低減。ローラーは互い違いに重なり合って動く。また、くし歯状のオートグライドクロスバーによってロールeチェーンを軌道に乗せることでシステムの安全性が高まり、想定外のダウンタイムを減らす。さらに、新しい軸/軸穴接続部には、耐摩耗性に優れる高性能ポリマー「イグリデュール材料」を採用し、寿命を大幅に延ばした。

 ドイツ・ケルンにある3800mm2のイグス社内試験施設で行ったテストでは、P4HD.56Rは前モデルのP41.56よりも最大50%長寿命であることが実証されている。

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ジェイテクト、4月に軸受など全事業ブランドをJTEKTに統一

2年 10ヶ月 ago
ジェイテクト、4月に軸受など全事業ブランドをJTEKTに統一kat 2022年01日20日(木) in

 ジェイテクトは、光洋精工と豊田工機の合併による2006年の発足以降も産機・軸受事業ブランドの「Koyo」、工作機械・システム事業ブランドの「TOYODA」を継承し営業を展開してきたが、このほど事業間の垣根を取り払って真の合併を遂げ、すべての顧客ニーズに応え、さらなる成長を遂げる目的で、本年4月に自動車、産機・軸受、工作機械・システム、新規事業の全事業ブランドを「JTEKT」に統一する。

 

事業ブランド統一を発表したジェイテクト・佐藤和弘社長


 

従前の各事業ブランド(表左)と統一ブランド(表右)

 

 自動車の電動化、生産設備の自動化・省人化、脱炭素社会の実現など、同社顧客と社会のニーズが高度化・多様化していることに加え、新型コロナウイルスの蔓延や半導体供給体制のひっ迫など問題なども起こり、企業を取り巻く環境は、先行き不透明で将来予測が困難な状況となっている。

 こうした環境下で旧態依然の体制を維持したままでは、持続的な成長の実現できないとの考えから、同社では2021年を「リボーン元年」と位置付け、役員体制の刷新、本店所在地の刈谷市移転、既存事業の技術シナジーの創出、営業機能の拡充、グループ会社の再編などを積極的推し進めてきた。

 同社では事業部間の一層のシナジーを実現し、合併企業として真に一つの企業となる目的で事業ブランドをJTEKTに統一。事業ブランド統一というリボーンにより、技術・営業・生産のシナジーをさらに高め、すべての顧客のニーズに応え、取り巻く環境が予測不可能であっても持続的成長を実現していく。

 事業ブランド統一により今後は、各事業本部が有する技術のシナジーを一層創出するなど製品力の一層の強化を進めるとともに、軸受ユーザーへの工作機械の提案などクロスセールス活動の推進などの営業力の強化も活発化させる。

 同社では、「グループ各社の商材、技術の強みをさらに引き出すグループ間シナジーの創出を進め、軸受メーカーであり工作機械メーカーであり、No.1のステアリングメーカーでもある自動車部品メーカーの強みを活かし、ブランド力を一層高めすべての顧客のニーズに応える提案力を強化していく。トヨタグループへの一層の貢献をするとともに、すべての顧客にとってNo.1&Only Oneの存在になることを目指していく」とコメントしている。

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日本工作機器工業会、2022年新年賀詞交歓会を開催

2年 10ヶ月 ago
日本工作機器工業会、2022年新年賀詞交歓会を開催 in kat 2022年01日18日(火) in

 日本工作機器工業会は1月14日、東京都港区の芝パークホテルで、「2022年新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は寺町彰博会長(THK社長)が、2021年1月~12月の同工業会会員企業の販売額が前年同期比49%増の1985億円と当初予想の1674億円を大幅に上回る見込みであり、12月が予想数値であることから2000億円に届く可能性もあることを報告した。ボールねじや直動案内などの部分品は同72%増、チャックなどの工作物保持具が同45%増、ツーリングなどの工具保持具関係が同22%増、割出用アタッチメントなどの付属機器関係が同28%増だった。

挨拶する寺町会長


 寺町会長は続いて、以下のとおり挨拶を行った。

 工作機器と関連の深い工作機械業界、半導体製造装置業界、ロボット業界では、2021年から2022年にかけて好調な状況が続くであろうとの見方が示されている。しかし大きく三つの不安要因があり、予断を許さない状況だ。

 一つ目は、米国では働き手の不在による荷下ろしができず、内陸の陸送もドライバーがいない、荷下ろしがスムーズにいかないといった物流関係の問題で、今なお続くこの国内外の物流関係の大きな問題が経済成長に対してのマイナス要因と考えられる。

 二つ目として、材料関係の物流が回らないことによる材料価格の上昇も、全体の景気に対してマイナスの要素と見られる。

 三つ目は、グローバルでのサプライチェーンがストップする問題だ。新型コロナウイルスの蔓延によって中国やASEANなどでの工場の操業が停止せざるを得ない状況になり、一時期的に物が不足する状況が物流の停滞と合わさって、納入の遅れが膨らみ、物の不足から過剰な先行発注につながることで真の需要を見えにくくして投資が進んでいる可能性がある。この物流・生産の停滞が整流化した時にどう変化するのか。経済停滞が起こった際に整流化が極端に進むことを考えると、実態が見えていない現況にはマイナスの要素が潜んでいるのではないかと懸念される。

 一方、全体的に見ると地政学的なリスク、東西の対立が明確化してきているものの、これはマイナス要素だけではなくプラス要素もある。日本でも台湾TSMCや米国マイクロンの日本進出によって半導体分野の復活という話もあり、工場が新設され機械導入の投資が進む中で、工作機器の業界にとって多くのプラスとなるビジネスチャンスが出てくると考えられる。

 他方で、時代も様々に変わってきており、特にコロナ禍でConnectedが非常に進展し新たな仕組みが構築されてきている。自動車業界で言われるCASE(Connected:IoT化、Autonomous:自動運転、Shared & Services:カーシェアリング、Electric:電動化)やMAAS(サービスとしてのモビリティー)は仕事の仕方や仕事の進め方、物の開発の方向性など、自動車に限らず様々なものを変えていく。Connectedに加えて、自動化やロボット化などで人に頼らないシステム作りといったAutonomous、余っている設備を共同で効率的に使うSharing、機器の省エネ追求といったElectricと、工作機器の業界にとってもCASEは重要課題で、そうした変化する環境にしっかりと対応することが重要。

 もはや日本企業同士で争っている状況にはなく、あらためて会員企業同士で相互補完し、互いの良い点を共有していく時代に入った。引き続き、会員企業相互の協力関係のさらなる構築が望まれる。

kat

NTN、軸受診断アプリ体験用の機器無償貸出サービスを開始

2年 10ヶ月 ago
NTN、軸受診断アプリ体験用の機器無償貸出サービスを開始kat 2022年01日18日(火) in

 NTNは、Edgecrossコンソーシアム(ECC)が提供する産業用IoTプラットフォーム「Edgecross」対応の軸受診断アプリケーションを昨年夏に開発、無料体験版を提供しているが、今回、導入を検討するユーザー向けにECCが無償提供するPoC構築支援サービスに本アプリが追加された。ユーザー側で機器類を準備することなく、本アプリの無料体験版を試用することが可能となる。

 ECCが提供するPoC構築支援サービスは、IoTシステム構築を検討するユーザーに、ECCがEdgecross基本ソフトウェアをインストールした産業用PCや関連機器(PoCキット)を一定期間無償で貸し出すとともに、ユーザー元で必要な設定作業を支援するサービス。収集データの変更やダッシュボード画面のカスタマイズなども可能で、ユーザーはPoCキットを用いて「データ収集」や「見える化」を事前に確認、検証できる。今回サービスが拡充され、本アプリと周辺機器(振動センサ、データロガー)がPoCキットに加わった。

 NTNが開発した本アプリは、軸受近傍に設置された振動センサのデータを収集し、軸受の異常を診断するEdgecross認定製品。簡単・迅速に診断でき、軸受情報や運転情報などの設定が不要で、同社以外の軸受も診断できる。設備や稼働状況を監視し、生産現場でデータをリアルタイムに収集・分析することで、設備の不具合や故障をいち早く知り、メンテナンス性や生産性の向上に貢献する。

 PoC構築支援サービスを利用することで、機器類を準備することなく、より手軽に本アプリの体験版を利用できる。本アプリの無料体験版はEdgecrossマーケットプレイスに出品中。

 NTNの軸受診断アプリケーションの特徴は以下のとおり。

1.軸受のリアルタイム診断:軸受を短時間(3~10秒ごと)で診断
2.軸受情報の設定が不要:診断対象の軸受情報や運転状況の設定が不要で、NTN製以外の軸受の診断も可能
3.シンプルな出力:診断開始時点を基準に状態レベルを4段階で出力するほか、診断結果を最大16ヵ所まで同時に確認
4. 導入、運用にインターネット接続が不要

軸受診断アプリケーションの構成例

 

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THK、ミニチュアローラータイプの直動案内を受注開始

2年 10ヶ月 ago
THK、ミニチュアローラータイプの直動案内を受注開始kat 2022年01日12日(水) in

 THKは、ローラータイプ直動案内(同社商品名:LMガイド)の中で最小サイズとなるミニチュアローラータイプLMガイド「HRG8、10、12」の受注を開始した。

 

HRGシリーズ

 

 HRGは、転動体にローラーを使用したLMガイドで、ローラーならではの特性とユーザーニーズに対応した新たなラインナップ。ローラータイプの中では最小サイズとなるHRG8、10、12は、同サイズのLMガイドと比較し、高剛性、長寿命化を実現するほか、4方向からの作用する荷重に対して許容できる構造のため、あらゆる取付姿勢(壁掛け/水平/逆さ/立て)での使用が可能となり幅広い用途で使用できる。

 近年、実装機をはじめ装置市場では省スペース・高タクト化が一段と加速しており、小型で高剛性のLMガイドが求められていたが、ローラータイプLMガイドHRGはそのニーズに対して機能価値を提供できる優位性を備えた製品となっている。

 製品ラインナップは、レール幅8mm、ブロック幅16mmのHRG8、レール幅10mm、ブロック幅20mmのHRG10、レール幅12mm、ブロック幅27mmのHRG12の3形番で、ブロックタイプはショートタイプ/標準タイプ/ロングタイプの中から選定できる。

 新製品の特徴は以下のとおり。

・ローラータイプLMガイドの中では最小サイズで、形状がコンパクトのため省スペースが求められる箇所に最適

・HRGが持つローラー特性により、同サイズのLMガイドと比較し、高剛性、長寿命化を実現

・LMブロックに作用する4方向に対して同一の基本定格荷重となるよう設計されているため、あらゆる取付姿勢(壁掛け/水平/逆さ/立て)での使用が可能となり、幅広い用途に使用できる

4方向等荷重で多様性の豊かな取付姿勢


 

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ジェイテクト、モデルベース開発で転がり軸受の設計期間短縮と性能向上を実現

2年 10ヶ月 ago
ジェイテクト、モデルベース開発で転がり軸受の設計期間短縮と性能向上を実現kat 2022年01日12日(水) in

 ジェイテクトは、転がり軸受の新規設計でモデルベース開発を取り入れ、活用している。設計品質の向上から製品品質向上につなげ、転がり軸受の設計期間を大幅に短縮している。

 近年、自動車の電動化が加速していく中で、高速回転化やトルクの低損失化が一層求められている。過酷な条件下で使用される軸受設計のために、ジェイテクトでは、開発したい軸受のモデルを製作し同モデルをベースにシミュレーション技術を活用することで開発期間短縮と製品品質向上につなげる高効率な開発手法「モデルベース開発(MBD)」を積極活用し、転がり軸受の設計期間を短縮するとともに、新たな付加価値を備えた新製品の開発を進めている。

MBDのイメージ

 

 たとえば高速回転で軸受を使用する場合、内部の各部品には大きな遠心力が作用し、通常回転時に比べ、非常に過酷な稼働状態となる。また、回転する玉の位置決めを行う保持器には、それらに加えて玉の進み遅れによる衝突力が繰返し作用する。

 高速回転下において、破損や焼付きが発生しない軸受を開発するためには、それらの作用力を正確に見積もることが求められる。ジェイテクトでは、軸受設計用の専用解析プログラムを自社開発し、軸受寿命や保持器耐久性などについて、設計者自らが事前検証することを可能にしている。特に、主に保持器の耐久性評価に用いる軸受の動解析プログラムは、品種ごとに専用のモジュールを開発し、新開発の軸受についても迅速に開発できる体制を築いている。このようなMBD化の推進により、従来2年程度を要していた新しい軸受の開発期間を約1年に短縮することに成功した。

軸受専用解析プログラムの活用例

 

 高速回転軸受の耐久性を保証するための新たな課題として、潤滑油が適切に供給されるのかどうかを事前に把握する必要がある。ジェイテクトは豊田中央研究所との協業により、石英ガラスで製作した軸受に特殊な蛍光剤を混入した潤滑油を流し込み、高速撮影システムで内部の油の流れ方を観察できる新しい試験装置を開発した。これにより、世界で初めて20000min-1の高速回転域における軸受内部の油流れを可視化することに成功し、高速領域特有の希薄潤滑状態を直接観察することを可能にした。これらの結果と油の流れ解析シミュレーションとの相関を取ることにより、軸受内部に流入する潤滑油の量を事前予測できる。

油流れの可視化事例

 

 ジェイテクトではこうした技術が、軸受ユーザーの各種ユニットにおける潤滑設計に大きく貢献できるものと見ており、以下の点で貢献できると見ている。

・品質の高い軸受製品を短納期で提供でき、ユーザーの開発期間の短縮に貢献
・ユーザーのユニット性能を向上させる軸受仕様を提案

 ジェイテクトがMBDを活用した事例では、2021年6月にリリースされた世界最速レベルとなるdmn値(ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1))が185万の電気自動車モーター用高速回転グリース玉軸受を、わずか1年で開発完了した。こうした新たな提案により、モーターの小型・高出力化による高速回転化に対応し、電費向上と航続距離の延長に貢献していく。

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砥粒加工学会、3/4に先進テクノフェア(ATF2022)をハイブリッド開催

2年 10ヶ月 ago
砥粒加工学会、3/4に先進テクノフェア(ATF2022)をハイブリッド開催kat 2022年01日07日(金) in

 砥粒加工学会は本年3月4日10:00~17:00に、学術講演会に次ぐ学会員交流の大きなイベントである「先進テクノフェア ATF (Advanced Technology Fair)2022」(https://www.jsat.or.jp/node/1261)をハイブリッド開催する(新型コロナウイルス感染症の状況により、完全オンライン開催に変更する場合もあり)。リアル開催は大田区産業プラザPiOを会場として、「ATF講演会」、「卒業研究発表会」、「砥粒加工学会推薦企業:リクルートフェア」の開催を予定。今回の講演会テーマは、「今、日本のものづくりに必要なことを語る~将来展望と最新技術~」としている。

 

 デジタルトランスフォーメーション技術の普及や少子高齢化社会の到来、省人・無人化、ひいては脱炭素に象徴される社会構造の変化やコロナ渦に伴う価値観の変化などに起因して、ものづくりは大きな変革点を迎えているといえる。

 そこで本講演会は、ものづくりの将来展望について大いに議論する機会とすべく企画。日本のものづくり産業全体を通した将来像、その中での今後の砥粒加工技術の見通し、そして将来の製造現場で必ずやキーテクノロジーとなると目されるトピックについて、それぞれの分野の第一人者から講演がなされる。

 行事内容は以下のとおり。

1) ATF 講演会(10:00~): 「今,日本のものづくりに必要なことを語る~将来展望と最新技術~」 
「コロナ後の日本のものづくり~独自技術で耐える~」橋本久義氏(政策研究大学院大学)
「砥粒加工の将来展望」向井良平氏(三井精機工業)
「研削加工の技能継承を達成するソフトウェアの提案とその開発」村瀬信義氏(ナガセインテグレックス
「FA-IT 統合ソリューションによる工作機械デジタルツインの実現」藤田智哉氏(三菱電機)
「次世代デジタルファクトリーを実現したDX・デジタルツイン技術」角淵弘一氏(オフィスエフエイ・コム)

2)砥粒加工学会推薦企業:リクルートフェア(10:00~): ものづくりに興味のある学生とものづくりに関わる企業をマッチングする企画

3)卒業研究発表会(13:00~):大学・高専における卒業研究をポスター展示+オンラインでのショートプレゼン形式で発表、講演会参加者も随時参加可能

4)技術交流会(今後の感染症流行状況をみて、後日、開催するかを判断)

講演会 参加費:

会員:事前申込 12,000円、当日申込 20,000円

非会員:事前申込 20,000円 当日申込 20,000円

学生会員:無料

学生非会員:6,000円

定員: 250名
*PiOでの対面聴講の定員は80名

申込方法:砥粒加工学会WEB サイトより登録できる

https://www.jsat.or.jp/ATF2022_Kouenkai220304

参加申込締切:2022 年 2 月 10 日(金)

申込・問合先:(公社)砥粒加工学会 事務局
〒169-0073 東京都新宿区百人町2-22-17 セラミックスビル4F
TEL 03-3362-4195 FAX 03-3368-0902
E-mail staff@jsat.or.jp

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SEMICON Japan 2021 Hybridが開催

2年 10ヶ月 ago
SEMICON Japan 2021 Hybridが開催 in kat 2021年12日29日(水) in

 SEMIは2021年12月15日~17日に東京都江東区の東京ビッグサイトで、エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会のリアル展示に加えてバーチャル展示も併設した「SEMICON Japan 2021 Hybrid」を開催した。「次代のコアになる。」をテーマに、IoT機器、自動車、工場自動化、医療、家電など、あらゆる産業のキーデバイスである半導体関連技術のほか、電気自動車や空飛ぶクルマなど半導体のアプリケーション展示もなされた。9ヵ国から約452社・団体が1358小間の規模で出展、26626名が来場した。

開催のようす:東京エレクトロンのブース


 半導体製造装置においては「微細化の進展」と、微細化によらず集積度を向上できる「3D NANDフラッシュメモリーの高度化」が進展する中で、ベアリング・モーション機器関連では、半導体製造装置を高精度・高速に稼働させつつコンタミネーションの発生を抑え、また長期稼働の信頼性を支える各種の製品技術が紹介された。

 木村洋行は、宇宙機器で多くの実績を持ち、同じく真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている「ケイドン超薄型ボールベアリング」を展示した。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-8~10-12Torrレベルの高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現している。また、半導体製造装置の回転機構の小型・軽量・簡素化が図れる省スペース設計によって、半導体製造プロセスにおいてはウェハ搬送ロボットからウェハ研磨装置、フォトリソグラフィー装置、検査装置など、前工程から後工程まで広範な装置に適用されていることをアピールした。

木村洋行 「ケイドン超薄型ボールベアリング」


 THKは、軸受に求められる機能と非磁性を高次元で両立する直動案内「LMガイド」、ボールねじ、ボールスプライン、クロスローラーリングといった「高機能非磁性製品」を紹介した。磁気をほとんど帯びず、かつ軸受に適した硬度を持つ特殊合金「THK-NM1」を使用することで、比透磁率が1.005未満という高水準の非磁性を実現、強磁場を発生させる核磁気共鳴画像装置(MRI scanner)や電荷を帯びた粒子を扱う電子線描画装置などでの使用に最適。また、特殊熱処理技術により、軸受に適した硬度が得られることで、従来のオーステナイト非磁性鋼と比べて大幅に優れた耐荷重性能を発揮、従来よりも小型形番を選定できるため装置全体のダウンサイジングに貢献できる。さらに、軸受として適度な弾性を有するため、予圧を付与できることから、すき間なく滑らかな動きが可能となり、高精度な動作を実現する。

THK 「高機能非磁性製品」

 

 日本トムソンは、ウォームギア機構を採用した無限回転ステージ「SK…W」を紹介した。回転案内部にクロスローラベアリングを組込み、テーブル上面の振れ量5μm以下と高剛性を実現するほか、クロスローラベアリングを直接テーブルとすることで低断面化が図れる。また、リニアモータテーブル「LTシリーズ 高推力仕様2」を披露した。リニアモータテーブルLTは、可動テーブルとベッドの間にACリニアサーボモータを組み込み、光学式リニアエンコーダを内蔵したコンパクトな高精度な位置決めテーブル。軽量な可動テーブルと大きな推力で、高加減速、高応答な動作を可能にしているが、高推力仕様2は、既存の高推力仕様1と比べ、約 17%の定格推力アップを実現。コンパクトながら最大推力390Nを実現し、重量物でも精密な位置決めが可能。高加減速、高応答な位置決めを実現し、タクトタイムの短縮に貢献する。

日本トムソン 「SK…W」と「LTシリーズ 高推力仕様2」

 

 日本ベアリングは、精密ローラーを使用した非循環方式の直線運動軸受「NBスライドウェイNV形」を展示した。精密研削加工された軌道台とスタッドローラーを内蔵したRリテーナー(樹脂製)で構成。軌道台はスタッドローラーが滑らかに動くように最適設計が施され、Rリテーナーのスタッドローラーにより軌道台と転動体のスリップがなく、昇降やタクトの速い動作に適している。ローラーとそれを案内する軌道体とにスリップ防止機能を持たせ、作動中におけるローラースリップの防止を実現。ブースではNV形を使ったルーレットゲームによるデモンストレーションが実施された。また、コンパクトタイプのボールねじスプライン「SPBR-KP形/SPBF-KP形」を展示。いずれも1軸で「位置決め」「直線運動」「回転運動」が行え、これらの運動を組合わせることでスパイラル運動やスカラ形ロボット、組立機、ローダーなど様々な機械に使用できる。

日本ベアリング 「NBスライドウェイNV形」


 ハイウィンは、自社製DD(ダイレクトドライブ)モーターやクロスローラベアリングを搭載し、12インチ(300mm)ウェハまで対応できる高剛性で高性能なウェハ搬送ロボット「RWシリーズ」を展示した。高価なDDモーターをはじめACサーボモーター、ボールねじ、リニアガイドウェイといった主要コンポーネンツが自社製のため、ハードウェアとソフトウェアを統合し高品質でリーズナブルな価格を実現している。また、同社ではウェハ搬送ロボットなど各種ロボット・自動化システムの導入におけるPoC(概念検証)から実際の導入、運用におけるティーチング、メンテナンスまでを支援する「ロボット技術センター」を東京都府中市に開設しているが、ロボット技術センターの出張ラボをブース内に設け、ワークを持ち込んでもらっての自動化に向けた無料相談・検証などを実施した。

ハイウィン 「ロボット技術センターの出張ラボ」


 

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イグス、低反射で耐久性に優れたメンテナンスフリーのスライド機構を開発

2年 11ヶ月 ago
イグス、低反射で耐久性に優れたメンテナンスフリーのスライド機構を開発kat 2021年12日21日(火) in

 イグスは、耐食性に優れた黒アルマイト処理アルミニウム製のリニアガイド「ドライリンNT黒色(反射防止)伸縮型レール」を開発した。例えば、キャンピングカーの内装のスライド機構として取り付けることで、キッチンユニットやベッド等を安全・コンパクトに収納し、簡単に使用できるよう設計できる。低反射のダークカラーはあらゆる環境になじみやすく、軽量で耐久性に優れた本製品によって、各種設備を長く使い続けることを可能にしている。

 旅行好きな人の中には自身のバンをキャンピングカーに改造することが趣味の人もいるが、車内のスペースや収納を最大限に活用するには、特殊寸法でカスタム仕様のスライド機構が必要となる。

 イグスはこうした需要に応えるため、ドライリン リニアガイドのコンパクトな伸縮型レールのラインアップを拡充した。新しいリニアガイド「ドライリンNT黒色(反射防止)伸縮型レール」は、スムーズな走行とメンテナンスフリーのスライド機構を実現。この伸縮型レールの最大の利点は、非常に軽量であることと、潤滑剤なしで動作するため耐久性と清潔性に優れていることで、金属製ボールの代わりにメンテナンスフリーのプラスチック製スライド部を使用しているため、屋内外を問わず静かな動作を実現する。

 黒アルマイト処理されたレールは、低反射で、どのような環境にも目立たずフィットする。用途に合わせて、アルマイト処理されたシルバー色の伸縮型レールも用意。レールは用途に応じてmm単位での注文が可能で、部分拡張、全拡張、および過拡張のスライド機構としてすぐに取り付けができる。

 ドライリン伸縮型レールの高い耐荷重性は、イグスの社内試験施設で実証済みで、長さ500mmのドライリンNT-60伸縮型レールを2 本設置した引き出しで試験したところ、180Nの荷重に耐えた。また、DIN EN 9227 / ASTM-B-117に準拠した塩水噴霧試験(NSS)では、優れた耐食性を示した。

 イグスは現在、この伸縮型レールを35mmと60mmの2サイズで提供しており、拡張時の最大長さはサイズ35で600mm、サイズ60で2000mm。端部にはオプションでラッチ機構を付けることも可能となっている。

 

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エボニック、2年ぶりとなる忘年会をオンラインで初開催

2年 11ヶ月 ago
エボニック、2年ぶりとなる忘年会をオンラインで初開催kat 2021年12日20日(月) in

 エボニック ジャパンは11月24日、続くコロナ禍でもオンラインで社内コミュニケーションを促進する目的で、2年ぶりとなる忘年会をオンラインで初めて開催した。120名の同社社員が自宅から参加し、約2時間半のイベントを楽しんだ。同社ではこのほか、2020年3月から導入しているテレワーク期間中にオンラインによる雑談会やイベントを計30回近く開催している。

オンライン忘年会のようす

 

 同社では、福利厚生の一環、社員間の交流、そして、経営陣が社員に感謝を伝える機会として全社イベントである忘年会の開催を重視してきた。そのため、約8割の企業が本年も忘年会を「開催しない」と決定した(東京商工リサーチ第2回・2021年「忘・新年会に関するアンケート」調査より)中、同社では、社員の安全を最優先しつつ社内コミュニケーションを促進すべく、オンラインでの忘年会開催を決めたもの。参加者は自宅から参加し、届けられた食事ととともにチームビルディングのゲームや同僚との歓談をオンライン上で楽しんだ。

 忘年会の開始にあたり、同社のフロリアン・キルシュナー社長は「コロナ禍、この1年業務に励んでくださった皆をどうしても労いたいと思っていた。食事を楽しみながらリラックスした時間を一緒に楽しもう。オンライン越しではあるが、マスクなしで皆の顔が見られて本当に嬉しい」とコメントした。

 同社では、新型コロナウイルスの感染リスクから社員の健康と安全を守る目的で、2020年3月からテレワークをいち早く導入。一方で、社員間の交流の場である雑談の機会がテレワークで失われてしまうことを懸念し、オンライン上での社員コミュニケーションの機会を提供してきた。

 経営陣や社員がホストを務める「オンライン雑談会」は、2020年10月からこれまで計30回近く開催され、プレゼン上達法や、海外駐在時の経験共有などビジネスに関わるものから、アウトドアやスポーツ、旅行などの趣味に関わるものまで、多彩なテーマで社員間が交流を深める機会となっている。

 オンライン雑談会の参加者からは「テレワークで同僚と話をする機会が減っていたので楽しかった」、「部署を超えて他拠点の人たちとの交流がありがたかった」、「直接話すことが少ない経営陣の意外な一面を知ることでより親しみがもてるようになった」、「普段の雑談や業務中では聞けない仕事術を聞くことができ大変参考になった」といったコメントが寄せられている。

 同社では引き続き、社員の健康と安全を第一に優先しながら、社内コミュニケーションを促進し、より社員が参画しやすい働きやすい組織づくり、生き生きとした職場づくりを目指していく考えだ。

オンライン忘年会で社員に届けられた食事の例


 

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木村洋行、超薄型ボールベアリング、電動アクチュエータおよびローラースクリューを半導体分野や加工分野で適用展開

2年 11ヶ月 ago
木村洋行、超薄型ボールベアリング、電動アクチュエータおよびローラースクリューを半導体分野や加工分野で適用展開kat 2021年12日14日(火) in in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)は長年にわたり販売に携わってきたケイドン社の超薄型ボールベアリングと、2020年から取扱いを開始したEWELLIX(エバリックス)社の電動アクチュエータについて、半導体分野や加工分野などでの適用拡大を推進している。

 ここでは、それら製品技術の適用の利点について紹介するとともに、その利点を活かした半導体分野および加工分野での各種アプリケーションや、日本国内における今後の展開などについて紹介する。

  超薄型ボールベアリング 概要と特徴

 1941年に創業されたKAYDON(ケイドン)社は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング(Reali-Slimシリーズ)を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーで、現在はSKFグループとして超薄型ボールベアリングを中心に、あらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けている。

 

内径が大きくなっても断面サイズが一定のケイドン超薄型ボールベアリング

 

 ケイドン超薄型ボールベアリングは内径25.4~1016mmまでのサイズをくまなくラインナップしている。最大の特徴はベアリング断面が超薄型であるため、装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れるため、設計の自由度が向上する点が挙げられる。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある。
 

超薄型ボールベアリングの種類

 

 ケイドン超薄型ベアリングの中でも特に、複合荷重を受けられる4点接触型を使用することで大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さをさらに短縮できる。気体・液体の配管類、あるいは電気配線やスリップリング等を中空シャフト内に収納できるなど、フレキシブルで効率的なデザインにできる。

 キングポストデザインのISO 7010組み合わせベアリングから4点接触型超薄型ベアリングで中空シャフトを用いた機構への置き換えではまた、内径寸法を大きくできるため耐モーメント荷重を50%程度向上させている。

 回転軸に垂直に加わるラジアル荷重を支えるよう組み付けられたベアリングでは、例えばISO 6010深溝ボールベアリングでは下部約150°の範囲の転動体で荷重を分散支持しているが、ケイドン4点接触型では同じ荷重分布でラジアル荷重を支持しつつ、80%以上の軽量化・省スペース化を実現できる。
 

典型的なラジアル荷重負荷分布での、ケイドン4点接触超薄型ベアリング(左)と
ISO 深溝ボールベアリング(右)との比較

 

半導体分野でのニーズと適用

 ケイドン超薄型ベアリングは1960年代のアポロ計画の宇宙服のヘルメットリング向けに採用され、その後も、米国航空宇宙局(NASA)の月面探査車向け等に宇宙空間の厳しい仕様環境に耐えるベアリングとして採用されている。

 宇宙環境下では軽量・省スペース化が求められるとともに、真空環境、極低温~高温の幅広い温度領域で精密な動きを求められ、ベアリングにとって非常に過酷な環境での稼働と高い信頼性を求められる。そのため内外輪の材質だけでなく、ボールや保持器の材質、潤滑剤の選定などでケイドン社の長年の経験が活かされている。

 こうした宇宙機器での実績からケイドン超薄型ボールベアリングは、同じく真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている。

 半導体製造プロセスにおいて軸受には、回転の高精度化を損なうことなく、真空~高真空への対応、電子部品や光学レンズに悪影響を及ぼすアウトガス対策やコンタミネーションの低減、コンタミネーション発生につながる摩擦・摩耗の低減、プロセス中で使用されるガスによる腐食への耐性、ドライエッチングやCVDなどのプロセスに対応した耐熱性などを持たせることが要求される。

 これに対しケイドン超薄型ボールベアリングは、独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-8~10-12Torrレベルの高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現している。

 ケイドン超薄型ボールベアリングのこうした性能のほか、半導体製造装置の回転機構の小型・軽量・簡素化が図れる省スペース設計によって、半導体製造プロセスにおいてはウェハ搬送ロボットからウェハ研磨装置、フォトリソグラフィー装置、検査装置など、前工程から後工程まで広範な装置に適用されている。

 またケイドン社では宇宙分野から続く真空環境で高い信頼性をもって運転できるベアリングの材料技術・潤滑技術に関する豊富な知見とノウハウを備えており、クリーンルーム内でベアリング各部品を洗浄し、組み立てを行い、ユーザーの仕様に最適なグリースを封入して納入する「クリーン・パック」を行うことで清浄度の高いアプリケーションにも使用できる。

 

電動アクチュエータ 概要と特徴

 木村洋行では2020年1月から、EWELLIX(エバリックス)社の直動製品の取扱いを開始している。エバリックス社は、SKFグループだったSKF Motion Technologies社を前身とする直動製品メーカーで、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評がある。中でも特徴のあるピラー型電動アクチュエータは、ストローク長や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、高荷重という厳しい仕様条件に対応しながらも、低騒音かつ堅牢さが求められる厳しいニーズにも対応できる。
 

ピラー型電動アクチュエータ  加工分野での適用

 加工分野で適用の進む協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボット自体を垂直方向に動作させることにより、作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~900mmで、最大許容荷重は1500Nとなっている。

 ロボットの基台としてピラー型アクチュエータである「LIFTKIT」を使用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できる。

 またLIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレースなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT2.0」も提案している。ボールねじ駆動のSLIDEKIT2.0の水平方向のスライド長は100~1800mmで、最大許容荷重は10900N(動的)と12100N(静的)、最大動的モーメント荷重は2400 Nm(Mx)、1800 Nm(Mz)となっている。

 直近ではベルト駆動のタイプが開発・追加され、水平方向のスライド長3000mmを可能としており、長い同一の生産ライン上にある、複数のセル生産装置の間でのワークの受け渡しや複数の加工工具の段取り替えといった作業の効率を高めることで、加工の生産性を向上できる。
 

SLIDEKIT2.0を用いた複数のセル生産装置でのワークの受け渡しイメージ
スライド長3mまで対応

 

 ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能であり、その場合協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる。

 SLIDEKITおよびLIFTKITは当初、ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、現時点でUR社、オムロン、ABB社、台湾テックマン(TM)社の4社の協働ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングペンダントによって、協働ロボットとSLIDEKITおよびLIFTKITの動作制御が可能となっている。

 

遊星型ローラースクリュー 概要と特徴

 エバリックス社の直動製品の一つとしてローラースクリューがあるが、実はローラースクリューはもともと、エバリックス社の前身の会社(SKF傘下となる前の創業会社)が世界に先駆けて開発・製品化しており、そうした意味でエバリックス社はローラースクリューのパイオニアといえる。

 特に遊星型ローラースクリューに特徴があり、ねじとねじとのしゅう動という構造によって高剛性化を実現している。同サイズのボールねじよりも高荷重を受けられ、動定格荷重3994kNまで対応できるため、コンパクト化と耐久性の向上(長寿命化)が図れる。

 エバリックス社ではローラースクリュー単体での提案だけでなく、エバリックス社製電動アクチュエータ内部のボールスクリュ―をローラースクリューにすることでさらなる性能向上を図り、以下のような用途でも適用されている。
 

遊星型ローラースクリュー

 

加工分野での適用例

 射出成形機やブロー成型機などの樹脂成形の装置では、油圧駆動アクチュエータが用いられてきたが、遊星型ローラースクリューを用いた電動アクチュエータに替えることで、制御性や分解能を向上でき、必要とされるエネルギーを大幅に削減できるほか、油圧作動油の管理といったメンテナンスコストが削減できるなど、生産コストの低減と生産効率の向上に寄与できる。
 

射出成形機への適用例

 

 また、高圧付加の動作が必要とされるサーボプレス機などの金属成形の装置では従来、油圧アクチュエータが用いられてきたが、エネルギー消費量が多いことや制御性に劣ることなどが問題となっていたが、ローラースクリューを使用した電動アクチュエータに置き換えることで、高精度で再現性の高い位置決めと制御性の良好な荷重付加を実現、プロセスの品質と再現性を改善することで成形加工の生産性を向上させている。
 

サーボプレス機への適用例

 

今後の展開

 ケイドン超薄型ベアリングは、軽くて安定した起動トルクと回転トルク、高い回転精度を実現できるといった利点から注目されてきているが、木村洋行ではさらに、上述した半導体分野での適用のように、軽量・コンパクトで厳しい条件で使えるベアリングであることを引き続き訴求していく考えだ。

 超薄型ベアリングのパイオニアであるケイドン社は2013年に世界第一位のベアリングメーカーであるSKFのグループとなり、以来、SKFのノウハウ・知見を注入した基礎研究や生産技術を利用したものづくりを進めてきている。現在では「超薄型」を謳う後発のメーカーも出てきているが、SKF協力のもとでケイドンが実施した寿命試験結果を見ると、他社製との耐久性の差は明らかである。

軸受の基本定格寿命(L10)の比較

 

 ケイドン超薄型ベアリングは長年にわたる品質向上のための技術や製造上の工夫などの蓄積によって超薄型ながら高い負荷容量、長寿命化を実現している。ベアリングは各種機械を安定稼働させるための主要な機械要素であるため、木村洋行では、ベアリングの突然の故障に伴う機械・ラインの突発停止などがない、生産効率向上につながる信頼性の高いベアリングを選定してもらう取組みを強化していく。

 一方、木村洋行では、2020年から取り扱いを開始しているエバリックス社の製品についての性能や利点に関する知見や適用の可能性についてもかなり把握できている。実績の豊富な医療分野での電動アクチュエータやローラースクリューの各種のメリットを加工分野などほかの産業分野にアピールし採用を促していく。

 木村洋行では以前より、機械を正常に稼働させるための技術的サポートを重視している。ケイドン社、エバリックス社の各種製品の特質を活かして、量産時に本来の機能を発揮できる正しい使い方をユーザーに伝達・提案していくことで、現場の様々な課題の解決に努めていく。
 
軸受の基本定格寿命(L10)の比較
 

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エボニック、東日本大震災被災地復興への取組みを継続

2年 11ヶ月 ago
エボニック、東日本大震災被災地復興への取組みを継続kat 2021年12日14日(火) in

 エボニック ジャパンは、東日本大震災発生から10 年を迎えた今年7 月、ドイツのサッカークラブ ボルシア・ドルトムント(BVB)との共催で「3・11 を忘れない」というテーマのもと、チャリティ・オークション・イベントを企画、開催した。ドイツのBVB と、宮城県東松島市、BVB のローカルパートナー企業、ファンクラブの会員、そして、エボニックグループの社員がオンラインで集まり、オークションが開催され、イベントで集まった収益金、約330000円は、東松島市(2021年8月24日付)、社会福祉法人ふじの園、公益社団法人ハタチ基金(2021年9月24日付)にそれぞれ寄付された。

チャリティ・オークション・イベントの様子

 

 エボニックではこれまで、以下のような東北への復興支援活動を実施している。

 

2011 年 震災直後:義援金の呼びかけ
 震災後すぐに義援金を募る活動が開始され、世界のエボニックグループ社員からの善意が寄せられた。さらに、エボニックがメインスポンサーを務めるBVBに当時在籍していた香川真司選手の呼びかけで開催されたチャリティマッチの収益金と合わせ、約1億6800万円もの義援金が集まった。

 2011年5月には現地へ赴き、支援活動の具体的な検討がなされ、「義援金の使い道を目に見えるようなものとすること」「ハードウェア、ソフトウェアの両面で復興支援活動を行う」という方針が決定された。

2012 年:宮城県東松島市に保育所を建設
 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)とともに、市内の7割にも及ぶ保育所が津波被害を受けた東松島市で、震災前からニーズが最も高かった矢本東保育所(宮城県東松島市)を浸水区域外に移転、新設するプロジェクトに取り組んた。このプロジェクトにより、保育所の園舎は延べ床面積で従来の約3倍、敷地面積は約4 倍、そして保育児童120人の受け入れが可能となり、2012年12月に開所した。2013年にはこの貢献に対し東松島市から
感謝状が授与された。

矢本東保育所開所記念写真

 

2013 年:「一関 藤の園」新築プロジェクトの支援
 国際NGOであるMalteser Internationalと日本や世界中各国からの寄付、さらに、カリタス・オーストリアのコンソーシアム、ドイツの救済連合、またシーメンス、アリアンツ・グループなどのドイツ企業とともに、エボニックは、児童養護施設「一関 藤の園」(岩手県一関市)の園舎の再建支援に参加した。

 新しい園舎は、再び大災害が生じても安心して暮らせるよう、再生可能エネルギーに基づく独立したエネルギーシステムを備えたもので、2013年6月に完成した。

2011年7月~:化学実験教室の開催
 保育所建設などのハード面のサポートだけでなく、ソフト面の支援活動として、2011年7月から宮城県・岩手県の学童クラブの子供たちを対象に化学実験ショーを行った。家族や友達を亡くした子どもたちを笑顔にしたいという思いで進められたこの活動は、4年にわたり合計34の拠点で開催され、参加した子どもの数は1000名を超えた。

 2021年7月:ボルシア・ドルトムントとのチャリティ・オークション・イベント東日本大震災から10年の節目を迎えた今年7月、BVBとの共催で「3・11を忘れない」というテーマのもと、チャリティ・オークション・イベントを企画、開催した。ドイツのBVBと、宮城県東松島市、BVB のローカルパートナー企業様、ファンクラブの会員様、そして、エボニックグループの社員がオンラインで集まり、オークションが開催された。イベントで参加者から寄せられた善意の収益金、約330000円は、東松島市、社会福祉法人ふじの園、公益社団法人ハタチ基金に寄付された。

 こうした取組みに対し、被災地からは同社に対する以下のような感謝の声が寄せられている。

 「震災の記憶の風化」が課題になっている中、チャリティ・オークションという温かく意義あるイベントを実施いただき、感謝している。震災がきっかけになった縁を大事にしていきたい。これからも東松島市を応援してほしい」―東松島市子育て支援課より

 「早いもので震災から10 年が経過した。当時のことを覚えている職員も子どもたちもめっきり少なくなったが、今でもエボニックの皆様から物心両面で支えていただいたことを忘れることはできない。私たち職員、皆様からの支援を心の糧に、これからも子どもたちを精一杯支えていきたいと思っている」―児童養護施設 一関藤の園 園長 渡部 俊幸氏より

 「東北の子どもたちに想いを寄せていただき、心から感謝している。宮城県石巻市でのある少女との出会いにより、『自分にできることをしよう』という考え方を変えなければいけないと思った。本当に彼女たちを支えるためには、長い時間をかけて寄り添う覚悟や、心を寄せてくださる方々に長きにわたって応援していただく方法を作らないといけないという想いから、ハタチ基金は生まれた。今後とも子どもたちが安心して、自分の可能性を広げられる場所をここ東北で根付かせていけるよう、見守っていただければ幸い」―公益社団法人ハタチ基金 代表理事 今村 久美氏より

 エボニック グループでは東北への復興支援活動として、未来を担う子供たちへのサポートに注力して取り組んできた。震災から10 年の今年、東北との絆を新たにしたエボニックは、“Leading Beyond Chemistry”というコーポレートスローガンのもと、化学を超えた取組みとして、皆様のくらしをより向上させるお手伝いととに、今後も被災地からの声に耳を傾け、支援活動を続けていく、とコメントしている。

kat

THK、ならい機構採用のロボットハンドの受注を開始

2年 11ヶ月 ago
THK、ならい機構採用のロボットハンドの受注を開始kat 2021年12日07日(火) in in

 THKは、多種多様なワーク形状にならって吸着または把持し安定した搬送ができる汎用ロボットハンドの決定版として、ならいハンドシリーズ「TNH」の受注を開始する。

ならいハンドシリーズ TNH

 

 TNHは様々なワークの凹凸に合せて12本のシャフトをならわせてロックする“ならい機構”を採用したロボットハンド。ラインナップは、12個の吸着パッドと内蔵した絞り弁でワークを吸着する「ならい吸着ハンド」、ワークの把持力と把持速度を容易に制御可能な「ならいグリップハンド」、用途に合わせてカスタマイズ可能な「ならいユニット」の3種類を展開する。

 TNHの強みとしては、ワークごとにハンドを都度交換する必要がなく、ならいハンド一つで複雑な形状のワークでも安定して吸着または把持ができ、ピックアップ時の姿勢を維持したまま搬送し着座させることが可能なことが挙げられる。

 また、ハンド本体は小型・軽量で、協働ロボットや産業用ロボットへの搭載に最適なサイズ・質量を両立している。

 これまでの一般的なロボットハンドは、ワークの形状に合わせて多種多様の専用ハンドを取り揃えておくことが必要で、多大な初期費用、交換作業のための労力と時間、収納場所の確保、さらにはスペアの準備などが負担となっていた。TNHはその課題解決に向けて開発されたもので、ワークごとに専用ハンドを取り揃える必要がなくなり、さらにハンド交換も不要になるため、初期費用の削減と生産性向上によるコストダウンが可能となるほか、今まで工程数が多くコストが見合わなかった多品種生産の混入ラインへの導入も容易になる。

 TNHが吸着、または把持できるワークは、食品をはじめ、医薬品、化粧品、家庭用品、袋物、機械部品、プラスチック製品、プレス板金、鋳物、陶器など種類と形状は千差万別で、オールラウンドに対応する。

 具体的な特徴は、以下のとおり。

1.ならい機構による姿勢の維持:12本のシャフトがワークの凸凹にならってロックする構造となっているため、複雑な形状のワークでも安定して吸着または把持ができ、ピックアップ時の姿勢を維持したまま搬送し着座させることができる

ならい機構による姿勢維持

 

2.小型軽量:ならい機構部は12本のシャフトを断面寸法□60mmに配置したコンパクトな設計で、質量は「ならい吸着ハンド」が0.5kg、「ならいグリップハンド」が1.2kgと、協働ロボットに搭載するのに最適なサイズと質量

3.取付規格はISO規格に対応:「ならいグリップハンド」および「ならい吸着ハンド」の取付フランジは、産業用ロボット・サービスロボット関連規格(ISO9409-1-50-4-M6)のロボットに取付可能

kat
Checked
1時間 6 分 ago
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